暁の翼

短編小説の保管庫でございます。

戦場の白き翼

2017年03月21日 20時28分44秒 | マイクロン伝説
「抜刀隊」を聴いて思いついた話

ジェットファイヤー(疑女化)

大砲の音が轟き、空気が震える。光弾が閃き、大地では何度も爆発が起こる。マイクロンを巡る戦い。今日もサイバトロンとデストロンは激しい戦いを繰り広げていた。銃撃戦で土煙が上がる大地を崖から見下ろす者がいた。長く赤い髪を風にたなびかせ、白い軍服を着ている。腰にはホルスターが付けられ、そこに銀色に光る銃が備え付けられている。白い肌に口には髪と同じような赤い口紅が塗られている。この硝煙がただようこの空間で彼女は砂漠に咲いた一輪の花のようだった。しかし、胸や肩を見ると、そこには大きな階級章が付けられている。それは、彼女がただの兵士ではなく、上級の将校であることを示していた。
「ちょっとばかり到着が遅かったか」
腰を屈ませて彼女は地上の戦いを凝視した。

サイバトロン軍副司令官ジェットファイヤー。司令官がコンボイが重宝している右腕である。

両軍の戦闘を見下ろしジェットファイヤーはすぐにコンボイの姿を発見した。
「司令官!どうします!?」
岩陰に隠れながらホットロッドは同じく岩陰に隠れて応戦のタイミングを計っているコンボイに大声を上げた。
「今、ジェットファイヤーが来るはずだ。それまで持ちこたえるんだ!」
デストロンから飛んできた銃弾がコンボイの頬を掠め、血が滲む。銃を強く握りしめながらホットロッドはぎっと歯を食いしばった。
「んなこと言ったってそろそろギリギリですよ司令官!」
「ホットロッド、黙って司令官の指揮に従え!」
銃で反撃しながらラチェットがホットロッドを叱咤する。別な岩陰ではシルバーボルトが無言のまま頭上に向かって銃を構えている。空では飛行可能なスタースクリームとサンドストームが上空からサイバトロンに攻撃を仕掛けていた。
「どうしたサイバトロン!隠れてるだけか!?」
「ヒッヒッヒ~!大人しくマイクロンを渡せ!」
頭上からミサイルが飛んできて大きな爆発が起こる。その土煙でコンボイ達の姿は見えなくなる。それを遠目から眺めてジェットファイヤーは背後に従えていた仲間を振り返った。
「遅くなっちまったせいで司令官たちが苦戦してる。急ぐぞ。」
彼女の背後にいる戦士達は彼女の声で一斉に返事をする。ジェットファイヤー直属の部隊。彼女の元に集う戦士は選び抜かれた歴戦の戦士達ばかりだ。
「こっから奇襲を仕掛けるぞ。デストロンの連中、司令官への攻撃に夢中で俺達のことを気付いてないみたいだからな。」
そう言ってジェットファイヤーは隠していた翼を背中から伸ばす。ジェットファイヤーの白い翼は太陽の光を浴びて眩しく硬質の輝きを放った。ジェットファイヤーは腰に携えていた剣を抜く。赤茶けて錆びついていたと思っていた剣は彼女が柄を握ると先から錆が飛び、切れ味の鋭い愛刀へと変わった。
「行くぞ!俺に続け!!!」
崖を蹴り、ジェットファイヤーは翼を広げて急降下をする。彼女の後に続いて部隊の戦士たちは翼を広げて崖を飛び下りていく。風を切り、ジェットファイヤーの白亜の翼は一直線にデストロンへと襲い掛かっていく。

サイバトロンの強き翼。それはコンボイのためならどこへででも飛んでいく。

剣を抜くと錆が取れるというのは特捜戦隊デカレンジャーのデカマスターの剣のシチュを使わせてもらいました。この曲を聴いてると後ろに部下を従えて剣を抜くジェットファイヤーが浮かぶんですよね。
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