暁の翼

短編小説の保管庫でございます。

蝙蝠のジェラシー

2017年01月30日 20時59分34秒 | eホビートイ設定
マグナコンボイ×コンボバット

天井に大きな蝙蝠がぶら下がっている。その下にはソファーがあり、そこにマグナコンボイは座ってその蝙蝠を見上げていた。
「バット、一体どうしたんだ?」
名前を呼ばれたコンボバットは畳んでいた羽から顔を出し、ちらりと下にいるマグナコンボイを見た。
「何でもありません。」
「何でもないならどうしてそこにぶら下がってるんだ。」
「別に。私は蝙蝠ですから天井にぶら下がっててもいいでしょ。」
そう言ってコンボバットは再び羽の中に顔を埋める。そんな彼の姿を見てマグナコンボイは嘆息した。マグナコンボイが家に帰ってかれこれ二時間。コンボバットはずっとこうなのだ。理由を聞いても『別に』の一点張りで答えてくれない。自分はコンボバットを怒らせることをしただろうか。マグナコンボイは頭を捻る。しかしどう考えても思い当たる節がない。天井にぶら下がるコンボバットの下でマグナコンボイはひたすら自分は何をしたのか考えていた。頭を抱えているマグナコンボイをちらりと見てコンボバットは羽の中に頭を隠す。別に彼に対して怒っているわけではない。これは自分の心の問題なのだ。小さいコンボバットは溜息をつく。

見てしまったのだ。あの時。


「あ、マグナコンボ・・・」
数時間前、『青き軍団(ブルー・オーダー)』の本部にコンボバットはいた。愛する相手を見つけてコンボバットは声をかけようとして止めた。マグナコンボイが他の仲間と会話している姿を。それは仲間としての他愛のない会話。彼は『青き軍団』のリーダーなのだ。仲間と話をするのは普通のこと。しかし、穏やかな笑顔で話をしているマグナコンボイの姿を見ていたら、何か心にモヤモヤするものが浮かんできた。それは所謂嫉妬。これ以上彼の姿を見ているのが辛くてコンボバットは踵を返してその場を去った。

そして自己嫌悪になりながらもその黒い感情を流しきれずに今に至っている。
(他の仲間と話をしてる姿を見て嫉妬しただなんてマグナコンボイに言えないよ)
そう思いながらコンボバットが身体を丸めた時だった。

「バット!すまない!!」

ガバッとマグナコンボイはソファーから立ち上がりるとそこの床に土下座をする。突然のマグナコンボイの行為にコンボバットは驚き何も言えずに天井からマグナコンボイを見た。
「私は鈍いからバットがなぜ怒っているのかわからないんだ。だが、私がバットの気に触ることをしたことは間違いないはずだ。本当に申し訳ない。だから、機嫌を直してくれないか?」
床に額を押し付けてマグナコンボイはコンボバットに謝罪する。コンボバットはしばらく何も言えずにマグナコンボイを見ていたがふっと顔を綻ばせ、天井から足を離した。
「マグナコンボイ、顔を上げてください。」
コンボバットの声にマグナコンボイは顔を上げる。コンボバットはビーストモードからロボットモードにトランスフォームするとマグナコンボイの前にふわりと降りた。
「ごめんなさいマグナコンボイ。私は嫉妬していただけなんです。」
目を丸くするマグナコンボイにコンボバットは言葉を続ける。
「マグナコンボイが他の仲間と話をしていたのがモヤモヤしてしまって・・・だからこんな態度をとってしまったんです。本当にごめんなさい」
苦笑しながらコンボバットはマグナコンボイを見つめる。マグナコンボイは何も言わずに無言でコンボバットを見つめ、コンボバットは無言のマグナコンボイを見つめて不安の色を琥珀色の瞳に映す。しばしの沈黙があったものの、その時間を破ったのはマグナコンボイだった。「そうだったのか」コンボバットが俯いているとマグナコンボイの手がコンボバットを抱く。
「すまなかったバット。君にそんな醜い感情を抱かせてしまって。」
「そんな!私は」
そう言うコンボバットの言葉は途中でかき消される。包み込むようにマグナコンボイはコンボバットを抱くと穏やかな笑みを浮かべて言葉を続けた。
「私は嬉しいよ。バットが嫉妬するほど愛されてるとわかったから。」
コンボバットの頬がみるみるうちに赤く染まる。そんなコンボバットの表情が可愛いと思いながらマグナコンボイは微笑む。
「嫉妬は普通の感情だよ。でもバット。黙っていては私もわからない。言葉で伝えなくてもいい。嫉妬してしまったのなら、態度でもいい、ちゃんと表してほしい。」
マグナコンボイの黄金色の瞳にコンボバットの姿が映る。コンボバットは戸惑ったような表情を浮かべるが、そんな彼の頭をマグナコンボイは優しく撫でる。そうしているとコンボバットの表情がふわりと溶け、コンボバットはマグナコンボイの胸の中にゆっくりと収まった。
「はい・・・」
自分より小さなコンボバットの身体をマグナコンボイは優しく抱く。コンボバットは嬉しそうに笑い、マグナコンボイの胸に頬ずりをする。パタパタとコンボバットの羽が動く。

今日はいつになく穏やかな時間が二人の間に流れていた。

コンボバットの嫉妬。でも可愛いと思うんですよね。マグナコンボイはバットのこと大好きだけど鈍いから彼が何に怒ってるかわからないニブチン。でもバランスが良くラブラブカップルなのです。
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