High up in the sky

赤司 征大|Masahiro Akashi
UCLA MBA留学記
WHITE CROSS株式会社 起業までの軌跡

最近、気にならなくなった事

2014-04-25 00:40:54 | 2014.4-6 春
英語力についてですが、最初の3ヶ月は、英語力が学びの質を落としている事にイラついていましたが、最近、全然気にならなくなってきていることにふと気がつきました。

たまたま同じセクションのJenniferと無駄話をしていた時に、「英語力が上がっている事に自分で気づいている?」といわれ、あれ?っと気づいた感じです。


そういえば、私のwaitlistからの繰り上がりストーリーを知った米国人受験生に御願いされて、電話で30分以上アドバイスをしたり、Business Plan への意見を貰う為に初対面のMDやエンジニアと会ったりと・・・気づくと英語で普通にやって行けるようになっています。



留学当初、周囲が何を言っているのか分からないのは、正直想像以上の居心地の悪さでした。その際に、閉じこもらずに開き直ってしまえば、半年程度で何とでもなるという事です。


米国医療制度が直面している課題に基づく日本歯科医療への考察 2-(1) 過剰提供

2014-04-18 02:07:24 | 日本歯科医療へのテーゼ
米国の医療制度が直面している課題米国の医療制度が直面している課題
1. アクセス
2. 非効率な治療の提供方式
3. コストおよびコスト増加
: GDPに占める割合の高さと、占有率の急速な成長
4. Affordable Care Act(オバマケア)の影響

 非効率な治療の提供方式についですが、まず非効率の定義は、
⑴ 効果が低く高コストな医療サービスの過剰提供
⑵ 効果が高く低コストな医療サービスの過小提供
: ⑴⑵を総合して、$242B~404B(日本円にして24~40兆円。為替にもよりますので、単純にイメージしていたく目的で、1$=100円としてます)
⑶ 過剰な運営コスト
: $107B~389B(11~39兆円)
⑷ 不正請求等
: $82B~$272B(8~27兆円)

となります。

 これに、

⑸ 治療の提供の失敗
: $102B~154B(10-15.5兆円。具体的には、より安くより良い治療方式が広まっていない為に、結果として患者に、より侵襲性が高くコストも高い治療を提供してしまっているという事です。予防治療等があげられるでしょう。)  
⑹ 治療のコーディネートの失敗
: $25B~45B(2.5~4.5兆円。個別の治療が整合性を取らずに、脈絡なくバラバラに行われるため結果が伴わないという事です。)

 を加えると、米国における医療費の最低20%がこれらによって生まれた過剰なコストという分析すらあります。最低額にて$558B。つまり、最低56兆円が非効率的に発生している過剰コストとなっています。あらゆるOperationにおいて適度の弛みは必要であり、非効率を完全にゼロにする事はできないとは言え、これは想像を絶する額です。大切なのは、これは対岸の火事ではないと言う事です。日本歯科医療も同様に、⑴~⑹それぞれに問題を抱えてます。



 それでは、これら⑴~⑹を切り口に、日本歯科医療へのテーゼを記載していきます。また、それぞれが長文と成る為、別々の投稿としていきます。


 この(1)については、まさに日本歯科医療が抱える問題であり、特にmotivationの高い歯科医師にとってジレンマが一番発生してしまうポイントではないでしょうか。(ジレンマの詳細については、カテゴリー「日本歯科医療へのテーゼ」の「歯科医療に関する過去の投稿より 抜粋1」を参照下さい。そちらを読んで頂いた上で、以下を読んで頂くと分かりやすくなります。)

 知識を技術に応用させた治療を生業とする歯科医師は、過剰治療が生む患者にとっての実質的価値に迷います。その一方で、(1)を求める事がProfessionalとしての自分の成長につながるように感じ、かつ自己の重要感を満たしてくれる分かりやすい道として映ります。しかし、患者さんにとってのMarginal Benefitを考えた際、明確に歯科医師の自己満足でしかないと感じられる治療/侵襲性が高く過剰としか思えない治療も多々見受けられます。(これについては、いくらでも例が挙げられます。より適切な例を挙げたい所ですが、一般の読者の方にとっても分かりやすい例を挙げるのであれば、“被せものを作る際に上の奥歯の噛み合わせの面の汚れまで厳密に再現する”等です。そもそも、見えない所の汚れを再現する意味はないです。この例において、その再現に伴う手間などを含めた製造コストなどは微々たるものですが”無駄”です。)

 昔、私が尊敬する求道的な姿勢をお持ちの歯科医師の先生に、「先生が治療を通じて求めているのは、患者さんにとっての実質価値と先生の自己満足、何対何のイメージですか?」とお伺いしたところ、「常にその境界線に迷い続けていますが、1:1であろうとしています。」という答えが返ってきました。(無論、私とその先生との間に、深い信頼関係があったからこそできた失礼な意味合いを含まずにできた質問です。)

 自己の重要感を満たしたいのは人としての本質であり、加えて、単純な論理だけで否定出来ないProfessionalismがそこにはあります。歯科医療は、如何に自分のバランスを取るかが大切な世界ですので、その先生の答えは美しい答えだったな・・・と今でも思います。そう考えると、日本歯科医療において機械的に⑴を完全になくす事を目指すのは現実的ではありません。また、一見⑴として映る物も、「歯科医療に関する過去の投稿より 抜粋1」で記載しているように、歯科医療の知識/技術のボーダーを広げていく上で、あるいは歯科医師のmotivationを保つ意味でも総合的には一定の価値があります。

 しかし、過剰治療に傾倒しすぎる事は、国家観点から見た際に求められている歯科医療のあるべき姿を見失っている事に等しいとも言えます。小規模の家内産業的な歯科医療の業態が、一部の歯科医師間での傾倒を加速させています。そして、傾倒したProfessionalismが産む歯科治療は、その患者さんにとっての実質的価値の有無に関わらず格好良く見えるため、その価値観は広がり易いのです。難しいのは、「それでは歯科医師に治療の詳細までを勉強するな」と言っているように受け取られる可能性がありますが、全くそうではありません。

 ではどうすれば、歯科界として社会に対して提供する価値のバランスを取っていくべきでしょうか?

 私はその答えは、教育にあると思っています。(ここで指す教育とは、大学における教育ではなく、卒後実際に歯科医師として働きだして以降の教育をさします。現在の日本の歯科大学における教育は超非効率です。実践的な歯科医師の育成は、卒後臨床現場において行われています。)私は、前職において、大規模歯科医療法人における歯科医師教育の仕組み作りに力を注いできました。無論、私自身の歯科医師としての力量には限界がありましたので、中小企業診断士としての能力を活かし、私より遥かに治療の上手いベテラン先生方の協力の元に以下の3点に集中した仕組み作りを行いました。

(a) ベテラン歯科医師の知識/技術/経験知などが、On-Job/Off-Jobの両面から、システマチックに次世代に継承されるフローを作る。
(b) 若手の歯科医師が勉強したいだけ勉強できる環境を整備する。
(c) (a)(b)が行われる組織文化を醸成する。

 実は、これらの中で一番難しかったのは(c)です。Business Schoolでもいやという程に学ぶ当たり前の事ですが、適切な組織文化がなければ仕組みは上手く機能しません。もう一つの方向性として徹底した管理体制をしく事で、生産性を維持する事はできますが、歯科の臨床現場おいて大切な柔軟性がなくなる上に、そもそも小規模な歯科医院の集合体である歯科医療の業態を考えると業界全体のコントロールとしては不適切に思えます。ただし、個別の歯科医院の管理手法として、完全に不適切とも言い切れません。蛇足ですが、今私がUCLAにて立ち上げようとしているOperation Support IT Platform構想は、中~大規模の歯科医院が日常的なマネジメントにおいて慢性的に抱えているPainを解消する補助機能にあたります。

 (c)を目的とした私の考えを理解してもらう為に、またベテランの先生方の意識をかえるために、マネジメントの基礎について学んでもらいました。また、ことある毎に私の考えを真摯に訴え続けた結果、(a)(c)がマッチした効率的な徒弟制度が出来上がり、数年間をかけ法人内に確実な変化が生まれました。無論、全て上手く行った訳ではなく、私の思い描いていた事の3割程度が現実化したという認識です。

 ちなみに、Healthcare Businessにおいて一番の問題は、世界共通で「professionalがマネジメントを理解していない事」です。医療におけるマネジメントとは、如何に、“Professional として患者さんに治療を通じて提供できる価値を高められるか“を考え、実行していく力です。その結果として、収入があがることは素晴らしい事です。無論、一部の歯科医師がモラルハザードの元にマネジメントの名の下にお金稼ぎに走るケースもありますが、「医療戦略の本質」の中で、Michael E. Porterは、それは長くは続かないと指摘しています。私自身も、それをマネジメントであるとは認められません。歯科大学におかるカリキュラム自体に、マネジメント科目を取り入れるべきであると思います。


 ここにおいて、先述の“自己満足のための過剰治療と実質価値のバランス“と(b)は矛盾しているようですが、実はその両方が大切なのです。私は新人の歯科医師は、最初の数年間は、頭でっかちになってもいいから寝食を惜しんで歯科治療を勉強し、治療に励むべきだと考えています。その結果として自己満足としか言えない領域に入り込むことは仕方がなく、一度は通る道だと考えています。(実は、私も通りました。)

 大切なのは、彼等のガイドとなるベテラン歯科医師が同じバランスの失い方をしていてはいけないという事です。その業界で長い経験を持つ者として、患者さんに歯科医療を通じて提供するべき価値について語りかけ、motivationの高い若い歯科医師達が抱えるジレンマに正面から向き合ってあげる存在でなければいけないと思います。そういう文化に基づいた教育の仕組みを歯科界に醸成し、その結果として業界全体としてのバランスを取る事で、(1)を必要最小限に押さえ、日本社会における歯科医療の価値を高めていくことが、大切なのではないかと思います。

 他の投稿で記載した通り、歯科医師としての誇りは適切な歯科医療戦略の結果として、別の観点からも生まれます。

 以上が、本項目における日本歯科医療へのテーゼです。ただし、特にこのテーゼについては、私自身、答えがない事を知りながら生涯考え続けなければ行けない項目だと認識しています。また、一番書かなければ成らない業界全体の文化/仕組みの醸成戦略については、現在考えを深めているところです。理想的でありすぎてもいけませんし、現実に失望し諦めてもいけません。

 難しいですね。

Wearable の医療現場への活用に向けて

2014-04-17 02:39:44 | 2014.4-6 春
今日は朝から、普段からお世話になっているClass of 2014の先輩と二人、Ronald Leagan UCLA Medical Center に訪問し、Google Glassの臨床適応をやっている外科医のAaronにヒアリングをさせていただきました。Aaronとは冬学期に最初とって聴講に切り替えた医療機器開発プログラムで知り合いになっていましたが、当時は軽く話す程度でした。今回再度同じ興味を持って話しをしてみると、凄く盛り上がりました。(今回のヒアリングの機会自体は、先輩がsettingしてくれました。)

世界有数の病院であるRonald Leaganとは言え、逆にその保守性が仇となり、臨床適応/開発については遅々として進んでおらず、Google Glassが元々持っている機能を手術中に使用してみる等の取り組みまでとのこと・・・やはり、Start-upのApplication開発チームとがっちり組んでいる中小規模の医療期間の方がフットワークが軽いようです。私の専門分野であり開発対象として考えているProfessional のOperation効率化については、まさに後者のやり方だな・・・というか、それこそB-Schoolにいる強みを活かして一気に進めていこうと考えています。

共に臨床現場を経験した上でGoogle Glassの適応を考えているAaronと私の共通見解として、Google Glassのプロダクトとしての限界があげられました。Professional向けに求められるであろう機能と、Consumer Product に求められる機能は大きく異なります。やはり、同じ事を考えていたか・・・と感じました。それと同時に、その先のセグメンテーションの難しさはありますが、Professional向けでシームレスにOperation補助をしてくれるGlass タイプのWearable + IT Platformが出来上がれば、医療現場が大きなマーケットになる事は明確です。Professional の治療自体、あるいは現場のOperationを革新するインフラとして導入されていく事でしょう。

Wearable は、10年後の医療現場には必ず大きく入り込んでいます。そして、現段階では、サービスがVisionに追いついていないが故に、大多数の人にそのイメージが描けず保守性が勝っているという状況です。全米で$320M(日本円で約350億円弱)規模に成長しているTelehealthは、サービスがVisionに追いついてきている事もあり、これから5年間での平均年成長率49.7%と予測されています。これから3~5年後に、同じ事がWearable と IT Platformの導入についてもおこると私は予測しています。


午後からは、同じ案件で今度はハードの側面から日本のElectronicsの社員さんと話をさせて頂きました。私より若い方でしたが、その志の高さ/素晴らしい努力/人柄に、自然に敬意を払って話しをさせていただける方でした。MBAに来て以降、心からの敬意をもって話をさせて頂ける方々とお会いさせて頂く頻度が確実にあがっています。


最近、私が ”Google Glass + 医療” で何かやろうとしているらしいと、Anderson内で少しずつ認識されはじめて来たようです。突然、こんな記事見つけたよ!参考にならない?とのメールが入るようになってきました。これは良い傾向です。




全く別の話しですが、Michaelが大学院生会の会長に当選しました!

私自身、相当な時間を割いて全面的に応援していただけに、これは凄く嬉しかったです。いきなり電話がかかってきて、「当選した!!!!!!!!!!!!」とのこと(笑)

おめでとう!これからだね!Business School同様、そこにポジションを得ただけでは意味がありません。実際に何をしていくかが問題です。行動力とネットワーキングに強みを持つMichael の事です。UCLA をより良い環境にしてくれる事でしょう。私が作ったポスターは、院生会室に貼るとの事でした・・・留学以前には考えてもいなかった意外中の意外ですね(笑)・・・誇らしいです。

自分が主人公にならずとも、人を応援し、その人が社会(UCLA)を良くするために力を発揮していく手助けをしていく経験・・・これは素晴らしい事でした。


「残りの1年少しの時間を、院生会会長としてUCLAを良くする事と、Hiroとビジネスを作っていく事に全面的に割く!」とのこと。早速、院生会会長という立場を活かしながら、Engineering School/Computer Science/Dental School/Medical Schoolなどにネットワーキングを始めるあたり、彼の行動力とネットワーキング力は、Andersonの知り合いの中でも郡を抜いています。


よりClearなVisonを考えるために走る事ができる私と、それを実行する為の人や資金を集めてくるMIchaelとは、お互いの強みが実に明確です。

最近、どんどん面白くなってきています。

Chicago Boothの森田さんがLAにいらしてくださいました

2014-04-14 22:05:43 | 2014.4-6 春
Chicago Booth Class of 2013で、現在、アートのディストリビューションビジネスで起業されている森田さんが、お仕事ついでにLAに遊びにきて下さいました。

松村さんと3人で、ソーテルで食事をしながら、ビジネスアイディアについて色々話しをさせて頂きました。

私が、Chicago Booth のVisit時/Waitlistだった際に、さんざんお世話になった縁です。MBAにくる日本人同士は、狭い世界ですので受験が終わった後でもこうしてつながりが続きます。こうしたネットワークは活かせるどうかは人それぞれですが、私にとっては素晴らしい価値があります。