弁理士『三色眼鏡』の業務日誌     ~大海原編~

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【著作権】みみずだって、おけらだって

2017年09月14日 08時38分02秒 | 知財記事コメント
おはようございます!
日差しがきついながらも日陰では風の温度が秋の訪れを感じさせる湘南地方です。

さて、以前取り上げたサルの自撮り写真訴訟、和解で決着したようです
(アメリカの話です、念のため)。

(CNET Japanより引用)
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サルの自撮り写真の著作権をめぐる訴訟、ついに決着

動物が自撮りした写真の著作権の帰属をめぐる裁判が、ついに終結した。

 この奇妙な法廷闘争の発端は、英国の自然写真家David Slater氏が2011年にインドネシアを訪れたとき、ナルトという名前のクロザルがSlater氏のカメラを使って自撮り写真を撮影したことだ。動物愛護団体である「動物の倫理的扱いを求める人々の会(PETA)」は2015年、それらの自撮り写真の著作権はナルトに帰属するとして、Slater氏と自費出版会社を訴え、同社がすべての利益をナルトのために使うことを提案した。

 米国時間9月11日に発表された和解条件の一環として、Slater氏はそれらの自撮り写真の著作権を保有するが、今後それらの写真から得る利益の25%を、ナルトのようなクロザルを保護する慈善団体に寄付する。


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(引用終わり)

「動物の倫理的扱い」って、その「倫理」っていう規範は人間由来のもので、
そこに照らして異種の権利を主張するという行為自体が正直“何言ってるのかよくわからない”なんだけど。。。
まして「人間以外の動物の法的権利拡大」って、、義務履行できない主体に権利拡大ってどうなのさ。
日本でも競走馬のパブリシティ権なんて争いはあったけど、あれはあくまで馬主の経済的権利に関するものだったものなぁ。

訴訟を継続することのコストより和解で決着させるコストの方が低いから選択した、のかどうかはわからないけど、
仮にそうだとするなら、経済合理性は「不合理な可能性のある」主張をもある程度受容することを一般に求めることを許容するのだなぁ。
…平たくいえば、「ゴネ得」。

生きとし生けるものに対する慈しみの心は大事だと思いますが、
「人工の秩序」に自然を当てはめようとすることの方が遥かに人類のエゴな気がしてしまうなぁ。

※特定の主義主張に対する批判、非難を目的とするエントリではない旨念のため申し添えます。
 見解の多様性と意見表明の自由の範疇とご理解いただければ。




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