弁理士『三色眼鏡』の 業務日誌     ~大海原編~

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【著作権】入学式式辞での歌詞引用

2017年05月19日 08時42分35秒 | 知財記事コメント
おはようございます!
今日は本当に気持ちの良い快晴! な湘南地方です。

朝からちょっと運動してきて、気分的も快晴な感じです。

さて、今日はこんな記事

(以下京都新聞配信記事より引用)
=================
式辞に歌詞引用、著作権料を 京大HP掲載でJASRAC


昨年ノーベル文学賞を受賞した米歌手ボブ・ディランさんの歌の一節を、京都大の山極寿一総長が取りあげた4月の入学式の式辞について、日本音楽著作権協会(JASRAC)がウェブ上に掲載した分の使用料を京大に請求していることが18日、関係者への取材で分かった。ディランさんの楽曲を管理するJASRACは「個別の事案のコメントは差し控える」、京大広報課は請求された事実を認め「根拠の詳細を知らされていないため、特に対応していない」としている。
(以下略)
=================
(引用終わり)

うーん。先般のヤマハ音楽教室の事案もそうだけど、
権利者側(権利管理者側)の目線に立ってみたとしてもさすがにバランスを欠いている印象を受ける。

印象的なのは両者のコメント。
京大側は「根拠の詳細を知らされていないため、特に対応していない」
記事の後半で出てくるのだけど、京都新聞の取材に対するJASRACの回答は
「一般論として、ウェブ上にある音楽著作物には利用手続きが必要となる」。

まったくかみ合ってない。というより、権利者側が一般論を持ち出している時点で
激しい違和感。

いや確かにね、「一般論」として、他人が権利を有する著作物を複製したり送信可能化したりするのは、
許諾を得ていたり権利が及ばない(=制限される)態様での利用でない限りは侵害にあたる。

しかし、式辞のHPもみてみたけど、
引用の4要件(必然性、明確な区分け、主従関係、出所の明示)を満たしており、
著作権が制限される「引用」にあたる、とみるのが自然ではないかと思う。

JASRACの行動は、“とりあえず主張してみる”というスタンスに見えてしまって、共感できない。
著作権者に代わって管理をする手前、権利者の利益のために行動することは間違ってないのだが、
「一般論」に終始してしまっていたら、ユーザの共感も、権利者の共感も得られず、
存在を疑問視されるようになってしまうのでは?という気がしている。



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