弁理士『三色眼鏡』の 業務日誌     ~大海原編~

おかげさまでもうすぐ事務所開設5周年!
今後とも宜しくお願いします。

セミナー 無事終了

2016年06月17日 08時43分47秒 | 雑記・挨拶・宣伝 ほか
おはようございます!
雨も一休みかな? な湘南地方です。

火曜、水曜と2日連続で知財調査のセミナーを実施してきました。
なかなか濃密な時間を作れたのではないかなと思います。

さてさて、セミナー前にこのブログでも挙げていた
著作権法のクイズの解答です。

問題はこちらでした。

Q.次のうち、許諾の必要がない行為はいくつあるでしょう?

(1)飲食店において、ラジオFM放送を、こだわりの音響施設で営業中にBGMとして流す行為
(2)基本お客が来ない事務所で、社員の事務効率向上のためのBGMとして、
   家庭用CDラジカセで最近流行りのアーティストのCDを演奏する行為
(3)飲食店で、Youtubeにアップされている過去の音楽番組を録画した動画を
   顧客のリクエストに応じて放映する行為
(4)理髪店で、Radiko(=インターネットラジオで地上波とサイマル放送するもの)を
   パソコンのスピーカーからBGMとして流す行為
(5)昔のヨーロッパをイメージした喫茶店のBGMとして、
   オンデマンドのインターネットラジオでバロック音楽を流す行為

A.3つ。
<解説>
著作権法38条3項は、「著作権法の制限」を定める条文の一つです。
簡単に言うと、
(原則)放送される著作物(=ラジオ番組+有線ラジオ+同時放送のインターネットラジオ)は、
    勝手に公に伝達(=大っぴらに流す行為)しちゃだめ
(例外=この条文で定めていること)
 但し以下の場合は、特に許諾なく公に伝達して良いよ。
 (A)非営利かつ聴衆等から料金を受けない→どんな音響施設でもOK
 (B)上記(A)にあたらなくとも、「通常の家庭用受信装置」ならOK

 上記を踏まえつつ検討していくと…

 (1)必要 :「こだわりの音響施設で」とあるので、少なくとも「通常の家庭用受信装置」ではないです。
        とすると、営利でやっている以上原則は許諾が必要。
 (2)不要 :「社員の事務効率向上」は「営利目的」にあたる可能性が高いですが、
        こちらのJASRACのサイトで許諾が必要な使用から除外しています。
        (「お店などによる手続きが不要となる場合」の項目ご参照)
 (3)必要 :違法アップロードなのでそもそもJASRACは許諾する立場にはないですね。
        当該音楽番組の著作権者からの許諾が得られれば可能です。考えにくいですが。
 (4)不要 :同じ「ラジオ」であっても、インターネットラジオは原則許諾が必要です。
        但しRadikoはサイマル放送(電波を通じた放送とほぼ同時に自動公衆送信される)ので、
        著作権法38条3項のカッコ書き内「放送され『る』著作物」にあたり、
        同項の対象となります。
        「パソコンノスピーカー」は「通常の家庭用受信装置」と同等と捉えてよいと考えられるので、
        許諾は不要です。
 (5)不要 :「バロック音楽」についてJASRACが著作権管理をしている状況は想定できません。
        また17世紀初頭から18世紀半ばまでの音楽ですので、そもそも著作権が切れています。
        よって不要です。
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