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村上春樹『村上さんのところ』(2015,新潮社)を読んで-「ユーモア」と「遊びごころ」を語る

2017年05月24日 | 村上春樹を読む
 村上春樹さんの,村上さんのこころ,ならぬ,『村上さんのところ』を読みました。
 すごくおもしろかったです。
 村上さんの読者やファンの質問に,村上さんが一つ一つ丁寧に答えるという本ですが,ユニークな質問に,ユニークな回答がとてもよかったです。
 中でも,個人的には,妖怪ポロンのやりとりがおもしろかったです(くわしくは本書59ページをお読みください)。
 村上さんの小説は,内容がけっこう重かったり,深かったりしますが,少しのユーモアやゆとりや遊びなどがそれを救っているような気がします。
 真面目で苦しくても,決して煮詰まらずに,いつか前向きになれる印象です。
 本書でもそれは同じ感じです。 
 心理療法やカウンセリングでもなかみや内容,雰囲気などが重いことが多いですが,少しのユーモアや遊びで救われることが多いと思います。
 小児科医で精神分析家のウィニコットのいう「遊びごころ」についてくわしく述べたのは精神分析家のオグデンですが,ウィニコットのいう「遊びと創造」は本当に重要だと思います。
 なお,ユーモアたっぷりの本書の中で,唯一,原発と東日本大震災について語る村上さんはめずらしく「熱く」なっています。
 被害者への強く深い思いと,一方で,責任を取らずに運転を再開する国や企業への怒りがひしひしと伝わってきます。
 優しさと怒り,弱いものの側に立つ村上さんの決心が垣間見えます。
 貧しくても,清く生きたいと,つくづく考えさせられる一冊です。
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