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村上春樹『村上春樹・雑文集』(2015,新潮文庫)を読んで-「普通」の中に「意味」を見つける(再録)

2017年10月08日 | 村上春樹を読む
 村上さんの『村上春樹・雑文集』の文庫本を読みました。
 単行本が出たのが2011年でしたので,久しぶりの再読です。
 文庫化に当たって,あとがきと各文章への短いコメントが追加されたので,楽しみが倍増しています。
 単行本の時に読んで,今でも覚えていた文章もありましたし,まったく忘れていて(ごめんなさい,村上さん),あらあためて新鮮に読めた文章もありました。
 中でもわたしが一番好きな文章は,やはりエルサレム賞・受賞のあいさつ「壁と卵」。
 あまり政治的な発言はしない村上さんですが,ここでは,弱いものの側に立つ,という村上さんの文学者としての決意と覚悟を述べられていると思います。
 もうひとつ,今回,印象に残ったのは,村上さんの敬愛するジャズ・ピアニストのセロニアス・モンクの言葉。
 あなたの弾く音はどうしてそんなに特別な響き方をするのか?と質問されて,新しい音なんてない,鍵盤をみなさい,すべての音はそこにすでに並んでいる,でも君がある音にしっかり意味をこめれば,それは違った響き方をする,君がやるべきことは,本当に意味をこめた音を拾い上げることだ,と。
 村上さんはこれをふまえて,こう書きます。
 新しい言葉なんてどこにもありはしない,ごく当たり前の普通の言葉に,新しい意味や,特別な響きを賦与するのが我々の仕事なんだ。
 どうです,意味深い文章でしょう。
 カウンセリングにも通じる言葉です。
 いい本を再発見できました。
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