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河合隼雄『子どもと悪』(1997、岩波書店)を再読して-「いい子」が自立するために必要な「悪」を考える

2017年04月21日 | 臨床心理学に学ぶ
 河合隼雄さんの『子どもと悪』(1997、岩波書店)を再読しました。
 もう何回目になるでしょうか。
 1997年の本ですから、かれこれ20年くらい読んでいることになります。
 何回読んでも、いろいろと考えさせられる本ですし、河合さんの本の中でも私が大好きで重要な本の一冊だと思います。
 内容は、悪と創造、盗みの意味、暴力と攻撃性、うそと秘密、秘密と性、いじめ、子どもをとりまく悪、などなど。
 いずれも、子どもの成長や自立をめぐって、「悪」の大切さを考察しています。
 ここでいう「悪」とは、人間が自立をする際に、ギリシア神話の中で、神さまから「火」を盗んだことに象徴されるような意味での「悪」で、子どもが神さまならぬ親から自立をするときに必要なものを意味するようです。
 そういえばかつて「いい子」だった私(?)にも、いろいろと心当たりがあります(?)。
 河合さんは、「いい子」のさまざまな問題を指摘し、「いい子」が親や教師などにとっての「悪」を経験することで、本当に成長し、自立をすると述べ、「悪」の重要性と、おとなが「悪」を排除せずに、それらを見守る大切さを説きます。
 なかなか難しいことですが、じーじになった私にはとてもうなずける点です。
 おとなが子どもに、じぶんたちにとって「よい」ことだけを求めすぎると、弊害が大きいことは、ようやく世の中の人々もわかりかけてきたのではないかと思います。
 おとなが理解をもって、長い目で子どもたちのいろいろな試行錯誤をゆったりとした気持ちで見守っていけたらいいなと思います。

 
 
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