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等身大のシングルマザーと赤ちゃんと周囲の人々を描いて-梨木香歩『雪と珊瑚と』(2015、角川文庫)

2016年11月15日 | 小説・エッセイを読む
 女性らしく、素敵で、読みごたえのある文章をたくさん書かれている梨木香歩さん、その梨木さんの小説『雪と珊瑚と』を読みました。
 久しぶりにいい小説を読んで、またまた泣いてしまいました。
 とてもいい物語です。
 シングルマザーの珊瑚とその赤ちゃんである雪のお話。
 きれいすぎず、がんばりすぎず、力不足でたいへんなところもあって、等身大の若い女性の迷いと不安がさらりと描かれます。
 しかし、中身は深いです。
 周りの人間を含めて、弱さやずるさや何もかもが描かれます。
 救いはやはり赤ちゃん。
 (とはいえ、赤ちゃんや小さな子どもの子育てはたいへんですけどね)。
 赤ちゃんや子どもの存在というのは母親だけでなく、やっぱりおとな全体にとって大切なものなのでしょう。
 そして、子育てというのは、きれいごとではけっしてすみませんが、しかし、大きな営みなのですね。
 そのあたりの大変さや苦しさ、迷いなども丁寧に描かれていると思います。
 悪戦苦闘の、きれいごとでない、等身大のシングルマザーと赤ちゃんと周囲の人々の物語、いちど読んでみてください。
 きっと、生きていくこともいいものだな、と思うのではないかなと思います。
 たまに本を読んで涙を流すことも、こころのおそうじにいいことのようです。
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