Laboratory ARA MASA のLab Note

植物観察、読んだ論文に関しての備忘録
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論文)トマトの複葉形成と分枝を制御するMYB転写因子

2013-03-15 20:25:19 | 読んだ論文備忘録

Trifoliate encodes an MYB transcription factor that modulates leaf and shoot architecture in tomato
Ahmad Naz et al.  PNAS (2013) 110:2401-2406.
doi:10.1073/pnas.1214300110

トマトの葉は、末端の小葉と3、4対の横向きの小葉で構成されており、求基的に発達する。小葉は通常、浅裂もしくは鋸歯があり、これらの切れ込みは小葉原基から求頂的に発達する。しかしながら、幼植物体の複葉の構造は成熟個体よりも単純であり、異型葉性(heteroblasty)を示す。トマトtrifoliatetf )変異体の葉は、葉身が細長く、末端と1対の側面からの3枚の小葉で構成され、葉柄が長く、切れ込みが少ない。また、tf 変異体は腋芽形成が抑制され、多くの葉腋で分枝が見られない。しかしながら、花序の下の2つの葉腋では腋芽形成が起こることから、仮軸成長の性質は維持されている。ドイツ マックス・プランク植物育種学研究所Theres らは、tf 変異体での葉の形成過程を詳細に観察し、tf 変異体の側面の小葉が形成される葉軸分裂組織は野生型よりも細く、細胞数が少なく、細胞間隙が広いことを見出した。このことから、tf 変異体の葉軸の分裂組織は細胞分裂が低下しているが細胞分化は速いことが示唆される。走査型電子顕微鏡で観察すると、tf 変異体の末端小葉の表皮細胞は野生型よりも大きく、若い葉原基でのトライコームの発達が早く、密度も高いことがわかった。これらの観察結果から、tf 変異体の葉原基は成長が速く、早い段階で分化が起こっていると考えられる。tf 変異体の表現型はR2R3 MYB転写因子の機能喪失によるもので、Tfタンパク質はシロイヌナズナLATERAL ORGAN FUSION1(LOF1)およびLOF2と高い類似性を示す。LOF1、LOF2は側生器官の分離や副芽形成に関与している。Tf mRNAは栄養成長期の茎頂、茎、花で検出され、若い葉では非常に量が少なく、根では検出されない。Tf 転写産物は栄養成長期の茎頂分裂組織に広く分布し、特に新しく葉原基が形成される部位での発現が高い。若い葉原基では、Tf の発現は向軸側に限定されており、成熟した葉原基では葉軸分裂組織、小葉、小葉と葉軸の境界領域で発現が見られる。Tf を35Sプロモーターで恒常的発現させた形質転換トマトの葉は、浅裂や鋸歯が深くなり、小葉の数が増加した。また、一次小葉の数に変化は見られなかったが、二次、三次小葉数は野生型よりも多くなった。さらに、古い葉の葉腋部から腋芽が形成されたが、仮軸分枝に変化は見られなかった。トマトの複葉は幼植物体から成熟個体になるにつれて小葉数は増加していく。幼苗の最初の本葉は3枚の小葉で構成されているが、これは成熟したtf 変異体の複葉と類似している。幼植物体から成熟個体へ移行するにつれて、葉原基で発現するTf 量が増加しており、これは小葉数の増加と一致していた。トマトの葉の構築は、KNOTTED1-LIKEKNOX1 )遺伝子の発現に依存しており、葉の発達過程においてKNOX1LeT6 /TKn2 )の発現パターンや発現量に異常が見られることで切れ込みの多い葉を形成するclau 変異、bip 変異、Me 変異にtf 変異が加わると、tf 変異体と同様の3枚の小葉からなる葉となった。したがって、tf 変異はclaubipMe の各変異よりも上位に位置している。しかしながら、個々の小葉の切れ込みはclaubipMe の各変異体のように増加していた。したがって、claubipMe の各変異によるKNOX1 遺伝子の発現異常はtf 変異体の葉の基部での小葉形成に対しては十分な効果を示さないが、末端部の葉の構造変化を引き起こしていることが示唆される。野生型トマトとtf 変異体でKNOX1 遺伝子の発現量は同等であり、TfKNOX1 の発現制御はしていないことが示唆される。オーキシンは、葉原基、維管束、鋸歯の位置決定において重要であり、トマト葉原基をオーキシン処理すると異所的な小葉形成や葉身成長が起こる。tf 変異体の葉原基を部分的もしくは全体的にIAA処理をして形態を観察したところ、どちらの処理も異所的な小葉形成は起こさずに、小葉基部の葉身が拡大成長して1つの葉になってしまった。さらに、AUX/IAA因子がノックアウトされたことによって葉身が拡大成長するe 変異にtf 変異を導入した二重変異体は、tf 変異体の葉と同様の形態を示し、葉縁鋸歯のない3枚の小葉の葉となった。よって、e 変異体で観察される葉身の拡張にはTf 活性が必要であることが示唆される。以上の結果から、Tf は複葉形成とシュート分枝の両方を制御していることが示唆される。

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論文)小さなORFにも意味がある

2013-03-13 21:02:06 | 読んだ論文備忘録

Small open reading frames associated with morphogenesis are hidden in plant genomes
Hanada et al.  PNAS (2013) 110:2395-2400.
doi:10.1073/pnas.1213958110

ゲノム情報に注釈付けをする際に、30-100アミノ酸をコードしている小さいオープンリーディングフレーム(sORF)の多くは注釈が付けらずにいた。理化学研究所 植物科学研究センター  機能開発研究グループの花田らは、シロイヌナズナゲノムを独自に開発した手法を用いて解析し、遺伝子間領域に7901個のsORFを見出した。これらのsORFが実際に発現しているかを16の成長ステージと17の環境条件で調査したところ、96%(7581個)のsORFが発現していることがわかった。また、27%(2099個)のsORFが特定の条件下で強い発現を示すことがわかった。7901個のsORFについて他植物ゲノムとの類似性検索をしたところ、4844個のsORFが他植物にも存在していた。7901個のsORFから無作為に選んだ473個について過剰発現個体を作製して表現型を観察したところ、10%(49個)のsORF過剰発現個体で形態変化が起こった。これら49個のsORFと共発現している遺伝子群の遺伝子オントロジー(GO)を見ると、金属イオン結合、ヌクレオチド結合、キナーゼ活性、リン酸化、細胞間情報伝達、細胞死、ホメオスタシス、防御応答、熱応答に関連するものが見られた。以上の結果から、植物ゲノム中に隠されている多くのsORFが何らかの機能を有していると考えられる。

 

理化学研究所のプレスリリース 「未知のゲノム領域にペプチド大陸が存在

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論文)葉の老化を促進するSAUR遺伝子

2013-03-11 21:47:28 | 読んだ論文備忘録

SAUR36, a SMALL AUXIN UP RNA Gene, Is Involved in the Promotion of Leaf Senescence in Arabidopsis
Hou et al.  Plant Physiology (2013) 161:1002-1009.
doi:10.1104/pp.112.212787

葉の老化は、遺伝的にプログラムされた過程であり、この間に多くの遺伝子は発現量が低下するが、発現量の増加する老化関連遺伝子(SAG)が見られ、これには、転写因子、シグナル伝達因子、プロテアーゼ等の異化酵素、糖やアミノ酸などのトランスポーターをコードする遺伝子が含まれている。米国 コーネル大学Gan らは、シロイヌナズナの葉の老化過程で発現するSAG201 について詳細な解析を行なった。SAG201 Small Auxin Up RNA 36SAUR36 )をコードしており、展開中の葉や成熟した葉での発現量は非常に低いが、葉の老化が進むにつれ発現量が増加する。SAUR36 遺伝子のプロモーター領域にはオーキシン応答エレメントがあり、葉をNAA処理することによって直ちにSAUR36 の発現量が増加した。SAUR36 遺伝子にT-DNAを挿入したノックアウト系統は、成長の初期過程は正常だが、葉の老化が野生型よりも遅れた。また、ノックアウト系統の葉は、細胞が野生型よりも大きいことから大型化した。よって、SAUR36 は細胞拡張を阻害していると思われる。葉の老化におけるSAUR36 の効果を見るために、グルココルチコイド転写誘導系を用いてSAUR36 を発現させて調査を行なった。その際、SAUR 遺伝子の3'非翻訳領域において保存されているDSTエレメントを含んでいるものと含んでいないものとを過剰発現させて効果を見た。その結果、DSTエレメントを含んでいない系統をDEX処理すると若い葉が黄化したが、DSTエレメントを含んでいる系統では野生型と同様にそのような変化は見られなかった。DSTエレメントを含んでいない系統ではSAUR36 転写産物が多量に蓄積していたが、DSTエレメントを含んだ系統ではそのような蓄積は見られなかった。したがって、SAUR36 の発現誘導は葉の老化を誘導する効果があり、DSTエレメントはSAUR36 転写産物の代謝回転を速める作用があると考えられる。

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論文)重力刺激を受けた根でのオーキシンによるPINタンパク質量の制御

2013-03-08 20:28:23 | 読んだ論文備忘録

SCFTIR1/AFB-auxin signalling regulates PIN vacuolar trafficking and auxin fluxes during root gravitropism
Baster et al.  The EMBO Journal (2013) 32:260-274.
doi:10.1038/emboj.2012.310

根の重力屈性はオーキシン輸送の変化によって生じる。オーキシン排出キャリアPINタンパク質の細胞内での局在と量の変化によって引き起こされるオーキシンの不均等分布が上側と下側の細胞の間で起こり、両者の成長量の違いから根の屈曲が起こる。重力屈性に関与しているPINタンパク質のうち、PIN2は表皮細胞の上(シュート)側に局在して根端部から伸長領域へのオーキシン極性輸送を仲介しており、根に重力刺激を与えると下側の細胞の細胞膜上のPIN2タンパク質が増加する不均等分布を示す。また、PIN2はユビキチン-プロテアソーム系によって分解され、翻訳後制御を受けている。ベルギー VIB-ゲント大学 植物システムバイオロジーFriml(2013年4月よりInstitute of Science and Technology Austria)らは、シロイヌナズナ芽生えを水平に配置して重力刺激を与え、根が屈曲する際のPIN2タンパク質量の変化を調査し、下側の細胞の細胞膜のPIN2タンパク質量が一過的に増加し、上側の細胞の細胞膜のPIN2タンパク質は液胞への輸送量が増加してタンパク質分解が進み、減少することを見出した。重力刺激を与えて4時間後には、PIN2タンパク質の細胞膜上の蓄積が再び始まり、12時間後には刺激を与える前に近いレベルになった。そして根の両側のオーキシンの流れが均等になり、垂直方向に根が伸長していった。重力刺激によって生じたオーキシン分布の変化は、細胞膜上のPIN2タンパク質量の変化に先行して起こっていた。根に重力刺激を与えた際の下側の細胞で起こっている現象としては、一過的なオーキシンの高濃度蓄積によってオーキシン結合タンパク質1(ABP1)を介したPINタンパク質のエンドサトーシスが抑制され、細胞膜上のPIN2タンパク質が一過的に安定化することが考えられる。その後のPIN2タンパク質の減少は、長時間オーキシンの作用を受けることによってPINタンパク質の安定性が変化して引き起こされているものと思われる。この長時間オーキシンの作用を受けている状態を再現するために、芽生えをNAA処理したところ、PIN2 遺伝子の発現量変化は起こらずに、根の細胞膜上のPIN2タンパク質が減少することがわかった。よって、オーキシンはPIN2タンパク質量を翻訳後制御していると考えられる。オーキシンによる細胞膜上のPIN2タンパク質量の減少は、PIN2タンパク質の液胞への輸送を強めることで引き起こされており、液胞でPIN2タンパク質は分解される。PIN2タンパク質の分解促進は、天然オーキシンであるIAAの他に、オーキシン応答を示す合成オーキシン類によっても引き起こされた。オーキシン受容体のtir1 afb1,2,3 四重変異体では、オーキシンによるPINタンパク質の減少が見られないことから、オーキシンによるPIN2タンパク質の分解にはSCFTIR1/AFB を介したオーキシンシグナル伝達が必要であることが示唆される。ABP1のオーキシン結合ドメインに点変異の入ったabp1-5 変異体でのPINタンパク質の分解は、野生型と同等であった。SCFTIR1/AFB を介したオーキシンシグナル伝達経路の下流においてPIN2タンパク質の液胞への輸送に関与する因子として、根分裂組織の表皮細胞で発現しているオーキシン応答因子(ARF)の機能喪失変異体を用いて解析したところ、ARF2が特にこの過程に関与していることがわかった。以上の結果から、重力刺激を受けた根の下側では、ABP1を介したPIN2タンパク質のエンドサイトーシスとSCFTIR1/AFB を介したPIN2タンパク質の液胞輸送の両方にオーキシンが影響を及ぼすことで、PIN2タンパク質を介した一過的なオーキシン転流の増加と、その後の重力刺激前のレベルへの減少が起こっていると思われる。重力刺激を受けた根の上側の細胞では、PIN2タンパク質の液胞輸送と分解によってPIN2タンパク質量が減少していると考えられる。このPIN2タンパク質量の減少がオーキシン量の低下が継続することによって生じているのかを確認するために、芽生えの地上部におけるオーキシン生産の場である茎頂と子葉を切除したところ、細胞膜上のPIN2タンパク質が減少して液胞への輸送量が増加することが確認された。また、この効果はオーキシンを添加することによって回復した。さらに、オーキシンアンタゴニストであるPEO-IAAを添加することによってもPIN2タンパク質の液胞輸送の増加が観察された。したがって、SCFTIR1/AFB を介したオーキシンシグナル伝達が低下すると細胞膜上のPINタンパク質の安定性が低下すると考えられる。以上の結果から、オーキシン量が適正値よりも低くても高くても細胞膜上のPINタンパク質が不安定化して液胞へと輸送されて分解されるものと思われる。

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論文)糖によるオーキシン生合成の制御

2013-02-28 19:51:48 | 読んだ論文備忘録

Soluble Carbohydrates Regulate Auxin Biosynthesis via PIF Proteins in Arabidopsis
Sairanen et al.  The Plant Cell (2012) 24:4907-4916.
doi:10.1105/tpc.112.104794

シロイヌナズナの芽生えは、糖を添加することによって根の成長が促進される。同様に、オーキシンは根の成長を促進する作用がある。スウェーデン農業大学のLjung らは、糖とオーキシンとの関係を調査した。シロイヌナズナ芽生えを様々な濃度(1−7 %)のグルコース(Glc)で処理すると、その濃度に応じて遊離インドール-3-酢酸(IAA)量が増加した。また、IAAの前駆体であるアントラリネート(ANT)やトリプトファン(TRP)、IAAの異化物質である2-オキソインドール-3-酢酸(oxIAA)の増加も観察された。よって、GlcはIAAの生合成と分解を介してIAA量を制御していることが示唆される。Glc処理によるIAA量の増加はタンパク質合成阻害剤シクロヘキシミドの添加によって見られなくなることから、GlcによるIAA生合成の誘導には新規タンパク質合成が必要であることが示唆される。ショ糖はGlc以上にIAA生合成の誘導能力を有していた。IAA生合成は、Glc添加によって生じたストレスに応答しているのではなく、TRPからのIAA生合成はGlcや他の糖類によって厳密に制御されていることが示唆される。TRPはIAAの前駆体物質であり、幾つかの経路を介してIAAが合成される。Glc処理した芽生えでは、CYP79B2CYP79B3YUCCA8YUCCA9 の2つの異なるIAA生合成経路の主要な酵素をコードする遺伝子の発現量が増加していた。生体内の可溶性糖類の含量は日変化を示し、明期の終わりに最大となり、暗期の終わりに最小となる。内生糖含量の日変化に呼応して、明期の終わりのIAA生合成は暗期の終わりの約2倍になっていた。内生ヘキソース量の増加するグルコシルトランスフェラーゼ変異体dpe2-3 では、野生型と比較してIAA生合成が上昇していた。したがって、IAA生合成は内生糖含量によって制御されていることが示唆される。ヘキソースはリン酸化されることで活性を持つことから、HEXOKINASE1HXK1 )遺伝子が変異したgin2-1 変異体でのIAA誘導の変化を見たところ、gin2-1 変異体は定常状態でのIAA量とGlcによって誘導されるIAA生合成が野生型よりも低下していることがわかった。しかしながら、gin2-1 変異体においてもGlc添加によるIAA合成の誘導が起こることから、HXK1 とは独立した経路もこの応答に関与していることが示唆される。光や温度のシグナル伝達に関与しているPHYTOCHROME-INTERACTING FACTOR(PIF)ファミリー転写因子がIAA生合成に関与しているという知見があることから、pif 変異体におけるGlcによるIAA生合成誘導を見たところ、pif1 pif3 pif4 pif5 四重変異体ではGlcによるIAA生合成誘導が野生型よりも高くなっていることがわかった。また、PIF5 過剰発現個体ではGlcによるIAA生合成誘導が低下していた。よって、PIFタンパク質はこの過程を負に制御していると考えられる。以上の結果から、糖、オーキシン、PIFタンパク質は、植物の成長、発達や環境応答を制御する因子としてネットワークを形成していると考えられる。

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論文)サイトカイニンによる一酸化窒素の抑制

2013-02-26 19:56:04 | 読んだ論文備忘録

Cytokinins can act as suppressors of nitric oxide in Arabidopsis
Liu et al.  PNAS (2013) 110:1548-1553.
doi:10.1073/pnas.1213235110

一酸化窒素(NO)は、植物の様々な生理現象の制御に関与しており、病害抵抗性の調節因子としても重要であることが知られている。しかしながら、NOの作用機作については不明な点が残されている。中国 首都師範大学He らは、シロイヌナズナ芽生えをNO供与体のニトロプルシドナトリウム(SNP)を高濃度処理をした際の成長阻害が起こらないcontinuous NO-unstressed 1cnu1 )変異体を単離し、解析を行なった。この変異体はSNPに対しての感受性が低下しており、SPN処理下での花成遅延が起こらず、野生型よりも花成時期が早くなった。これに呼応して、cnu1 変異体ではFLOWERING LOCUS CFLC )の発現が殆ど見られず、FLOWERING TIMEFT )の発現量が増加していた。マップベースクローニングにより、CNU1 は以前にALTERED MERISTEM PROGRAM1AMP1 )として報告されたAt3g54720であり、cnu1 変異体の表現型は、amp1 変異体の表現型として報告されている多子葉、葉の形成が早い、花成が早いといった形質と非常に類似していた。amp1 変異体はSNPに対する応答性がcnu1 変異体と同じように低くなっていた。AMP1 はグルタミン酸カルボキシペプチダーゼをコードしているが、生物学的な役割は明らかとなっていない。amp1 変異体では、未知の機構によってサイトカイニン生合成量が増加して分裂組織が肥大しており、amp1 とアレリックな変異体(pt/hptcop2 等)は全てゼアチン類のサイトカイニン生合成量が多い。cnu1 変異体のNO応答性の低下が内生サイトカイニン量の増加によるものであるとすれば、内生NO量が増加しているnitric oxide overexpression 1nox1 )変異体の花成遅延がゼアチン処理によって回復するはずである。nox1 変異体を低濃度ゼアチン処理をすると花成が促進され、FLC の発現量が減少し、FT の発現量が増加した。よって、サイトカイニンはNOに対する応答を抑制していると考えられる。ゼアチン処理はnox1 変異体芽生えの成長遅延も回復させ、成長回復には野生型の植物のおよそ1000倍のゼアチンが必要であることがわかった。nox1 変異体の葉は、葉脈が網目状となる表現型を示し、野生型植物を高濃度SNP処理をすると、葉脈が網目状になりクロロフィル含量が低下する。nox1 変異体をゼアチン処理すると、網目状の葉脈が消失し、クロロフィル含量も増加した。したがって、ゼアチンの添加はNOの増加によって生じるnox1 変異体の表現型を回復させる効果があり、サイトカイニンはNOと作用的に拮抗しているか、内生NO量を低下させる作用があると考えられる。NO感受性色素4,5-ジアミノフルオレセインジアセタート(DAF-2DA)を用いて内生NO量を定量したところ、nox1 変異体のNO量は野生型よりも10倍高く、cnu1 変異体のNO量は野生型よりも低くなっていた。cnu1 nox1 二重変異体のNO量は野生型よりも僅かに高かったが、nox1 単独変異体よりも低くなっていた。よって、サイトカイニン量の増加はNO量を低下させる作用があり、このことがcnu1 /amp1 変異体のNO応答性を低下させいていると思われる。cnu1 nox1 二重変異体は花成が早くなり、nox1 変異体よりもFLC の発現量が低く、FT の発現量が高くなっていた。このらの結果から、CNU1はNO生産の下流において作用しており、サイトカイニンは直接的にNO量を制御していると考えられる。細胞内では、NOはフリーラジカルの過酸化物と反応して強力な酸化体である過酸化亜硝酸を形成する。ゼアチンと過酸化亜硝酸を混合して生成物を逆相HPLCで分析したところ、未反応のゼアチンの他に3つのピ−クが検出された。また、サイトカイニンの1種であるN6-イソペンテニルアデニン(iP)も過酸化亜硝酸と反応して新たに3種の物質が生成された。過酸化亜硝酸とゼアチンの反応物はシロイヌナズナ芽生えをSNP処理することによっても生成され、生成量はcnu1 変異体で高くなっていた。したがって、cnu1/ amp1 変異体でのNOの効果低減は、サイトカイニンと過酸化亜硝酸の直接の反応によって内生NO量が低下することによってもたらされていることが推測される。サイトカイニンと過酸化亜硝酸の反応によって生成された物質には生物活性は見られなかった。

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論文)シクロフィリン機能獲得変異体の形態変化

2013-02-21 19:31:33 | 読んだ論文備忘録

A gain-of-function mutation in the ROC1 gene alters plant architecture in Arabidopsis
Ma et al.  New Phytologist (2013) 197:751-762.
doi: 10.1111/nph.12056

中国 清華大学Liu らは、シロイヌナズナT-DNAアクティベーションタギングライブラリーから草丈が低くシュート分枝数の増加した1因子半優性の変異体を得た。この変異体の茎の表皮細胞は、野生型よりも短く幅広になっていた。変異体の花成時期は野生型と変わりはないが、変異体では抽だいが起こらず、ロゼットの中心から直接数個の花が出現した。変異体の花の各器官の発達、種子生産は正常だった。通常の植物体の育成は22-24℃の長日条件で行なっているが、変異体を28℃もしくは短日条件で育成することによって表現型が抑制され、16℃もしくは恒明条件で育成すると表現型が強まった。この変異体の表現型がジベレリン(GA)の生合成/シグナル伝達変異体のものと類似していることから、変異体をGA処理したが、茎の伸長に関して変異体の表現型を回復させることはできなかった。遺伝解析の結果、この変異体の表現型はT-DNA挿入とはリンクしていないことがわかり、原因遺伝子の探索を行なったところ、細胞質型シクロフィリン(CyP)をコードしているAt4g38740(ROTAMASE CYP 1ROC1 )遺伝子にCからTへの1塩基置換が起こり、173番目のCyPにおいて保存されている領域のセリン残基がフェニルアラニン残基に置換していることがわかった。CyPは様々な生物において見出されており、ペプチジルプロリルシストランスイソメラーゼ(ロタマーゼ)活性を有している。ロタマーゼは、タンパク質フォールディングの律速過程であるプロリンのペプチド結合のシス型からトランス型への転換を触媒しており、タンパク質輸送、細胞分裂、転写制御、シグナル伝達、RNAプロセッシングといった様々な過程において重要な役割を果たしている。シロイヌナズナでは29のCyP 遺伝子が同定されている。変異型ROC1roc1 )遺伝子が変異体の表現型をもたらしているのかを確認するために、roc1ROC1 プロモーターもしくは35Sプロモーター制御下で発現させた形質転換当代の表現型を調べたところ、一部の形質転換体がroc1 変異体様の表現型を示した。ROC1 を過剰発現させた個体やRNAiで発現抑制した個体では形態変化は起こらなかった。したがって、roc1 変異体の表現型はROC1 遺伝子の機能獲得変異によるものであることが示唆される。野生型植物において、ROC1 遺伝子は全ての器官において発現しており、roc1 変異体でのroc1 遺伝子の発現量もROC1 と同じであった。また、ROC1roc1 共に植物体をGA処理しても転写産物量の変化は起こらなかった。しかし、GA処理によるROC1タンパク質量の変化を見たところ、ROC1タンパク質量に変化は見られなかったが、roc1タンパク質量はGA処理によって増加することがわかった。ROC1 およびroc1 の転写産物量の育成温度による変化を見たところ、28℃ではどちらの転写産物量とも安定性が増して22℃よりも増加しており、16℃ではROC1 転写産物量は僅かに増加し、roc1 転写産物量は僅かに減少していた。また、温度変化による両タンパク質量の変化を35Sプロモーターでそれぞれを発現させた形質転換体で比較したところ、16℃でroc1タンパク質量の増加が観察された。よって、16℃でのroc1タンパク質量の増加がroc1 変異体の表現型を強めていると考えられる。ga1-3 変異体はGA生合成酵素が欠損しており、花茎の形成にはGA処理が必要となるが、roc1 ga1-3 二重変異体はGA処理をしても抽だいを起こさなかった。よって、roc1 変異はGAによる茎の伸長を抑制していることが示唆される。DELLAタンパク質をコードするGAI 遺伝子の機能獲得変異体gai はGAに対する感受性が低下して茎の伸長が抑制されるが、roc1 gai 二重変異体の表現型はgai 単独変異体と類似しており、gai 変異はroc1 変異による茎の伸長阻害と拮抗していることが示唆される。roc1 変異体においてGA処理によるDELLAタンパク質の分解に野生型との違いは見られなかった。したがって、roc1 変異はDELLAタンパク質を介したGAシグナル伝達には影響を及ぼしていないが、茎の伸長に関してGAシグナルと拮抗していると考えられる。

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論文)アブシジン酸による花成抑制機構

2013-02-19 19:26:21 | 読んだ論文備忘録

The inhibitory effect of ABA on floral transition is mediated by ABI5 in Arabidopsis
Wang et al.  Journal of Experimental Botany (2013) 64:675-684.
doi:10.1093/jxb/ers361

アブシジン酸(ABA)がシロイヌナズナの花成を抑制することが知られているが、その機構については明らかとなっていない。中国 武漢大学のWu らは、ABAシグナル伝達に関与しているbZIP型転写因子のABSCISIC ACID-INSENSITIVE MUTANT 5(ABI5)が花成に及ぼす影響について調査した。ABI5 を恒常的に発現させたシロイヌナズナは、長日条件で花成遅延を起こし、abi5 変異体は僅かに花成が促進された。しかしながら、短日条件ではこれらの植物体の花成時期は野生型と同等であった。花成抑制因子として機能するFLOWERNG LOCUS CFLC )の発現を見たところ、長日条件では、abi5 変異体でFLC の発現量が低下し、ABI5 過剰発現系統ではFLC の発現量が増加していた。また、短日条件ではFLC の発現量に変化は見られなかった。したがって、長日条件においてABI5はFLC の発現を正に制御していることが推測され、このことがシロイヌナズナの花成に影響していると考えられる。FLC プロモーター制御下でルシフェラーゼ(LUC)を発現するコンストラクト(pFLC::LUC)と35Sプロモーター制御下でABI5 を発現するコンストラクト(p35S::ABI5)を導入したシロイヌナズナ葉肉細胞プロトプラストのLUC活性を見たところ、LUC活性はプロトプラストをABA処理することによって、その濃度に応じて増加することがわかった。また、プロトプラストをタンパク質キナーゼ阻害剤K252aで処理してABI5のSnRK2によるリン酸化を阻害すると、ABAを添加してもLUC活性が見られなかった。したがって、ABAによる花成制御は、ABI5によるFLC の転写制御を介してなされていることが示唆される。ABI5にはリン酸化されうる保存されたアミノ酸残基が4つあるが、これらのアミノ酸残基を置換したABI5を用いた試験から、ABI5のリン酸化修飾は花成時期制御において重要であることがわかった。アミノ酸置換したABI5は、pFLC::LUCを導入したシロイヌナズナ葉肉細胞プロトプラストのABA処理によるLUC活性上昇をもたらさなかった。snrk2.2 /2.3 /2.6 三重変異体の葉肉細胞プロトプラストでは、ABI5 を発現させてもABA処理によるLUC活性の上昇が見られなかった。SnRK2.6ABI5 を同時に発現させたプロトプラストでは、ABAを添加しなくてもLUC活性が検出された。SnRK2によってリン酸化されうるABI5以外のbZIP型転写因子のアブシジン酸応答エレメント(ABRE)結合因子(ABF)類(ABF1、ABF3、ABF4)も、ABA存在下でpFLC::LUCを導入したシロイヌナズナ葉肉細胞プロトプラストのLUC活性上昇を引き起こし、この活性上昇はsnrk2.2 /2.3 /2.6 三重変異体の葉肉細胞プロトプラストでは見られなかった。したがって、SnRK2はABI5やABF類を介したFLC の転写活性化において重要であると考えられる。FLC 遺伝子のプロモーター領域にはABRE様エレメントが6箇所あり、bZIPタンパク質が結合するG-boxエレメントが1つある。クロマチン免疫沈降アッセイにより、ABI5はFLC 遺伝子のプロモーター領域の様々なDNA断片と結合することが確認され、特に強い結合を示すDNA断片にはG-boxとABRE様エレメントが1つ含まれていた。そこで、このモチーフに変異を導入してFLC プロモーター活性を見たところ、ABRE様エレメントに変異を導入しただけでは活性に変化は見られなかったが、G-boxにも変異を導入したところプロモーター活性が低下した。したがって、ABI5は直接FLC プロモーター領域に結合してFLC の発現を制御していると考えられる。以上の結果から、ABAによる花成の抑制は、ABI5やABFといったABAシグナル伝達に関与しているbZIP型転写因子によるFLC の発現促進によって引き起こされていると考えられる。

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論文)側根誘導におけるPIN3の役割

2013-02-17 11:51:56 | 読んだ論文備忘録

Auxin reflux between the endodermis and pericycle promotes lateral root initiation
Marhavý et al.  EMBO Journal (2013) 32:149-158.
doi:10.1038/emboj.2012.303

側根形成は、内鞘細胞にオーキシンが蓄積することによって始原細胞が誘導され、この細胞が不均等細胞分裂を起こし、側根原基を生じる。この過程において、オーキシン排出キャリアのPIN3が重要な役割を演じていることが知られている。ベルギー フランダースバイオテクノロジー研究機関(VIB)のBenková らは、GFPを付加したPIN3をPIN3 プロモーター制御下で発現させたシロイヌナズナを用いて、側根誘導の際のPIN3の局在を調査した。PIN3-GFPは内鞘細胞を含む中心柱組織で検出されたが、側根原基の始原細胞となる内鞘細胞を覆っている内皮細胞においても検出された。根の屈曲によって側根が誘導される際のPIN3-GFPのシグナル変化を見たところ、PIN3-GFPシグナルは内鞘細胞でのオーキシン蓄積が起こった後に隣接する内皮細胞で見られるようになることがわかった。そして側根原基か形成されるにつれて、内皮細胞でのPIN3-GFPシグナルは消失していった。pin3 変異体では誘導される側根の密度が減少するが、側根始原細胞の密度は大きく増加していた。また、始原細胞と誘導される側根を合わせた密度は、野生型とpin3 変異体で同程度であった。よって、pin3 変異体は始原細胞から側根原基が誘導される過程が不完全であると考えられる。シロイヌナズナのPINファミリーの中でPIN3 に最も近いPIN7 の発現を見たところ、PIN3と同様に根冠中央部と中心柱で発現が観察されたが、内皮細胞での発現は観察されなかった。よって、側根原基誘導過程での内皮細胞での発現はPIN3 特異的であることが示唆される。pin7 変異体の始原細胞密度は野生型よりも高くなっており、始原細胞からの側根原基の誘導に異常は見られなかった。よって、PIN7活性の欠損は始原細胞の特異化の過程に異常をもたらし、始原細胞から側根原基が誘導される過程には影響していないと考えられる。側根原基を覆う内皮細胞ではPIN3 以外のPIN 遺伝子は発現しておらず、PIN3が主要なオーキシン排出キャリアとなっていると思われる。内皮細胞で特異的に発現するSCARECROWSCR )プロモーター制御下でPIN3-YFP を発現させたpin3 変異体は、pin3 変異体での始原細胞密度の増加や側根原基誘導密度の低下が見られなくなった。よって、始原細胞や側根原基誘導時の内皮細胞でのPIN3活性は、始原細胞を側根原基へ発達させる過程を促進していると考えられる。中心柱でのPIN3活性が側根原基誘導に関与しているかを見るために、中心柱での発現活性があるSHORT ROOTSHR )プロモーター制御下でPIN3-YFPpin3 変異体で発現させたが、側根原基数の増加は見られなかった。したがって、中心柱や内鞘細胞でのPIN3活性は始原細胞から側根原基が誘導される過程には関与していないと考えられる。内鞘細胞において、PIN3は内鞘細胞に接する側の細胞膜に局在していた。また、SCR プロモーターでPIN3-YFP を発現させた個体を用いた試験から、通常の状態ではPIN3-YFPの内皮細胞内の局在に局性は見られないが、根を屈曲させて側根原基の誘導を起こすことによって、PIN3-YFPの局在化が起こることがわかった。このPIN3-YFPシグナルの局在化は、根をオーキシン処理することによっても側根分化領域特異的に起こった。以上の結果から、側根始原細胞の特異化の後に内皮細胞において発現誘導されたPIN3は、内鞘細胞側に局在してオーキシンを始原細胞に供給し、側根原基形成を促していると考えられる。

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論文)WOXタンパク質の活性化因子から抑制因子への進化

2013-02-13 23:15:57 | 読んだ論文備忘録

Evolutionarily conserved repressive activity of WOX proteins mediates leaf blade outgrowth and floral organ development in plants
Lin et al.  PNAS (2013) 110:366-371.
doi:10.1073/pnas.1215376110

野生タバコ(Nicotiana sylvestris )のlam1 変異体は、葉の葉肉の分化が見られず、葉身が退化して細長いひも状になり、花の形態にも異常が見られる。この表現型は、変異体にタルウマゴヤシ(Medicago truncatula )のWUSCHEL関連ホメオボックス(WOX)遺伝子のSTENOFOLIASTF )のゲノム断片を導入することによって回復する。表現型の回復の程度はSTF の発現量によって変化することから、STF は葉身の成長を制御していると考えられる。米国 オクラホマ州立大学Tadege らは、STF の機能について解析を行なった。シロイヌナズナプロトプラストを用いたルシフェラーゼ一過的発現アッセイ系試験から、STFは転写抑制因子として機能することがわかった。STFタンパク質のWUS-boxのアミノ酸を置換した変異型STF(STFm1)では転写抑制活性が低下していることから、STFタンパク質のWUS-boxが抑制活性に関与していると考えられる。STFm1lam1 変異体で発現させても葉身や花の形態の回復は起こらなかったが、STFm1のN末端側にSRDXリプレッションドメインを付加(SRDX-STFm1)してlam1 変異体で発現させたところ、表現型が完全に相補されて野生型と同等になった。一方、STFm1に単純ヘルペスウイルスVP16タンパク質活性化ドメインを付加(STFm1-VP16)してlam1 変異体で発現させたところ、lam1 変異体の細葉表現型がさらに強くなった。以上の結果から、STF は葉身や花の形成過程の細胞分裂をWUS-boxを介して抑制していると考えられる。シロイヌナズナのWUS 遺伝子もlam1 変異体の表現型を相補しうることから、シロイヌナズナの15のWOX 遺伝子のうちの11について相補性試験を行なったところ、種子植物にのみ見られるWOXWUSWOX1WOX7 )のうちのWOX7 以外で形態の相補が見られた。また、ヒカゲノカズラ網を含む維管束植物に見られるWOX9 を発現させたlam1 変異体は細葉表現型がさらに強くなった。したがって、進化の過程において、種子植物が獲得したWOX 遺伝子群はWOX7 を除いて葉身を成長させる機能があると考えられる。STFm1と同様に、WUS-boxに変異を導入したWUSWUSm1 )を発現させたlam1 変異体では表現型の回復は弱くなっていたことから、STF の代替としてWUS が機能するためにはWUS-boxが必要であることが示唆される。さらに、SRDXドメインを付加したWUSm1SRDX-WUSm1 )を発現させたlam1 変異体は表現型が回復し、VP16ドメインを付加したWUSm1WUSm1-VP16 )を発現させたlam1 変異体は表現型が強まった。WUS、WOX7、WOX9および維管束植物以外の蘚類や緑藻類にも見られるWOX13の転写活性をルシフェラーゼ一過的発現アッセイで見たところ、WUSはルシフェラーゼ活性を抑制したが、WOX7、WOX9、WOX13は対照よりもルシフェラーゼ活性が強くなり、特にWOX9が強い活性化を示した。WUS-boxのコアモチーフであるTLXLPFは、種子植物で見られるWOX7以外のWOXタンパク質において保存されており、他の古いタイプのWOXタンパク質ではTL配列がなく、LPF配列にも変化が見られた。よって、WOXによる葉身成長はWUS-boxによる転写抑制活性によって引き起こされており、WOX 遺伝子群がWUS-boxを獲得したのは進化の過程の比較的後期であると考えられる。WOX7WOX9WOX13 にSRDXドメインまたはWUS-boxを付加してlam1 変異体で発現させると表現型の回復が見られた。したがって、WOX 遺伝子は進化の過程においてWUS-boxを獲得することで抑制因子活性を持つようになったと考えられる。

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