非国民通信

ノーモア・コイズミ

自給率は前年度比2ポイント増

2017-08-13 23:07:28 | 社会

食料自給率、38%に下落=過去2番目の低水準-政府目標、達成困難に(時事通信)

 農林水産省は9日、2016年度の食料自給率(カロリーベース)が前年度比1ポイント下落の38%だったと発表した。天候不良で深刻な米不足となった1993年度(37%)に次ぐ過去2番目の低水準。コメの消費減少が続いた上、台風被害を受けた北海道で小麦などの生産量が大幅に減ったことが響いた。

(中略)

 生産額ベースの自給率は前年度比2ポイント増の68%。生産量の減少で国産牛肉の価格が上昇したことが押し上げ要因となった。野菜や果物は輸入額が減り、国内生産額が上昇した。

 

 これは「カロリーベース」と明記してある点では良心的な報道でしょうか。日本が固執する「カロリーベース」での食料自給率が過去2番目の低水準であった一方で、より一般的な指標である金額ベースの自給率は前年度比2ポイント増の68%であったことも伝えられています。報道ではなく生活の中の実感としてはどうでしょう。あなたの身の回りの食材は輸入品ばかりですか? それとも国産品ばかりですか?

 「カロリーベース」という奇妙な指標の低迷とは裏腹に、近年は安価な外食チェーン店でも「国産」を売りにしているところが珍しくなくなりました。一昔前のイメージですと「国産=割高」「輸入品=割安」だったのかも知れませんが、現代は事情が違うようです。むしろ世界的に見て日本人の賃金は相対的に安くなり続けているだけに、輸送コストだけではなく生産コスト自体が日本製は安上がり――そういう時代に入りつつあるのかも知れません。

 

讃岐うどん危機? 豪州小麦が日本離れ(日本経済新聞)

 日本の讃岐うどんが将来、食べられなくなるかもしれない。原料となる小麦のほとんどを生産しているオーストラリア西部で農家が作付けをどんどん減らしているのだ。理由を探るため現場の豪州西部を訪れると、豪州の農地や農産物を巡る世界の争奪戦が激化している様子が見えてきた。

(中略)

 うどん用にブレンドする小麦の6割を占める、もちもちした食感の小麦「オーストラリアン・ヌードル小麦」(ANW)は豪州の農家にとってはニッチ商品だ。それなのに中国や東南アジア諸国が買う汎用性の高い2つの品種と比べ、11年の買い付け価格は1トン当たり約25豪ドル(約2300円)も低かった。

 

 こちらは2013年時点の報道ですけれど、恐らく現在はもっと事態が進行していると推測されます。うどん用の小麦でも「国産」を使用していると謳う飲食店は多くなりましたが、その辺の裏事情はいかがなものでしょうか。「国産」を看板に掲げることでプレミア感を演出する、国産信仰を今なお堅持する頭の古い人を惹きつける意味合いもあるのかも知れません。しかし、表に出てこない理由としては日本の購買力の低下がある、もはや日本の経済力では外から小麦を自由に買えない、むしろ日本の低廉な労働力で生産した国産品の方が安上がり――そうした側面もあるのではないかと。

 外国人技能実習生の受け入れに関する違反は、2016年に表面化しただけでも4000件を超え、過去最高を記録したそうです。ただこの辺も、食糧自給率と同じで将来的には解決されるのではないかな、と思います。つまり経済力が衰退し購買力が低下した日本では、外国から食料を買うより国内で生産した方が安上がりになる、結果として金額ベースでの食糧自給率が向上しつつあるわけですが、労働力でも遠からず同じことが起こるのではないかと考えられますので。

 そもそも中国企業が日本に工場を建て、初任給40万円の求人を出す時代です。今や中国でも一流企業ならば日本企業より高い給与を支払っているのです。そして低コストを見込んで中国に工場を建てた日本企業が人件費の急上昇に四苦八苦していたりもします。これまで日本が人身売買の「買う側」であったのは、日本が経済力の面で優位にあったからに他なりません。しかし日本の経済的優位が失われた先はどうなるでしょう。日本よりも中国の都市部や韓国にでも行った方が稼げるようになれば、敢えて日本に来るのは生粋のオタクぐらいです。いずれ技能実習生は、日本になど来なくなります。そうなったらまぁ、この人権問題も解決ですね。めでたし、めでたし。

 ついでになりますが、昨今は工業製品などでも「Made in Japan」を見かける機会が増えてきたように思うんですよね。四半世紀ばかり前までなら、品質の高さで市場を支配している日本製を見かけることが多いのも当然と言えます。そこから「日本製」の品質的な優位が失われて、単に割高なものでしかなくなった時代があったわけです。そして現代は、低コストな日本製は割高ではなくなりつつあるのでしょう。むしろ外国製品すなわち「舶来品」を高級品として、ありがたがらなければならない時代に進みつつあるのかも知れません。

『社会』 ジャンルのランキング
コメント (1)   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« デフレ脱却が優先されていない | トップ | 良いと信じられてきたことが... »
最近の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
食べ物は・・・・。 (北海のヒグマ)
2017-09-07 23:13:00
カロリーベースの自給率が200%超(だったか?)の北海道に住んでおります。
地元の放送局ではよく、『北海道に住んでいれば自給率が全国一だから安心だ』と言いますが、カロリーベースで見ているだけで豊かな食とは無関係なわけで。
わかりやすく言えば、ジャガイモばかり食べていられますかってことなんですが、そんなことすら北海道でも理解できない人だらけですよ。

国産品を使用という件に関しては、例えば豆腐。国産大豆100%使用とうたっていれば間違いありませんが、単に国産大豆使用とだけ書いてあるモノは、たぶん使用割合は51%ですよ、それは。半分以上使っていれば、そう書いてもいいわけですから。
別に国産大豆の豆腐が良いと言っているわけではありません。食の実態を知らないと騙されてしまうので気をつけましょう、ということです。

猿払村の件に関しては、結局田舎の実態はこんなもんです、とそこに住む人が言っているに等しいです。そんなところで誰が働きますか? ってね。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

社会」カテゴリの最新記事

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
ブログ作成者から承認されるまでトラックバックは反映されません。
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。