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ノーモア・コイズミ

K-1では異例の重い処分

2007-01-19 00:58:56 | ニュース

秋山に追加処分 無期限出場停止が決定=K-1Dynamite!!(スポーツナビ)

 秋山成勲に追加処分が下された。K-1を主催するFEGの谷川貞治代表が17日、都内ホテルで桜庭和志とともに記者会見を行い、昨年大みそかの「K-1 PREMIUM 2006 Dynamite!!」(京セラドーム・大阪)のメーンイベントに出場した秋山成勲にFEGが主催する大会への無期限出場停止の処分を下すことを発表した。
 秋山がルール違反とされるクリームを体に塗ったことでこの試合はノーコンテストとなり、秋山は「失格」、ファイトマネー全没収の処分が先日発表されていたが、この日の会見ではさらに「現行のルールでは失格以上の取り決めはないが、それだけ重い責任があると判断し、自分の独断で決めた」と、谷川代表が無期限停止処分の理由を語った。昨晩、秋山には直接通達されており、秋山は「どんな処分も受け入れます」と答えたという。またその際に秋山からは「FEGのイベントで直接、ファンに謝罪したい」との申し出があったが、谷川代表はこれを断ったことも明らかにした。

 このブログは格闘技ファン向けではないので補足しておきます。まず昨年の大晦日に秋山成勲選手と桜庭和志選手の対戦が行われ、秋山選手が勝利したものの桜庭選手が「滑る」と抗議したことから疑惑が始まりました。

 K-1のルールでは体にワセリンなどの潤滑物を塗布することが禁じられており、試合前にはレフェリーが選手の体を触って違反がないかをチェックする仕組みとなっています。この試合前のチェックの段階では問題がないとされ試合開始、秋山選手の勝利となった後に桜庭選手側からの抗議、再度レフェリーチェックが入りましたが、この段階でも潤滑油の塗布は認められず秋山選手の勝利が確定しました。

 ところが後日となって秋山選手が控え室で保湿クリームを塗布している映像が確認され、これを違反として無効試合との裁定が下りました。当初は本人が撮影用のビデオカメラの前で堂々と塗布していることから意図的な反則ではないとみなされていたものの、それが今日になって追加処分として無期限出場停止となったわけです。

 組み技を含む総合格闘技ではこっそりと潤滑油を塗って有利に試合を進めようと企てる選手もいないわけではありませんが、圧倒的に多いのが負けた側が相手をうまくコントロールできなかった言い訳として「滑る」「体に何か塗っていた」と主張するケースでして、これはよくあるいつものこと、通常であれば問題視される事態ではありません。そもそも何も塗らなくても、汗だくになって組み合っていれば滑るのは当たり前のことですので。

 さてK-1はジャッジの基準すら曖昧な団体ではありますが、無期限出場停止とは異例の重い処分です。たとえ保湿クリームであっても試合前に体に何かを塗ることは反則です。しかしレフェリーが触っても関知できない程と、試合への影響があるとは考えにくく、かつ過失によるものであることを考慮すればそれほど重大な反則ではありません。今までK-1ではその管理の甘さからか、悪質で重大な反則や契約違反などが多発してきましたが、それに対する処分は常に曖昧で軽微なものでした。常にナアナアで問題をうやむやにしてきたK-1において、今回の秋山に対する処分は明らかに今までの基準とは違った何かに拠っているとしか思えないわけです。

 ここで邪推の余地があるとすれば、秋山選手が在日韓国人(現在は日本国籍を取得)だと言うことです。このため方々からヘイトスピーチの格好の的とされ、彼への中傷は以前から少なくありませんでした。そこへ今回の桜庭戦、レフェリーが触った限りでは滑らなかったわけですが、桜庭選手の「滑る」発言は秋山選手を攻撃する格好の口実となりました。

 この結果レフェリーを務めた梅木良則氏のブログが炎上、主催団体であるK-1にも抗議が殺到する展開となりました。そこで試合当日は秋山選手の勝利が確定→非難が殺到→再調査、無効試合扱いに→それでも非難が殺到→無期限出場停止の追加処分となったわけです。ある意味でファンの声に応えた結果といえるのかもしれません。

 そこで思い当たるのが、先日の玉川大学が朝鮮学校の卒業生の受験を認めなかった話です。もちろんこれを差別として批判するブログもありましたが、一方で玉川大学の態度を当然のこととして擁護、賞賛するブログはそれ以上に多数ありました。今回の受験拒否で玉川大学は株を上げたのでしょうか?それとも下げたのでしょうか? もちろん私の中では玉川大学の評価は地に落ちたわけですが、しかしブログの数を基準に考えてみると、玉川大学の評価を上げた人の方が多いようにも見えます。

 困ったことに、差別発言によって喝采を浴びる芸能人、言論人、政治家が後を絶ちません。もちろん差別発言によって評価を下げる側面もあるのですが、悲しむべきことに差別発言を賞賛する人の方が多数派を占めつつあります。今やレイシズムはアピールポイントの一つ、いわゆる嫌韓の類は人気取りのために積極的に表明される有様です。

 たぶん、玉川大学は差別を堂々と打ち出すことで失うリベラル層からの評価よりも、それによって得られる差別主義者からの評価の方が重いと判断したのでしょう。そしてK-1、今回の件だけではまだ何も言えませんが、明らかに異例の重い処分、フェアな判断をするよりも、ファンの差別感情を満たした方が後々の商業的成功につながると判断した――そう考えるのは穿ちすぎでしょうか?

 

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