非国民通信

ノーモア・コイズミ

リスクを冒せる人、冒せない人

2008-04-13 23:21:56 | 編集雑記

 体力が衰えていると言いますか、疲れが取れません。5日間で溜めた疲れを癒すには5日間の休息が必要な気がしてならないわけで、どう考えても2日じゃ足りません。ずーっと眠くてしょうがない。そして昼間からうとうとしていると、いつの間にか日曜の夜、また明日から会社です。次の週末だけを心の支えに堪え忍ぶ日々が始まります。

 自分に出来ないことをやってのける人は、それはそれで尊敬に値します。自分がやろうとしても出来ないことを平然とこなしてみせる人には、それなりの見所があるわけです。私の場合はそう、競馬とかパチンコとか、賭け事に手を出せる人を尊敬しますね。あれは私には真似の出来ないことです。期待値がマイナスと言いますか、仮に期待値がプラスであってもマイナスになる可能性が高いものに手を出すなんてのは、私には到底無理です。

 で、不確実なものには手が出せないわけですが、おかげで転身できないと言いますか、不満を持ちつつも同じ職場に止まっていたりするわけです。止まっていると言っても今の職場はまだ1年程度ですが、それでも不満があるなら他の道へと、そう考えたいところでもあります。とは言え賭には出られない、リスクは冒せない性分ですので、今の職場よりも確実に待遇や環境面でプラスになる、かつ望めば確実に転身できる保証がないと動けません。現状に不満はあっても、失業したり今よりも悪い条件で働かざるを得なくなったり、そういう危険性を考慮すると、なかなか決断できないのです。

 その点、ギャンブルなどに手を出せる人はどうなのでしょうか? 麻雀をやる人、パチンコをやる人、競馬をやる人、株をやる人、色々いるわけですが、誰もが決まって口にするのは「これが一番儲かる」ということでした。私に言わせればどれも非常にリスクがあって、儲かる可能性は確かにあるにせよ大損する可能性がそれ以上にあるわけで、とても手を出せる代物ではないわけです。それでも賭に出る人は不思議と迷いがありません。その迷いのなさを少し分けてもらいたいくらいなのですが、この羨ましい迷いのなさはどこから来るのでしょうか?

 何事にも失敗する場合と成功する場合があって、そのどちらのイメージを思い描くかにも拠るのかも知れません。失敗するイメージを思い描く人、成功するイメージを思い描く人、その両方のイメージを思い描く人―――そして迷いなくギャンブルに手を出せる人は、この成功するイメージを際だって強く持っているタイプなのでしょう。失敗する可能性を考慮に入れてしまえば、そうそう決断は下せないもの、失敗のイメージを無視して成功のイメージだけを心に思い描けるからこそ、リスクを冒せるのでしょう。

 さて、少し話題が変わって今度は犯罪の話です。死刑制度に限らず、いかに厳罰化を推し進めたところで犯罪の発生には全くと言っていいほど影響を与えないわけですが、これもポジティヴなイメージを描けるか、それともネガティヴなイメージを持つかに拠るのかも知れません。つまり成功するイメージ――自分の目的を達する――だけを持ち、失敗するイメージ――逮捕され罰せられる――を持たない場合、刑罰の重さは犯人の想定の外に置かれており、何ら影響を持たないのではないでしょうか。

 損をするリスクがギャンブラーを押し止めることがないように、罰せられるリスクが犯罪者を押し止める可能性が、果たしてどの程度あるのか問いたいものです。期待値がプラスかマイナスかを計るギャンブラーがごく少数であるように、不法行為によるプラスと刑罰によるマイナスを計算した上でコトに及ぶ犯罪者はごく稀でしょう。ギャンブラーが「儲かる」イメージだけを心に思い描くように、犯罪者もまた同様、少なくとも犯行当時は刑罰のリスクなど考えず、純粋に自分の目的を達成するポジティヴなイメージが心を占めているはずです。

 損をする可能性さえ説けば、ギャンブル依存症の人が賭け事から足を洗うと考えるなら、死刑や厳罰よって犯罪を抑止できると考えられるでしょう。しかし、ギャンブルに嵌る人はそうじゃない、リスクを冒して行動を起こせる、常に成功するイメージを抱けるポジティヴな考え方の持ち主なのです。心に成功するイメージを抱き、常にポジティヴな人間にリスクというネガティヴな要素を説くことは無駄です。それは悲観的な人にしか通用しません。ポジティヴな人を動かすには、別のポジティヴな動機付けが必要なのです。

 

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4 コメント

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Unknown (Bill McCreary)
2008-04-13 23:52:35
犯罪する人って、「つかまったらどうしよう」とか言うことを考えるのが極めて苦手な人たちが多いと思うんですよね。

この間死刑を執行された逆恨み殺人の男なんて、あのような理由で女性を殺したら死刑か無期しか可能性がないことを認識していなかったのかと思うんですけど、彼が少しでも自分の行く末を考えていればたぶん殺人はしなかったでしょうね。

こういった人たちにどう対処すべきかという問題は、私は精神医学のアプローチが妥当だと思います。法律とかでは、結局のところ対処しきれないと思います。

でもギャンブルは・・・・。難しいですね。私はギャンブルは嫌いですが、人間社会から広い意味でのギャンブルが亡くなるわけがないから、依存症の人とどう対応していくかというのは、法律でまともに対処できないから面倒ですね。
Unknown (非国民通信管理人)
2008-04-14 00:00:26
>Bill McCrearyさん

 中には「死刑になりたかった」と刑罰が目的の人もいますが、大方は後先を考えない、たとえ計画的なものでも犯罪を実行するまで、捕まった後のことを考えているとはとても思えないケースばかりですよね。ネガティヴなイメージを持たないのですから、刑罰による脅しとは別のものが必要だと思うわけです。ギャンブル依存も同様で、ギャンブルのネガティヴな面を説くよりも、何かもっと他のことを薦めてみるべきなのかな、と。たぶん、そのポジティヴでリスクを冒せるが故に変わり身は早いような気がしますし。
Unknown (電脳戦隊)
2008-04-15 22:58:26
心身衰弱とか何とか言って
ホンの短い期間で出てくる犯罪者たちが
米国のような完全な意味での無期懲役や
死刑を執行されたならそれだけで
再犯による被害は確実に減るわけですが
その辺り管理人様はどうお考えなんでしょうかね?

そもそもギャンブルと犯罪とでは
被害を被る人間が他人と本人で
まるで条件が違うんですがね
Unknown (非国民通信管理人)
2008-04-15 23:29:28
>電脳戦隊さん

 そうだね、どうせなら日本人を皆殺しにすれば、国内の犯罪の97%を未然に防げるしね。君の電波で頑張ってみたらどうかな?

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