収入があることを隠すなどし、不正に受給された生活保護費が、過去最高の92億円となったことがわかりました。
厚生労働省によりますと、昨年度不正に受給された生活保護費は前の年より2億円増えて92億円となり、件数も1万6000件と金額、件数とも過去最高となりました。
不正受給の手口で最も多かったのは働いて得た収入を全く申告しなかったケースで、およそ8900件(56%)と半数を超え、年金収入を申告しなかったケースも2100件(13%)に上りました。
以前に書いたことと内容の半分は重複しますが、最新のデータを紹介するという意味で取り上げます。
さて、不正に受給された生活保護費が92億円だとか。「こんなに多いんだぞ」という文脈での紹介ですから、最大限に大きく見積もった結果がこの数値と思われます。これがどれくらいの数値かと言いますと、生活保護費の総額が約2兆5000億円ですから、全体の0.4%を下回る数値です。かの給食費ですら滞納額は全体の0.5%に過ぎませんが、生活保護費の不正受給額はそれすら下回るわけです。
不正受給が件数ベースだと1%程度なのに対し、金額ベースですと0.4%を下回ります。満額を不正受給しているケースは稀少なようです。この理由としては、「不正」の理由の大半が申告漏れによるものだからですね。生活保護を受けながらも何とか働いて、それで雀の涙の収入を得るわけですが、馬鹿正直に申告してしまうと色々と減額されてしまいます。つい魔が差して「黙っておこう」と思った人も200人に一人くらいはいるもので、それがこの結果に繋がったわけです。
生活保護の不正受給の実態はこんなところで、それ自体は特に問題になるものではありません。僅か0.4%の増減で運用に影響が出るとしたら、それは金額的なところではなく、別なところに問題があります。年収199万円では生きていけないが、年収200万円なら暮らしていけるとか、そういう人はいますか? 0.4%とは、そういう数値です。
ところがまぁ、手の打ちようもない迷信家もいるもので、あたかも生活保護の不正受給が至るところではびこっているかのような、そんな根拠のない思いこみを抱き続けているばかりか、デマをまき散らす連中も少なくありません。これこそが問題ですね。現実を見誤らせようとする輩が幅を利かせている限り、何ら有効な対策など出てくるはずがない、間違った思いこみの上にコトを論じてもそれは妄想に過ぎないのですが、そんな妄想が繰り返されるばかりですから。
もちろん凶悪犯罪が減少を続け、殺人事件が戦後最少を記録した中でも、人目を惹く残忍で無差別な凶行は存在します。同様に生活保護の不正受給がいかに少なくとも、絵に描いたような悪意ある不正受給のサンプルは、探せば見つかるものです。そうした個別の例を強調するばかりで実証的なデータからは目を背け、自らの思い描く不正受給のイメージを喧伝するデマゴーグも後を絶たないわけですが、やれやれ、彼らのモチベーションはどこから湧いてくるのでしょうか。かの産経新聞「溶けゆく日本人」の愛読者と同様、モラルの崩壊を固く信じ、被害妄想に浸るのが好きなんでしょうかね。私は根拠のない自信は持てないタイプですが、数値的な裏付けなどなくとも自らの「そうあって欲しい」という欲望の元に「不正受給が横行しているんだ!」と固く信じられる人は幸せですね。願わくはお花畑から出てこないで欲しいですけれど(10/17追記、どうやらお花畑から出てきたようです。偏見をまき散らすことを恥じる意識はないんですかね?)。







…しかし、またもこういう話ですか。
こういう話で「手を差し伸べる」ことさえ躊躇させるのは、勘弁ですね。もっとはっきり言えば腹立つ。
と、感想書かせていただきましたところで、一つお話があります。
9日に送らせていただいたトラックバックの記事でも書きましたが、諸々の事情を考えた結果、ブログの記事制作を休止する事にしました。
今の状況で(1)仕事の完遂(2)共産党活動との両立 をどうするか考えた結果、削れるものは削らなければならず、その中で、ブログの制作も「削るもの」になったのでした。
非国民通信さんには、私の記事制作を助けていただく一文や記事を書いていただいた事で、励まされたり力強さを取り戻す力になって来ました。本当にありがとうございます。
「通信簿の結果」が出たら、再開します。それまでお体にはお気をつけてお過ごしください。
ありがとうございました。
党活動に軸足を移されるそうで、寂しいようでもありますが、ブログでの言論活動もさることながら、表に出て実際に声を上げてみることも必要ですからね。遠からぬうちに政界の勢力図は大きく動きそうですが、私も何かできることを探さなければなりませんね。またブログ上でお会いできる日を心待ちにしております。
>ノエルザブレイヴさん
「自虐史観」なんて言葉は昨今ではやや下火のようではありますが、むしろ「自虐現代観」は隆盛を極めていますよね。実態を調べてみれば取り立てて騒ぐようなことでもないのに、負のイメージを大仰に煽り立てる、何とも不思議な現象です。
あと、自分の思うことができなくなった事を「自分がやだから嫌だ」と言うのではなく「モンスター〜が云々」とか言い出すのも「道徳」に逃げ込む正々堂々さの欠ける行為に見えます。確かに理由をつけないと正当化できない弱さはありますがすぐ「道徳」に頼るのもまた安易ですね。
ま、後はうちの方でも詳しく書こうかな。でも、この記事で数字のマジックにかかったお利口さんがどのくらいいるか、見物だな。
役所では申告時点のチェックが主です、後日バレルのは周辺からの通報等で調査した結果と思います。
受給者の周辺の人間が受給の事実を知っているのは都市部では少なく一度認定されるとほぼ継続される?
役所側でも限られた人員で精一杯でしょう。
バレタら時効分を除いて不正受給額の返還となるのでしょうが、不正防止には不正額の3倍返還が有効と考えます。
にもかかわらず、不正受給が横行していると思っている国民が大多数です。
自民党政権は、生活保護をはじめ、社会福祉の切捨てに熱心ですから、こういった国民の意識は喜ばしい限りでしょう。
近年、生活保護支給を抑制した結果、生活保護がもらえず餓死する方あり、生活保護を打ち切られ「おむすびが食べたい」という遺書を残して亡くなられた方ありと、自分で自分の首を絞める結果となってしまいました。
実際は自分の私的な感情から動いているのに、それを道徳や公共性を持ち出して正当化する人も多いですよね。単に「好きだから」「嫌いだから」と言い切ってしまうような人の方がまだしも正々堂々としているような気がしてしまいます。
>y-burnさん
不正受給総額は0.4%弱ですが、勘違いしている人はその百倍以上の割合で存在するかも知れませんね。給食費滞納の調査と同様に、実数を調査するのではなく「どう 思 う か 」とアンケートを採って回ったら、きっととんでもないことになりそうです。
>tatu99さん
悪意を煽るべく、最大限に見積もった数値が0.4%ですね。ある意味、ネット右翼が本当に対立しているのは左翼ではなく「現実」ではないかと思うときがあります。自分が気に入らない現実を、実証的な裏付けによってではなく自らの信念によって否定し、それを書き換えようとするのがウヨの特徴でしょうかね。根拠はいらない(出せない)、ただ声高に断言するだけ。
>怪人20面相さん
運用上は微々たる数値でも、イメージは全く違いますからね。そして「実態」ではなく「思いこみ」に基づく「国民の視点」の政治が推し進められた結果として、日本の絶望的な貧困補足率があります。貧困の切り捨てが罷り通るのも、少なからぬ世論の理解、後押しがあってのことですから……