非国民通信

ノーモア・コイズミ

ハローワークの利用は避けることを奨めたい

2014-01-04 22:57:20 | 雇用・経済

ハローワーク:紹介先は「詐欺会社」 行政の情報共有なく(毎日新聞)

 うそをついて健康食品を販売したなどとして、元社員4人が特定商取引法違反(不実の告知)罪で有罪判決を受けた東京都中野区にあった健康食品販売会社「日本健康促進協会(日健)」の求人を、ハローワークが出していたことが分かった。求人が出ていた時期には同社に関する苦情が消費生活センターに寄せられていたが、センターを所管する消費者庁、ハローワークを所管する厚生労働省は情報を共有していなかった。事件ではハローワークの紹介で入社した女性が有罪判決を受けており、専門家は「行政の情報共有とチェック体制の強化が必要」と指摘している。【吉川雄策】

 日健の元社員4人は昨年5〜7月ごろ、山口、福岡、大分など6県の62〜87歳の男女7人に電話し、健康食品の売買契約をしていないのに「以前契約してますよね」などとうそを言って商品を買わせようとしたとして今年6月に逮捕された。

 山口地裁は今年10月、4人のうち26〜35歳の男性被告3人に懲役1年〜1年6月の実刑判決を、女性被告(60)に懲役1年2月、執行猶予3年を言い渡し、確定した。

 東京労働局によると、日健の求人は昨年3〜6月に計4回出されていた。有罪判決を受けたこの女性は昨年3月末、東京都文京区のハローワーク飯田橋で日健の求人を見つけたという。すぐに紹介手続きが取られ、4月から本格的な勤務についた。

 

 ハローワークに紹介された会社から金銭を騙し取られたケースを以前に取り上げたりしましたが、今回はハローワーク経由で就職した先が詐欺を専らの生業とする会社だった事例が報道されています。まぁハローワークの求人ですから、だいたいそんなものでしょうね。日本には不当景品類及び不当表示防止法という法律があって広告などに虚偽の記載をしてはならないことになっているものの、求人広告に関しては実質的な適用除外として運用されてきたわけです。そして民間の求人媒体に比しても審査が緩いであろうハローワークが不法行為の温床となるのも当然と言えます。

参考、ハローワークの求人広告が最も信用できない

 ハローワークは公的機関ではありますが、ここまで利用者側を蔑ろにした機関というのも珍しいのではないでしょうか。公的機関であるハローワークを通した就業先ならば少なくとも法に触れるような仕事ではないだろうなどと思ったら大間違い、政府公認のはずのハローワークの紹介を受けた先で金銭を騙し取られたり、今回報道のように他人から金銭を騙し取るなどの犯罪行為に巻き込まれるケースは極端であるとしても、仕事の中身が事前の説明と全く異なるなんてのは決して珍しいことではありません。そうして生み出された被害や損失に対してハローワークが何か保障をしてくれるかと言えば、見事なまでに自己責任に帰せられるのですから酷い話です。

 ハローワークの仲介で被害者になった人もいれば、加害者になった人もいるわけです。これが民間企業の運営であったなら、あるいは求人関係以外のサービスであったならどうでしょう? 何らかの仲介業者に勧められた先で金銭を詐取される被害に遭うもしくは犯罪に荷担させられるとあらば、その仲介者もまた共犯者として相応の責任を問われるのが筋ではないかと思います。果たしてハローワークを野放しにしていていいのか、ハローワーク責任者の処分や営業停止措置などが必要ではないのか、詐欺の温床が放置されていることには首を傾げるほかありません。

 現行のハローワークの職務として、失業者(求職者)側を監視することが挙げられます。失業給付を受けようとする人にはまず不正をするな、不正をしたら処罰が云々と最初にまず容疑者扱いすることから始まり、求職活動をしているかどうかのチェックも入るわけです。同じことを、求人サイドにすべきではないかと思いますね。つまり、ハローワークを通じて求人を出そうとする事業者を呼びつけて、もし求人に不正があったら云々と詰ることから始めるぐらいの対応をしないと利用者に対してフェアではないのではないでしょうか。

 そうでなくとも、求人側への定期的なチェックは欠かせないはずです。求人を出す事業者の申請に虚偽がないか、公的機関として求職者たる住民に仕事を紹介する以上、ハローワークは責任を持って監査することが求められます。失業者には虚偽の申請(例えば収入を隠すなど)をすれば処罰の対象になる~と最初から嫌疑をかけてかかるのに、同様に虚偽の申請を出してくる事業者には何もしないのは何故か。ハローワークはあまりにも雇う側に肩入れしすぎではないのかと問われるべきです。

 ハローワークにて掲載された求人広告に虚偽があれば、ハローワークが責任を負うべきではないでしょうか。公的機関にて書面で明記された内容と実際の職務内容や待遇が異なるようなことが当たり前のように受け入れられているわけですが、これは異常なことであり仲介者たるハローワークの許しがたい責任放棄であると言えます。公的機関として求人広告を公開する以上、その内容の真実性や合法性を担保する責任は当然のこととして求められるべきものです。

 今回報道でも伝えられている通り、ハローワークは応募状況を把握しています。ハローワークにて公開された求人へ「こっそり」私的に応募することも一応は可能ですが、本則としては窓口で仲介を依頼してから応募することになっており、大半は実際にそうしていることと思われます。掲載された求人に対してどれだけの応募者がいるかをハローワークは把握していますし、その結果もまた同様です(そうでなければ統計が取れませんし)。だから、求人に応募する人が絶えないのに採用実績に乏しいカラ求人なんてのもハローワーク側には一目で分かるはずですが――その辺もお咎めなしなのでしょうか。結果としてババを引かされるのはハローワークで職を探そうとする人ばかり、酷い話です。

 

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 なお、別に珍しいことではありませんが最近の報道ではこんなのもありました。ハローワークも求人票を受理し、公的機関として求職者に紹介した以上、責任を問われてしかるべきものと言えます。

東京エムケイ運転手ら40人超、未払い賃金求め続々提訴(朝日新聞)

 大手タクシー・エムケイグループの「東京エムケイ」(東京都港区)の運転手らが「求人票通りに月給が支払われていない」として、未払い分の支払いを求める訴訟を東京地裁に相次いで起こしている。先月までに計42人が提訴。請求額は約4億円に上る。1月中に5人が提訴予定で、最終的には全従業員の1割近い約50人になる見通しだ。代理人の弁護士は「同社の体質が問われる」と話している。

 訴えによると、同社はハローワークの求人票などで「固定月給35万円」として運転手を募集。だが、月8~9日の公休日以外すべて出勤しても、基本給に諸手当を加えた月額は、約20万円にしかならない。また乗車前の車の点検や降車後の洗車、運行記録の記入時間など1日計2~3時間ほどが残業時間に算入されず、月額10万~30万円が未払いと主張している。

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