スマイル測定「今年最低の発明」 米タイム誌「独断で」(朝日新聞)
米タイム誌は最新号で、今年最高の発明1〜50位と最低の発明五つを掲載した。最低の発明には「ガスマスクとしても使えるブラジャー」などと並び、オムロン(本社・京都)が開発した笑顔をチェックするシステム「スマイルスキャン」を選んだ。
接客サービスの向上などが狙いのシステムで、カメラ映像の中から顔を認識して「笑顔度」を0〜100%で測定する。オムロンによると、鉄道会社の駅員や病院の看護師らに利用が広がっており、同誌電子版は「最高の表情を作るため、ソフトウエアに顔をスキャンされる日本の大手私鉄社員」の写真も掲載した。
(中略)
タイム誌は10年ほど前から毎年、最高の発明を選び、今年は最低も選んだ。その基準を広報担当は「編集者の独自の判断」と説明した。
オムロンの広報担当者は「残念な選出ですが、世の中に笑顔を増やすという製品の意図を理解してもらっていたら、評価も変わっていたかもしれません」と話した。
たぶん「化石賞」とか「ビドーネ・ドーロ」みたいに不名誉な賞として受け止められているのでしょう。イグノーベル賞みたいな揶揄がありつつも好意的な評価とは違う、だから引用記事では日本製品の受賞に際し、「編集者の独自の判断」などと強調することで、なんとかして選定基準にミソを付けてやろうとしているようにも見えます。私には妥当な選考だとしか思えないですけれど。
まぁ「最低の発明」はどこの国でもあり得ることです。日本だから、と言うものでもないわけです。しかしどうでしょう、「最低の発明」がその「母国」においても最低の発明として評価されているのか、それとも「外国」では最低の発明と評価されているのに「母国」では全く評価が違うのかを考えてください。「ガスマスクとしても使えるブラジャー」は、母国であるアメリカでもネタグッズとして笑いの対象でしょうけれど、「スマイルスキャン」を最低の発明と見なす発想は、アメリカを初めとする諸外国にはあっても、日本にはないのではないでしょうか。もしかしたら、日本人だけが例外的にありがたがっているとしたら……
カラオケとかotakuとか、世界で歓迎されている日本の発明は多々あります。その一方で、日本国内では広範に普及しているのに、世界には全く波及しない日本の発明もあるわけです。たとえばカプセルホテル(東京都知事選出馬で政治ブロガーの知名度も高い黒川紀章氏の発明)なんかですね。これはたぶん日本限定、探せば見つけられるかも知れませんが、カラオケやスシバーと違って世界中に広まってはいません。日本ではこれだけ広まっているのに。
その昔、知り合いのロシア人留学生が「アレはホテルではなく死体安置所だ」みたいなことを言っていました。生きた人間をああいう空間に押し込めるなんて信じられないとか。そりゃそうですよね、人間をモノとして扱う発想がないと、カプセルホテルなんて思いつかないでしょう。アレと似たようなものと言えばまさに死体置き場だったり、せいぜいが暗めのSF映画の宇宙船でコールドスリープ状態の乗組員を収納するスペースくらいですよね?
日本以外の文化圏の人間からすれば悪夢の産物でしかないものを、しれっと日常に紛れ込ませているのが現代の日本社会なのかも知れません。その一つがカプセルホテルであり、今回の「スマイルスキャン」だったのではないでしょうか。笑顔とは自然に出てくるもののはず、それを機械で作り出そうなんて企てに戦慄しないでいられる社会は日本くらいであり、日本以外の文化圏の住民からすれば、まさしく機械が人間の感情をも支配する悪夢のような未来を想起させるものだったのでしょう。
刑務所跡地が観光スポットになっているところもあって、中には「刑務所一泊ツアー」みたいなネタ色の強い催しもあるそうです。そういうものを「娯楽」として消化するような人にしてみればカプセルホテルもスマイルスキャンも話のタネとしては喜ばれるのでしょうけれど、日本のすごいところはこれがネタではなくマジだというところです。「ディストピアごっこ」の舞台装置としてカプセルホテルやスマイルスキャンがあるのではなく、各地の職場で導入されるなど「日常」に組み込まれている――つまりはアトラクションとして幽霊屋敷が作られているのではなく、幽霊屋敷で生活することを強制しているようなものであり、まさに気が狂っていると見なされても不思議ではないと思います。
「世の中に笑顔を増やすという製品の意図」などとオムロンの広報担当者は宣うわけですが、機械による測定で増やされた笑顔に何の意味があるのでしょうか。独裁国家の「将軍様」の支持率と同じです。忠誠心を測ることで「不合格」な人間をあぶり出し、脅しを掛けることによって見せかけ上の支持を作り上げる、それと同じことです。人に笑顔を強制する、喜ぶことまでを強制しようとする国家では人権が守られているとは言えないでしょう。
なぜスマイルスキャンが最低の発明に選ばれたのか、その理由が理解されないよう社会が次に産み出すのは何でしょうか。笑顔の測定器の次は、「仕事へ取り組む真剣さ」を測る機械でも作られそうですね。スマイルスキャンの前で必死に笑顔を作ることを強いられた次は、測定器で勤務態度を監視される……こうなっても不思議ではありません。その最終形態は「思想/信条スキャン」でしょうか? とかく「心」を支配したがる国ですから。











そうなるとこれも追加ですね
つ監視カメラ
あとは車の車種を記録するアレとかですか。
笑顔のシャッターチャンスを逃さない為のものも、プログラム次第ではいろいろ応用できそうで、例えば不平そうな顔をプログラムして、政治家などの一瞬の表情を撮影記録するとか、週刊誌やスポーツ紙のカメラマンは欲っしそうだと思います。
カプセルホテルがそこまで忌避されているとは、まあ、これは「畳一枚」あれば生活できる日本の文化の延長だとも言えなくは無いですが、同じ部屋で食事も着替えも就寝も行う事は理解できないという面もあるかと。
格安の宿泊施設でいうと、外国人に人気のドミトリーなどありますが、あちらは雑魚寝やパーテーションで仕切られた程度のもの、私などはカプセルでも個室化した方がいいのですが、どうなんでしょうね。
むしろ、生かしておくには「畳一枚」の空間で十分とする文化の延長かも知れませんよ。
>秋原葉月さん
ありましたねぇ、あれも「笑顔を測る機械」ならぬ「愛国心(体制への従属度)を測る機械」みたいなものでしょうか。オムロン風に言えば「世の中に規範意識を増やすという製品の意図を理解してもらっていたら〜」となるのでしょうか。
お金の使う方向が間違っている。
もっと世の中を笑い飛ばす方向で、こういう技術が使えるといいんですけどねえ。
>まりさん
ロボットやAIやVOCALOID好きな私としては、感情システムの追究は願ったりですけどね……。それは無宗教な日本人だからこそ得られる感性なのかもしれません。西欧では、未だにフランケンシュタイン・コンプレックスがあるんでしょうか?
http://eigonihongonews.blog110.fc2.com/blog-entry-193.html
日本人に英語ができない人が多いこともまた,感覚がおかしくなる原因のひとつのような気がします。
10年ほど前に、車雑誌のデザインに関する記事の中で、「最近の日本の車はSF映画に出てくる敵側(悪)の、もしくはブレードランナーなど荒廃した未来を描いた世界の中の負のデザインをコンセプトにしたようなものが増えてきた」と、また別の記事では「攻撃的で悪そうな顔つきになってきた」というのを目にしたことがあります。
ガンダムやスターウォーズで育った私などは、結構カッコイイと受け止めがちですが、記事の中では「映画では欧米人の中にある、負の(悪の)イメージ、こういう未来にしてはいけないというアンチテーゼの記号で組み上げたものを、日本人は憧れの未来として「勘違いして」その「記号」を受け止めている」という内容でした。
宗教観の違いもあるかと思いますが「勘違い」にしても、記号の受け止め方は国や文化によってさまざまなのかなと感じました。
ちょっと考えさせられますが、あと歴史認識の問題かもしれませんが、デザインでいうと旧ナチスドイツの将校の制服なども、結構アニメやマンガの中では多用されています。あくまで記号というより「カッコイイ」という特になにも考えていないのかも知れませんが、その辺の記号への「憧れ」的なものも日本人の気質、それとも教育の問題でもあるのでしょうか?
実際のところは画像認識装置であって
あまり公にできないそのコアを使った展開が
他製品に仕込まれていると思います。
医療関係とかね。
会社ってのは理不尽に発表させられる機会が多いモノです。
発表用にしょうがなく作った程度のものだと思いますが。
確かに。
オムロンの「世の中に笑顔を増やすという製品の意図」って・・・この機械に合格した笑顔が増殖した社会って、マジ星進一、筒井康隆の怖い未来像じゃないですか。
本気で言ってんだろうか。「ネタじゃなくてマジ」に見せるネタという高度なワザ?
なわけないか。気ぃ狂ってる^^;
話を戻して・・・。
件の「笑顔を測る機械」については、案外日本国外でも需要があるかもしれません。
「改良」版として、「怒りの表情を測る機械」なんてのをハマス辺りが注文するとか・・・。
そこまでオムロンが考えて、件の「笑顔を測る機械」を作ったとしたら笑うしかありません(多分そんなことない)。
>〜「仕事へ取り組む真剣さ」を測る機械
これが作られたら、仕事での「やる気」を出すのが苦手な私は3秒でクビになりそうです。
英語は真っ先に結論を言うので、欧米のクイズ番組で使われているとは到底思えないですし。
サービス業のやりがいって、コミュニケーションそのものにあると思うんですけど、日本では客のほうが「型」を要求する場合が多いですからね。武術とかの型だってその意味を理解しなきゃ盆踊りと同じなんだけどなぁ。慇懃無礼ってのももう死語でしょうか・・・
しかし「悪そうな顔の車」ってオデ○セイとか現行b○とかですか?いや、あれは頭が、という・・・あ、誰か来t
>「最高の表情を作るため、ソフトウエアに顔をスキャンされる日本の大手私鉄社員」
何かがおかしいと思いますね…
ノスタルジーが強い、精神主義が強い一方で、西洋が恐れる機械像を夢見ているところもありそうですね。文明の中の「人間」の位置づけが低いのかな、とも思います。
>2823さん
とかく日本のエコノミストは経済発展よりも労働強化に熱心ですが、それと同じでしょうかね。人を抑えつけるための道具を歓迎したがるのかも知れません。
>lefthorseさん
バウリンガルみたいな「おもちゃ」だったなら、イグノーベル賞候補だったのでしょうけれど、これは「マジ」な機械なんですよね。娯楽ではなく、人をコントロールするための道具ですから恐ろしい話です。
>yakumoさん
日本と海外の価値観の違いを痛感させられますね。日本独自のものも勿論あって良いわけですが、あまりに国際感覚から離れているのも考え物です。
>TXさん
そのブレードランナーの舞台が他ならぬ日本ですからね。日本とは欧米社会のディストピアが現実化された社会なのかも知れません。
>aqeさん
でもその「発表用にしょうがなく作った程度のもの」が諸々の職場に持ち込まれ、機械に笑顔を強要されているわけです。
>hennaojisanさん
本当にそうなってくれればどれだけ良いかと思いますが、既に発売から半年以上経過、着実に定着しつつあります。
>ぱっせんじゃーさん
笑顔の強制は今さらながらではありますが、まだまだ足りないということなのでしょう。ここからが本当の地獄ですよ。
>flagburnerさん
ブラジャーの方は2冠達成ですか。ネタグッズとしては万歳ですが、大して日本製品の方は笑い事じゃないですよね。私も勤務態度に関してはよく咎められていますので、それを測る機械なんぞ導入された日には……
>ベースケさん
意味を理解するよりも「決まり事」に従わせるのが先行する、それが日本社会だとしたらスマイルスキャンも必然的な発明に思えてきます。理解のない「型」、感情のこもらない「笑顔」など意味がないと言いたいですけれど。
一方で、考えてみると、開発して売ってるオムロンは、特にこれをなんというか、日本式ソフトディストピアのイデオロギーとしてやっている訳ではなく、単純に「売れそうだから/売れるから」やってるんですよね。つまり、この種のものには需要がある。誰がその需要を生み出してるのか、そこまで考えている必要があると思います。
わたしも欧州から帰ってばかりなのですが、日系の航空会社でした。機内のCAさんのあり得ない笑顔のサービスに改めて驚愕。実際長距離線は日系に限るというのが欧州人の友人の間でも定評です。経営不振のJALでは、このオムロンの機会を是非導入して、顧客s−ビスの一掃の向上に努めるべきだ、という決定が、今この瞬間にも行われているかもしれません。
とうわけで、この恐怖の発明は、我々一人一人が、例えば機内でひと時だけの将軍様気分を味わう社会経済制度を維持するための装置なのかもしれません。
ま、関係ないか。
特に労働環境なんて日本以外ではあり得ない世界なんじゃないかと思いますね。ここまで労働者側が雇用側の価値観に染まっている社会はなかなかないでしょうし。
>MHさん
えぇ、バブル期には日本が世界の未来みたいに思われていた頃もあったようですが、より悲観的な予測に基づく未来を体現しつつあるようです。
>anarco-libertarianさん
技術自体はこれ専用の目新しいものでもなく、既存の技術の応用に過ぎませんからね。技術をこういう目的で使わせる、その需要の存在が不気味です。日本の接客意識の高さが評価される場面は多々ありますけれど、「客」の立場ならいざ知らず「労働者」側から見ると過酷な世界でもあるはず、日本では「お客様」の立場でしかものを考えることが許されていないからかな、とも思います。
>のってさん
確かにそういうところもあるのでしょうけれど、日本の場合「人も自然も同じ」が「人も人工物も同じ」になり、人工物を人と同じように大切にするのではなく、人を人工物と同様に蔑ろにする、そういう世界になっていませんかね。
レスありがとうございます。
核兵器技術と同じで
結局のところ使う側の問題な訳ですね。
以前、テレビ電話を職場で使うことについての紹介の記事がありまして、そこでは「これでわかり辛かった相手の表情も確認できる」と肯定的に紹介されていました。しかし、これも上記の発明品と同様の理由で恐怖ですよね。電話中の態度まで気を遣わなくてはならなくなりますから。
とはいえ、これらも時と場合に応じて使えば、本当によい生活ができるのではないか。笑顔を測る機械は自分で笑顔を作りたい時に、テレビ電話は遠く離れた親戚の人と顔を合わせるために、時間外の勤務に使われ過労を促進する原因となる在宅ワークは本来の目的であった通勤時間の短縮に使えればと、恐怖心を感じると同時に残念でありません。
やはり、所詮は機械は機械で、それを使う人間次第。そして、人が変わらなければ、それらが「有効」に使われることはないんだと、感しました。
外れたものは殺してしまえ」的な考え方そのものですね。
自分なんかは自分から騙されにいきましたが。
途中でその実態や言葉の使われ方を考えたら、もう意識しなくなりましたけど。
「笑顔になっているか」は主観の世界だと思っていますので。
機械に笑顔かどうかを判断して貰うのは人間が劣化したことの証明という気がします。
笑顔でも私のように、微笑む程度の笑顔が好きな人間の立場は、この機械にかかるとお役ご免かなとさえ思えます。
ましてや「数字で判断する」という話になれば余計にそう思ってしまいます。
数字にしても振り回されていたら意味がありませんが。
そういう人たちが共生できるように文化レベルでは上下関係のシステムができているんだと。
上下関係について西欧人は下の者に何かを強要することを悪と考えるでしょう。
日本人は下の者が従わないことを悪と考える。
そもそも善悪が正反対なので記事のようなことが起きるではないでしょうか。
日本は先進国型の社会に変革できなければ国力が衰退するかもしれない。
日本の上下関係システムが世界最強のシステムではないなら世界の競争に負ける。
それでも日本国民は国力の衰退より個人レベルで「偉そうにする快感」を選択すると思う。
オムロンさん+顔画像認証とくれば私はパチンコ屋さん向けシステムしか思いつきません。
オムロンさんの顔画像認証+メンバーズカード+秘密のBOXで経常利益はうなぎ上り。
あくまでも憶測ですが・・・ね。
日本ならやりかねないですよね。しかもそれが「お客様のため」と称して好意的に受け止められそうです。
>aqeさん
そうなんです、アルフレッド・ノーベルは称賛されるべきでも、その発明品を戦場に持ち込んだ人となると今度は逆の評価をしなければなりませんから。
>GXさん
テレビ電話も、職場に持ち込まれるとなるとやっかいですよね。監視システムに早変わりですから。現状では遠隔会議用ぐらいに止まっていますけれど、導入コストが下がれば……まぁ監視カメラの方が先でしょうか。
>やすさん
えぇ、でも一定の需要があるからこそ、この手の代物が存続し続けているのでしょうね。
>ヒイロさん
人間の判定ですと「主観」ですが、機械の判定なら「客観」である、そんな意図もあるのかと思います。機械による「客観的な」判定なのだからと、そうやって人を追い詰めていくのかな、と。
>bさん
そうなんですよね、構造改革でも格差の固定(上の人間がいつまでも上の立場でいられる)が推し進められるばかりでGDPは沈滞するばかりでしたし。まさに>国力の衰退より個人レベルで「偉そうにする快感」が選ばれてしまう社会なのでしょう。
>abalanceさん
その憶測はせいぜい30円くらいですね。
使う人間の問題と言う事で、先日NHKでやってた番組について。
月に水があったと発表された事をやってたんですが、その中で科学者が少年の様に目を輝かせて説明する場面。
月に人間が住む為の問題がひとつクリアーされたとの事です。
私はネクラなので、月に一部の人間が一時的に移り住み、後の人間は細菌兵器かなんかで殲滅して、そいつ等だけが生き残ろうとする第一歩じゃねぇの?
みたいな事を想像しちゃいました。
キューリー夫人だって核爆弾とは思ってなかったでしょうし。
シオニスト、、、、、、あるかも知れない。その時にこのオムロン製の機械で忠誠を計ったりして、、、、、。
すいません、悲観的過ぎた。
まるでSFのような設定ですが、今の日本を見ていれば本気で実現に取り組む人が出てこないとは言い切れないのが恐いところですね。そうでなくともスマイルチェッカーに合格しない「不良品」のための流刑地にされたりして……
働く人中心の社会じゃないからとか、いろいろ思います。
怒鳴る上司というのも風物詩みたいにまだたくさんいますしね。
笑顔に点数を付けられても……ですよね。単に機械が笑顔を褒めてくれるだけならまだしも、それで「不合格」にされる人まで出てくる、機械のご機嫌を取らなきゃ行けなくなると言うのですから堪りません。