4heur

ゆるい読書案内。

『ニシノユキヒコの恋と冒険』川上弘美

2007-08-02 21:56:51 | Weblog
「ニシノユキヒコ」がどんな女性とどんな人生を送ってきたのか。

端から見たら、女ったらしのだめな男である、ニシノユキヒコ。

それぞれの時代に様々な女性を、愛したり、愛されなかったり。
でもかならず「ふられてきた」ニシノユキヒコ。

なんだか、読み進めていくうちに、ニシノユキヒコなんていないんじゃないんじゃないか・・・って思ってしまいました。

ある時、ある一時期を紛らわすように女性がニシノユキヒコを選んでいて、それが終わったら、いい思い出になるような男。
いたような、いないような。。。。

ニシノユキヒコは空気のような存在で、ペットのような存在で、家族のようで・・・。でも、決して恋人という枠にははまらない存在。
陰のような不思議な存在。

ニシノユキヒコは孤独であっただろう。
でも、素敵な人生だったのではないか。だって、あんなにも女性にかわいがられたんだもん。

ニシノユキヒコは女性にとって、「理想の男」であり、「理想のだめな男」なのではないか・・・。

とてもおもしろい小説でした。




最新の画像もっと見る