レイコのレイギ

心理学者・中間玲子(なかまれいこ)のお仕事ブログ。

人は見たいように見る:『愛しのローズマリー』

2010-05-09 23:10:53 | 映画日記
私たちは、世界を見たいように見ています。
同じ情報に触れても、
そのどこに注意を向け、情報としてキャッチするか
それをどの程度記憶し、思い出すか、
また、その情報をどのようなものとして解釈するか、
は、人それぞれです。

つまり、私たちが知覚している(見たり聞いたりしている)事象は、
客観的な物理世界の反映ではなく、
主観的な知覚現象なのです。
そして、主観的とはいえ、その世界こそが
その人にとって最も現実的な世界なのです。

ということで、『愛しのローズマリー』の紹介をしましょう。

女性に対して、外見でしかその価値を認めることができない男・ハル。
そのおかげで恋がいつもうまくいかないのに
本人はその原因が分かっていません。

ある日、偶然カウンセラー(というより催眠術師)に出会い、
「出会った女性の内面を見るんだ。魂を感じるんだ。
 きっと美女が大勢やってくる」と言われます。

その直後から、ハルはモテモテになります。

が、実は、ハルの知覚世界が変わっていたのです。
それまでのハルなら相手にしなかった(外見はパッとしない)女性、
でも内面は美しい女性たちの姿が、
ハルには抜群の美女に見えるようになっていたのです。

そしてローズマリーというキュートでスリムな美女と出会います。
ですが、彼だけがそのように見ているのであって、
他の人には、ローズマリーは、ものすごく太った女性に見えます。
ローズマリー自身も自分の外見にまったく自信を持っておらず、
ハルの褒め言葉「やせてる」「美人」「そんなにきれいなのに」も
すべて皮肉としか受け取りません。

でも、ハルが繰り返し、彼女を肯定し、愛することで
ローズマリーも少しずつ自信を取り戻していきます。

ところが、ハルの変化についていけない友人・マウリシオが、
彼に催眠術をかけたカウンセラーを見つけ出し、
催眠術を解いてしまいます・・・

スリムでキュートな美人のローズマリーの姿はもう見えません。

ハルは催眠術を解いたマウリシオに怒りをぶちまけます。

ハル「お前が抜群のいい女だと思っている女を
   他の人が最低な女だと思ったらどう思う?」
マウリシオ「そんなの関係ない」
ハル「俺だって同じだ!あれで幸せだったのに!」

・・・コメディチックなのに、色々考えさせられます。
最終的にどのような結末になるのか?
それは各自でご確認ください。
ジャンル:
ウェブログ
キーワード
愛しのローズマリー
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