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さよならKodak コダックが経営破綻で破産法適用申請 GoogleやAppleも安泰とは言えないのか

2012年01月19日 | IT・経済

 

 カメラを一般に普及させたことで知られる創業132年のアメリカの写真用品大手「イーストマン・コダック」は、2012年1月19日、主力のフィルム事業の不振が続き経営が悪化したことから、日本の民事再生法に当たる連邦破産法11条の適用をニューヨークの裁判所に申請したと発表しました。

 一般的に言えば経営破綻ですが、日本の民事再生にあたり、会社が消えてなくなるわけではありません。コダックは、大手金融機関から必要な融資を受 けており、当面は通常どおり営業を続けるとしています。

 コダックは今後、残った資産価値を最大化すべく奮闘しつつ、事業を継続しながら2013年いっぱいまで再編を進める予定で、その資産価値最大化のため、最近のコダックは HTC やアップルなどを相手に知財をめぐって裁判攻勢を続けており、ちょうどサムスンを訴えたばかりです。

(世界で初めてロールフィルムを使用したカメラ。No. 1 Kodak Camera 1989年製

 



 1880年にジョージ・イーストマンが設立し創業したアメリカのイーストマン乾板&フィルム社(のちのコダック社)は、1888年に持ち歩ける手頃なサイズのカメラ「ブラウニー」を開発し、この簡易型カメラの販売を始めました。

 「あなたはボタンを押すだけ、あとは当社がやります」というキャッチフレーズとともに、あらかじめ100枚撮影できる紙ベースのロールフィルムを詰めたカメラ、“ザ・コダック”を発売したのです。

 このカメラを購入した人は、撮影終了後、中に入ったフィルムをカメラごとイーストマン社に郵送します。すると、イーストマン社がカメラの中からフィルムを取り出して現像・プリントし、1枚ずつ台紙に貼付けた写真と、新しいフィルムが詰められた“ザ・コダック”を購入者にまた送りました。

 当時、まだ取り扱いの難しいフィルムが普及していなかった広大なアメリカで、どこでも、専門技術のない人でも写真を撮ることを可能にしたこの画期的なシステムは、大成功をおさめました。

(世界で初めて蛇腹がつき折畳式となったロールフィルム使用カメラ。No.4フォールディングコダック)

 

 

 

 米国のみならず世界各国で3世代にわたり多くの人たちが、ブラウニーで気軽にスナップ写真を撮影することを覚えました。

 さらに同社は、継続的に利益をもたらす写真フィルムも手がけるようになります。このカメラとフィルムビジネスが、数十年の長きにわたって同社に利益をもたらしてきました。

 世界で初めてロールフィルムを開発。世界で初めてカラーフィルムを開発。世界で初めての自動露出のカメラを開発。 

 当時のイーストマン・コダックは、今で言うならばアップルやグーグルのように、米国随一の技術革新企業として称賛されたのです。

 そして、世界で初めてデジタルカメラを開発。

  実は、後に足をすくわれることになるデジタルカメラの分野でも、先陣を切ったのはイーストマン・コダックでした。同社は1970年代半ばごろ、すでにデジタル写真の研究開発に着手しています。

(1975年にコダック従業員のSteven J. Sassonが発明した。トースター大で、1万画素で一枚撮るのに23秒もかかった。データはカセットに記録する)


 


 海外旅行に行って、フィルムが切れたときに、キオスクなどにフィルムを買いに行きます。そのとき、緑の富士フイルムを選ぶか、柿色のコダックを選ぶか。いつも選ぶコダックには垢抜けた、『ハイカラ』なイメージがありました。


 しかし1990年代、アジアの競合各社が米市場に進出する一方で、イーストマン・コダックは旧来型ビジネスから脱却する必要性を見誤り、業績不振に陥っていきました。

 コダックはデジタルカメラ時代の波に乗り遅れ、数年間にわたって赤字が続いていました。デジタル化への対応が遅れ、携帯電話やスマートフォンに高品質のカメラが搭載される ようにもなったことから、従来のフィルムを中心にした事業が先細りになりました。同社の純利益が最後に黒字を達成したのは2007年ですが、それもわずかな数字にすぎませんでした。

 長期に渡って経営不振が続いていたコダックは、年初からは1ドル未満での株取引が続いており、上場廃止の観測もありま したので、破産法申請は必然といえるでしょう。

camera photo 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コダック 35RF コダックの35mmカメラで有名なレチナはドイツコダックの製品。コダック35RFは1940~51年に作られた純アメリカ製35mmカメラである)

 

 

 コダックは、古い市場での地位にこだわり新しい市場に乗り遅れるという、イノベーションのジレンマを示した典型例になってしまいました。自分の本業(=フィルム)と敵対する事業(=デジカメ)に向き合うことが出来なかったのです。

 たとえばフィルムで長年のライバルだった富士フィルムがデジカメでも一定の存在感を示し、最近は技術を生かして化粧品や環境事業などにまで手を広げているのを見ると、コダックは選択と集中において、いつの間にか間違ったほうに集中してしまったということになるのでしょう。

 まさか、あのコダックが破産法申請するなんて、20世紀には考えられないことでした。

 今は死角なし、と見える1977年創業のAppleや1998年創業のGoogleにも同じような運命が降りかからないとは限りません。

 いや、この激動の21世紀も乗り切れるようなら、むしろ奇跡の会社として永遠に名前が残るのかもしれませんが。

 


栄枯盛衰・・・

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3 コメント

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日本の企業、政府・地方公共団体なども、皆、制度疲労に陥っている (cafe)
2012-01-20 03:39:07
 この破産法適用となった原因は、企業組織の目標管理に基づく制度上、いわゆる制度疲労に起因するものです。
 日本の東京電力、オリンパス、その他の企業、勿論、日本国政府の原発危機によって露呈した、被曝を前提としなかった法令の整備及び行政手続きの瑕疵、地方公共団体に見られる都道府県、市町村の汚職と退廃ぶりなど、日本のあらゆる所に組織力の疲弊が、顕在化して来た。
 政党も然りで、野田政権、その基盤をなす民主党の衰退、その他の政党、地方自治体の大坂府、、大阪市など橋下政権の府政から市政へ、逃げたダラシのなさなどは、全く見るに耐えない。
 その原因が、組織の制度的な疲弊、衰退なのです。
 自分の周囲をしっかりと見回せば、誰でも気付くものなので、お互いに注意することが肝心ですネ。
そうなんですかあ。 (なべび)
2012-01-20 12:30:29
映画のクレジットでKodakって見なくなるのかしら?
もうすでに見えなかったりするのかな?

アメリカの自動車産業が3社とも技術革新に乗り遅れて全然イケてなかったのに,コダックも同じような感覚だったんですかね?

フォード時代のアイアコッカみたいなことを経営者がしていなかったらいいですけど…。

こういう記事を見ると,いつも従業員はどうなるんだろうと考えてしまいます。
リーマン稼業は厳しいっす。
コダック復活を祈る (ごえもん)
2012-11-24 14:59:32
来年にはコダックは経営を立て直して復活すると思いますよ。

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