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NHKスペシャル 「黒い雨~活かされなかった被爆者調査~」(再放送14日午前0:50)を是非見てください!

2012年08月06日 | 被爆者援護と核兵器廃絶

黒い雨 デジタルニューマスター版 [DVD]

田中好子, 北村和夫, 今村昌平 DVD
 
井伏鱒二の同名小説を名匠・今村昌平監督が、抑えに抑えたモノクロームの映像と静かな語り口の中から、戦争と原爆への怒りを露にしていく名作。黒い雨を浴びて原爆症となり運命を狂わされる女性に田中好子。「正義の戦争よりも不正義の平和のほうがいい」と嘆く北村和夫の台詞が胸を打つ。
 
 
 
黒い雨
 原爆投下直後、放射性物質を含んだチリや火災によるススが空気中の水滴と混じり、降った雨。国は1976年、激しい雨が長時間降ったとされる「大雨地域」(長さ約19キロ、幅約11キロ)を「健康診断特例区域」に指定。その地域内で雨を浴びた住民は被爆者同様の健康診断を無料で受けることができ、がんや肝硬変など国が定める病気が見つかれば、被爆者健康手帳を取得することができる。「小雨地域」とされた地域の住民は健康診断の対象外となっている。 
 
 
 

NHKスペシャル 「黒い雨~活かされなかった被爆者調査~」

【本放送】8月6日(月) 総合 後8:00~8:49 全国放送
【再放送】8月14日(火) 総合 前0:50~1:39 全国放送 ※13日(月)深夜

 去年の暮れ、長崎の医師の問い合わせをきっかけに、被爆に関する「あるデータ」が突然公表されました。原爆投下直後に放射性物質を含む「黒い雨」が、1万3千人もの人に降り注いだことを示す分布地図です。

 どこでどれくらいの人が黒い雨にあったか、これまで「公式データ」はないとされてきただけに、広島・長崎は衝撃を受けました。データは放射線の人体への影響を科学的に明らかにするためにアメリカの研究機関ABCCが集め、研究を引き継いだ放射線影響研究所 (放影研)が保管していたものでした。

 多くの被爆者の協力のもと集められた“命の記録”。しかし今に至るまで、このデータを使って黒い雨の影響 が研究されることはなかったといいます。なぜデータは、被爆から67年たつまで、その存在さえ明らかにされなかったのか。調査に協力した被爆者たちは、ど んな思いを抱いてきたのか。

 被爆者追跡調査の歴史を丹念に追いながら、その実像に迫っていきます。

 NHKの良心的番組に再び期待したいと思います。

原発推進派が大慌て! ICRPの基準に科学的根拠なし NHK「低線量被ばく 揺れる国際基準」の衝撃!!

 

 

 長崎県の医師本田孝也さん(長崎県保険医協会副会長)は2011年12月1日、厚生労働省内で記者会見し、自ら突き止めた「黒い雨」 データ1万3000人分が放射線影響研究所(放影研)に存在するとして、「被爆体験者のために直ちに公開を」と訴えました。

 全国保険医団体連合会の長崎協会では、長崎の爆心地から7・5キロ離れており被爆地域扱いになっていない間の瀬地区で、原爆投下時に黒い雨が降り、脱毛が多発したとの住民の訴えに基づき、2011 年3月8日よりその聞き取り調査を開始していました。7月9日から10日にかけては、広島大学原爆放射線医科学研究所の星正治教授らに依頼し、間の瀬地区の土壌調査も行ないました。

 これらの資料を整理していた2011年9月26日、本田医師はネット上で、米国・オークリッジ国立研究所のある「リポート」を発見しました。

 このリポートは広島7万5100件、長崎2万4900件のABCC(原爆傷害調査委員会)のコンピューターリストのデータをもとに、放射性物質を含んだ、いわゆる「黒い雨」の人体に及ぼす急性期症状を分析したものでした。 そしてこのリポートには広島の爆心地から1・6キロ以上離れた地点で黒い雨を浴びた236人で、発熱や嘔吐(おうと)、下痢、血便、紫斑、脱毛などの急性症状が高率で認められたと記述されていたのです。

 これが今回の番組の発端になります。

 そして、このデータこそ、ICRP(国際放射線防護委員会)が放射線による発がんリスクなどの見解の根拠にしている調査、すなわち、戦争直後にアメリカ占領軍によって作られたABCCと、それからできた日米共同出資の財団法人放射線影響研究所による「広島長崎の被爆者調査」の一部です。

 このABCCは放射線被ばくの影響を調べるために12万人もの被爆者を追跡調査しながら、原爆症に苦しむ被爆者の方々の治療は一切しなかった非人道性で知られています。

福島原発事故から1年 原爆症訴訟がまた勝訴! 裁判で確定した放射線に起因する全病名はこれだ

隠された被曝 [単行本] ちくま新書 矢ヶ崎 克馬 

なぜ、原爆症の認定申請が却下されるのか。そこには科学を装う隠蔽工作があった。多くの人が苦しむ内部被曝を無いものとしてきた米核戦略を告発する。

 



 このリポートはABCCからオークリッジ研究所に出向していたHiroaki Yamada(山田広明)氏が筆者の1人で、山田氏は、旧厚生省原爆放射線量研究チームのメンバーで、この研究チームは「原爆放射線量再評価 DS86」の作成にかかわっていました。

 悪名高いDS86は被爆者個々の被爆線量を計算する計算式で、従来のT65Dに代わって1986年より使用されてきました。そして、原爆症認定集団訴訟では、原告側が残留放射線の人体影響を主張しているのに対し国側はDS86を根拠にこれを否定し続けたのです。このDS86は初期放射線の届く距離を2・5キロ未満とし、しかも、内部被爆や残留放射線の人体への影響を否定しているのです。 

 原爆症認定集団訴訟が原告被爆者側の連戦連勝続きになった理由は、実測データなどから、コンピュータシミュレーションに過ぎないDS86の信用性が否定され、さらに残留放射線や内部被爆の恐怖を日本の裁判所が認識し、国・厚労省の主張をことごとく否定してきたことにあるといえるでしょう。

 厚労省が国民の健康と安全を担うはずの省庁でありながら、アメリカの「核の傘」や原発を正当化するために、放射線の脅威をできるだけ小さく見せることのみに執心していることがわかります。そして、今回の黒い雨のデータ発覚事件は、放射線被害を矮小化しようとする日米政府にとって都合の悪いデータがまだ隠されていることを示唆しています。

原爆症集団認定訴訟また被爆者勝訴 原発推進のため被曝の影響を矮小化する国の原爆症認定行政は許されない

年間100ミリシーベルト以下の放射線の発がんリスクが高いことは原爆症認定訴訟の判決で決着がついている

放影研のデータをもとに作成した長崎市の「黒い雨」マップ。DS86は黒い雨は西山地区だけに降ったとしているが、より広範囲に降雨が見られる。

 

 

 

 本田さんの調査を受けて、2011年11月8日、保団連長崎協会は、放影研が1万3000人分のデータを持っていることを発表しました。

 このことを知った広島県「黒い雨」原爆被害者の会連絡協議会は11月15日、放影研に対して資料の公開を求める要請書を提出しました。 「佐伯区黒い雨の会」の高東征二事務局長は、新聞社の取材に

「これまでどれだけの人が苦しみながら死んでいったか。国ぐるみの隠蔽であり、責任を取ってほしい」

と怒りをぶつけました。

 放影研は11月21日に急きょ記者会見を開き、大久保利晃放影研理事長は

①寿命調査(LSS)対象者12万321人の基本調査データの中に黒い雨に遭ったと答えている人が約1万 3000人いること、

②このデータはあまり役に立たないだろうという認識でいた

ことを明らかにました。 しかし、福島原発事故を受け、低線量被曝・内部被曝に対して国民的な関心が集まっているのです。「黒い雨」データはまさに低線量被ばくの人体影響を示すものであり、「役に立たない」ということはありえません。

 アメリカの核戦略を担うエネルギー省と日本が共同出資した放影研が、被爆者を一人も治療せず調査だけしたABCCの頃と変わらず、日本人と人類に貢献する気がまるでないことがわかる発言です。

 放影研のデータは、広島・長崎の被爆者の命と健康の犠牲があって初めて集められたものです。

 また、放影研は、厚生労働省の所管で、毎年20億円以上もの国庫補助金が投入されているのです。

 被爆者にとって日本国民にとって人類にとってかけがえのないデータを独占している放影研は、今までの在り方を反省して、国民の側に立ち、隠しているデータをすべて公開すべきなのです。 

内部被曝は外部被曝よりはるかにダメージが大きい 内部被曝の恐怖39

内部被曝 (扶桑社新書) [新書]

肥田 舜太郎 

 67年にわたって原爆被ばく者6000人以上を診察、「低線量・内部被曝」の恐怖を訴え続けてきた医師が警告する、福島第一原発事故後初の著書。放射性物質を取り込むことで体の内側から被曝し続ける「内部被曝」。外部被曝と違って、体外に排出するまで被曝から逃れることはできない。
 2011年の原発事故による内部被曝の不安に対して“専門家”たちは「低線量の被曝であれば問題ない」と言うが、それは本当なのだろうか?
 実は「高線量×短時間の被曝よりも低線量×長時間の被曝のほうが人体に悪影響がある」という研究がある。しかし、これまでそうした研究は軽視・無視されてきた。
 広島・長崎でも、原爆の直撃を受けていない人々が「原爆ぶらぶら病」という原因不明の病気にかかり、最後はガンや白血病で亡くなっていった。
「これから同じことが再び起こるのではないか」

 

 

追伸

これ以上の科学的根拠ってなんだよ!

毎日新聞 2012年08月06日 12時52分(最終更新 08月06日 12時56分)

 広島原爆の投下直後に降った「黒い雨」を巡り、野田佳彦首相は6日、広島市内で記者会見し、同市などが求めていた援護対象区域拡大について「科学的合理的根拠がなければ難しい」と述べ、拡大は困難との見解を表明した。厚生労働省の検討会は今年7月に「新たな降雨地域の認定は困難」との報告をまとめており、小宮山洋子厚労相も同日、これに沿った考えを示した。

 また、野田首相は黒い雨の被害者の不安軽減策などについて、厚労相に検討させる考えを述べた。

 被爆者援護法に基づき、健康診断を無料で受けられる援護対象区域は、爆心地から北西方向に長さ19キロ、幅11キロ内に指定されている。広島市などは10年7月、大規模なアンケート結果を基に援護対象区域を6倍に拡大するよう求めた。厚労省の検討会の報告を受け、松井一実市長は黒い雨体験者の高齢化などの事情を踏まえて、政治判断を政府に求めていた。【吉村周平】

 

 

 

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毎日新聞 2012年08月06日 12時52分(最終更新 08月06日 12時56分)

 広島原爆の投下直後に降った「黒い雨」を巡り、野田佳彦首相は6日、広島市内で記者会見し、同市などが求めていた援護対象区域拡大について「科学的合理的根拠がなければ難しい」と述べ、拡大は困難との見解を表明した。厚生労働省の検討会は今年7月に「新たな降雨地域の認定は困難」との報告をまとめており、小宮山洋子厚労相も同日、これに沿った考えを示した。

 また、野田首相は黒い雨の被害者の不安軽減策などについて、厚労相に検討させる考えを述べた。

 被爆者援護法に基づき、健康診断を無料で受けられる援護対象区域は、爆心地から北西方向に長さ19キロ、幅11キロ内に指定されている。広島市などは10年7月、大規模なアンケート結果を基に援護対象区域を6倍に拡大するよう求めた。厚労省の検討会の報告を受け、松井一実市長は黒い雨体験者の高齢化などの事情を踏まえて、政治判断を政府に求めていた。【吉村周平】

 

 

毎日新聞 2012年08月06日 12時31分(最終更新 08月06日 13時53分)

平和記念公園を訪れた佐久間邦彦さん=広島市中区で2012年8月6日午前5時56分、大西岳彦撮影
平和記念公園を訪れた佐久間邦彦さん=広島市中区で2012年8月6日午前5時56分、大西岳彦撮影

 1945年8月6日、広島に投下された原爆は、生き残った被爆者の心身に今なお深い傷を残す。「黒い雨」被害者のように、「被爆者」と認めてもらえず苦しむ人もいる。東京電力福島第1原発事故で、新たな放射線の脅威がこの国を覆う。「過ちは繰返しませぬから」と刻まれた原爆慰霊碑を前に6日、多くの人が核被害を語り継ぎ、終わらせることを誓った。

 生後9カ月で被爆した佐久間邦彦さん(67)=広島市西区=は母の背中で黒い雨に遭った。この6年間は、被爆者健康手帳を取得できずに苦しむ人からの相談に応じてきた。「全く『被爆者』の立場に立っていない」。黒い雨の援護対象区域拡大を認めない政府に憤る。あの日の記憶はないが、「生きてきた全てが原爆体験だ」と、証言活動を続ける。

 佐久間さんが母静子さん(98年に86歳で死去)から聞いた話では、あの日は爆心地の西約2.5キロの自宅縁側で寝ていた。逃げる途中、母の背中で黒い雨にぬれたという。 

 この時の調査記録が、日米共同研究機関・放射線影響研究所(広島市、長崎市)に残っていた。日付は1956年8月1日。調査票には「黒い雨に遭った」と記されていた。昨秋、放影研が同様の回答をした約1万4000人分ものデータを保管していたことが発覚して分かった。

 黒い雨の援護対象区域拡大を巡る厚生労働省の検討会は、貴重な資料を活用しないまま、今年7月に報告書をまとめた。「調査したのに放っておいたのは許せない」

 小学校時代は病弱で入退院を繰り返した。大手鉄鋼メーカーを定年退職後の06年、広島県原爆被害者団体協議会(金子一士理事長)の相談員になった。

 電話などで月に延べ約30件の相談にかかわる。自身は中学時代に被爆者手帳を受け取ったが、証人探しの壁などで申請が却下される例は多い。内部被ばくの恐ろしさも活動を通して知った。幼い頃の病気や今も平均値を下回る白血球数。黒い雨のせいではないかという思いがよぎる。

 昨年3月の福島第1原発事故後、福島から広島に避難した家族と交流が始まった。勤めた会社は原発製造に関わり、「核の平和利用」を疑ったことはなかったが、考えは一変した。広島市内での脱原発デモに避難者と一緒に参加するようになった。被爆者の自負が使命感を支える。【加藤小夜】

 

 

「黒い雨」データ公開を 放影研が1万3000人分保有

 原爆放射線による人体への影響を研究する日米共同運営の財団法人・放射線影響研究所(放影研、広島市南区・長崎市)が、約1万3千人の「黒い雨」データ を保有していることが分かった。長崎の医師が米国で39年前に書かれたリポートを発見し、放影研に問い合わせたのがきっかけで明るみに出た。なぜ今まで公 にされてこなかったのか。どんな内容のデータなのか。公開されれば、黒い雨が降った地域を特定したり人体への影響を探ったりする重要な判断材料になるので はないか。東京電力福島第1原発事故で放射線の人体影響への関心が高まる中、放影研は専門機関としてデータを解析し、公開に踏み切るべきだ。(難波健治)


降雨地図見直し可能 意図的な隠匿は否定

 長崎市で内科医院を営む本田孝也さん(55)は9月末、自宅で黒い雨の資料を見ていて、あるリポートの紹介が気になった。米国のオークリッジ国立研究所で、1972年に書かれたものだった。

長崎の医師発見

 執筆者は日本人と米国人。放影研の前身である原爆傷害調査委員会(ABCC)のデータを基に、黒い雨が人体に及ぼす急性症状を分析したものである。黒い 雨を浴びた人に高い確率で症状が認められるとしていた。あちこちの研究者などに問い合わせても、「そんな論文は見たことがない」という人ばかり。なぜか、 人の目に触れた形跡がない。

 本田さんは、黒い雨と脱毛の関係を調べていた。医院を開いている間の瀬地区は長崎の爆心地から北東へ約7.5キロ離れた山間の集落。原爆投下時の住民は 320人。地区には黒い雨が降り、脱毛が多発した、と住民は証言する。しかし、原爆投下時は長崎市に含まれていなかったため、今なお被爆地域として認めら れていない。

 リポートを書いた日本人は放影研の調査課長だった。問い合わせると10月末、放影研から返事が来た。課長は25年前に亡くなっていた。「リポートを再現 してみたが、データの扱いに誤りがある」と放影研は言う。なぜそう判断できるのか。やりとりを通して、放影研には黒い雨に関する1万3千人のデータがある ことが分かった。

 本田さんが所属する長崎県保険医協会は、存在が明らかになったデータを基に人体への影響を分析し、結果を公開するよう求める文書を国に提出した。

 黒い雨が降ったすべての地域を被爆地域に指定するよう求めてきた広島県「黒い雨」被害者の会連絡協議会(高野正明会長)は、「原爆投下後の早い時期の調 査であり、しかも原爆放射線の専門調査機関が行ったものであることから資料の持つ意味は大きい」として、データの保存と解析、公開を放影研に求めている。

 では、1万3千人の黒い雨データとはどんなものなのか。

帽子の種類まで

 放影研には、原爆放射線の人体影響を調べるうえで研究の基礎となる12万人余のデータがある。寿命調査(LSS)集団と呼んでいる。50年代から60年 代初頭にかけて面接し作った調査票には、「原爆直後雨に遭いましたか」という設問があり1万3千人が「はい」と答えた。その人たちには雨に遭った場所につ いても尋ねている。

 性別や年齢、被爆地点などのほかに、どんな急性症状が出たか、を問う項目もある。

 放影研は寿命調査とは別に、被爆者の遮蔽(しゃへい)調査でも黒い雨情報を聞き取っていた。遮蔽調査は54年から65年にかけて行われたが、黒い雨に関する聞き取りは58年末で打ち切られた。

 広島は約2万件、長崎には約8千件のデータが残されている。広島の2万件の中には、爆心地から1600メートル以遠で被爆し黒い雨を浴びた人が約 1200人いたことが分かっている。発見された39年前のリポートは、雨粒のサイズ、色、強さ、降り始めの時間、持続時間、雨に打たれたときにかぶってい た帽子の有無や種類まで詳細なデータに基づく分析を試みていた。

 放影研の大久保利晃理事長らは先月21日に記者会見を開き、データは黒い雨を研究するために集めたものではなく、寿命調査の参考にするために設けた補足 的な質問だと説明した。「集計しても数値に偏りが大きく、科学的にはあまり価値がない。これまでもそういう判断をしてきたのだろう。意図的に隠してきたの ではない」としている。

 仮にそうだとしても、1万3千人がどこで黒い雨に遭ったのか―。そのデータさえ公開されれば、黒い雨の新しい降雨地図が作成できる。また寿命調査のデー タで、黒い雨体験と脱毛、下痢、発熱など14項目の急性症状をクロスさせて分析すれば、人体への影響がさらに解明できるのではないか。

「再解析が必要」

 黒い雨をめぐっては最近、新しい科学的知見も報告されている。

 広島市立大大学院情報科学研究科の馬場雅志講師は、原爆きのこ雲の全体像をとらえた写真を解析。地形などと照合して、きのこ雲の高さを地上約16キロと 推定した。これは広島県と広島市が88~91年に設置した「黒い雨に関する専門家会議」の推定約8キロより2倍も高い。雲が高いことは、放射性物質がより 高く舞い上がり、より広い範囲で地表に降り注ぐ可能性を示す。

 広島市と県などは2008年、約3万7千人を対象にしたアンケートを実施。現在の援護対象区域より広範囲に雨が降った可能性が高いとして指定区域の拡大を国に求めている。有識者による国の検討会は現在、対象区域の拡大を議論中だ。

 県と市が実施した調査で黒い雨に関する解析を担当した広島大原爆放射線医科学研究所の大滝慈教授(統計学)は、「放影研はぜひ1万3千人のデータを取り入れて、寿命調査データ全体の再解析を行う必要がある。それだけの意味が十分にあるデータだと思う」と話している。

黒い雨
 原爆投下直後、放射性物質を含んだチリや火災によるススが空気中の水滴と混じり、降った雨。国は1976年、激しい雨が長時間降ったとされる「大雨地 域」(長さ約19キロ、幅約11キロ)を「健康診断特例区域」に指定。その地域内で雨を浴びた住民は被爆者同様の健康診断を無料で受けることができ、がん や肝硬変など国が定める病気が見つかれば、被爆者健康手帳を取得することができる。「小雨地域」とされた地域の住民は健康診断の対象外となっている。

遮蔽(しゃへい)調査
 直爆によって受けた放射線量をつかむため、被爆時の状況を聞き取る調査。面接によって被爆位置を地図上で確認し、建物や地形などによって放射線が遮られ た状況を調べる。屋内にいた場合は家屋の見取り図を作成し、屋根などの建材や体の向きによって放射線が減衰する状況を明らかにしようとした。

(中國新聞 2011年12月5日朝刊掲載)  
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6 コメント

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NHKスペシャル見ました。 (林俊成)
2012-08-07 02:10:11
ここで紹介されたNHKスペシャルは実に良い番組でした。録画しましたが、このブログの記事は更に内容を深めてくれます。放射線影響研究所は恣意的な調査機関なのであって、科学的な機関ではないのですね。未だに米国の影響を色濃く残している政治機関のようにすら思えてなりません。データをまともに科学的に活用していないし、科学であるためには、批判に耐え得る公開性が必要であると思うからです。
それにしましても、裁判は不条理なものと思ってしまいます。このような放射線影響研究所と強大な国家と闘う被告に立証責任を負わせるなんて・・・・気が遠くなりそうです。こうした訴訟での原告の長期にわたるご苦労を思うと、どうにかならないのかと思ってしまいます。
ただただ思うにまかせて書き連ねました。
コメントをここで記すのは初めてですが、以前より優れたブログと思って、読まさせて頂いて居り、感謝して居ります。
Unknown (ちゃちゃっも~)
2012-08-07 07:53:45
初めまして

ブログは最近より読ませて頂いております。
当ブログを見て、急きょ録画してもらい 後から見ました

結局は日本は何も出来ないのか、、、と思ってしまいました。

おそらく50年後ぐらいにSPEEDI等々の情報も正確に公開される日がくるのかなと思いながら見ておりました。

前回のNHKのガレキ処理のものは、、、でしたが
今回は、最後は見ました。



お二人ともコメントありがとうございます (ray)
2012-08-07 08:02:43
東日本大震災と福島原発事故で失ったものはあまりにも大きいです。
しかし、あれだけの原発事故が起きてもまだ原発を維持推進し続けるようなら、救いがなさすぎます。

せめて、脱原発に向かっていくのが私たちの責任だと思います。
その中で、原子力ムラのような利権の構造だとか、マスメディアが買収されている問題だとか、アメリカによる事実上の支配だとか、原発に限らないいろいろな問題が多くの人に意識されだしたのも大きな成果だと思います。

そういう問題は、戦後、アメリカに占領されて以降、ずっとあったことなのでしょうが、一般人には見えにくかった。

原発の問題を通じて日本が抱える様々な問題が見えてきたこと。
また、見かけだけの利潤や効率よりも、健康や安全を大切にする生き方が大事に感じられるようになってきたことも、大きな変化だと思います。

そういう進歩をせめて結実させていかなければ、震災や原発事故の犠牲者が浮かばれません。
この番組の「元ネタ」となった番組 (厳格故意説)
2012-08-08 02:16:33
はじめまして。

この番組の「元ネタ」となった番組(中国地方のみ放送)が
公式サイトでご覧いただけますのでご参考までに。

「黒い雨 明らかになった新事実」
(「フェイス」2012年1月20日放送・28分)
http://cgi4.nhk.or.jp/eco-channel/jp/movie/play.cgi?movie=j_face_20120120_1742
放射線影響研究所 (放影研) (浪速姫)
2012-08-08 03:14:02
の所長の発言ー現れた障害・疾病が「黒い雨」が原因とは立証されていない には呆れるというより憤りを覚えました。まずその関連を追及すべきではないのか。

 放射性降下物と残留放射性物質の影響は、福島の原発事故といった現在われわれが直面している問題と直結します。その影響が明らかにされると「原発再稼働」への重大な支障になり、私企業の利潤追求が思うようにできなくなる。

 国民の健康で文化的生活を守り増進するのが「国家」のraison d'tre (レゾンデートル=存在理由)であるはずです。

 起こりうる危険を放置し、国民の生命・生活を危険に曝す行為を敢えて行う国家ーその運営を行う行政機関はその存在意義をさえ疑わせます。
チェルノブイリとは違いますよ。 (nami)
2012-12-10 07:45:32
福島第一原発事故は、チェルノブイリとは違います。
事故そのものが違うのです。
冷静になるべきです。

チェルノブイリ事故の調査でも、事故後1年以内に甲状腺がん発症を見た患者数は0です。

チェルノブイリの健康被害を調査している国連科学委員会やロシア政府の包括的な調査によると、現在までに放射能汚染の犠牲者は事故の収束に当たった作業員と汚染ミルクを飲んだ住民とで合わせて50人程度。
そして疫学的には、小児甲状腺癌以外に、いかなる放射線による健康被害も見つかっていません。

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