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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

今年観た映画ベスト5! インターステラー 世界にひとつのプレイブック きっと、うまくいく 他2作!

2014年12月30日 | 映画

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今年もよく観ました、映画。わたくし、最大の趣味ですから。

どれくらい観たのかなといいますと、今年も映画館に行く気は全然なくて、自宅のケーブルテレビで観たのがほとんどなんですが、観ない日もあれば一日何本も見ることがあり、これを平均すると週5本は確実に観たので、まず年間約250本というところでしょうか。

もちろん、「スタートレック インテゥダークネス」みたいに、字幕や吹き替えで何度も観てしまったものも1本と数えての数字ですから、我ながら今年もインドア派でした。

まあ、ケーブルテレビの映画セットとスターチャンネル3チャンネルで観たものがほとんどなので、映画館公開から半年から1年は遅れているところが、辛いところではあります。

しかし、合計9チャンネルの映画チャンネルで観てますから、TSUTAYAで借りてみている人よりは遥かにバラエティーに富んだ作品が観られます。

さあ、前置きはさておいて、さっそく今年のベスト作品、行ってみよう!

 

インターステラー

まず、今月、映画館で観たこの映画です。

わたくし、映画を見るときの鉄則として、できるだけ予備知識なしに観る、というのを旨としていまして、それで失敗して、「フロム・ダスク・ティル・ドーン」とかね、いきなり〇〇〇〇ーが出てきてのけぞる、なんてこともあるのですが。

しかし、予備知識ない方が、新鮮な驚きがあって楽しめるじゃないですか。興奮するじゃないですか。

というわけで、今回の記事も、「あの時」のようなネタバレなしでお送りしますので、安心してお読みください。

あの時→ゴースト もういちど抱きしめたい ネタバレあり!

さあ、インターステラーの場合、ネタバレしないでご紹介し、お勧めする、というのが非常に難しい。わたくし、主演にマシュー・マコノヒーが出てるってことしか知らないで観に行ったので、これがまあ、次から次へとキラ星のようなスターや名優が登場するので、本当に驚きと至福の2時間半だったんですよ。

むうう、次まではいいかな。

主演のマコノヒーの親父さんが、ジョン・リスゴーです。わたくし的には、ミッドナイトクロスとかレイジング・ケインとかクリフハンガーのめっちゃ怖い悪役ですが、これが良い歳の取り方をされていて、頑固おやじの風格たっぷりです。素晴らしいです。

さて、この映画の冒頭は、なんだか、地球が地味にひどいことになってます。デイ・アフター・トゥモロー2012みたいなデザースタームービーではないんですが、どうも、おっかしな砂嵐が田舎のトウモロコシ畑を台無しにしてまして、これが人々にとって大変な頭痛の種みたいなのです。

しかし、こんなことになぜなってしまったのか、というより、この映画の焦点はひとえにマシュー・マコノヒー演ずる農民たちがこの事態にどうやって立ち向かっていくのかというところにあります。

その中で、この映画の見ものはなんといっても親子の愛ですね。さまざまな形の親子の姿が描かれます。

娘を持つわたくしなんて、映画の最後30分くらい号泣です。映画が終わっても、トイレに行っても、映画の場面が次々と思いだされて、涙と鼻水が止まりませんでした。

あんな経験は21歳の時に観たフランシス・フォード・コッポラ監督の佳作「アウトサイダー」以来でしたね。

来年、感動で思いっきり泣きたい!って方には、絶対のお勧めです。

言葉にならないくらい素晴らしい作品でしたね。ダークナイトで物凄いものを見せてくれたクリストファー・ノーラン監督が、またやってくれました。

これはオスカー、いっぱい獲るでしょう。

 

と、ここまでは完全にいいと思うんですが。

もう読みたくないという方は、次の「世界にひとつのプレイブック」の画像まで一気に飛ばしてください。

 

 

 

 

 

インターステラー ネタバレあり

 

 

 

 

わたくしですね、この映画、なんか宇宙ものだってことは知ってたんですよ。

ところが、なっかなか宇宙が出てきません。ゼロ・グラビティが最初から宇宙が舞台というのと対照的です。

このゼロ・グラビティもアカデミー賞を一杯獲るだけあって、良い映画でした。サンドラ・ブロックもジョージ・クルーニーもいい味出してました。ちゅうか、この映画、登場人物が・・・・・・だけなんですが。

そういえば、グラビティというのが重力って意味なのはインターステラーを見てて初めて知りました。ゼログラビティって無重力って意味だったんですね。

さて、インターステラーに戻ると、あの有名な組織の博士として、マイケル・ケインアン・ハサウェイが出てきます!

もう、わたくし、このお二人の大ファンなので、狂喜乱舞しました。

マイケル・ケインは今の若い人にとっては、大傑作ダークナイト(バットマン)の執事のイメージかな。わたくしにとっては、探偵スルースとかの二枚目俳優で、ショーン・コネリーと共演した王になろうとした男とか。

一番すごかったのは、殺しのドレス、ね。これは戦慄の一言でした。

エリザベス女王からナイトの称号を与えられ、サー・マイケル・ケインとなられた、イギリスの至宝です。

アン・ハサウェイは言わずと知れた、レ・ミゼラブルのファンティーヌ役でアカデミー助演女優賞を獲った、いまや押しも押されもせぬ若手女優さんナンバーワンの実力者です。レ・ミゼラブルなんて、10分ちょっとしか出てませんからね。それでオスカー獲っちゃうんだから、どんだけ凄かったかという話です。

このマイケル・ケインとアン・ハサウェイも親子なんですよ。この二人も泣かせるなあ。

もう一人、びっくりするようなスターがいきなり登場しますが、これだけは言わないでおきます。わたくし、劇場で、うわ!と言ってしまいました。

とにかく、これもオスカー俳優となったマシュー・マコノヒーにも泣きました。アン・ハサウェイにも泣かされました。

もう一度言いますが、言葉にならないくらい素晴らしい作品でしたね。ダークナイトで物凄いものを見せてくれたクリストファー・ノーランが、またやってくれました。これはオスカー、いっぱい獲るでしょう。

 

 

 

 

世界にひとつのプレイブック

これも乗りに乗ってるブラッドリー・クーバーがアカデミー主演男優賞にノミネート、ジェニファー・ローレンスが主演女優賞、ロバート・デ・ニーロが助演男優賞と久しぶりにオスカー候補になり、ジェニファー・ローレンスが順当にオスカーを獲得しました。

作品賞も監督賞もノミネートされてたんですけどねえ。「アルゴ」が作品賞で、「ライフ・オブ・パイ」のアン・リーが監督賞なんておかしな結果に終わりました。二つとも観ましたが、まあまあでしたけどね、オスカーを獲るような作品じゃあありません。

さて、世界にひとつのプレイブックは、ブラッドリー・クーパーがどこかの精神病院から退院するところから始まります。奥さんが浮気しているところを現認したのがきっかけで、双極性気分障害(躁うつ病)を発症したみたいです。かなり重症です。

で、友達の家のディナーで出会う女性が、ジェニファー・ローレンスなんですが、この人も躁うつ病ですw。なんだか、これまで飲んだ薬の種類の話で意気投合していますw

ちなみに、クーパーのお父さんのデ・ニーロもどう見ても強迫神経症です。物がきっちりおいてないと気になって気になってしょうがない。それを言いだすと、さっき出てきた友達もパニック障害みたいです。

もう、なんだか、出てくる人みんながかなりビョーキなんですね(クーパーのお母さんでデ・ニーロの奥さんだけまともなんじゃないかな。このお母さんの演技もすばらしくて、息子と夫を気遣う心情が痛いほど伝わってきます。ジャッキー・ウィーバーという女優さんだそうです)。

それらの、心に重荷を背負ったというか、ハンディを負った彼らが、寄り添い生きていくのが本当にいじらしくて、愛おしい。

その中でも一番重症に見える、かなり暴力的な感じのジェニファー・ローレンスが、人にはわかってもらえないだろうことをわかってもらえるんじゃないか、わかってほしい、とブラッドリー・クーパーに近づいていく。わたくし、最初はなんでクーパーの周りをうろつくのかわからなかったんですが、たぶんそういうことだったんだと思います。

その彼女の健気さが実に良かったですね。オスカーにふさわしい最高の演技でした。

人に理解してもらうことが難しい人々の、再生の物語です。ぜひ、大切な方と一緒に観ていただきたい。

 

 

 

きっと、うまくいく

この映画は、インド映画です。

インドはムンバイ(旧ボンベイ)を中心にアメリカをはるかに上回る映画が製作されていまして、ボリウッドなどと呼ばれています。唐突に歌って踊ることで有名ですね、ボリウッド映画。わたくし、インドを旅したときに映画館に入りましたが、やはり歌って踊ってました。ああいう場面がふんだんに入らないと、インドの人はこれは映画じゃない!って怒っちゃうらしいです。

前に、吉幾三そっくりの男優が主演した「ムトゥ 踊るマハラジャ」という映画がヒットしたのでご存知の方もいらっしゃるでしょう(今、映画の名前が出てこなくて、「吉幾三 インド映画」で検索したらしっかり出てきたので笑ってしまいました)

わたくしもご多聞に漏れずあれを見まして、かなり辟易していたんですが、しっかし、そんなこれまでのインド映画の既成概念を完全に打ち破る映画が、この「きっと、うまくいく」です。

確かに、歌って踊る場面も数少ないもののあります。ありますが、その踊りも歌詞もちゃんと話の筋の上で、ちゃんと必要不可欠なものなんですね。

この映画の原題は、3idiot(3バカ)だったと思うのですが、インド有数の超エリート工科大学で知り合った3人の学生の青春とその10年後を描いた作品です。

その大学が凄い競争の激しいエリート大学で、学長がまたとてつもない猛烈しごき教室的な先生なんですね。

そんな中で友情をはぐくむ3人の姿と、リーダー的存在だったのに卒業後行方不明になっていたランチョー青年を、あとの二人が10年後に探し出そうとする、学生時代と10年後が交互に描かれる展開になっています。

この映画は去年日本で公開されて大評判になったそうなんです。わたくしはこれをケーブルテレビで偶然観て、余りに感動したのでネット検索してみたらすでに大評判だと知ったのですが、それらの評価の中であまり触れられていなかったであろうことが、10年後にランチョーを探して回るときに通るインドの自然の美しさです。

わたくしがインドでまわったのは、カルカッタ、ブッダガヤ、バラナシ、デリーというお決まりのコースでしたから、インドの、特にたぶんヒマラヤに近い北の方がこんなにきれいだとは全く知りませんでした。

わたくしも、外聞に漏れずエリート校をはしごして卒業してきましたので、彼ら学生たちのストレスってものもなんとなくわかる気がしました。彼らは進級にしても就職にしてもさらに激しい競争に打ち勝たなくてはなりません。インド版「ペーパーチェイス」ですね。しかも、インド特有のそれぞれの出身家族の問題も重くのしかかっていて、そのプレッシャーは日本以上のようでした。

そんな彼らの中で突き抜けるように光り輝いていたランチョー。仲間が彼を探し求める中で目に入ってくるインドの鮮烈な美しい風景。

それらが相まって、実に清々しい青春映画になっていました。世界の映画史上に残る傑作だと思います。

 

 

 

人生の特等席

御大クリント・イーストウッドがメガホンを持たず、俳優に徹した佳作です。

実際、イーストウッドの演技がこんなに素晴らしいとは、ついぞ今まで気づきませんでした。

確かに、三船敏郎とか、ジョン・ウェインとかと同じで、何をやってもクリント・イーストウッドなんですよ。変幻自在の名優たち、ロバート・デ・ニーロなんかとは違います。デ・ニーロが名優なら、三船やイーストウッドはスターですから。

それにしても、イーストウッドが素晴らしい。ジョン・ウェインがジョン・ウェインのままでアカデミー主演男優賞を獲った「勇気ある追跡」(最近、ジェフ・ブリッジス主演の「トゥルーグリッド」としてリメイク)のときのような、凄い存在感です。しかも、感情表現がジョン・ウェインの比ではなく、細かくて説得力がある。

冒頭、イーストウッドのおしっこが出ないんです。わたくしも最近おしっこの出とキレが悪くて困ってるんですが(恥)、80代になったイーストウッドはそれどころではないらしくて、一生懸命自分の一物に声をかけて、けしかけて、というか、励ましてます。

ほら、どうした!?とか言ってw

この場面からして、笑えて、そして共感してしまいます。観ている人誰もがイーストウッド爺さんに感情移入するはずです。

彼は、メジャーリーグで名選手の卵を見つけてくるスカウトが仕事なんですが、年を取ったせいで前立腺だけでなく、目が急速に悪くなってきていて、もうピッチャーが投げる球も満足に見えなくなってきてます。

しかし、頑固者の彼はそんな事情は一切もらさずに、愚痴も言わず、生涯愛してきたベースボールと共に生き抜こうとしています。

そういう彼を心配した上司のジョン・グッドマンは彼の娘に電話を掛けます。

この娘がエリート弁護士なんですが、演じているのがエイミー・アダムス!

「魔法にかけられて」の王女さまで、「ダウト あるカトリック学校で」のシスターで、最近ではなかなか面白かった「マン・オブ・スティール」でスーパーマンの相手役ロイス・レインをやってますね。

こうしてみると、実力に比べてまだまだ作品に恵まれていない!と思うくらい、素晴らしい演技派俳優です。

で、また、インターステラー同様、ここの父と娘の話もグッとくるんですよ。わたくしが娘の父親の分、やや採点が甘めになっているのだろうか。いやいや、そんなことはない。

確かに、ぶっきらぼうな父親とそれに反発してきた娘がかつての愛情を取り戻していく物語、というと、ありきたりのようなんですが、二人の存在感と演技が感動的で、なんと、わたくし、イーストウッドにもらい泣きしてしまいました。

いや、彼は涙を流してはいないんですが、この映画には大きな伏線がありまして、その真相と心情を彼が吐露するときの、今にも泣き出さんばかりのイーストウッドの眼(まなこ)に、わたしはまたしても大粒の涙を流したのでした。

いやあ、あらためて、イーストウッドって役者がこんなに凄かったとは。監督としてだけでなく、俳優としても、80歳にしてまだ進歩しているに違いない。そのことに深く感動した映画でした。

 

 

最強の二人

さて、いつも記事が長いのが、読者の皆様からお叱りを受けるわたくしの悪い癖なんですが、ラストです。ラストは、ハリウッドのアクション映画大好き人間のわたくしには珍しく、フランス映画です。

そういえば、今年は、ベスト5にインド映画とフランス映画が入って、しかも、アクション映画が一つもないという珍しい年になりました。

そんなわけで、この「最強のふたり」は2011年に日本で公開されて、日本で公開されたフランス語の映画史上ナンバーワンになったという話題作中の話題作なんですが、わたくしのアンテナが低くて、これも偶然観るまで全く存在を知りませんでした。でも、今調べたら、日本アカデミー賞外国語映画賞を獲ったのが2013年になっており、日本の劇場で観られたのは主に2012年みたいです。

さて、映画が始まって最初、なんか「いかつい」アフリカンの兄ちゃんが車に乗って出てくるんですよ。そんでもって、助手席に下半身不随らしい、こちらはヨーロッパ系の中年男性が乗っているんです。で、警察のパトカーに止められるんで、この凸凹コンビが一気にパトカーを突き放して、パリの街を駆け抜けて、銃を乱射する!

みたいな映画かと思ったんですが、全然違いました。「TAXI」じゃないんだから。

この貧民街出身の青年が、下半身不随どころか首から下が全然動かない富豪の介護をするという、それだけ言うと物凄く地味な映画みたいな粗筋なんですが、この映画も最初から最後までグイグイ観客を引っ張っていきます。

「マイフェアレディ」みたいに、財力に天と地ほどの差があり、住む世界が違い、文化的にも交わらなさそうな主人公たちが出会って、次第に理解しあい、愛情や友情をはぐくむという映画はたくさんあると思うんですが、とにかく、この「最強のふたり」は、アフリカンの青年のエネルギーが半端じゃない!

彼のファンには激怒されそうな例えをたった今思いついたんですが、あれです、若くてハンサムなボビー・オロゴンみたいな感じ?!

「おではジェロじゃねえよ!うざけんじゃねえよ!」的な?

失礼しました。一気にこの映画を見る気がなくなった方も多いと思うですが、彼の若くて、原始的で、エネルギッシュで、しかもとことん善意なパワーが圧倒的なんですね!

わたくし、彼が見たくて、この映画4回観てしまいました。それくらい魅力がある。

今年観た俳優の存在感でいうと、イーストウッドかこの青年か、というくらい、観ていて飽きない惚れ惚れとするような役者さんでした。

(オマール・シー。今年公開された「Ⅹ-MEN ヒューチャーアンドパスト」にも出ているそうです。どんな超能力者なんだろ。これは見なくちゃ!)

もちろん、最強のもう一人の富豪も、もちろん障害者としての哀しみもあるんですが、夢や希望もあって、その幾つかは強引な青年のおかげで実現したりするんですよ。その中年男の歓びの表情が最高です!

 

 

というわけで、長々とお送りしてきましたが、今年も無事映画三昧の一年が過ぎようとしています。

インターステラーがあまりに素晴らしかったですから、大画面で見るべき映画は映画館で観る!

これを来年への抱負としたいと思います。

それでは、皆様、良いお年を良い映画と共に!

 

 

 

いやあ、映画ってほんとに・・・!

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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ドラマですが (時々拝見)
2015-01-03 09:30:57
ザ・パシフィック、字幕版できちんと通して観ないといけないなあ、と思っています。

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