2012年5月15日に経団連が発表した成長戦略の実行と財政再建の断行を求める~現下の危機からの脱却を目指して~という提言のトンデモぶりがひどいです。
なにしろ、消費税は2025年までに19%に増税して、法人税は38%から25%に下げてくれって言ってるんです。
庶民には自助、自助ばっかりいって、なにを自分だけ甘えているんですか(怒)。
消費税を増税すると大企業も打撃を受けるんじゃないかと思われるかもしれませんが、実は、輸出戻し税という制度があって、大企業は還付で儲かるんですよね。庶民と中小企業を踏みつけにして、自分だけ浮かび上がろうとしているわけです。
これって、提言じゃなくて陳情じゃん!
財界が野ダメ内閣の消費税増税を歓迎する理由 輸出戻し税のおかげで消費税を増税するほど大企業は儲かる
(大企業は中小企業から仕入れるときに消費税を負担せず、中小企業に泣き寝入りさせているので、還付金がそのまま利益になってしまっているということ)
だいたい、そんなに消費税増税して一般国民のどんどん購買力がなくなったら、日本経済全体が冷え込むに決まっているじゃないですか。
冒頭のグラフのように、これまでも消費税増税分はほとんど法人税減税に消えてしまったのです。消費税増税が財政再建目的だなんて嘘八百ですし、福祉目的でも何でもありません。
逆に、資本金10億円以上の大企業の内部留保は250兆円を超えていると言われています。これは、日本全体の税収の5年分以上に当たります。
バブル崩壊だ、リーマンショックだ、デフレだと言われ、庶民が増税と失業に泣き、日本経済は落ち込んでいても、大企業だけ肥え太ってきたわけです。
こんなん、民破れて大企業あり、じゃないですか。
しかも、この提言は、「3年以内」の早期に実現すべき政策として、法人税や社会保険料といった企業の公的負担の引き下げも要求しています。逆に大企業優遇税制の一つであ る「研究開発促進税制の拡充」を求めています。
世界ではアメリカでもフランスでもスペインでもイタリアでも「我々富裕層に増税を」と唱える富裕層がいて、現にどんどん富裕税や所得税累進税率アップが実現しているのに、日本だけはすさまじく身勝手な人たちがお金持ちとして君臨しているわけです。
世界長者番付3位のバフェット氏も「甘えた富裕層に増税を」 日本の富裕層には所得税増税を
(頂点のお金持ちが持つ純金融資産の伸びが凄まじい)
おまけに、この提言では環太平洋連携協定(TPP)への交渉参加については野田政権の取り組みが遅れているから、早期参加しろというのですから、国民の利益に反することおびただしい財界人たちです。
で、原発再稼動も主張するのがこの連中なんです。
ちなみに、なんにでもタブーなく噛みつくように見える橋下大阪市長は、こんな理不尽なことを言っているのに、決して経団連にだけは牙をむきません。何を大切に考え、どちらを向いて政治をしているかは明らかです。
カリスマ政治家に頼るのではなく、一人一人の国民が自分に本当に利益になる政治は何かを考え、原子力村に象徴される政官財・マスメディアの誤導に乗せられないようにするしかありません。
野田民主党政権とマスメディアが「大企業が望む消費税増税」に突き進む姿は原子力ムラそっくりだ
(原発利権の五重奏。消費税増税も全く同じ構造)
一握りのお金持ちは力もあるから世論も誘導できますが、私たちがもう少し賢くなれば絶対に対抗できるはず。
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