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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

年金機構が年金番号で性同一性障害者を特定 マイナンバー法でプライバシー=個人の静穏な生活が破壊される

2013年05月10日 | マイナンバー制度は危険

共通番号制なんていらない!―監視社会への対抗と個人情報保護のために [単行本] 小笠原 みどり 白石 孝 

マイナンバー制度は、わたしたちの個人情報を、国や企業が勝手に利用するのを許し、わたしたちの自由を奪い、社会的弱者の切り捨て や格差・差別を助長させることになります。こうした社会的害悪の制度の内容と意味をわかりやすく解説しながら、「国民総背番号制」からの40年の歴史をひ もとき、政府・企業の真のねらいを白日のもとにさらして検証、徹底的に批判する労作。 



 衆院本会議は2013年5月9日午後、国民一人一人に番号を割り当て、年金や納税の情報をその番号で一元的に管理するマイナンバー法 案を可決しました。これでこの法案は参院での審議を経て、今国会で成立する公算が大きくなりました。10日には参院で安倍首相が趣旨説明と質疑応答をすることになっていますが、なにしろ、自民・公明・民主・維新・みんなが大政翼賛的に賛成していますので、実質的な質疑はないと思わないといけません。

 この国民総背番号制について、政府は、年金や児童扶養手当など社会保障給付の申請や税金の確定申告で、これまで添付していた住民票や所得証明書などの書類が必要なくなり、手続きが大幅に簡素化されると説明しています。

 しかし、個人情報が一元化されると、それが漏えいしたときの被害は莫大なものになります。

 ちょうど同じ9日、通信販売会社「ディノス」のホームページに対して、会員のパスワードを探ろうという不正なアクセスが、8日までに111万回繰り返され、ディノスは1万5000人分のパスワードが何者かに突き止められたことを明らかにしました。ホームページを管理するサーバーには、アクセスは中国と韓国の9か所から行われたという記録が残っていて、このうち1万5000人分は実際にログインされてしまったため、パスワードを突き止められてしまったということです。

 こんなハッキングは日常茶飯事に起こっています。日本の国民の情報が他国にたやすく漏れるかもしれません。でも、民間と政府はセキュリティが違うと思いますか?

 日本年金機構が性同一性障害で性別変更した人を判別するため、2012年10月から基礎年金番号の前半4桁に共通する固定の番号割り当てをしていたことがあきらかになりました。さらに酷いことに、この4桁が性同一性障害者を示すと明記した機構の内部文書が、一時インターネットで確認できる状態になっていたことが明らかになりました。

 差別されがちが性同一性障害者を番号で特定するのも許せません。まさに背番号制度が国民監視のための道具であることがよくわかる事件です。しかも、それがネットで公開されていたなんて言語道断です。

 このように、情報漏えいやミス、さらには公務員による情報の不正利用の恐れはいまだ解消されておらず、不安はぬぐい切れないのです。

マイナンバーは監視の番号 [単行本(ソフトカバー)] やぶれっ! 住基ネット市民行動 

 

 

 実際、既に同じような制度を導入済みの米国では他人の番号を盗んでなりすまし、金融機関で借金するといった不正利用が相次いでいて、年間に数百万人が被害に遭い、総額500億ドル(約5兆円)近い損失が出ているというのです。

 それなのに、カードの利用範囲について政府は当面、社会保障と税に加え、災害時の本人確認などに限定しているのを、将来的には金融機関での民間利用も見越しています。

 当然、利用範囲が広がればリスクも増えるわけです、現に、米国では不正利用を防ぐため利用範囲を狭める検討に入っており、英国では導入2年で制度自体の廃止を決めました。欧米でのこうした動きに逆行しているのが日本の一周遅れのマイナンバー法案なのです。

マイナンバー法(国民共通総背番号制)の問題点 個人情報ダダ漏れの国家監視・管理社会

 日本ではこれまで幾度となく制度導入が検討されたものの、プライバシー侵害や国による監視、統制への懸念から見送った経緯があります。莫大な予算をかけて2003年から本格稼働した住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)も個人情報の流出に対する懸念は強く、利用が進んでいるといえません。

 今回のマイナンバーの導入にはシステム整備だけで2千億~3千億円を投じるのだそうですが、そのあとも毎年メンテナンスに何百億円もかかります。莫大な危険と代償を払いながら得られる利益は手続きの簡素化というのでは割に合いません。

 もちろん、国民を国家権力が監視する究極の管理社会への道が開ける可能性もあります。

 さらに、天下り利権も指摘されています。

「消費税増税の生みの親」勝栄二郎氏が天下るインターネットイニシアティブ(IIJ)社とマイナンバー利権 

 政府もマスコミも、都合のいいことばかり言わないで、真実を報道すべきなのです。

 

 

国民は真相を知らされずに、なんだかいいことだと思ってしまうのでしょうか。

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2013.5.9 17:21

マイナンバー法案が衆院通過、申請手続き簡単に

 衆院本会議は9日午後、国民一人一人に番号を割り当て、年金や納税の情報をその番号で一元的に管理するマイナンバー 法案を可決した。法案は参院での審議を経て、今国会で成立する公算が大きくなった。行政サービスを受けるための申請手続きが簡単になる利点があるが、個人 情報流出を懸念する声は多い。

 法案が成立すれば、政府は2015年秋ごろから各個人に番号を通知し、16年1月から利用を開始する。申請した個人には番号や氏名、住所、顔写真などを記載したICカードを交付する。

 法案は、行政機関が各個人の所得水準や年金、雇用保険、医療保険の受給実態をより正確に把握し、公平で効率的な社会保障給付を実現するのが目的。個人番号の利用範囲は当初、社会保障と税、災害対策に限定し、施行から3年後をめどに利用範囲拡大を検討する。

  マイナンバー法案は、消費税増税の低所得者対策として検討した「給付付き税額控除」の導入に必要だとして、民主党政権が昨年2月に閣議決定し国会に提出。 自民、公明、民主3党が大筋で修正合意したが、衆院解散で11月に廃案となった。今回の法案は合意内容を反映させた内容だ。

 政府は、年金や児童扶養手当など社会保障給付の申請や税金の確定申告で、これまで添付していた住民票や所得証明書などの書類が必要なくなり、手続きが大幅に簡素化されると説明している。

 一方、プライバシー保護への懸念も残る。個人情報の漏えいや、番号の不正取得による情報の悪用防止が課題となる。

 法案は個人情報の取り扱いを監視するため、独立性の高い第三者委員会を設置し、行政機関への立ち入り検査などの権限を与える。漏えいに関わった職員らに4年以下の懲役、または200万円以下の罰金などを科す。

 10日に予定される参院本会議に安倍晋三首相が出席し、法案の趣旨説明と質疑を実施する。(共同)

 

マイナンバー衆院通過 社会保障・税、16年から一元管理

2013/5/9 13:22 日本経済新聞

 社会保障・税の共通番号(マイナンバー)法案が9日午後の衆院本会議で、与党や民主党などの賛成多数で可決された。同日中に参院に送付さ れ、今国会中に成立する見通し。2016年1月から年金などの社会保障給付と納税を1つの個人番号で一元管理する共通番号制度が始まる予定だ。

マイナンバー法案を賛成多数で可決した衆院本会議(9日午後)
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マイナンバー法案を賛成多数で可決した衆院本会議(9日午後)

 同法案は民主党政権下で提出され、昨年の衆院解散の影響でいったん廃案になった。政府が関連法案を3月にあらためて国会に提出し、衆院で審議を進めてきた。

 共通番号制度は国民一人ひとりに番号をふり、年金や健康保険など社会保障給付と納税を1つの番号で管理する制度。利用者個人にとっては給付の申請や税の確定申告などの手続きが簡単になるメリットがある。

 例えば今は複数の機関が発行する書類を添付する必要がある児童扶養手当の申請なども、番号情報が入った顔写真付きのカードを担当窓口で提示 すれば手続きを済ますことができる。年金保険料や納税状況、所得情報の確認などはカードを使い自宅のパソコンからインターネット経由で可能になる。カード は自動車運転免許証と同様、本人確認の証明に使える。

 行政機関にとっては業務のコストを減らし、税や社会保障料の徴収、給付をより適正にする効果がある。政府は15年中に住民票を基にした番号 を国民に通知し、16年から実際に番号を通じて年金や納税の照会ができるようにする。利用範囲を17年以降に国税庁や日本年金機構など国の機関同士の連携 に広げ、その後、地方税などを扱う自治体に拡大する。

 一方、番号の利用には個人情報の漏洩や第三者による悪用などプライバシー保護の観点から、不安が出ている。政府は個人情報保護のため、行政機関を監視・監督する「特定個人情報保護委員会」を設け、情報管理を徹底する方針だ。

 

 日本年金機構が、性同一性障害で性別変更した人を判別するため、昨年10月から基礎年金番号10桁のうち前半4 桁に共通する固定番号の割り当てを始めていたことが7日、分かった。この4桁の番号が性同一性障害者を示すと明記した機構の内部文書が一時インターネット で確認できる状態だった。

 支援団体は勤務先などに性別変更を知られる恐れがあり、プライバシーの侵害だと批判。性別変更した関西在住の女性は「見た目と性別が一致せず、不利益を受けないように性別を変えた。配慮に欠けた制度に怒りを覚える」と話している。

 性同一性障害学会によると、性別変更者は国内に約3千~4千人とされる。

 

年金機構、性同一性障害者特定の年金番号公開...ネットで怒り噴出の声を受け「付与やめます」

9日、社会保障給付や納税などの情報を一元管理するため国民や企業に番号を割り当てる共通番号(マイナンバー)制度の関連法案は、衆院本会議で可決、参院 に送付された。今国会で成立すれば、2016年1月に制度の運用が始り、「個人番号カード」1枚で、年金申請などの行政手続きが行えることになるが、シス テム的なことを含め、問題は多いようだ。

というのも、日本年金機構が性同一性障害で性別変更した人を判別するため、昨年10月から基礎年金番号の前半4桁に共通する「・・・・」という固定の番号 割り当てをしていたというのである。さらにこの4桁が性同一性障害者を示すと明記した機構の内部文書が、一時インターネットで確認できる状態になっていた ことが明らかになり、波紋をよんでいた。

47NEWSがこのことを報じると、ネット上でも衝撃が走り、

「役人/権力者にとって、人間が属性を変えることが例えようもなく不快らしい。」
「管理するとしても余りにもお粗末ではないか。」
「日本年金機構には『常識ある詳しい人』いなかったんですかね。」
「なぜ基礎年金番号のその情報を埋め込む必要があるのかがシステム設計の観点から純粋に理解できないんだけどなんで?」

など、年金機構への批判が集中。また、

「こんな程度の政府機関に『共通番号(いわゆるマイナンバー、現在法案が国会審議中)』を扱わせて良いんですか、国民のみなさん!!!!」
「自分に振られた年金共通番号にも何かの意味があるような気がしてきた」

と、年金共通番号への不信感を募らせる人も多い。

この件に関しては、産業技術総合研究所情報セキュリティ研究センター主任研究員で日本の情報セキュリティー研究の第一人者である高木浩光氏が、自身のブログで詳しく解説している。

氏は「内部文書が一時インターネットで確認できる状態だった」ということにひっかかりを感じ、ネットで調査したところ、この問題と戦っていると思われる人 のブログを発見(5月9日現在、記事は削除されている)。この人は[////』と印字された画像も公開していたようで、まとめると、

「性同一性障害で性別を変更した人の中でも、離婚により年金分割記録のある人に限り新たな基礎年金番号が付番されることになり、社会保険事務所に用意され た『性同一性障害者にかかる基礎年金番号付番』と書かれた用紙の『新基礎年金番号』10桁のうち頭4桁が『////』とデフォルトで印字されている」とい うシステムだったというのだ。
(年金機構から基礎年金番号の付番機能を剥奪せよ-高木浩光@自宅の日記)

その後Twitter上では、「同機構はネットで知れ渡ったため、////の番号を付番した人には再度番号を発行することにした」と報告する人が登場した が、その新番号は相変わらず年金機構関係者にとっては"個人を特定できる"もの。さらには外部でそれが特定できる情報掲載をしないから大丈夫という説明を していることが明らかになった。

もちろん番号の流出はあってはならないことだろうが、番号を変えれば済むという問題ではなく、根本が何もわかっていない年金機構のあきれた対応に、高木氏 は「こんな奴ら即刻、首をはねろ。」と怒りを爆発させ、ネットでも氏に賛同する声が続々と寄せられていたところ、9日に参議院議員・谷合正明氏が、 Twitterで

「基礎年金番号で性同一性障害者に特定の番号を付与している問題で、当初年金機構はシステムを見直さないとしていたようですが、今日の内閣委員会質疑により、付与しないやり方を検討するとなりました」

と報告。

氏が問題提起した記事は、5月8日には3万を超える人が閲覧し、Twitterでも波紋は大きかった。しかしネットで声があがり、大きな動きにならなかっ たら、システムは見直されないままだったのだろうか。年金そのもののあり方も「もらえるかどうかわからない」など、不安がただよう現代。年金機構が、ます ます国民に不信感を植え付けてしまったのは間違いない。
 
 
 

「共通番号」特需狙うIT企業 整備費用は1兆円規模に (1/3ページ)

2013.5.10 08:00

マイナンバー法案を賛成多数で可決した衆院本会議=9日午後

マイナンバー法案を賛成多数で可決した衆院本会議=9日午後【拡大】

 国民一人一人に番号を割り当て、年金や納税の情報を1つの番号で一元的に管理する「共通番号(マイナンバー)」制度の関連法案が9日、衆院本会議で可決された。法案は参院に送付され、今国会で成立する公算が大きくなった。

 法案が成立すれば、政府は2015年秋ごろから各個人に番号を通知し、16年1月から利用を始める。制度を支える情報システムの整備にかかる費用は数千億円から1兆円規模にのぼるとされ、IT関連企業は新制度がもたらす特需を取り込もうと動き出し始めた。

 「(システムの)調達段階になれば、住民基本台帳ネットワークを作った強みを生かし、積極的に売り込みたい」

 ITサービス大手、NTTデータの岩本敏男社長は8日の決算会見で、共通番号制度関連のシステム受注に並々ならぬ意欲を示した。富士通やNECなど官庁のシステムで納入実績のあるメーカーだけでなく、「千載一遇のチャンス」(ソフトバンク幹部)を逃すまいと、新規参入を狙うIT企業や外資系企業も少なくない。

 

もっとも、システムの総額に関する確定的な試算はない。基幹となる個人情報表示機能と情報提供ネットワーク、情報保護監視システムの整備費について、所管する内閣官房は民主党政権時代に最大3000億円と見積もったが、「機能をどこまで含めるか明確ではなかった」(社会保障改革担当室)という。

 政権交代後、政府CIO(最高情報責任者)室がコストを洗い直した結果、基幹部分の整備費は190億円と試算され、10分の1以下に縮減された。

 とはいえ、全国で1700余りに上る市町村が持つシステムの改修やネットワーク接続、スマートフォン(高機能携帯電話)など携帯端末向けのサービスといった機能拡充を含めれば、市場規模は1兆円を優に超えるとみられる。IT業界が特需に目の色を変えるのも当然だ。

 総務省によると、中央官庁の情報システムは約1500件あり、運営コストは年間5000億円かかっている。

省庁が個別に導入してきたことで縦割りの情報システムが乱立する結果を招いてきた。省庁間のシステムを連携させるといった抜本改革が急務となるが、「スムーズにいくと考えるのは楽観的過ぎる」(同省幹部)といい、技術面も含めて課題を抱えているのが実情だ。

 共通番号制度では申請した個人に番号や氏名、住所、顔写真などを記載したICカードを交付。個人番号の利用範囲は当初、社会保障と税、災害対策に限定し、施行から3年後をめどに利用範囲拡大を検討する。

 行政サービスを受けるための申請手続きが簡単になるメリットがある一方、個人情報の流出を懸念する声も少なくない。失敗が許されない巨大システムの構築に向け、政府はコストを重視した従来の調達制度を見直し、納入企業の技術力や信頼性の高さを考慮に入れる構えだ。

 NTTデータと大手電機系のIT企業は既に、省庁間のシステム連携に関する情報交換に乗りだしたとみられ、基幹システムの受注をめぐるつばぜり合いも水面下で始まっている。(芳賀由明)

 
 

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1 コメント

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番号制反対 (Mylène)
2013-05-13 05:04:32
 私も国民に此の様な番号を付ける事に反対です、国民を囚人扱いする行為ですね。
 掲示板サイトやSNS等、コメントの番号が有るとこはレス機能を使うと番レス(何番のコメントへのレス)となるとこが多いですが、私はそれさえも囚人扱いされている様で嫌なのです、私もMTFですが、此の問題は性同一性障害だけの問題ではないと思っています。

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