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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

やっかいな隣人 中国の温首相一族が2000億円の蓄財とのNYタイムズ報道を政府が遮断する全体主義

2012年10月27日 | 海外の話題

(この画像の記事に中国に住む人はアクセスできないそうです。どんだけ豪快な検閲やねん!)

 

 

2012年10月26日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、中国の温家宝首相が中国共産党の指導部入りをした後に、温首相とその一族が約27億ドル(2150億円以上)の巨額の財産を蓄えていると報じました。

ニューヨークタイムズ紙は、企業や規制関連の記録を挙げ、温首相の息子、娘、弟、義理の弟などが少なくとも27億ドルの財産を管理している証拠をつ かんだとしており、温首相の親族は、友人や同僚、取引先などを何重にも介在させることで、自分たちの名前が表ざたになるのを防いでいたというのです。

温首相に関しては、裕福でない家庭の出身で庶民への思いやりが深いなどと言う話が宣伝されているのですが、1998年に指導部入りして10年余り。2003年に首相になってまだ10年もたたないのに、2000億円お金が貯まるって、どんな不正蓄財なんですか。社会主義って、まがりなりにも平等重視を標榜しているんじゃないんですか。

ほんまに、温首相も庶民の味方どころか、「人民の敵」ですがな。公務員の汚職に厳しい中国の法律をそのまま適用したら何百回も死刑ですよ。

中国高速鉄道追突脱線事故 地中に車両隠蔽・運転再開 全体主義の犯罪をネットは見逃さない


そして、なんと同記事が掲載されたのを受け、中国当局は即日、中国国内における同紙の英語版と中国語版の二つのサイトへのアクセスを遮断しました。さらに、中国版「ツイッター」など一部ソーシャルメディアでは「ニューヨークタイムズ」や「温家宝」の検索ができなくなっているというんです!政府の管理しているツイッターなんて、ツイッターの名に値しませんねえ。

ことほどさように、中国当局は2012年6月にも、中国の次期最高指導者と目される習近平国家副主席の親族が数億ドルの財産を蓄えていると報じた米通信社ブルームバーグのニュースサイトへのアクセスを遮断しています。

いやはや、トップが不正蓄財しまくりで、そのことを報道規制で国民にはひた隠し。もう、もろに全体主義国家の悪い面が全部現われています。社会の格差が激しくなり、こういう公務員の不正に対する国民の不満が高まっていて、それを外に向けるために日本との尖閣諸島問題なんかが利用されているのでしょうね。

石原慎太郎氏と野田首相がやったことは中国共産党の思うつぼですな。

発狂する東アジア 中国での反日デモ続く 罪深き石原都知事と野田首相


さて、中国外務省の洪磊報道官は今回の報道について

「(記事は)中国の評判を汚そうとするもので、何らかの隠れた意図がある」

と述べたということです。また、ニューヨークタイムズ紙のサイトを遮断したことについては

「中国は法と規則に基づいてインターネットを規制している」

と答えたとのことです。表現の自由もへったくれもありませんね。公務員の汚職や貧富の差が拡大する中、中国の指導部は、指導部のメンバーやその親族が過度に裕福になっているとの指摘に特に敏感になっているというんですが、それだったら自分らが身を清くしたらいいのに、検閲することで対処するだなんて、もう終わってます。

内陸部と沿岸部の所得格差、一党独裁の共産党の腐敗、情報の流通もままならぬ社会。近いうちに、「北京の春」が訪れて中国社会が瓦解する可能性も含めて、付き合い方を考えねばならないと思います。ということは、中国の安い労働力で日本企業が甘い汁を吸うという構造ももう見直すべきです。

そうでないと、来たるべき真の意味での「人民民主主義共和国」に恨まれてしまいますから。

ジョブズ1周忌にスト発生 劣悪な労働環境で作られる優秀なiPhone5 フォックスコン工場で争議・暴動止まず

戦争の危険は絶対に避けながら、人権侵害に対して言うべきことは言う。求められる大人の外交を望むのは極右政治家には無理だと思います。



大国は不正も豪快。どう付き合ったらいいんですかねえ。

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中国の温家宝首相一族が巨額蓄財、総額27億ドル以上=報道

2012年 10月 26日 18:15 JST ロイター

[26日 ロイター] 26日付の米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は、裕福でない家庭の出身で庶民への思いやりが深いことで知られる中国の温家宝首相に関し、指導部入りした後に一族が巨額の財産を蓄えていると報じた。

記事は「企業や規制関連の記録を検証したところ、首相の夫人を含む一部親族が、強引な手法で少なくとも27億ドル相当の資産を蓄えた」と伝えている。

記事によると、温首相の母親や兄弟、子供たちの資産の大半は、温氏が1998年に国務院(内閣に相当)副首相に指名されて以降に蓄えられたと指摘。温氏はその後、2003年に首相に就任した。

NYTは一例として、2007年には温首相の親族や友人などの共同名義の会社が、中国の平安保険(601318.SS: 株価, 企業情報, レポート)(2318.HK: 株価, 企業情報, レポート)の株式最大22億ドルを保有していたと指摘。現在90歳になる温首相の母親はその当時、同社に対して1億2000万ドル相当の投資をしていた。

同紙はこれらの調査結果について中国外務省や温首相の一族に対してコメントを求めたが、いずれも拒否または無視された。

中国では26日朝、NYT(電子版)は英語・中国語のサイトともに閲覧ができなくなっているほか、中国版「ツイッター」と言える主要ミニブログサービスでも「ニューヨーク・タイムズ」と、温氏の妻や子供たちの名前による検索ができなくなっている。

中国外務省の報道官は定例会見で「中国の評判を落とし、隠された意図がある」報道と述べた。ウェブサイトへの遮断については「法と規則に基づきネットを管理している」と述べた。

中国では政府高官の私生活や資産の状況は闇に包まれており、個人情報は国家機密とみなされている。それでも、それほどランクが高くない高官 の問題は中国や香港、欧米のメディアを通じてしばしば伝えられ、彼らが権力を利用して富を蓄積している様子がうかがえる。場合によっては、そうした高官が 逮捕あるいは訴追されるケースがある。

次期国家主席のポストが確実視されている習近平氏の一族も、多額の資産を蓄積していると伝えられている。

ブルームバーグは6月に、習副主席の親族が3億7500万ドルの資産を企業に投資しているなどと伝えている。それ以降、中国ではブルームバーグのウェブサイトへのアクセスがブロックされ、当局が最高首脳のこうした問題に敏感になっていることが示された。

ニューヨーク・タイムズ紙は、温首相の場合、一族の名前が「友人、同僚、ビジネスパートナーが関与しているパートナーシップや投資会社」の陰に隠されていた、と伝えている。

同紙によると、温首相一族の資産には、北京の別荘開発プロジェクト、中国北部のタイヤ工場、2008年の北京オリンピックの施設建設にかかわった企業、大手保険会社の平安保険などが含まれている。

温首相の弟が保有する企業は、大都市の下水処理や医療廃棄物処理事業で3000万ドルに上る政府契約と補助金を受け取り、複数の会社名で2億ドルの資産を保有しているという。

ニューヨーク・タイムズはこれらについて、政府の記録に基づき推定したものとしている。


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3 コメント

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Unknown (常駐人)
2012-10-27 22:50:14
> 社会の格差が激しくなり、こういう公務員の不正に対する国民の不満が高まっていて、
> それを外に向けるために日本との尖閣諸島問題なんかが利用されているのでしょうね

中国が「過ちを正せ!」としきりに日本に言ってきますが、本音では正して欲しくないのかな?
反日を利用したいのなら、その原因を無くされたら困るでしょうから。

このまま突き進むと、これは、、、戦争ってこと?
だとすると、在日米軍の存在意義も高まっていきそうですね。
Unknown (Unknown)
2012-10-31 11:44:42
はじめまして。

中国が検閲している文章をこれでもかとキャプチャーで拡散するといいかもしれませんね。

衝撃 (部外者)
2012-11-05 03:09:10
日本に来れてよかったと思います、じゃないとこんなニュース見れませんよw、ありがとうございます!タイトル衝撃と書いてますが、正直もうこういう真実は慣れっていますね(笑)
政府の方たちみんなそんなもんですが、でもさすがに副総理はレベルは違いますね。
外交問題を利用し、国内の注目を海外にそらす、うん、やるではないか、完全に国民を馬鹿にしていますね、幸い中国のサイトを見る限り、中国の人たちもわかっている様子、どうしようもないのも事実、政府のバカヤロ!!!

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