Everyone says I love you !

弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

「本気で自民党を倒しましょう!」と歌ったアイドルグループ「制服向上委員会」の舌を巻くブログ。

2015年06月28日 | 娯楽

 

 

 今の世の中に、

「諸悪の根源、自民党」「大きな態度の安倍総理」「エリート意識・利権好き」「本気で自民党を倒しましょう!」

という歌詞の歌があること自体が驚きですが、制服向上委員会と聞いて納得。

 あの、「ダッ!ダッ!脱・脱原発の歌」を歌ったグループですからね。

祝 猪苗代湖ズ紅白初出場!「I love you&I need youふくしま」 フクシマは現在進行形

 

 

 さて、神奈川県大和市は、市民団体「憲法九条やまとの会」が2015年6月12日に開催したイベント「若者と国家 自分で考える集団的自衛権」に出演した制服向上委員会が自民党を批判する歌詞を歌ったとして、このイベントの後援名義を事後的に取り消すことを決めました。

 このイベントでは元内閣官房副長官補の柳澤協二さんが講演した後、憲法9条をテーマにした曲などを歌うアイドルグループ「制服向上委員会」が歌を披露しました。

 柳澤さんも、自分の講演の後に出てきた可愛い女の子たちが、「本気で自民党を倒しましょう」「諸悪の根源、自民党」と歌いだしてたまげたと思うのですがw、これに自民党市議が

「自分たちの党を非難する活動を後援するのか」「これは政治運動、倒閣運動、反政府運動」「名誉毀損」

と猛烈な抗議をしました。

 

 

 その結果、とうとう大和市はたまりかね、

「特定の政党を批判する部分があり、市の後援要項に反している」

として、事後的に後援を取り消したそうです。

 それでは、その曲を聞いていただきましょう。

 橋本美香と制服向上委員会さんで、大きな古時計の替え歌、「おじいさんと同じ」。

1、
大きな態度の安倍総理 おじいさんと同じ
約5年で復帰した ご自慢の政権
民主党の自滅の後に アベノミクスが生まれたの
今はもう円安で 得意顔

原発反対に 四苦八苦 四苦八苦
東電と一緒に 四苦八苦 四苦八苦
今はまだ動かせない 日本の原子力

2、
なんでも企業の言いなりで お父さんと同じ
きれいごとをならべていても 信用してはいけない
株価を上げて円安騒ぎ みな知ってる茶番劇
今もまた許せない その政治

国民生活 四苦八苦 四苦八苦
被災者のみなさん 四苦八苦 四苦八苦
今はまだ故郷(ふるさと)に 帰れない

3、
公共事業のばらまきは お父さんと同じ
原発事故の被災者が 泣いても見ないふり
円安で喜ぶ大企業 国民は辛いだけ
今もだめな自民党 安倍内閣

三党合意で 四苦八苦 四苦八苦
麻生さんと一緒に 四苦八苦 四苦八苦
今はまだ動かせない 日本の原子力

 

 

 

 それにしても、9条の会のイベントを地方自治体がそもそも後援しないという話は聞いたことがありますが、後援していたものを内容が悪かったから後から後援を取り消すという話は聞いたことがありません。

 確かに、大和市の後援名義要領には、

「特定の政党、宗教、その他政治団体および宗教的な団体などを支持し、またはそれらの活動に関係のないもの」

と定められているのですが。。。。

 と、政治的中立性とは何か、地方公共団体が憲法集会を後援しないのは憲法尊重擁護義務に反する、という話を書こうとしていたのですが、記事を書くために調べていたら、あまりにも制服向上委員会に感動したので、このグループの紹介を先に書くことにします(笑)。

 今回の後援取消が決まって、制服向上委員会の公式ツイッターがこうつぶやいています。

 実は私も今初めてフォローしたのですが(汗)、アイドルなのに!ニュース23でも取り上げられたのに!!まだフォロワーが3000人そこそこって少なすぎる!

 結成23周年!ってもちろんAKB48はもとより、1997年に活動を開始したモーニング娘。よりも古い、もとい、長いのに!!

 委員会会長の橋本美香さん@Mika_Hashimotoでもフォロワー5000人。みんなフォローしてあげて!!

 

脱がない、媚びない、NOと言えるアイドル~制服向上委員会の生き残り戦略~
橋本美香 著
ヤマハミュージックメディア

メジャーにいかないアイドルはどうやって生き残ってきたのか?
清く、正しく、美しく。グループアイドルとして20年間の歴史をもつ制服向上委員会。その会長が、そのすべてを語る ! 彼女たちは、アイドルなのに売れるための活動をしない。ただひたすら、その時代時代の社会問題を訴え続けてきたのだ。「言いたいことが言えないならメジャーにはいきたくない」。そう語る“弱者アイドル”の“消えない”秘訣が今明かされる。

 

 

 

 で、ですね、「めちゃ若いアイドルなのに大人たちにこんな歌詞歌わされて」「普通のアイドルに戻りたいのでは?」「社会的なことも言わされてるんじゃないの?」と、わたくしもちょっと疑念が芽生えたのですが。

 制服向上委員会のメンバー斎藤優里彩ちゃん(18)が、沖縄慰霊の日にブログを更新し、戦死者への慰霊と平和への思いや、戦争法案とちゃんと書いたうえで、それを通そうとする安倍政権への批判を静かに書き綴りました。

 これを読むと、彼女たちが誰にも言わされていない、歌わされていない、書かされていないことがわかります。

 安倍内閣や自民党の議員たちや百田なんとかより、彼女たちの方がよほど大人ですよ。

 心底、感心しました。文章の訴求力も負けそうです。凄い18歳がいたものだ。選挙権は当然です。

 

傷つけあうよりも愛しあおう

 こんばんは。齋藤優里彩です。

6月23日、沖縄慰霊の日。
ほんの70年前。
日本国内唯一の地上戦で
20万人の尊い命が失われました。

戦争を経験してない者だとしても
武力は人に憎しみ、恨みを生み
また武力に繋がり...
それが繰り返されるだけの戦争は
絶対に良くないことは分かる。
だから風化させない事
同じ過ちが繰り返されない為行動するのが
残された者のせめてもの使命だと感じます。

それに対し危機感を持たなければ
と、強く思う今。

国会で毎日交わされる
安全保障法制という名の「戦争法案」
の激論。

一昨日、21日にも学生が中心となった
戦争法案反対のデモや
国会を包囲するデモが行われたそうです。
私も同じ気持ちの方と一つになって
もっともっと頑張らなければと、改めて。

理由は明確で
沖縄全戦没者追悼式での
辺野古新基地建設反対の決意に溢れた
翁長知事の「平和宣言」とても素敵でした。

それに対して 
平和や安全の美辞麗句を並べるばかりで
何も心に響かない空虚な言葉。
だって、新基地建設を強行していることには
一切触れず
「今後も引き続き沖縄の基地負担軽減に全力を尽くす」って...
戦争法案を推進しながら
「この70年間、戦争を憎み、ひたすらに
平和の道を歩んできた私達の道のりに
誇りを持ち、これからも、世界平和の確立に向け
不断の努力を行っていかなくてはならないのだと思います。」って...

率直におかしいと思った。

会場からは帰れ!!のような声も。
そうだ!!と私も自然と言葉を発していました。
安倍首相の
発言と政策がこれだけ矛盾していれば
ウチナーンチュの方々の不満と講義は当たり前。

戦争法案は戦争への道が開かれてしまう。

私達が過ごしている当たり前の毎日が
先の大戦で亡くなられた
たくさんの生命の上に成り立っていることを
心に刻み、生きたくても生きられなかった
沢山の生命を一瞬たりとも
疎かにしたくはない。

絶対に止める。
戦争はただの人殺し。

(後略)

 

 

 安倍自民党なら安倍自民党を、民主党政権時代には民主党を思いきりあてこするという姿勢は私と共通。

「悪魔 NOだっ! 民主党/制服向上委員会」。野田ダメ、枝野ダメ、岡田もダメって言ってますw

 

 

 

 

すみません、難しいこと話はこのあとということで。

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追記

1 大和市は今回の後援の事後取消の理由を、「諸悪の根源自民党」などの歌詞が、後援の対象事業の条件として後援の「要領」で定めている

「特定の政党、宗教その他の政治的団体及び宗教的な団体を支持またはそれらの活動に関係するものではないこと」

の中の

「特定の政党」の「活動に関係するもの」にあたる

としていますが、これは以下の3点で問題です。

2 まず第一に、要領は特定の政党の活動に関係するものではないことを求めているのであり、「特定の政党を批判してはならない」とは書いてありません。

 たとえば、自民党に批判的な歌詞であっても、それは特定の政党の活動ではありません。民主党や共産党の活動と言うわけではないのです。

 特定の政党の政治活動をしなければ、市の後援の基準となる「政治的中立性」としては十分なはずです。あらゆる政党のあらゆる政策に、絶対に批判的に言及してはならないとしたら、それは市民の活動に政治的中立性ではなく政治性皆無を求めるものです。

 ですから、今回の後援取消措置は、大和市自身の「要領」違反と言うことになります。

 

 

3 次に、事前に後援をしていたのに、制服向上委員会の歌詞がよくないから後援を取り消すというのは、同グループの表現の自由に対する重大な侵害です。なぜなら、この大和市の行為は同グループの表現内容に着目して、自治体がその良し悪しを判断し、良くないから不利益を与えるという行為だからです。

 これは、制服向上委員会が今後活動していくうえで、「このような表現をしていたら自分たちが出るイベントがなくなってしまう」と萎縮したり、イベントを主宰する側があのグループが出演者を考えるときにマイナスに作用したりする恐れがあるのですから、表現の自由という基本的人権を侵害することになります。

 そういう意味で、今回の大和市の判断は憲法に抵触すると言わざるを得ません。

 

 

4 さらに、大和市の憲法尊重擁護義務違反の問題があります。

 そもそも日本国憲法は、基本的人権の保障も政教分離原則も地方自治の保障もない天皇主権の大日本帝国憲法のもとで、我が国が侵略戦争を強行して内外の、それらを反省し誕生した憲法です。

 それゆえ、国民主権主義、基本的人権尊重主義、徹底した平和主義、地方自治などを基本原理として採用し、これを担保するために、国家権力を行使する天皇をはじめとする公務員には、憲法尊重擁護義務を負わせています。

 この義務の主体に国民が入っていないことが、憲法は国家権力の手を縛るためにあるという立憲主義の一つの表れと言われています。

日本国憲法第99条

天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

 したがって、今回問題になった神奈川県大和市は、自らの主催で憲法集会などの行事を開催しても不思議ではありませんし(すべきです)、憲法尊重擁護義務のある自治体として憲法改悪反対、護憲の集会などを「後援」するのは当然です。

 むしろ、「後援」を承諾しなかったならば、その方が問題です。

 憲法が公務員に憲法尊重擁護義務を課している以上、大和市が憲法に関する集会等の行事への「後援」を許諾することが、“政治的中立性”を損なうことになるはずがありません。

 もし憲法に関する集会等の行事について大和市の「後援」が“政治的中立性”に反する場合があるとすれば、それは公務員の憲法尊重擁護義務の履行と矛盾する日本国憲法改悪を主張する集会等の行事の場合でしょう。

 この点でも大和市の行為は憲法上重大な疑義があるのです。

 

 

5 自治体の後援が取れなければ使えない会場があるなど、市民の憲法を守る運動にとって、この後援問題はそれが取れなければ重大な支障をきたすので、非常に大きな問題です。

 あとで各報道を見るように、第二次安倍政権の発足以来、地方自治体で憲法に関する集会への後援を許可しない事例が多々報告されるようになりました。

 これは、地方自治体が安倍政権の顔色をうかがってその意に添うように行動しているものであり、憲法が定める地方自治の精神に反すると言えます。

 また、以前書いた、日本会議の地方からの改憲運動と裏腹な関係にもあると言え、危険です。

 今回の制服向上委員会の歌詞が「過激」だというような話題性から扱う問題ではなく、この問題は立憲主義の観点から常に監視し、後援不許可や取消に対しては断固として抗議していかないとならない重大問題だと思います。

 

THE PROTESTER
制服向上委員会
アイドルジャパンレコード

「ダッ!ダッ!脱・脱原発の歌」「悪魔 NOだっ! 民主党/制服向上委員会」収録。

 

 

 

 

「諸悪の根源自民党」アイドルまで安倍政権に逆風?

[2015年6月25日9時38分 紙面から]

 

 改憲に反対する神奈川県大和市の市民団体のイベントで、アイドルグループ「制服向上委員会」が「諸悪の根源自民党」という歌詞のある歌を歌ったため、イベントを後援した同市と同市教委が事後の後援取り消しを検討していることが24日、分かった。市と市教委の「後援名義」の使用ルールに違反するため、市民団体「憲法九条やまとの会」側に説明後、後援を取り消す方針という。

 イベントは「若者と国家-自分で考える集団的自衛権」と題され、今月13日に大和市保健福祉センターで開かれた。主催は市民団体「憲法九条やまとの会」。元防衛官僚の柳沢協二氏が講演した後に出演した制服向上委員会は、脱原発や沖縄の米軍基地移設反対をテーマとした歌を数曲披露。「諸悪の根源自民党」という歌詞を歌ったという。

 これに対し、自民党の大和市議が数日後、「自分たちの党を非難する活動を後援するのか」と市に抗議。市側はイベント当日に歌詞について把握。ルール違反とみて、取り消しの検討をしていた。市と市教委によると、市などの「後援」を受けるには、主催団体が事前に「後援名義使用申請書」を提出するルールが「要領」で定められている。市には2月6日、市教委には2月10日に、団体から申請があった。今回は市も市教委も3月13日に承認した。

 「要領」は、後援の対象事業の条件として「特定の政党、宗教その他の政治的団体及び宗教的な団体を支持またはそれらの活動に関係するものではないこと」と定めており、申請に虚偽があったり市長が必要と認めた場合、取り消すことができるとも定めている。

 市の担当者は「アイドル出演の話は5月以降に把握し、団体側と話をした。歌詞は、こちらから確認しなかったし(団体側から)説明もなかった」と話す。市は「諸悪の根源自民党」という歌詞が、「特定の政党」の「活動に関係するもの」にあたるとみている。

 これに対し、制服向上委員会は24日、公式ツイッターで「いろんな意見があって当たり前だと思うし、どちらの意見も言える国家であってほしいのに、今それが脅かされていることに憤りを感じます」と反論。団体側は「憲法や集団的自衛権について議論の場を設けるのが目的」と反発している。市担当者は「問題は『後援名義』であって、ホールや会議室の使用を制限して『場』を奪っているわけではない」としている。

 ◆制服向上委員会 「清く正しく美しく」をモットーに1992年(平4)9月に初期メンバー7人でグループ結成。現在のリーダー清水花梨は10代目。95年に独自のレコード会社を創設。97年「SKi基金」を設立。2011年に「ダッ!ダッ!脱・原発の歌」を発表。公式HPでも社会派アイドルとしての発信を宣言。

 

 
2015年06月26日 20時12分 弁護士ドットコムニュース
 
「諸悪の根源自民党」制服向上委員会の歌で「後援取り消し」の市民団体が抗議表明
 
制服向上委員会(撮影は6月21日、JR浜松駅前)
 
 

女性アイドルグループ「制服向上委員会」が神奈川県大和市で開かれた市民団体主催のイベントで、自民党を批判する歌詞を歌ったことから、市はイベントに対する「後援」の取り消しを決めた。一方、市民団体は6月26日、ブログで「到底納得ができません」「大和市と大和市教育委員会には、お考え直して頂きたい」と抗議の意思を表明した。

問題になっているのは、市民団体「憲法九条やまとの会」が6月13日に大和市で開いたイベント「若者と国家-自分で考える集団的自衛権」。このなかで、制服向上委員会は「自民党を倒しましょう」などというフレーズを歌ったのだという。

これに対して、大和市は6月25日、「市の後援要項に違反している」として、いったん承認していた後援を事後的に取り消す方針を決めて、同団体事務局に口頭で説明した。

●「自民党を倒しましょう」「諸悪の根源自民党」

大和市が後援取り消しの判断に至った理由はなんだろうか。同市の国際・男女参画課によると、やまとの会からイベントの後援名義の申請があったのは、今年2月6日のことだ。市はそれを審査したうえで、3月13日に承認した。

6月13日のイベント当日は、元内閣官房副長官補で、安全保障政策の専門家である柳澤協二さんが講演した。そのあとに、憲法9条や脱原発など、社会的なテーマの曲を歌う制服向上委員会がステージに立った。その歌詞のなかに「自民党を倒しましょう」「諸悪の根源自民党」などのフレーズがあったという。

イベントに来ていた大和市の担当者が翌週、「歌詞やトークに、特定の政党を誹謗中傷する内容があった」と市に報告。大和市は「後援要項に違反している」として、事後的に後援を取り消す方針を決めて、25日に「やまとの会」に対して説明。「来週にも正式に文書で送付する」という。

一方、「やまとの会」は26日に公式ブログに「到底納得ができない」とする文章を掲載。「市の財政的支援はない」「政党党派が主催するとか、政党党派拡大のための集まりでない限り、後援すべきだ」として、取り消しの撤回を訴えている。

●なぜ「後援」が必要なのか?

今回問題になっている「後援」とは、どんな意味があるのだろうか。

大和市の国際・男女参画課の担当者は「たとえば、イベントのチラシに『後援 大和市』と表記できる」と説明した。ただ、「市が団体を全面的に応援しているという意味ではない」と付け加えた。また、「行政処分ではないため、取り消しに対する異議を申し立てられない」という。

一方で、「やまとの会」事務局の担当者は、弁護士ドットコムニュースの電話取材に、後援の重要性を強調した。「たとえば、自治会の掲示板などにチラシを貼ってもらうには、『後援』が必要なケースがある」「できるだけ多くの市民にイベントを知ってもらうために必要なものだ」と反論していた。

そもそも、なぜ「やまとの会」は制服向上委員会をイベントに呼んだのだろうか。制服向上委員会といえば、これまでも憲法9条や脱原発をテーマにした曲を歌ってきた異色のアイドルグループだ。

「やまとの会」事務局の担当者は「『制服向上委員会』を招くことが決まったのは、申請のあとだった」といい、「平和を訴えるイベントに若い人たちを呼びたかったから」と話した。イベントには市の担当者を含め300人ほどが集まり、若者の姿もあったという。

(弁護士ドットコムニュース)

 

 

 

アイドルが政権批判して何が悪い? 「制服向上委員会」にまで圧力かける自民党の異常性

【この記事のキーワード】
2015.06.26
 
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橋本美香『脱がない、媚びない、NOと言えるアイドル~制服向上委員会の生き残り戦略』(ヤマハミュージックメディア)
 

 

自民党の傍若無人ぶりが止まらない。神奈川県大和市の市民団体「憲法九条やまとの会」が主催するイベントで、アイドルグループの制服向上委員会が「諸悪の根源、自民党」「自民党を倒しましょう」といった自民党批判の歌詞の曲を歌ったことにより、自民党所属の大和市議が「自分たちの党を非難する活動を後援するのか」「これは政治運動、倒閣運動、反政府運動」「名誉毀損」だと抗議。これによりイベントを後援した大和市と市の教育委員会が後援を取り消した件だ。

 憲法22条では「集会・結社の自由」が保障されており、21条「表現の自由」もある。しかも、制服向上委員会は政治結社や宗教団体として活動を行っているわけではなく、ただ政治権力に対して批判的な歌を歌っただけ。イベントにしても9条を守ることを訴えたもので、現行憲法を守るという公務員の遵守義務を主張した行動だ。それを“特定の政党、宗教、政治団体の活動に関係する”という理由で拒否することは、到底認められるものではない。同じように東京都調布市や千葉県白井市、長野県千曲市、鳥取県鳥取市、栃木県佐野市などでも地方自治体が護憲イベントの後援を拒否する事態が増えているが、こうした動きの背景に安倍政権の空気づくりがあるのは明白だ。

 というのも、昨日、安倍首相シンパの若手自民党議員たちが立ち上げた「文化芸術懇話会」では、出席した議員が「マスコミを懲らしめるには広告料収入をなくせばいい。文化人が経団連に働きかけてほしい」などと発言し、大きな波紋を広げているが、この制服向上委員会の問題も根底にあるものは同じ。“政権批判を行うものはなんでも弾圧する”という姿勢だ。これは戦前・戦中の言論弾圧のようなものではないか。

 だいたい、制服向上委員会は自民党批判だけを行っているのではない。民主党政権時には、「野田はダメ 枝野ダメ 平野ダメ 岡田もダメ」「何やってんのダメおじさん民主党No Good」という歌詞の、「悪魔NOだっ!民主党」なる楽曲も歌っていた。当然、このとき民主党から抗議など来ていないが、どれだけ自民党は度量が狭いのか、という話だ。

 しかし、もっと恐ろしいのは、今回の問題で制服向上委員会のもとに「こいつら全員ぶっ潰す」「分不相応な方言は滑稽を通り越して殺意を生むことを知れ」(TBS『NEWS23』より)などと“脅迫メール”までもが殺到していること。また、ネット上でも、「女子供を利用するのは左巻きお得意の手口」「制服向上委員会の少女たちは大人に利用されているだけ」という批判も起こっている。

 だが、彼女たちは単なる大人の操り人形ではない。舞台の上の彼女らも、いまの社会や政治に対して真剣な思いをもっている。たとえば、メンバーである齋藤乃愛は、25日のブログでこう綴っている。

「子供だから意見を言っちゃいけないなんて法律はないですよね。未成年でも言いたい事や感じた事、気になった事は沢山あります。嫌な事は嫌と子供も大人も関係なくはっきりと言える環境がもっと増えてほしいです。
決して悪い事をする訳じゃないんだから。大声で訴えるべきだと私は思います」

 さらに、同じくメンバーの齋藤優里彩は、23日、沖縄慰霊の日にこんなブログを書いている。

「戦争を経験してない者だとしても 武力は人に憎しみ、恨みを生み また武力に繋がり…それが繰り返されるだけの戦争は 絶対に良くないことは分かる。だから風化させない事 同じ過ちが繰り返されない為行動するのが 残された者のせめてもの使命だと感じます。
 それに対し危機感を持たなければと、強く思う今。
 国会で毎日交わされる安全保障法制という名の「戦争法案」の激論」

 群雄割拠のアイドル戦国時代のなか、彼女らの特長は、今回の騒動でも分かる通り、アイドルでありながら“社会”について考え、そして、“反体制”の姿勢を貫いている点。しかも、そのアティテュードはブログの文面を読めばわかるように本物だ。結成当初から社会貢献活動に積極的に参加しており、“歴史好きアイドル”や“鉄道オタクアイドル”など、とりあえずなにか特徴的な“○○アイドル”の冠をつけておけば業界内で差別化できるといった甘い考えでのものではない。

 そもそも、制服向上委員会というアイドルグループは1992年に結成された。活動が一躍注目を浴び始めたのは、2011年。「ダッ!ダッ!脱・原発の歌」なる楽曲を発表したことがきっかけだ。モータウン風のポップでキャッチ―なメロディーに、「忘れないから原発推進派/安全だったらあなたが住めばいい/みんなに迷惑かけちゃって/未熟な大人ではずかしいよネ」という強烈な歌詞が乗るこの楽曲は、それ以降、原発反対を訴える集会のアンセムのひとつとなった。もちろん、ただそのような曲のCDを発売しただけでなく、制服向上委員会も原発再稼働反対のデモに参加している。

 しかも、「さようなら世界夫人よ」「赤軍兵士の歌」「コミック雑誌なんか要らない」など政治的な楽曲が問題となり、アルバムが発売中止となる大騒動を巻き起こした70年代のロックバンド・頭脳警察のPANTAは、同じ所属事務所の先輩として彼女たちに楽曲提供や歌唱指導を行っている。こういったスタッフが脇を固めていることを見ても、お遊びや話題づくりでプロテストソングをつくっているわけではないということの証左である。

ただ、そのために“彼女たちは大人に利用されている”“大人に洗脳されている”という声があがる理由にもなっている。もちろん、そうした側面もあるのかもしれない。だが、それはおかしいというのなら、秋元康総合プロデュースのAKB48はどうなるのか。ASEAN特別首脳会議の晩餐会で踊ったり、主力メンバー・島崎遥香を自衛隊のオフィシャルマガジン「MAMOR」(扶桑社)の表紙に飾ったりと、秋元もアイドルを政治利用しているではないか。それにくらべれば、メンバー自身も“おかしなことには声を発する”という自覚をもった制服向上委員会のほうが、よほど健全であるように思える。

 そんな彼女たちのささやかな行動にさえ、「反政府運動だ」と締め付けを行う自民党。この異常事態を見ると、どうやら日本はもうすでに戦前の言論統制下に入っているようだ。
(大方草)

 

 NHK 2014年4月21日 19時27分

“政治的中立への配慮”が相次ぐ

 憲法や原発など国民の間で議論が分かれているテーマを取り上げた講演会や展示会などについて、各地の自治体が「政治的中立を保つ」として内容の変更を求めたり、後援の申請を断ったりするケースが相次いでいることがNHKの取材で分かりました。 
 これは、NHKが全国の都道府県と県庁所在地の市、東京23区、それに政令指定都市の合わせて121自治体を対象に調査した結果、分かったものです。
 それによりますと、昨年度開かれた講演会や展示会などについて「政治的中立を保つ」として、施設の貸し出しを断った自治体が1つで合わせて2件、内容の変更を求めた自治体が5つで合わせて6件、後援の申請を断った自治体が14で合わせて22件となりました。
 さらに、これらとは別に「県の政策と一致しない」として催し物の後援を断った自治体も1つあります。
 これらをテーマ別に見ますと、憲法に関するものが11件、原発に関するものが7件と全体の6割を占め、そのほかTPPや介護、税と社会保障などとなっています。
 また最も件数が多かったのは、後援の申請を断ったケースですが、その多くは「名義後援」と呼ばれ、催し物のチラシに自治体名を入れたりチラシを公共施設に置いたりすることを認めるものです。
 かつて後援していた憲法や原発に関する催し物について昨年度は後援を認めなかったケースも、3つの自治体で1件ずつありました。

“中立的対応”した自治体の内訳
 今回の調査で、後援の申請を断るなどの対応を取ったのは合わせて20の自治体です。
 このうち施設の貸し出しを断ったのは奈良市です。
 内容の変更を求めたのは東京都、足立区、福井県、福井市、京都市の5つの自治体です。
 後援の申請を断ったのは札幌市、宮城県、長野県、茨城県、千葉市、静岡県、堺市、京都府、京都市、神戸市、大津市、岡山県、鳥取市、福岡市の合わせて14の自治体です
 さらに奈良県は、脱原発をテーマにした講演会について「県の政策と一致しない」として後援を断っています。
 今回取材した121の自治体のうち、こうした対応を取ったのは合わせて20全体のおよそ17%で、このほかの自治体では昨年度「政治的中立」を理由に、同様の対応を取ったことはないとしています。

神戸市は後援断る 
 神戸市と市の教育委員会は、護憲の立場の市民などで作る実行委員会から、来月3日の「憲法記念日」の集会について、後援の申請を受けましたが、「政治的中立性を損なう可能性がある」として断りました。
 実行委員会は、平成10年と平成15年の憲法記念日などに開催した集会では後援が得られていたことから今回の市などの対応を「後援承諾方針の恣意的(しいてき)転換だ」などと批判しています。

 これに対して神戸市行財政局庶務課の八木真課長は、「市として後援を承認する際には要件として『政治的中立』であることを定めている。過去に神戸市が後援を行ったという事実はあるが、書面と聞き取りで今回の集会について検討した結果、昨今の護憲と改憲の議論の中で神戸市が一方の立場を応援することになるという危惧が生じ、後援を控えさせてもらった」と説明しています。

静岡県もTPP巡り後援拒否
 静岡県はTPPに反対する団体が開くシンポジウムの後援を断りました。
 県では、TPPについては国の交渉が続いていること、国内で賛否が分かれるテーマなこと、団体が過去にTPPに反対の決議を出していることなどから、行政の中立性が保てないとして後援を断ったということです。
 同じシンポジウムに静岡市は後援を出したということで、この団体の事務局長を務める司法書士の小澤吉徳さんは「TPPに関して議論をしようと企画したもので県の決定には驚いている。こうした決定は市民の活発な議論にも大きな影響があり心配だ」と話していました。

足立区は調査報告書の内容変更
 足立区では、助成金を出している区内の消費者団体がまとめたTPPを巡る調査結果の報告書について内容の変更を求めました。
 足立区では毎年、区内の消費者団体に助成金を出し消費者の関心の高いテーマについて、区役所で展示会や発表会を開くとともに調査報告書にまとめてもらっています。
 このうち、昨年度、TPPを研究した団体が提出した報告書について、区は一方的な立場の意見だけを取り上げている」として、この団体に理由を説明したうえで内容の一部を削除したということです。
区では、この事業の内容について、5年前、区民からクレームが寄せられたことをきっかけに内容を事前にチェックするようになったということです。
足立区消費者センターの高野龍一所長は「あるテーマについて賛成派や反対派がいるなかで1つの方向だけ取り上げるのは問題があると考えている。原発、TPP、消費税は政治と密接に結びついたテーマで、判断が難しい」と話しています。

法律・条例に基づき認めた自治体も
 一方、施設の貸し出しや後援について法律や条例に基づき断る理由がないとして、認めた自治体もあります。
 長野市では、去年、市民団体が憲法に関する集会を企画し、長野市教育委員会に施設の貸し出しと後援を申請しました。
 その後、長野市には「公共施設を使わせるべきではない」という抗議電話が複数あったということです。
市教育委員会は、この団体が過去に開催した集会で警備上のトラブルが起きていないかなどを調べたうえで、施設を貸し出すとともに後援も認めました。
 長野市教育委員会生涯学習課の松本孝生課長は「ほかの利用者に迷惑がかかったり、施設の管理に支障が生じたりしないか、確認したうえで施設の使用を認めた。地方自治法では公の施設の利用は正当な理由がない限り拒んではならないと定められており、法律や条例に照らして慎重に判断している」と話しています。

専門家「どの意見も認め議論活性化を」
 地方行政に詳しい千葉大学の新藤宗幸名誉教授は「特に国論を二分するテーマを取り上げた講演会やイベントについて拒否をする動きが各自治体で広がっていると感じる。自治体は、それぞれを認めて議論が活発になるように働きかけるのが本来の姿だ」と指摘しています。



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42 コメント

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Unknown (おいそれと)
2015-06-28 13:44:24
こんなに若くてわずか数人の女の子が堂々と安倍政権を批判する一方で、

大のオトナが無数に集まったマスコミ関係者は安倍にビビりまくって自主規制ですか笑

ええかげん腹括れよw
へぇ~。制服向上委員会が… (リベラ・メ)
2015-06-28 14:29:56
彼女達の存在は知っていたけど、ここまで社会的なアイドルとは思いませんでした。反原発に反権力。これぞプロテスタント。見たか、見えたか議員たち!!これが市民、いや、国民の良心の現れだ!
自由民主主義政党を僭称する自民党 (AS)
2015-06-28 15:06:13
おそらく山口県長門市では安倍退陣を求めるデモも不許可になるんでしょうね(安倍の地元です)。
民主党政権下でこんなことはありませんでした。船橋で「野田やめろデモ」が行われたことがあります。
筋金入りです (AS)
2015-06-28 18:29:56
リベラ・メさん
SKi(エス・ケー・アイ。敬意と愛着を込めて敢えて略称で呼びます)は筋金入りの社会派アイドルです。
イラク戦争の時にはワールドピースナウに参加し、オリジナルの反戦歌を披露したこともあります。
ちっくしょう! (raymiyatake)
2015-06-28 18:47:31
そうなのか。やはり攻撃を受けているのか。
百田尚樹にも言論の自由があるとかばう人たちは、この子たちの言論の自由も守らんか!(激怒)

みなさん、せめてツイッターのフォローだけでもよろしく!


「いつも応援、コメント、シェアありがとうございます!
制服向上委員会が出演したイベントで政権批判の歌を披露し、自民党の市議さんを怒らせ後援取り消しとなった騒動で、連日取材攻勢を受けております。
メンバーは気丈に振舞っていますが、炎上商法、売名行為、ブサヨク、殺す、死ね!等、の攻撃を受け、メンバーは『そもそも売名したいなら、このグループにいないし!』大和市にチクった市議に対しても『器の小ちゃい大人だ!』などと強がりな発言をしつつも、10代の心中はそれなりに傷ついております。
そんなメンバーの支えになるのは皆さまからの応援の言葉!どうぞみなさん、ドシドシ励ましのメッセージをお寄せください!
今日はTBS『サンデージャポン』でも取り上げられるそうです。
※写真は土曜日に受けた週刊誌の取材の模様」

https://www.facebook.com/pages/%E5%88%B6%E6%9C%8D%E5%90%91%E4%B8%8A%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A/204262296255050?fref=photo
援護射撃 (kei)
2015-06-28 19:07:03
夏フェスの時期ですし、他のミュージシャンにも頑張って欲しいですね。

清志郎が生きて居たら・・・と、つい考えてしまいます。
若者ガンバレ! (masima)
2015-06-28 20:07:03
{/m_0080/自由にやってください。圧力に負けないで。思うようにね。応援します。
Unknown (12434)
2015-06-28 20:54:46
>kei様

私はこの「制服向上委員会」がどういうグループなのかはわかりませんが、むしろ娯楽というものは、こういうものがある程度あった方がいいでしょうね。当たり前なことに疑問を呈する必要もあります。
少なくとも、「大きな態度の安倍総理」や「エリート意識・利権好き」というのは、確かに現実に"当たり前に"存在していますから。

ただ忌野清志郎が存命していたら恐らくは、「戦争法案」とか「殉愛と後妻業」とか、「憲法泥棒」とかいうタイトルの曲を歌ったでしょうね。
Unknown (わかば)
2015-06-28 21:27:18
もはやアイドル活動には不向きな妙齢の自分としては……
安倍首相大暴走の暁にはまず図書館閉架となるか発禁処分となりそうな、首相と同郷の作家・田中慎弥氏の小説「宰相A」を先日Amazonにて入手しておきました。
Unknown (sana)
2015-06-28 21:28:29
私は芝居好きなんですが、皆さんのお顔を見ていると、演劇人みたいな匂いを感じます。素敵ですよ☆
いろんなことを言われて大変でしょうが、本当に偉いと思います。
私も、反戦のチラシを自分で作ってまいていますが、やはりあまり他から攻撃を受けないようにということも意識してしまいます。結構傷つきますからね。もう40なのに。
みなさん、若いのに、本当に偉い。
わかってる人は、わかってるからね。
いろんなことがあっても、自分の気持にまっすぐに、純粋に生きていけるということは、幸せなことだと思います。お互いに、道は違うけれど、共に歩んでいきましょうね。

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