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ハローワークの相談員が雇止めに遭い、次の日にハロワで自分の求職活動をする官製ワーキングプアの実態。

2016年02月26日 | 労働者の権利

 

 総務省の調査では、2008年から4年間で、地方自治体における非常勤、臨時職員は10万人増えて60万人になりました。

 全日本自治団体労働組合(自治労)の調査では、さらに多く、70万人と推計されています。つまり、公務員の3人に1人が、「非正規公務員」という状態。これがいわゆる「官製ワーキングプア」の一つの側面です。

 現在、状況はさらに悪くなり、公務員の世界はブラック化しています。

 非正規職員の数は増え続け、基幹的な業務も非正規が担わされます。なのに、非正規公務員の年収の平均が200万円を超えておらず、相対貧困率で言う貧困層になっており、しかも、公務員と言いながら身分はいつでも雇い止めされるという不安定さで、もちろん退職金も出ないのです。


 その中でも、平成27年度のハローワーク(職業安定所)職員に占める非正規雇用率は59%と、行政機関の中でも特にハローワークは非正規雇用が多いのです。

「実際に、ハローワークの相談員が雇い止めにあい、次の日に自分の仕事を求めてハローワークにやってくる。こんなブラックユーモアみたいな話が、実際に起こっているんです」

地方自治総合研究所の研究員の上林陽治さん)。

非正規公務員の現在 深化する格差
上林 陽治 (著)
日本評論社

「ブラック自治体」の実像。増加する非正規公務員を取り巻く深刻な格差・無権利状態を検証し、処遇改善への方途を明らかにする。


 

 クローズアップ現代でもこの官製ワーキングプアの問題が取り上げられました。今、保育や介護、建設現場など、公共サービスや公共工事を担う現場で、低価格の受注競争に巻き込まれ、経済的に追い詰められる労働者が増えているという問題です。

 京都市内のある保育所では財政削減の一環での民間委託に伴い、保育士全員が職を失ったといいます。このままでは働く人が食べていけなくなり、保育の質や安全が低下するのではと保護者に不安が広がっています。

 自治体が推し進めるコスト削減に伴い、保育士が非正規の派遣扱いとなっていて、公立保育園の保育士のうち52%余りが非正規と過半数になっています。

 もともと、保育士は国家資格で合格率は、毎年10%くらいととても低く難関資格なのですが、そのお給料が手取り13万円になってしまったということです。

録画

今夜7時半クローズアップ現代「広がる“人材崩壊” 〜予算削減の果てに〜」 大内裕和教授出演を見逃すな!

 


 また、この番組で取り上げられたのが、公共工事を担う建設現場では若い後継者が育たず、労働者の技術の継承などが難しくなっているという問題。

 国の調査によると、全国の自治体の半数近くが、違法に公共工事の予定価格を下げ、そのしわ寄せが現場の労働者の雇用を劣化させ、さらなるワーキングプアを生み出しているのです。

 だから後継者が育たない。

 

 もちろん、公共事業を安くあげることは税金の無駄遣いを防ぐことにつながるのですが、違法なまでに公共工事の値段を下げるということは、行政の業務は労働集約型のサービス業であることから、コスト削減は人件費削減となり、担い手は安い賃金で働く不安定雇用に置き換えられていくことになるのです。

 公共サービスが「市場」化で歪んでしまったと言われるゆえんです。

 非正規公務員が急速に増えているのは、「小さな政府」の志向性が高まる中で正規公務員は増やせないから、公務員の定数にカウントされない非正規公務員を増やし、これに基幹業務まで代替させ増大する仕事に対処し、それでも足りない分は民間に委託してきたからです。

 行き過ぎた「規制緩和」「自由化」「市場化」にこそ、行政がワーキングプアをつくりだす官製ワーキングプアの仕組みがあります。

 

参考記事 editorさんより

そりゃあんまりだ! ハローワーク職員は官製ワーキングプア

民主・維新共通公約の公務員賃金2割削減=「政財官癒着」温存し官製ワーキングプア増やす「労働者の身を切る改革」でGDP4兆5千億円マイナス

そりゃあんまりだ! 厚生労働省はブラック官庁=勝手に労働時間延長・非正規切り・民間企業以上の非正規率46%・ハローワーク職員の6割が官製ワーキングプア・ブラック企業なくす労働Gメン数はドイツの3分の1

 

アベノミクス・竹中平蔵路線による 非正規は正規を規定する
石田誠 (著)
都政新報社

「官製ワーキングプア」を生み出す社会的背景を分析し、この問題の国際的比較に取り組んできた著者が、PFIの問題点と労働運動に与える影響を調査研究してきた集大成の書。雇用の流動化は「勝ち組」の大企業社員と公務員に波及すると指摘。公務員の非公務員化がどのように進むのかを説明し、労働組合とあらたな労働者代表制の併存を提起する


官製ワーキングプアを生んだ公共サービス「改革」
城塚 健之  (著)
自治体研究社

公務市場化の最大の問題点は、参入した企業が住民の生命・身体の安全という価値に鈍感なケースがあまりにも多いこと。また、行政の業務は労働集約型のサービス業であることから、コスト削減は人件費削減となり、担い手は安い賃金で働く不安定雇用に置き換えられていく。そこに、行政がワーキングプアをつくりだす仕組みがある。市場化でゆがむ公共サービス、つくりだされる官製ワーキングプア。

 

なくそう! 官製ワーキングプア
官製ワーキングプア研究会 (編集)
日本評論社

 

官製ワーキングプア―自治体の非正規雇用と民間委託
布施 哲也  (著)
七つ森書館

“生活が保障され、安定している”と思われていた公務員もワーキングプアに!数百万人ともいわれる、自治体に働く嘱託・臨時職員、民間委託の実態がはじめて明らかに。


非正規公務員 (ヒセイキコウムイン)
上林陽治 (著)
日本評論社

「官製ワーキングプア」の温床ともいえる臨時・非常勤の公務員は60万人をこえる。彼らの雇用と処遇の改善策を提起する。



弁護士みたいな不安定な職業じゃなくて、公務員にでもなっておけばよかった。。。などと思っていたのですが、今の世の中、良い話はどこにもありません。

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増加する「非正規公務員」とはなにか?

公務員は安定した仕事?

――本日は、非正規公務員問題に詳しい、上林陽治さんをお迎えし、お話を伺います。上林さん、こんにちは。

こんにちは。

――不勉強で恐縮なんですが、公務員の世界にも非正規問題はあるのですか。

はい。地方自治体に勤務している職員の3人に1人は非正規公務員です。

2012年の総務省の統計で比較すると、最も身近な自治体である市区町村の正規公務員は約92万人(注1)、これに対し非正規公務員の人数は約40万人(注2)です。ここには任期6月未満や週勤務時間20時間未満の非正規公務員は含まれていませんから、実際はもっと多い。だから3人に1人。また正規公務員より非正規公務員の方が多い自治体も2012年には43団体あり、長野県の筑北村では役場職員の約7割が非正規公務員でした。

(注1)総務省「平成24年定員管理調査(平成24年4月1日現在)」

(注2)総務省「臨時・非常勤職員に関する調査結果について(平成24年4月1日現在)」

表1 急増する非正規公務員(単位:人) 出典)総務省調査が実施された各年の「臨時・非常勤職員に関する調査結果について」から作成

表1 急増する非正規公務員(単位:人)
出典)総務省調査が実施された各年の「臨時・非常勤職員に関する調査結果について」から作成

 

――公務員は身分が保障されて、安定した職業という印象です。

非正規公務員はおおむね任期1年の有期雇用です。長年勤務していても、無期雇用に転換することはなく、年度末には決まって雇止めの危機にさらされています。そういう公務員が3分の1を占めているのです。

公務員は安定した職業と思っていらっしゃる方は多いと思います。だけど実態と印象に大きな乖離がある。これも非正規公務員問題の特徴なのです。

――実態と印象が乖離したのはなぜですか。

公務員の非正規化が、急速に進んだからではないでしょう。

総務省の労働力調査では、民間の労働市場で非正規従業員の割合が全雇用者の4人に1人になったのが1999年。3人に1人になるのが2006年。ですから7年を要しています(注3)。

(注3)総務省『労働力調査』「長期時系列表9 雇用形態別雇用者数−全国」

これでも「早いな」と思いますが、公務員の非正規化状況をみると、市区町村では、2008年が4人に1人(注4)、2012年が3人に1人で、4年しか要していない。ほぼ倍のスピードです。この急速な公務員の非正規化に認識が追いついていない。だから実態と印象が乖離しているのではないでしょうか。

(注4)総務省「臨時・非常勤職員に関する調査結果について(平成20年4月1日現在)」

非正規公務員と公務員の差は?

――急速な非正規化は、なぜ進んだのでしょう。

端的にいえば、人が足りないのに、仕事が増えたからです。

2005年から2012年の7年間で正規公務員は27万人減少している。だけど仕事は減らせない。むしろ増えています。保育園の待機児童は増え、学童保育の需要も高まっていますし、高齢化に伴い生活保護受給世帯は増加している。児童虐待やDV被害が増え、オレオレ詐欺などの消費者被害も拡大している行政とりわけ地方自治体は、これらに対処しなければなりません。

だけど、「小さな政府」の志向性が高まる中で、正規公務員は増やせない。だから、公務員の定数にカウントされない非正規公務員を増やし、これに代替させ、増大する仕事に対処してきたのです。2005年から2012年にかけての7年間で、非正規公務員の人数は約45万人から約60万人へと15万人、33%も増加したのはその結果です。そして残りの業務は、民間事業者に業務委託をしてきたのです。

――「代替」ということは、非正規公務員は、正規公務員と同じ仕事をしているのですか。

その通りです。

たとえば公立保育園の保育士の52%は非正規の保育士です。もちろん彼女たちは、保育士資格をもち、正規の保育士と同じ仕事をしている。クラス担任や主任を勤める非正規保育士さえいる。新人の正規の保育士を研修するのはベテランの非正規の保育士です。

ハローワークでは、2014年度において、常勤職員11,140人に対し非常勤の相談員が16,737人でした。ハローワークで失業者の求職相談にあたっている相談員の5人のうち3人は非正規公務員なんです。ところがハローワークの非常勤相談員数は2011年度がピークで21,295人でした。その後3年間で約5000人が雇止めされています。

年度末の3月31日をもって雇止めされた非常勤の相談員が、4月1日にカウンターの反対側に座り、自分の仕事探しの相談をしているというブラックユーモアのような話が、本当に起こっているのです。

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図1 職種別の臨時非常勤職員分布(単位:%)
出典)自治労調査2012 

 

このほか学童指導員の92.8%、消費生活相談員の86.3%、図書館司書の67.8%が非正規公務員で占められています。これらは非正規が正規を上回っている公共サービス分野の典型例です(注5)。

(注5)2012年自治労調査より。

そして質の問題。東京のある区の地域図書館に勤務する男性の非常勤職員は、主任非常勤という役割を与えられ、地域館の管理責任も担う。東京のある市の福祉事務所では、生活保護世帯の急増に正規職員のケースワーカーだけでは回らなくなり、多くの非正規公務員をケースワーカーとして採用し、高齢者の生活保護世帯を中心に生活保護行政に当らせている。

非正規公務員の仕事は、補助的や臨時的なものではもはやありません。公共サービスの基幹的業務を担う存在になったといえるでしょう。【次ページにつづく】

非正規公務員問題は、私たちの社会を映す鏡

――給与や勤務条件は、どうなんですか。公務員って、給与は法律で決められますから、民間労働者のような格差はなく、平等なのでは?

残念ながら、ここにも実態と印象のずれが生じています。

2012年で比較してみると、一般行政職の正規公務員の平均年収総額は624万3437円です(注6)。これに対し、事務職の非正規公務員の年収は、市区町村の臨時職員が159万6218円で4分の1に過ぎません。市区町村の臨時職員の平均週勤務時間は36時間30分、常勤の正規公務員は38時間45分。その差は、週2時間15分、1日27分だけです(注7)。それでいてこの賃金格差です。

(注6)総務省「平成24年度地方公務員給与実態調査」によると、平成24年4月1日現在の一般行政職の平均給料月額は33万1189円、平均諸手当額は8万0081円。年間の一時金は給料月額の3.95月として130万8197円が支給されたものとして推計。

(注7)総務省「臨時・非常勤職員に関する調査結果について(平成24年4月1日現在)」より計算。

先ほど、非正規は正規を代替し、同じ仕事を引き継いだと指摘しました。ほぼ同じ勤務時間で、同じ仕事をしているのに、給与は正規公務員の4分の1という状況が放置されているのは、賃金格差というより「賃金差別」だといえるかもしれませんね。

――差別ですか……。

そうです。差別です。それも雇用形態の差異を装った「間接差別」というものです。

非正規公務員は全国に60万人いるとお話しました。このうち45万人は女性です。彼女たちの多くが年収200万円未満のワーキングプア水準で働いている。

男女間の賃金格差は、性別に着目し異なる取り扱いをする「直接差別」に対し、一見、性別に関係のない取り扱いであっても、運用した結果、男女どちらかに不利益が生じる場合があり、これは間接差別といわれています。

日本の民間企業の正社員における男女間賃金格差は、30%弱です。これに対し公務員では正規公務員における男女間賃金格差は15%ほどです。ですから公務員は男女間賃金格差が少ないといわれてきた。ジェンダーフリーだと。

ところがです。男性が多数を占める一般行政職の正規公務員と女性が大半を占める非正規公務員の賃金格差に着目すると様相が異なる。比較可能な統計(注8)で、時間給で比較すると、男性正規公務員100に対し、臨時職員34、非常勤職員49となるのです。

(注8)総務省「臨時・非常勤職員に関する調査結果について(平成20年4月1日現在)」と総務省「地方公務員給与実態調査(平成20年4月1日現在)」より推計。

繰り返しますが、臨時職員、非常勤職員といわれる非正規公務員の大半は女性です。ですから、男性正規公務員の2分の1から3分の1という、これほどまでの賃金格差は、雇用形態の差異を装った「間接差別」なのです。

――最後に、今後の方向性について、お話いただけますか。

『スーパーの女』という映画をご存知ですか。今は亡き伊丹十三による脚本・監督の作品です。20年前の1996年に公開されました。あるスーパーマーケットで働いていた主婦パートの女性が、売り場改革を進め、幼馴染の経営するダメスーパーマーケットを立て直していくというストーリーです。

スーパーマーケット業界というのは、従業員の7割がパートといわれる非正規労働者なんです。そのスーパーマーケット業界では、20年前に伊丹監督が描いたことが本当に起こっている。つまりパート労働者が売り場の責任者になって、品揃えをし、生鮮食品の研究をし、発注もしたりしているんです。

パート労働者はスーパーマーケット業界で基幹化し、正社員と同様の働きをし、同時にそのようなパフォーマンスを期待されている。

この段階になると、賃金などの処遇に関して格差が生じていると正規労働者との間で軋轢が生じる。場合によっては職場が深刻な状況に陥る。そこで気の利いた使用者は、パートの処遇を改善し、定着を促し始めるようになる。一部は、無期雇用の正社員や限定正社員となる。そうしないと店が回らないからだし、客が寄り付かないような職場になってしまうからです。

こんなことをいうと、身分が保障された公務員に怒られるかもしれませんが、公共サービス分野も、スーパーマーケット業界並みのことを考えていく時期にさしかかっていると思います。

だって、非正規公務員をあてにしないと仕事が回らない、仕事に最も精通しているのは非正規公務員という段階にあるからです。

基幹化した職員に相応しい処遇と雇用の安定が求められているのだと思います。逆に、そうしないと、市民の生活のセイフティーネットである公共サービスは、持続できないでしょうね。

もし、そんなことになったら、ただでさえ足りない公共サービスがますます不足し、政府への不信、公務員不信が高まり、「小さな政府」へさらに突き進み、公共サービスを本当に必要とする人々が放置され、格差という社会の亀裂が深まることになるでしょう。

非正規公務員という問題は、私たちが作りあげてしまった社会を正直に映しているのだと思いますよ。

―― 上林さん、本日はお忙しい中、ありがとうございました。

(このインタビューは、筆者自身によるものです)

知のネットワーク – S Y N O D O S -

 

雇い止めを懸念し「独立行政法人で働く非正規」の労働組合が結成

長澤まき

2016年02月18日 18時37分 イロリオ

「総務省」HP
「総務省」HP

「独立行政法人で働く非正規労働者」のための労働組合が結成された。

「独法非正規ユニオン」を結成

東京ユニオンは17日、独立行政法人で働く非正規労働者のための「独法非正規ユニオン」を設立したと発表した。

2018年に迫る有期契約の無期労働契約への転換を前に、契約打ち切りが相次ぐ恐れがあるためだという。

数万人の非正規

独立行政法人とは、政府の事業のうち一定の事務・事業を分離し、分離独立された法人。

公共上の見地から確実に実施されることが必要で、国が自ら主体となり直接実施する必要がないが、民間主体では必ず実施されない恐れがあるなどの理由で設立される。

現在、「国民生活センター」や「国立印刷局」など全国に98の独立行政法人があり、アルバイトや契約社員など数万人にのぼる非正規労働者が働いている。

法改正で、5年で「無期契約」に転換可

今回労働組合が結成された背景には、2013年に施行された「改正労働契約法」の影響がある。

2013年に労働契約法が改正され、有期労働契約が繰り返し更新されて通算5年を超えた時は、労働者の申し出により無期労働契約に転換できるというルールが整備された。

この法改正により、最短で2018年に雇用期間が5年を超えた労働者は希望すれば無期契約に転換できるようになる。

5年に達する前に「雇い止め」に

しかし、雇用期間が5年に達する前に契約を打ち切る動きが広がっているという。

東京ユニオンによると、総務省が管轄するある機構で働く有期契約職員は、機構の担当者から次のように言われたそうだ。

平成30年で雇用期間が5年を超える有期契約の職員は、改正労働契約法によりプロパー(無期契約)にしなければいけないが、職員の増員はできない。このため、2018年で雇用期間が5年を超える有期契約の職員は今後入れ替える必要がある

正規職員の増員はできないとして、有期契約をいったん打ち切り、再度応募するように求められたという。

官製ワーキングプアが問題に

近年、一般企業だけでなく、公務の職場で働く非正規も「官製ワーキングプア」などと呼ばれ問題視されている。

今月、厚生労働省が「総合労働相談員」として働く非正規職員の契約更新の際に、賃金を変えずに労働時間を延長する契約更新を提案していたことが判明。

一部の相談員には、何の説明もなく通知文を送付していたという。職員や労働組合から「ブラック企業と同じ」という反発を受けて厚労省は提案を撤回した。

日本の非正規労働者数は1980万人で、公務職場で臨時・非常勤職員として働く者はおよそ70万人いると推定されている。

 
 

ハロワ相談員がハロワで求職…「官製ワーキングプア」の現実

(更新 2015/11/19 11:30)

 

非正規公務員は女性が多い。女性の活躍を国は推進するが…(立体イラスト/kucci、撮影/写真部・馬場岳人)

非正規公務員は女性が多い。女性の活躍を国は推進するが…(立体イラスト/kucci、撮影/写真部・馬場岳人)

 

 抜群の安定性が魅力のはずの公務員に、非正規職員が急増している。「官製ワーキングプア」とも言える彼らの現実とは。

 忘れもしない。4年前の3月29日のことだ。大阪府内のハローワークで非常勤の相談員を務めていた時任玲子さん(53)は、突然仕事を失った。

 説明はなかった。3日後にスタートする新年度も働き続けるための面接を受けた直後、「不採用です」とだけきっぱり告げられた。9年間、職場に尽くしてきたにもかかわらずだ。時任さんは「落とすための面接だ」と思った。

 このころ一人息子は、高校進学を控えていた。相談員の仕事で得る収入は、シングルマザーの時任さんにとって生命線。

「がたがたと足元が崩れていきました」と当時を振り返る。

 仕事が好きで、前の年には上司のすすめもあってキャリアコンサルタントの資格も取得した。息子は塾に通いたがっていたが、「まずはお母さんの給料を上げるのが先だから我慢してね」と説得し、生活を切りつめて約30万円の資格取得費を捻出した。苦労したかいあって、新年度からは手取り月給が初めて20万円を超え、生活はいくらか楽になるはずだった。

 時任さんは、不当な「雇い止め」だとして、裁判を起こした。だが今年5月、第一審では敗訴。公務員の「任用」は、民間企業が労働者と結ぶ「契約」よりも、労働者の権利が守られにくい。そのため、再任用拒否には正当性があるという理由だった。

「民間であれ、公務員であれ、働いてお金をもらって生活をするという点は変わらないはず。なのに非正規の公務員は、法で守ってもらえない場所にいるんです」(時任さん)

 公務員が「安定した仕事」の代名詞だった時代は、もう終わったのかもしれない。

 総務省の調査では、2008年から4年間で、地方自治体における非常勤、臨時職員は10万人増えて60万人になった。全日本自治団体労働組合(自治労)の調査では、70万人と推計されている。公務員の3人に1人が、「非正規公務員」。いわゆる「官製ワーキングプア」だ。

 地方自治総合研究所の研究員、上林陽治さんは、『非正規公務員』(12年)という著書で、非正規で働く公務員たちの過酷な状況を指摘している。

「現在、状況はさらに悪くなり、公務員の世界はブラック化している。非正規職員の数は増え、基幹的な業務も非正規が担わされる。ハローワークの相談員が雇い止めにあい、次の日に自分の仕事を求めてハローワークにやってくる。こんなブラックユーモアみたいな話が、実際に起こっているんです」(上林さん)

AERA 2015年11月16日号より抜粋

 

 

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9 コメント

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Unknown (とら猫イーチ)
2016-02-26 19:28:02
 非正規職員の増加も問題ですが、似非行政改革で、公務員削減を装うことも、最早、通常の手段になっています。

 詰まり、第三セクターを乱立させて、其処へ紐附き職員を縁故採用させ、支持を取り付けるのが地方政治家の常套手段です。 

 それが更に、見せかけの公務員削減を標榜出来るのですから、一石二鳥です。

 例えば、大阪府・市の庁舎近辺にあるビルには、得体の知れない、公社、NPO、等々が多数入居しています。 それらは、全部、税金に群がっている半官、半民の輩が集まった利権集団です。

 中央、国も、そうした手段を使っています。 例えば、環境NPOを自称する環境省丸抱えの利権集団が、温暖化詐欺の宣伝にこれ努めるのが良い事例です。 

 私は、何度か、そうしたNPOが主宰する研究集会に行ったことがあります。 面白半分に敵情視察をしたのですが、下らないCO2削減策のPRでした。 勿論、環境省の末端役人が見分に来ていましたよ。 

 そうした研究・集会に良く来るのが環境経済学専攻の人ですが、環境経済学等と云う馬鹿らしい研究部門も、当初は、廃棄物処理に関わるデポジット・リファウンド・システムの研究のように有効な学問領域でしたが、似非環境科学である温暖化詐欺に絡めとられてからは、単なる金儲けに成り下がりましたので、研究成果なるものを聴講しても欠伸が出るのみですので、今では、行くこともありません。 

 自然保護の研究・集会には、来ることも無い輩が、温暖化詐欺の集会には、たくさん来ます。 それらの何割が税金で喰っているのだろう、と考えてしまいます。

 友人と情報交換して分かるのは、行政部門の何処の領域でも、第三セクター経由で、税金が流れる、と言うことです。 

 こんな簡単で、酷い税金還流の手法を、何故、国民は見抜けないのでしょうか。 

 ま、見抜けないから、橋下に騙されるのですが。 
温床 (リベラ・メ(本物の))
2016-02-26 22:17:12
全ての温床、諸悪の根元は、規制緩和と民間委託。「民営化なんて間違ってる。するんじゃなかったねぇ…。」なんて嫌味ったらしく言った所、“公務員削減、規制緩和大好き、橋下LOVE”の我が母からは、何の返答もありませんでした。
リベラ・メ様 ありがとうございます。 (茶碗を洗う人)
2016-02-27 10:15:46
リベラ・メ様、26日のコメント、ありがとうございました。

保育所の民営化や給食センタ−等の統合などで、今後ますます失業か収入が減る非正規の人が増えてくるのですね。スーパーであれ工場であれ、異動や転勤が多い正社員より仕事経験も人生経験もあるパートのおばちゃんたちが実際に職場を回しているのはずうーっと昔からで、そういう人たちの自己犠牲に甘えて、いわば最賃労働者の処遇改善が置き去りにされてきたことが、保育士さんや役所の職員さんのようなわりと地位の高いとみられる仕事にあっても、非正規、特に女性は冷遇されるがままという結果につながったんじゃないかなとも思います。(役所の偉いさんは、財源不足のせいにしていますが)。
Unknown (とら猫イーチ)
2016-02-27 11:23:13
 蛇足ですが、重要なので、敢えて再度コメントさせて頂きます。

 それは、新安保体制の下で、軍事における部門でも、自衛隊員以外の参入が予測出来る、と言うことです。

 端的に云って、傭兵ですが、其れ以外にも軍事部門のあらゆる領域で、「民間委託」と相まって、半官・半民に依る業務が拡大するのは、間違いが無いことであろうと思われます。 

 現在の米軍では、例えば、中東派遣の米軍は、その倍以上の民間部門と半官・半民の軍事部門が参画している、と言われています。

 彼等の「機関紙」は、SOF(Soldier of Fortune)の名の雑誌ですが、この雑誌に関わる事件からは、実際に傭兵や、民間軍事会社の求人も雑誌経由で行われているようです。 

 民間軍事訓練施設もあり、実戦さながらの訓練が実施されています。 教官は、退役兵士が大半です。 

 一定規模の軍事作戦も実行可能なので、政府が関知しない範囲での軍事作戦も出来るようで、過去には、その実例もあります。 

 政府が関知しない民間会社を装い、時の政権の意思に依る軍事作戦を実行した、としたら、どう統制が可能でしょうか。 或は、国内で、クーデターも可能になることでしょう。 

 以前は、ハリウッドの映画のように思っていたことが、この国でも起きそうです。

イーチさん (バードストライク)
2016-02-27 13:06:25
それって、「民間軍事会社」のことですか? ブラックウォーター社とか。
物流や戦闘拠点の兵舎のメンテナンスなどは、非常に民営化が進んでいると、幾人ものジャーナリストが報告しています。民間軍事会社で雇われた人の死は、たとえ戦禍によるものであっても、戦死としてカウントされないので、アメリカ政府にとっては都合がいい、と。

日本人のフリージャーナリストが民間軍事会社で働いたルポルタージュを読んだことがあります。また、日本人で自衛隊? → フランス外人部隊 → アメリカの民間軍事会社で傭兵、の職に就いた人が、銃撃で殺害された事件がありました。

食えなくて、民間軍事会社で傭兵として、あるいはロジスティックの運転手として、倉庫番や料理番として、戦闘地で働く。徴兵しなくても、事実上の徴兵みたいなもの。
そして会社は儲かる。
血塗られた利益だ。
Unknown (とら猫イーチ)
2016-02-27 15:17:50
 バードストライク 様

 ブラックウォーター社は、正式名称をACADEMIと呼ばれる民間会社と言うことですが、実態は、良く分かっていません。 

 軍、警察と一体化した活動も含まれているようで、完全に民間企業なのかどうかも分かりません。 株式も公開されていないようですし、事業実態も不明です。

ACADEMI
https://www.academi.com/

 一部の訓練施設を公開している映像がありましたので下に引きます。 

BLACKWATER TRAINING CENTER You-tube
https://www.youtube.com/watch?v=_ssGADPIpGA&list=PLFAF1AF5F51FA522F&index=9

 米国では、公的機関と民間機関の活動分野に明確な区分がありませんので、NPOが地方自治体の経営に関与したり、民間調査機関が警察権を付与されたり、等と、日本では考えられない実態があります。

 例えば、動物虐待に関わる刑事事件では、ASPCA (The American Society for the Prevention of Cruelty to Animals 米国動物動物虐待防止協会)等の保護団体に犯罪捜査権が与えられていて、当然被疑者の逮捕権も与えられています。 

 彼等が、動物虐待事件捜査で現場に臨む折には、動物保護のためにASPCAのレスキュー隊、と拳銃所持の一般警察官が臨場します。 官民混然一体となっている訳です。

 こうした要件が、軍事に応用されただけでしょう。 
イーチ様 (バードストライク)
2016-02-28 07:25:51
ご教示ありがとうございます。
動画見てみました。銃バンバンです。
まあ、訓練施設なので、撃っているのが「的」だからいいんですけど・・・。
こんな会社に就職するのはどんな人なのだろう。(好戦的なアベこそ、一ヶ月ぐらいここにぶち込んでやりたい)

アメリカ人って、こわい。
くっついて行って、いいんだろうか?
イーチさん、バードストライクさん、もう始まりつつあるようで。 (L)
2016-02-29 01:43:10
雨宮処凛がゆく!
第367回戦争に必要なのって、別に軍事的なものだけじゃないという問題〜最近いろいろ気になること〜の巻http://www.magazine9.jp/article/amamiya/26123/

>話を聞かせてくれたのは、児童養護施設で働く女性。その施設を「卒業」した若者の一人がガードマンとなったのだが、最近彼と会い、驚いたという。
 警備会社なのに、このところ海外での仕事が多いらしいのだ。しかも海外での仕事内容は、ライフル銃の扱い方なんかの「軍事訓練」のようなもの。彼いわく、「自衛隊は人を守れても人を殺せるわけじゃない、自分たちは自衛隊より人を殺すのが上手い」とのこと。また、今年の夏にはある国に行くことになっており、そこに行くととても高額な給料が貰えるのだという。現在も社内での募集がさかんに行われているそうだ。

 警備会社には、最初はアルバイトで入ったという。しかし、いつからか正社員となっていたその男性。会社名もわからなかったのでもちろん裏は取れていない。しかし、「給食から暗殺まで」が民営化され、数千の下請け会社が米軍の後方支援の仕事を請け負ったイラク戦争を思えば、さもありなんという気がしてくる。事実、戦争に必要なのは兵士だけではない。イラク戦争に関わる業務を請け負った民間企業は、基地建設や物資輸送、給食、洗濯、車両整備、売店やスポーツジム運営などあまりにも幅広い業務を担った。その中でももっとも重要視されていたのは「警備」の仕事だ。物資輸送の警備、基地や大使館の警備、移動の警備。戦場でもっとも必要とされる仕事であり、もっとも襲われるリスクが高く、もっとも死亡率が高い仕事だろう。

 という訳で、予測はされてきたけどもう始まっていた模様。海外で実戦訓練を済ませれば国内でもすぐ活躍できますよ。
公務員は労働法規があくまで準用な部分が多いそうなのでぜひ解説記事をお願いします。 (L)
2016-02-29 01:56:24
 レイ様が挙げた記事にもありますが、民間は「雇用」という法的枠組みで労働法をストレートに適用だけど、公務員は「任用」という法的枠組みで労働法の規定は直接には適用されないそうです。例えば、公務員の期間雇用にはこの例のように雇用継続の「期待権」はありません。判例では法的な期待権があると「誤解」させてしまったので再契約してやれという判決がいくつかあったそうです。
 つまり、偉い人が善人なら大したことは起きませんが、公務員にはフルスペックの労働法による保護がないので、無茶をやると決めれば、民間では法的に通用しないことが合法でやれるそうです。
このあたりは知られていません。
 という訳で、この辺りを纏めると、
 、長くみんなが勉強に来るんじゃないでしょうか。ぜひお願いします。

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