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毎日、泣いて笑って喜んで哀しんでる、かなりラテンの血の濃い、そんな宮武嶺のエブリワンブログです!

DHCスラップ訴訟、被控訴人意見陳述。表現の自由の最高の価値と、それを脅かす金と力の裁判の罪。

2015年12月25日 | 法律と裁判・事件

みんなの党の代表(当時)であった渡辺喜美議員への8億円「献金」は、献金した吉田嘉明DHC会長が自ら週刊新潮に手記を書いて詳細を明らかにしたものだった。

澤藤弁護士は、その事実からの当然の、常識的な推論として、DHCには渡辺議員とみんなの党に献金するだけの理由があったのだろうと書いたに過ぎない。

 

 

 みんなの党(解党)元代表の渡辺喜美・前衆院議員が、DHC会長の吉田嘉明氏から8億円も「借り入れ」していた事件について、吉田氏が、弁護士でブロガーの澤藤統一郎先生に、よくもブログに悪口書いてくれたな!慰謝料6000万円を支払え!と訴えた名誉毀損訴訟であるDHCスラップ訴訟。

 スラップ裁判とは、アメリカで定着している言葉ですが、裁判に名を借りた口封じのことで、「SLAPP(スラップ)」訴訟といいます。

 SLAPPは平手打ちの意味ですが、Strategic Lawsuit Against Public Participationの頭文字を綴った造語だそうで、さすが訴訟大国アメリカ、上手く言ったものです。

巨大企業の闇 ユニクロ 最高裁で確定 月300時間労働 サービス残業当たり前 年間売上高1兆円の秘密

ぬうう!なんという美脚!!しかし、ずっと続け20代の私って、ああた、まだ20代でしょ、長澤まさみちゃん!!

・・・・・って違うぅぅぅううう!!よく見たら鈴木ちなみって書いてある!ぬお、これが一番詐欺だあ。DHCだけにまさみちゃんになるのは無理だった〜〜〜

って、DHCをからかうのも勇気いるよ!



 この裁判の控訴審の口頭弁論が2015年12月28日に東京高等裁判所で行われ、一回で結審しました。

 しかも、判決が来年2016年1月28日午後3時東京高裁822号法廷です。傍聴自由ですからぜひ来ていただきたいのですが、にしても、いくら何でも判決まで早すぎません?一か月ちょいですよ。

 なんかもう、裁判官3人は今日にでも判決が言えるような雰囲気でして(笑)、これは澤藤先生の完全勝訴は間違いなし、というところでした。

 しかし、この裁判に出てみての私の感想は重大かつ深刻です。

 まず、弁護士としての第一の感想は、あらためて自分が人生で最も大事にしてきた憲法的価値である表現の自由は、なんて重要なものなのだろうということ。

 そして、ブロガーとして深く深く感じたのは、表現の自由を脅かすスラップ訴訟というのは実に罪深いということ。

 だって、この訴訟で私が被告にされなかったのは単なる偶然だからです。

ネタとして面白すぎるもん〜〜(爆)。

 

 

 ちょうど、渡辺喜美議員に対する二度目の不起訴が決まったという報道がされていますが、この事件、面白すぎでしょ!

 これ、澤藤統一郎の憲法日記という格調高いブログと違って、不詳ハイエナブロガー、それでは落としすぎだ、わたくしのような不肖興味津々弁護士ブロガーとしては、本来、絶対落とすはずのない面白ネタです。

 だって、裏金で8億円も借りておいて、それは個人の借金だった、個人の政治活動に使った、ちなみにその政治活動とは酉の市で熊手を買うことでした!

 

  って、せいの!

 どんだけデカい熊手だよ!

右上のほうに「謝肉祭」と書いてあるのかと思ったら、「社内安全」だって(笑)。

しかし、こんな熊手を買う人がいるんだねえ。熊手で金を書き寄せるイメージなのかね。金持ちってイヤだねえw

 

 

 わたくしが、このネタに食いつかなかったのはひとえに、この時期、ブロガー宮武嶺、やる気をなくしていまして当ブログをほとんどお休みしていたからなんですね。

 でも、同時期の猪瀬副知事の5000万円事件のことは辛うじて記事にしていますから、カバンに5000万円入らねえ!という映像のインパクトのほうが強かったのかな。

 

 それにしても、5000万円の猪瀬氏が略式とはいえ起訴されたのに、8億円の渡辺喜美氏って、よく不起訴になりましたね!

 ひっかかりそうな法律だけでこれだけあったので、私だったら推定無罪を強調しながらも、かなり嫌疑が濃厚だとは書いたと思いますね。

<8億円問題>渡辺喜美氏は何法に抵触する可能性がある? /早稲田塾講師 坂東太郎のよくわかる時事用語より

 

 

 さて、渡辺氏が化粧品販売会社会長から8億円を借り入れた問題で、東京地検特捜部は2015年12月22日、政治資金規正法違反などの疑いで告発された渡辺氏について再び不起訴(嫌疑不十分)としました。

 東京第1検察審査会が10月に渡辺氏を「不起訴不当」と議決したため、再捜査していました。

 東京地検特捜部は「借り入れは個人的なもので政治資金とは認定できなかった」と説明しており、検察庁は検察審査会の起訴相当議決事件を不起訴にしたのではありませんのでこれで捜査は終結します。

 

しかし、捜索差し押さえは受けているのに、証拠も出なかったのか。

う〜〜〜ん。

 

 

渡辺氏が吉田氏に出していたメール。

これでも、みんなの党の活動には本当に使っていなかったといえるのか。

 


 個人的な借り入れで、8億円も借りて、政治活動に使わないで、いったいみんなの党の創業者で党首だった渡辺氏はなにに使ってしまったというのでしょうか。

 これは貸した側の吉田氏も、選挙資金で貸したと文句を言うのは当たり前です。

 

 

 さて、DHCスラップ訴訟に戻ってですが、もう一度言うと、これだけおいしいネタをブログ記事にしなかったのは単なる偶然です。

 そして、書いていたとしたら、まさか、吉田嘉明氏から訴訟を提起されるだなんて思いもしなかったでしょう。

 だって、8億円渡したことは吉田氏が週刊新潮などで本人自らが認めていることなんですから。渡辺議員(当時)に対して名誉棄損にならないように注意はして書いたでしょうが、吉田氏から訴訟を起こされたら、斜め上後ろから後頭部にボールをぶつけられるみたいなもので、回避不可能です。

 澤藤先生は、昨日の意見陳述で

「本件ブログの各記述は、いずれも控訴人吉田自身が公表した手記の記載を根拠として推認し意見を述べているものであって、意見ないし論評が前提として依拠している事実の真実性については、ほとんど問題となる余地がなかったことです。加えて、本件ブログの各記述は、いずれも前提事実からの推認の過程が、きわめて明白であり、かつ常識的なものであることです。」

とおっしゃっていますが、同じ思いだったでしょう。

 そしてなんと、澤藤先生同様に、実名を出してネットなどでDHC吉田氏を批判した人が少なくとも10人も訴えられているそうです。

 もし、アクセス数に比例して名誉棄損の程度を測られていたら、私なんて何億円も請求されていますよ。

だから自分で何回も手記を書いたり、インタビューに応じたりしてるのに、なぜ名誉毀損って言う!?

 

 

 実際、こうやってこの記事を書いたら、私だっていまだに訴訟を提起されるのではないかとビビります。

 昨日の裁判後の報告集会なんて、岩上安身さん責任編集のIWJさんがビデオを回しておられて、わたくし、思いっきりしゃべってしまいましたので、今、確認しに行ったらしっかり映像記事になっていてがっかりしたところです(笑)。

 ただ、これこそ、スラップ訴訟の狙っている表現の自由の萎縮的効果なのだとわかっていますから、澤藤先生への義理もあって(笑)、やせ我慢で書いているようなもの。

 まったく、8億円も人にお金をやっちゃえる超お金持ちだから、裁判所への訴訟費用が何十万円、何百万円、弁護士費用が何百万円、何千万円とかかっても屁でもないのでしょう。

 この圧倒的な資本力には本当にへきえきとするというか、子どもたちにお小遣いを何億円も渡せる鳩山家のお母さんか!と言いたくなります。

 ネットに何か書いたら裁判を起こされるかもしれないという恐怖、裁判を起こされた時のストレスと苦痛。

 実名でネットで論陣を張っておられる方以上に、むしろ実名を出さないように気を使っておられる方だったらなおさらのこそ、この言論封殺の威力、非道は良くお分かりいただけるのではないでしょうか。

図

 

 以下、2015年12月24日、DHCスラップ訴訟控訴審第一回口頭弁論で陳述された被控訴人澤藤統一郎弁護士の意見陳述です。

 ご職業は弁護士ですが、代理人弁護士ではなくて、当事者本人として答弁書の内容を意見陳述されました。

『憲法が言論の自由を特に重要な基本権とし、その保障を高く掲げたのは、誰の権利も侵害しない、「当たり障りのない言論」を自由だと認めたのではありません。敢えて言えば、当たり障りのある言論、つまりは誰かの評価を貶め、誰かの権利を侵害する言論であってこそ、これを自由であり権利であると保障することに意味があるのです。

 もっとも、弱者を貶めて強者に迎合する言論を権利と保障する意味はありません。言論の自由とは、本来的に権力者や社会的強者を批判する自由として意味のあるものと言わざるを得ません。私のブログにおける表現は、控訴人吉田嘉明らを批判するもので、吉田嘉明らの社会的評価の低下をきたすものであることは当然として、それでも憲法上の権利の保障が認めらなければなりません。』

という部分が特に素晴らしい!と弁護団からも称賛の声が続出していました。

 なお、被控訴人というのは、澤藤先生が第一審で全面勝訴したので、全面敗訴した原告吉田嘉明DHC会長が控訴したため、控訴審では澤藤先生が控訴された人=被控訴人と呼ばれるのです。

 ではどうぞ!

澤藤統一郎弁護士に対するDHCスラップ訴訟、12・24東京高裁第1回口頭弁論の法廷傍聴へのお誘い!

 

 

前夜[増補改訂版]
梓澤 和幸 (著), 岩上 安身 (著), 澤藤 統一郎 (著)
現代書館

安保法案の成立を受け、56頁、約50項目の注釈を追加! (定価は据え置き) 

自民党改憲案と現行憲法を、その前文から補則まで徹底的に比較・解説し、そして熱く熱く語り尽くす。権力を縛るはずの憲法を、逆に縛りから権力を解放する方向へ書き改めようとする自民党のトンデモ改憲案は許さない! 安倍首相が目指す「緊急事態条項」。危機を口実に無制限の権力を握った指導者は、原発を抱えて亡国の戦争へと向かうのか!? 安保法案、TPP参加、特定秘密保護法、原発再稼働等と「憲法改悪」「米国の命令」との密接な関わりを約300項目に及ぶ注釈を付け、本気で伝えます!

 


こうしてみるとネット表現の匿名性って大事ですね。

それにしても。

表現することには自己実現の価値があるといわれています。

自己を表現することは自己の人格を実現することそのものです。

庶民の言論を金と力で封殺しようとする者たちは、個人の人格を圧殺しようとするものです。

そんな人たちが売ろうという「健康」食品って何なの?!

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平成27年(ネ)第5147号

                        被控訴人本人意見陳述要旨

 弁護士の澤藤です。思いがけなくも訴えられて被告となり、いまは被控訴人本人の立場にあります。被控訴人本人として、控訴答弁書を要約して陳述いたします。

 最初に訴訟の進行について要請申し上げます。本件では当事者双方に、今後の主張・挙証の必要は考えられません。本日弁論終結の上、すみやかな控訴棄却の判決をお願いいたします。

 一審以来、本件における主要な争点は、名誉毀損とされた各表現が「事実の摘示」なのか、それとも「意見ないし論評の表明」なのか、という一点に集中しています。
 当該表現が、「事実の摘示」か「意見・論評」か。この論点設定は、名誉毀損訴訟において最高裁が示した枠組みに従ってのものです。当事者双方が、それぞれの立場で、この枠組みにしたがった主張を展開しています。

 しかし実は、問題の本質、あるいは実質的な判断基準は、別のところにあるように思われるのです。訴訟とは具体的な事例に則して、憲法あるいは法の理念をどう理解して適用すべきかという、優れて理念的な営みであり、憲法理念を社会にどう具現するのかという実践的な営みでもあるはずだと思うのです。その観点からは、判例の形式的な引用とは別の実質的な判断過程が必要と考えざるをえません。

 憲法的視点から見れば、本件は憲法21条が保障している表現の自由と、13条によって憲法上の権利とされている人格権とが衝突する場面での調整のあり方を問うものにほかなりません。本件具体的事例においてこの調整はいかになされるべきか。被控訴人は言論の自由保障という憲法価値の優越を主張し、控訴人らはこのような人の名誉を侵害する言論は憲法の保障の埒外にある、と言っていることになります。

 憲法が言論の自由を特に重要な基本権とし、その保障を高く掲げたのは、誰の権利も侵害しない、「当たり障りのない言論」を自由だと認めたのではありません。敢えて言えば、当たり障りのある言論、つまりは誰かの評価を貶め、誰かの権利を侵害する言論であってこそ、これを自由であり権利であると保障することに意味があるのです。
 もっとも、弱者を貶めて強者に迎合する言論を権利と保障する意味はありません。言論の自由とは、本来的に権力者や社会的強者を批判する自由として意味のあるものと言わざるを得ません。私のブログにおける表現は、控訴人吉田嘉明らを批判するもので、吉田嘉明らの社会的評価の低下をきたすものであることは当然として、それでも憲法上の権利の保障が認めらなければなりません。

 

 原判決は実質的に以上の理を認めました。
 原判決は、私の名誉毀損15個の表現を、いずれも「一般の読者の普通の注意と読み方を基準とすれば」というキーワードを介して、「意見ないし論評を述べたものであり,事実を摘示したものとはいえない」と判断しました。その上で、「本件各記述は,いずれも公共の利害に関する事実に係り,その目的が専ら公益を図ることにあって,その前提事実の重要な部分について真実であることの証明がされており,前提事実と意見ないし論評との間に論理的関連性も認められ,人身攻撃に及ぶなど意見ないし論評としての域を逸脱したものということはできないから違法性を欠く」と結論しています。「長崎教員批判ビラ配布事件」平成元年12月21日最高裁判決が引用されていますので、明示はされていませんが、「公正な論評の法理」を採用したものと理解されます。

 原判決の以上の説示に異論のあろうはずはありません。しかし、おそらくは、実質的な判断の決め手となったものは、憲法21条の重視のほかには、以下の3点だろうと思われるのです。第1点が言論のテーマ、第2点が批判された人物の属性、そして第3点が言論の根拠です。
 
 その第1点は、私のブログでの各記述が政治とカネにまつわる、典型的な政治的言論であることです。
 私は、控訴人吉田嘉明が、政治資金規正法の理念に反して自分の意を体して活動してくれると期待した政治家に、不透明な巨額の政治資金を「裏金」として提供していたことを批判したのです。このような政治的批判の言論の保障は特に重要で、けっして封殺されてはなりません。

 第2点は、本件ブログの各記述の批判対象者となった控訴人吉田嘉明の「公人性」がきわめて高いことです。その経済的地位、国民の健康に関わる健康食品や化粧品販売企業のオーナーとしての地位、労働厚生行政や消費者行政に服すべき地位にあるというだけではありません。政治家に巨額の政治資金を提供することで政治と関わったその瞬間において、残っていた私人性をかなぐり捨てて、高度の公人としての地位を獲得したというべきです。このときから強い批判を甘受すべき地位に立ったのです。しかも、吉田は自ら週刊誌の誌上で巨額の政治資金を特定政治家に提供していたことを暴露しているのです。金額は8億円という巨額、政治資金規正法が求めている透明性のない「裏金」です。控訴人吉田嘉明が批判を甘受すべき程度は、この上なく高いといわざるを得ません。

 そして第3点が、本件ブログの各記述は、いずれも控訴人吉田自身が公表した手記の記載を根拠として推認し意見を述べているものであって、意見ないし論評が前提として依拠している事実の真実性については、ほとんど問題となる余地がなかったことです。加えて、本件ブログの各記述は、いずれも前提事実からの推認の過程が、きわめて明白であり、かつ常識的なものであることです。
 控訴人吉田はその手記において、行政規制を不当な桎梏と感じていることを表明しています。企業とは、何よりも利潤追求のための組織です。企業経営者が、行政の対企業規制に明確な不満を述べて、規制緩和を標榜する政治家に政治資金を提供したら、これはもう、規制緩和を推進することによる利潤の拡大を動機とするものと相場が決まっています。
 このような常識的な推論に、立証を求められる筋合いはありません。まさしく、推論を意見として述べることが政治的言論の自由保障の真髄と言うべきで、控訴人吉田は、対抗言論をもって弁明や反批判をすべきであったのに、判断を誤ってスラップ訴訟の提起をしたのです。

 以上の3点を実質的な決め手として請求棄却の判決に至った原判決には、いささかの誤りもありません。

DHCの看板

 

 控訴人らは、原判決を不満とし控訴理由書においても、「動機の推認も事実の摘示」だと繰り返しています。私のブログでの意見表明について、いまだに「動機の真実性の証明を求める」とか、「その証明ない限りは違法」という控訴人らの主張の蒸し返しは、児戯に等しいと言わざるを得ません。私がした程度の推論は、常識に属するものです。このような見解の表明が許されないとすれば、言論の空間は逼塞し表現の自由は枯渇してしまうでしょう。訴訟とはある最高裁判決の文章を具体的事例に有利に引用しあうゲームではありません。最高裁が示した字句を機械的に引用して、形式論理の整合性の優劣を争う愚かな競争ではないはず、だと申しあげておきたいと思います。

 ところで、私は「澤藤統一郎の憲法日記」と題するインターネット・ブログを毎日連載しています。現在の形で立ち上げた、第1回が2013年4月1日。以来、一日も欠かさずに書き続けています。昨日のブログが連続997回目。明後日に1000回に到達します。このブログにおいて、私なりに憲法理念を書き連ねてきました。権力を担う者、社会的な力をもつ強者には、遠慮のない批判の言論を続けていますが、弱者を批判したことはありません。一貫して社会的弱者の権利を擁護する立場から、強者の側を批判する姿勢を堅持しています。私は弁護士として、社会から自由を与えられ、誰におもねることもない自由を享受しています。この自由を、弱者の人権を擁護し権力や強者を批判するために行使することが、弁護士としての使命だと考えてきました。私のブログはその立場で貫かれていることを自負しています。

 その連載ブログの365回目となる2014年3月31日に、「DHC・渡辺 8億円事件」を取り上げました。続けて4月2日と、4月8日にもこの件を取り上げました。私がこの事件に反応した理由の一つとして、私が消費者問題に関心を持つ弁護士として、消費者行政の規制緩和に反対する運動に携わってきたことがあります。私は東京弁護士会の消費者委員会委員長も、日弁連の消費者委員長も経験しています。消費者に安全を提供すべき企業経営者が、行政規制を煩わしいと広言しながら、政治家に「裏金」を渡すなどと言うことが許されてはならないと強く思いました。それだけでなく、これを発言することは私の責務だとも思ったのです。

 ところが、このブログの記述がDHCや吉田嘉明の名誉を侵害し、2000万円に相当する精神的損害を被ったとして損害賠償請求訴訟の対象とされました。私にとっては到底信じがたい訴訟です。私自身が典型的なスラップ訴訟の被告とされたことを自覚し、言論の自由のために、恫喝に屈してはならない、スラップに成功体験をさせてはならない、と決意しました。

 これも弁護士の使命として、口をつぐんではならないと覚悟して、ブログで「DHCスラップ訴訟を許さない」シリーズを書き始めました。途端に、請求が拡張され、6000万円に跳ね上がりました。この経過自体が、本件提訴のスラップ性を雄弁に物語っていると考えています。

DHC会長「8億円問題」めぐる名誉毀損訴訟でまた敗訴、ブログ記事に「違法性なし」

 

 私は、原審の法廷陳述でも担当裁判官にお願いしました。まずは、私の5本のブログを細切れにせずに、丸ごと全体をお読みいただきたい。その上で、日本国憲法が最高法規とされている現在の日本社会において、この私の言論が違法な言論として許されざるものであるのかをお考えいただきたい。言わば、まずは常識的な憲法感覚において、私のブログが違法なものかどうかを判断願いたいのです。

 そして、お考えいただきたい。もし仮に、私の言論にいささかでも違法の要素ありと判断されることになれば、原告吉田を模倣した、本件のごときスラップ訴訟が乱発される事態を招くことになるでしょう。社会的な強者が自分に対する批判を嫌っての濫訴が横行するそのとき、市民の言論は萎縮し、権力者や経済的強者への断固たる批判の言論は、後退を余儀なくされることにならざるをえません。この社会の言論は萎縮せざるを得ません。およそ政治批判の言論は成り立たなくなります。そのことは、権力と経済力が社会を恣に支配することを意味します。言論の自由と、言論の自由に支えられた民主主義政治の危機というほかはありません。スラップに成功体験をさせてはならないのです。

 最後に、本件の判断を射程距離に収めると考えられる、憲法21条についての最高裁大法廷判決(昭和61年6月11日・民集40巻4号872頁(北方ジャーナル事件))の一節を引用いたします。

「主権が国民に属する民主制国家は、その構成員である国民がおよそ一切の主義主張等を表明するとともにこれらの情報を相互に受領することができ、その中から自由な意思をもって自己が正当と信ずるものを採用することにより多数意見が形成され、かかる過程を通じて国政が決定されることをその存立の基礎としているのであるから、表現の自由、とりわけ、公共的事項に関する表現の自由は、特に重要な憲法上の権利として尊重されなければならないものであり、憲法21条1項の規定は、その核心においてかかる趣旨を含むものと解される」

 この最高裁大法廷判例が説示する「公共的事項に関する表現の自由は、特に重要な憲法上の権利」との憲法理念に則った判決を期待いたします。

 

DHCの看板
写真はDHCの店舗 撮影・鈴木祐太
化粧品会社DHCの吉田嘉明会長が、ブログに書かれた内容で個人と会社の名誉を傷つけられたとして、執筆した弁護士に対して損害賠償の支払いを求めた裁判で、東京地方裁判所は9月2日、「社会通念上許される限度を超える侮辱にあてはまるとは言えない」などとして、吉田会長の訴えを退ける判決を言い渡した。(アイ・アジア編集部)

 

 

 

 

 

●「民主主義の健全な発展のためには、金員の提供を受ける政治家だけでなく、金員を提供する私人についても監視、批判が必要であることを訴えるもので、専ら公益を図る目的に出たものと認められる」

 

この裁判は、澤藤統一郎弁護士(東京弁護士会所属)が自身のブログに、吉田会長が当時『みんなの党』代表だった渡辺善美元衆議院議員に8億円を貸し付けたことについて「金で政治を買おうというこの行動は徹底して批判されなくてはならない」などと書き、吉田会長と会社としてのDHCが、名誉毀損があったとして澤藤弁護士に対して総額6000万円の損害賠償の支払いを求めたもの。

9月2日に東京地方裁判所で判決の言い渡しが行われた。

判決の中で阪本勝裁判長は、澤藤弁護士がブログに書いた意見や論評について、「その内容は主として、政治家への資金提供の透明性を確保し、民主主義の健全な発展のためには、金員の提供を受ける政治家だけでなく、金員を提供する私人についても監視、批判が必要であることを訴えるもので、専ら公益を図る目的に出たものと認められる」と指摘。
また、8億円の提供は吉田会長がサプリメント販売に関する規制緩和により、自らの利益を追求するためのものであったとした意見や論評については、国民の健康に関するものであり、公共の利害に関する事実に関わるものだとした。

その上で、阪本裁判長は、澤藤弁護士の記述について、「原告(吉田会長)の人格攻撃にわたるものとはいえず、社会通念上許される限度を超える侮辱行為に当たるとは言えない」として、吉田会長らの訴えを棄却した。

判決について澤藤弁護士は次にように話した。

「権力や経済的な力を背景に圧力がかけられても絶対に黙ってはいけない。私は訴えられた後も、沈黙せずにDHCや吉田会長を批判続けた。彼らに「黙れ」と言われたら逆に絶対に黙るわけにはいかなかった。しかしながら、『表現活動への威嚇』には危惧している」

●他にもある吉田会長による提訴

澤藤弁護士の弁護団によると、吉田会長が自身をブログや記事で批判した弁護士やジャーナリストに対して名誉毀損で訴えた裁判は他にも多数あり、係争中だという。
こうした吉田会長の対応について、有識者の中からは、「訴えることによって、委縮させるのが狙いのスラップ(恫喝)訴訟だ」「こうした訴訟は損害賠償額の高額化の中で出てきたもので、表現の自由を守るための対策を考えていなかければいけない」と言った懸念の声が出ている。

この裁判では、吉田会長側は提訴時に2000万円の損害賠償を請求していたが、その後、請求額を6000万円に引き上げた。


※「スラップ訴訟」とは、Strategic Lawsuit Against Public Participationの頭文字を綴った造語で、発言封じなどの威圧、恫喝、報復的な目的で起こす訴訟のことをいう。

 

 

渡辺喜美氏に「うそをつかないように」 DHC会長、8億円問題を発表した経緯をコメント

投稿日: 2014年04月08日 12時53分 JST 更新: 2014年04月08日 12時53分 JST
 

渡辺喜美代氏が4月6日、みんなの党の代表辞任を表明したことを受け、渡辺氏に8億円を貸し付けた化粧品会社ディーエイチシー(DHC)の吉田嘉明会長が4月7日コメントを発表した。渡辺氏に対して「うそをつかないように」と愉すとともに、吉田氏が「週刊新潮」で手記を発表した経緯も語っている。MSN産経ニュースなどが報じている。

吉田会長は、貸付金の使途は選挙資金との認識を示してきたが、渡辺氏は「年に約1千万円は個人的に使った」などと説明。コメントでは「問題は私にうそをついたかもしれないことですが、道義的には許されないにしても刑法上は何の罪にも問われません。これからはうそをつかないようにしましょうね、と注意してあげるだけの話です」とした。


(MSN産経ニュース『【8億円借金問題】「うそつかないように」 DHC会長がコメント』より 2014/04/08 09:09)

 
 

■なぜ吉田氏は手記を発表したのか

今回の騒動の発端は、渡辺氏に8億円を貸したとする吉田氏の手記が、3月26日発売の週刊誌「週刊新潮」に掲載されたことだった。

手記を受けて、渡辺氏は3月27日の会見で、予算委員会の3名の委員について「結いの党に一人分け与えるべき」と吉田氏から指摘されたとし、さらに、「言うことを聞けないのであれば渡辺代表の追い落としも考える」という話をされていたと述べた。

渡辺氏は3月31日、「今回の騒動の本質はみんなの党から分かれた江田憲司氏の結いの党が仕掛けた権力抗争」とするコメントを発表。「吉田会長は私に代表辞任・議員辞職を迫ってきている」としていた。

これについて吉田氏は、結いの党の議員がテレビでの発言権を一切封じられている状態であったことから、義侠心から手記を発表したとコメントしている。

そもそも三つある予算委のポストを、みんなの党が、頑として一つも手放さないということから、結いの党の議員がテレビでの発言権を一切封じられ、困り果てているということを知り、義侠(ぎきょう)心から手記を発表したものです。つい最近、維新の会と結いの党が参議院で統一会派を結成することになり、この問題は自然氷解しました。私の最終目的は全く違う形で決着したことになります。


(朝日新聞デジタル『「熊手さておき…」「うそつかないように」 DHC会長:』より 2014/04/07 20:33)

 

 

2014年3月29日(土)

渡辺みんなの党代表

「熊手買った」というが… 説明不能 8億円疑惑

 みんなの党の渡辺喜美代表が、化粧品会社「DHC」(東京都港区)の吉田嘉明会長から8億円もの大金を借り入れていたことは衝撃をよんでいます。何のために借りたのか、何に使ったのか、渡辺氏は公党の党首として国民の疑問に答える責任があります。 (「政治とカネ」問題取材班)


何のために借りたか

 渡辺氏は、自民党の副総理や蔵相などを務めた渡辺美智雄氏(1995年9月死去)の長男で、96年10月の衆院選で地盤を引き継ぎ初当選。2006年12月、第1次安倍内閣で行政改革担当相を務めた後、09年1月、自民党を離党し、同年8月、みんなの党を結成しました。

 吉田氏は、『週刊新潮』(4月3日号)に手記を寄せ、渡辺氏に2回にわたって計8億円を貸したことを告発しました。

 渡辺氏は、「選挙資金として借りたわけではない」とあくまで個人的な借り入れだと弁明しています。

 ところが、1回目の3億円を借りたのは、10年6月30日で、7月の参院選の直前です。みんなの党は、参院選に44人を立て、10人が当選しています。

 12年11月21日の5億円は、同年12月の衆院選が事実上、スタートしていた時期です。69人を立て、18人が当選しました。

 貸した吉田氏が「8億円ものカネを選挙以外に使うとは思えない」と主張しているとおり、吉田氏からの8億円が、選挙に使われたと考えるのが自然です。渡辺氏の選挙運動費用収支報告書には、8億円の記載がなく、公職選挙法に違反する可能性があります。

何に使ったか

 27日の会見で、渡辺氏は、選挙目的の借金ではないとするため、使途の内訳について、「政治家として生きていくうえで必要なもろもろの費用として使わせてもらった」と説明。「会議費、交際費、旅費」などをあげ、「政治資金を使うのには、ふさわしくない支出もある」とのべました。その「ふさわしくない支出」として、具体的にあげたのは、酉(とり)の市で大きな熊手を購入したという話だけ。

 会見で「(8億円)全部、使い切ったのか」との質問に、渡辺氏は「手元にはない」といいましたが、8億円ものカネを短期間に一体、何に使ったのか―。

 しかも、会議費や交際費、旅費は政治活動そのものです。渡辺氏の政治資金収支報告書には、記載がなく、政治資金規正法の虚偽記入に抵触する恐れがあります。

DHCとの関係は

 化粧品とサプリメントを取り扱っているDHCの前身は吉田氏が72年に創業した委託翻訳会社「大学翻訳センター」です。04年に、健康食品の広告などで景品表示法違反の疑いがあるとして、消費者団体から公正取引委員会に処分を要望され、薬事法違反(医薬品効能効果の標ぼう)の疑いで東京都から改善指導を受けたことがあります。

 吉田氏は、週刊誌で「厚労省の規制チェックは他の省庁と比べても特別煩わしく、何やかやと縛りをかけて来ます」とのべ、“脱官僚”を主張していた渡辺氏に興味を持ったとしています。

 吉田氏は、渡辺氏が、みんなの党を結党する2カ月前の09年6月、渡辺氏から「新党設立資金のために」と頼まれ、渡辺氏のファミリー企業「渡辺美智雄経営センター」が所有する栃木県内の約2900平方メートルの土地を約1億8458万円で購入しています。

 また、渡辺氏が代表を務める政党支部や資金管理団体などに、個人としてできる制限額いっぱいの献金(年2000万円)やパーティー券購入(150万円)をしています。

 渡辺氏は「無駄な規制は民間活力を生かした経済成長を目指していく上でも大きな障害となる」と規制緩和を主張しています。規制緩和を求める経営トップからの巨額資金提供は、何らかの見返りを期待したものであれば問題です。

 

図

 

 

東京地検、渡辺喜美氏を再び不起訴に

2015年12月22日 17時30分 東京新聞夕刊

 みんなの党(解党)元代表の渡辺喜美・前衆院議員(63)が化粧品販売会社会長から8億円を借り入れた問題で、東京地検特捜部は22日、政治資金規正法違反などの疑いで告発された渡辺氏について再び不起訴(嫌疑不十分)とした。

 東京第1検察審査会が10月に渡辺氏を「不起訴不当」と議決したため、再捜査していた。特捜部は「借り入れは個人的なもので政治資金とは認定できなかった」と説明。これで捜査は終結する。

 渡辺氏の事務所は「特捜部から不起訴の連絡もなく、何もコメントできない」としている。

 

 

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2 コメント

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Unknown (とら猫イーチ)
2015-12-25 14:19:28
 大企業の経営者や、政治家ならば、例え、批判を受けたとしても、その批判を否とすれば、堂々と釈明するか、或は、釈明するまでもない取るに足らない言いがかりであれば、無視すれば良いだけのこと。

 只の金銭を巡る矮小な事件ではなくて、全世界を謀るあの地球温暖化詐欺では、流石に、あのゴア氏は、「大物」ですよ。 

 だって、ドキュメンタリーで、 「悪魔ではなくて間違っただけ」(Not Evil Just Wrong)なんて言う、ゴア氏の主張になる二酸化炭素地球温暖化論を、全編にわたって、否定しまくった映画が出ても、何もしなかったのですからね。

 ま〜、出来なかった、と言うのが真相でしょうけれども。。。製作者を尾行した者は、居たらしいですが。

NOT EVIL JUST WRONG
https://www.youtube.com/watch?v=sHMOEVRysWE

 更に、もっと凄いのは、「アル・ゴアなんて嫌いだ」(I Hate Al Gore)と云う、アル・ゴア批判に特化したサイトも出来ています。 

 これでもか、と云わんばかりに、ゴア氏と温暖化詐欺を科学的(これが重要)に批判しまくっています。 

I Hate Al Gore
http://ihatealgore.com/

 IPCCと議長の馬鹿ウリ、おっと違った、バチャウリでした、を批判しまくる科学者、一般人も、ブログで活発ですけれども、彼等は、今のところ、何も出来ず、却って、身内の談合情報が漏れまくる始末です。 

 旧ソ連のような情報鎖国は、今では、到底、無理です。

 何処の誰でも、批判されるのには、理由があるのですからね。 
言葉の粉飾詐欺 (リベラ・メ)
2015-12-25 22:27:38
美輪明宏さんや梶原しげるさんの言葉を借りて言わせてもらえれば、“SLAPP”と言う言葉自体が言葉の粉飾詐欺です。はっきり言えば、“脅迫訴訟”です。皆さんもこれからは、“SLAPP”と言う軽く聞こえる言葉を止めて、“脅迫訴訟”と言う様にしましょう。

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