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和泉式部(978-?)「ものおもへば沢の蛍もわが身より・・・・」:生霊(イキリョウ)が私の体から離れて砕けさまよう

2017-10-14 08:08:27 | 日記
「ものおもへば沢の蛍もわが身より
あくがれいづる魂(タマ)かとぞみる」
I have completely lost my way in my love life.
Now I see fireflies flying over the river.
They seem like my living soul that have broken away from my body and come to pieces.

和泉式部が貴船神社に参拝し、神に縁結びを願って歌を捧げた。
すると、彼女は男神の歌を幻聴する。
「おく山にたぎりて落つる滝つ瀬の
玉ちるばかりものな思ひそ」

《感想》
(1)
和泉式部が恭しく貴船の神に申し上げた。
「疑念と迷妄で、私は心が壊れそうです。
沢に光りながら飛ぶ多くの蛍が、私の体から離れて砕けさまよう生霊(イキリョウ)に見えます。」
妄念だ。
丑の刻参りの橋姫は、自ら鬼となり、男を含め相手の女、彼らの親類縁者をことごとく殺戮したという。
和泉式部は男を憎悪し、自分の魂が生霊となって相手をとり殺すことを恐れた。
(2)
貴船の神が彼女を哀れに思い、命じる。
彼女は、神の声を聞く。
神が畏くも彼女に顕現した。
僥倖だ。
神が厳かに命じる。(これは和泉式部の理性でもある。)
「奥山の激しい滝の流れに似て、お前の魂が砕け散り、破片となった生霊が体を抜け出しさまよう。
そのように破滅的な疑念・妄執を、お前は捨てよ。」
禁止の命令だ。
和泉式部は、恐懼し神の命に従う。
神が実在した時代である。
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