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Emily Dickinson (1830-1886) 'I held a jewel in my fingers —'(「わたしは宝石を握りしめていた—」):くっきりと明瞭・透明で美しい思い出

2017-05-10 15:09:24 | 日記
 わたしは宝石を握りしめていた—

わたしは宝石を握りしめていた—
そして眠ってしまった—
その日は暖かく、風は退屈だった—
「なくさない」とわたしは言った—

わたしは目覚めた—そしてわたしの愚直な手を叱った、
宝石がなかった—
そして今、紫水晶のような思い出が
わたしにあるすべてだ—

《感想》
暖かい日、風は退屈、君は眠る。
「なくさない」つもりの宝石を、握ったまま。
目覚めると宝石がない。
握っていたのに、宝石がない。
宝石は、その後も、ついに出てこなかった。
今あるのは、思い出だけ。
それは、くっきりと明瞭・透明。
しかも美しい思い出。
握っていた宝石が、紫水晶なのではない。
思い出が、紫水晶のように、くっきりと明瞭・透明で美しいのだ。

 'I held a jewel in my fingers —'

I held a jewel in my fingers —
And went to sleep —
The day was warm, and winds are prosy —
I said “ ’Twill keep” —

I woke — and chid my honest fingers,
The gem was gone —
And now, an Amethyst remembrance
Is all I own —
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