DIARY yuutu

yuuutunna toki no nikki

堀口大學(1892-1981)「比喩」『砂の枕』(1926年、34歳) 

2016-10-21 12:45:05 | 日記
 比喩

それは砂漠の中の一輪のばらでした
少女(オトメ)よ それは私の恋でした
ばらは渇いて死にました

それは海の上の一羽の蝶でした
少女よ それは私の恋でした
蝶は溺れて死にました

《感想》
①「砂漠の中の一輪のばら」は、「死にました」。「砂漠」の死だから、原因は「渇いて」である。
②「海の上の一羽の蝶」は、「死にました」。「海」の死だから、原因は「溺れて」である。
③「私の恋」は、死んだ。
③-2 「少女(オトメ)」は、それを知らない。
④「砂漠」と「海」、「中」と「上」、「一輪」と「一羽」、「ばら」と「蝶」、「渇いて」と「溺れて」が、各々、対比される。
⑤「私の恋」の「比喩」は、二重である。一方で「一輪のばら」、他方で「一羽の蝶」。

METAPHOR

It was a rose in the desert.
Oh, girl! It was my love.
The rose died of thirsty.

It was a butterfly over the sea.
Oh, girl! It was my love.
The butterfly died of drowning.
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