DIARY yuutu

yuuutunna toki no nikki

秋谷豊(アキヤユタカ)(1922-2008)「湖のある村」『遍歴の手紙』(1947年、22歳)

2016-10-18 23:51:32 | 日記
 湖のある村

村は月夜だった
高原の灌木(カンボク)に山鳩が啼く
小さな停車場
木柵(モクサク)に白い蝶が眠っていた

こぶしの花を一輪
吊ランプのようにさげ
湖を迂回して
湖水のみえるさびしい宿で
遠い友へ手紙を書いた

部屋のランプが
湖に映って消える
僕の掌(テノヒラ)には一匹の傷ついた
蛾があった

《感想》
①詩の舞台:時は「月夜」、所は「高原」。「小さな停車場」で降り、「湖を迂回」し、「湖水の見える」宿に逗留。
①-2 詩人の注視対象:停車場から「灌木」が見え、「山鳩」が啼き、「木柵に白い蝶が眠っていた」。
②宿の部屋の様子:「湖水」の近く。「部屋のランプが/湖に映って消える」。
③宿での詩人の行為:「こぶしの花を一輪/吊ランプのようにさげ」る。「遠い友へ手紙を書いた」。「一匹の傷ついた/蛾」を手に取る。
③-2 詩人の感情:宿は「さびしい」。
④以上より、詩人が好むものは以下の通り。(ア)「月夜」、(イ)「高原」、(ウ)「灌木」、(エ)「山鳩」、(オ)「小さな停車場」、(カ)「木柵」、(キ)「白い蝶が眠」る、(ク)「こぶしの花を一輪/吊ランプのようにさげ」る、(ケ)「湖水の見えるさびしい宿」、(コ)「遠い友へ手紙を書」く、(サ)「部屋のランプが/湖に映って消える」、(カ)「一匹の傷ついた/蛾」を「掌(テノヒラ)に」のせる。
⑤詩は、詩人の抒情的哀切のアイテム一覧表である。

 A VILLAGE NEAR A LAKE

A village was in the moonlight at night.
A turtledove sang in bushes at a plateau.
At a small railway station, a white butterfly slept on a wooden fence.

I hang one flower of Magnolia in such a way as I did a lantern.
I walked around a lake and arrived at a lonely inn where I could see the lake.
There, I wrote a letter to my distant friend.

The reflection of a lump of my room appeared and vanished on the surface of the lake.
There was one injured moth on the palm of my hand.
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