葉
葉よ
しんしんと
冬日が むしばんでゆく
おまえも
葉と 現ずるまでは
いらいらと さぶしかったらうな
葉よ
葉と 現じたる
この日 おまえの 崇厳
でも 葉よ
いままでは さぶしかったらうな
《感想1》
不思議な詩だ。
葉が、葉となる前の世界を語る。
《感想2》
無から、有の出現。
確かに、木の枝のなかに、葉のもとになるものがあった。
しかし、その出現以前、葉は無だった。
《感想2-2》
ただし、さらに考えれば、葉が木のなかに準備されていたとも言える。
さらに、木は、木の生命の連続のうちに、準備されていた。
木は、極めて長い生命一般の数億年の連続の内に、準備されていた。
それ以前について言えば、生命は無から出現したのでなく、物質の歴史が、生命を準備した。
だが始原の物質は、無から生まれた。《無から有の出現する奇跡》。
《感想2-3》
あるいは、宇宙は、永遠に有だったかもしれない。
そうであるなら、《宇宙が有であることの奇跡》。
《感想2-4》
宇宙は謎である。
その謎は、2種類のいずれかである。
それは、《無から有を出現させる》謎か、《永遠に有である》謎かの、いずれかだ。
宇宙が《永遠に無である》ことがないのは、現に有が出現していることで、証明されている。
《感想3》
無について、詩人は「いらいらと/さぶしかつた」ととらえる。
無は死である。
詩人は、死を恐れる。
無(死)から、有(Ex. 生命or葉)が生れ、再び無(死)に返る。
有が「この日/おまへの/崇厳」と詠われるにもかかわらず、有は無(死)へもどる。
《感想4》
一方で、無(死)から有の出現の「崇厳」な奇跡。
だが他方で、詩人は死を恐れる。
キリスト者として、彼は、信仰の足りない自分を許さないだろう。
《感想5》
出現した葉の生(有)は、その展開自身が、死の虚無へと、むしばまれていくことだ。
A LEAF
You, a leaf!
Quietly, the sun in winter is destroying you.
You seem to have been irritatedly sad until you have come to appear as a leaf.
You, a leaf!
This is the day when you appear as a leaf.
You are marvelous.
However, you, a leaf!
You must have been sad till now.
葉よ
しんしんと
冬日が むしばんでゆく
おまえも
葉と 現ずるまでは
いらいらと さぶしかったらうな
葉よ
葉と 現じたる
この日 おまえの 崇厳
でも 葉よ
いままでは さぶしかったらうな
《感想1》
不思議な詩だ。
葉が、葉となる前の世界を語る。
《感想2》
無から、有の出現。
確かに、木の枝のなかに、葉のもとになるものがあった。
しかし、その出現以前、葉は無だった。
《感想2-2》
ただし、さらに考えれば、葉が木のなかに準備されていたとも言える。
さらに、木は、木の生命の連続のうちに、準備されていた。
木は、極めて長い生命一般の数億年の連続の内に、準備されていた。
それ以前について言えば、生命は無から出現したのでなく、物質の歴史が、生命を準備した。
だが始原の物質は、無から生まれた。《無から有の出現する奇跡》。
《感想2-3》
あるいは、宇宙は、永遠に有だったかもしれない。
そうであるなら、《宇宙が有であることの奇跡》。
《感想2-4》
宇宙は謎である。
その謎は、2種類のいずれかである。
それは、《無から有を出現させる》謎か、《永遠に有である》謎かの、いずれかだ。
宇宙が《永遠に無である》ことがないのは、現に有が出現していることで、証明されている。
《感想3》
無について、詩人は「いらいらと/さぶしかつた」ととらえる。
無は死である。
詩人は、死を恐れる。
無(死)から、有(Ex. 生命or葉)が生れ、再び無(死)に返る。
有が「この日/おまへの/崇厳」と詠われるにもかかわらず、有は無(死)へもどる。
《感想4》
一方で、無(死)から有の出現の「崇厳」な奇跡。
だが他方で、詩人は死を恐れる。
キリスト者として、彼は、信仰の足りない自分を許さないだろう。
《感想5》
出現した葉の生(有)は、その展開自身が、死の虚無へと、むしばまれていくことだ。
A LEAF
You, a leaf!
Quietly, the sun in winter is destroying you.
You seem to have been irritatedly sad until you have come to appear as a leaf.
You, a leaf!
This is the day when you appear as a leaf.
You are marvelous.
However, you, a leaf!
You must have been sad till now.