利用客が料理の受け取りから食器返却まで行う「セルフ式うどん店」が拡大している。最大手の「丸亀製麺」と2位の「はなまるうどん」の合計店舗数は856(3日時点)で、ここ5年間で約4倍になった。
1杯200円台という安さがデフレ下の消費者に受けている。客の回転の速さ、ヘルシーなイメージ、本場のさぬきうどんを目指した味の向上も人気の理由だ。
約1兆円とされる「うどん・そば市場」は大手が少なく、冷え込む外食業界で「最後の巨大市場」(業界関係者)は熱気を帯びている。

▽和のファストフード
セルフ式店舗は、客がカウンターに沿って移動しながらうどんや総菜を受け取り、会計後、自分で座席まで運ぶ。客の滞在時間は平均10〜15分と回転が速く、給仕は不要なので店側もコストを抑えることができる。
うどんの本場・香川県では一般的なこの店舗形態をチェーン化したのは、はなまるうどんを運営する「はなまる」(東京)。家族連れや女性も入りやすいよう内装を明るくポップにし、「和のファストフード」のイメージで店舗数を310まで伸ばした。
▽不況が後押し
一方、丸亀製麺は店内で製麺も手掛ける「手作り感」が売り物で、全国に546店を展開。運営するトリドール(神戸市)の粟田貴也社長は「不況が成長を後押しした面がある。物件があり、人も集めやすい」と話す。今後も年間130程度の出店を続け、3〜4年後に1000店を目指す。
はなまるは、かけうどんの中サイズが210円、丸亀製麺は並サイズが280円。牛丼などと比べても価格競争力がある。「この業態が今のライフスタイルに合っている」と話すのは、うどん店チェーンのグルメ杵屋(大阪市)の担当者。セルフ式うどん店「麦まる」を、現在の26店から5〜6年後に300店まで増やす計画だ。
日本フードサービス協会(東京)によると、牛丼やハンバーガーは上位3社で総売上高の約9割を占めるが、セルフ式うどん店は数社で3割程度。「うどんは顧客層も幅広く、市場が広がる余地は大きい」と同協会はみている。
▽本場は危機感
トリドールは今年1月、香川県での「丸亀製麺」の1号店を高松市にオープン、本場で攻勢を強めている。周辺のさぬきうどんの老舗店は「脅威なのは間違いない」と危機感を隠さない。
地元業者の団体「本場さぬきうどん協同組合」は、「本場さぬきうどん」という名称の商標登録を申請するなどの防衛策を始めた。大峯茂樹理事長は「具材の仕入れなどで全国チェーンにかなわない面もあるが、初心に戻って本場の味を守っていく」と気を引き締めている。




















