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 三代目桂三木助の「芝浜」 

2014年11月11日 | 落語・民話

 三代目桂三木助の「芝浜」によると、
 

  「ねぇ~、お前さん、起きておくれよ」、と起こしたが、休みついでだからもう少し休ませろ、とか、出し抜けに起こすなよ。

とグズグズしている勝五郎。

男らしくないね、明日から出るのでイッパイ飲ませろと言って呑んだのに、その上釜の蓋が開かないよ。
 「行くけど半月も休んで飯台がゆるんで水が漏るだろ」、

「魚屋の女房だよ。ヒトったらしも水は漏らないよ」、

「包丁は」、

「そこまでは腐っていなかったね。研いだ包丁が蕎麦殻に入っていて、秋刀魚のようにピカピカ光っているよ」、

「ワラジは」、

「出ています」。

「やけに手回しが良いな」、

「仕入れの銭も飯台に入っています。やな顔をしないで行っておくれよ。ワラジも新しいし気持ちがいいだろ」、

「気持ち良かない」。

グズグズしながら出かけて行った。

 「磯臭い匂いがしてきたな。これだから辞められない」。

しかしどの店も閉まっていた。

増上寺の鐘が鳴っている。

カミさんが時間を間違えて早く起こしてしまったのだ。

仕方がないので、浜に出てタバコを吸っていると、陽が揚がってきた。波の間に間に何か動いている。

引き寄せてみると、革の財布であった。

 慌てて家に帰ってきた。

カミさんが謝るのも制止し、水を一杯飲み、

「浜で財布を拾った。中を覗くと金が入っているので慌てて帰ってきた。いくら入っている?」。

カミさんと数えたら82両あった。


 「早起きは三文の徳と言うが、82両の徳だ。釜の蓋も開くし、明日から仕事に行かないで、朝から晩まで酒飲んでいてもビクともしないよな。金公や虎公には借りがあるんだ。存分に飲ませて食わせて借りを返さなくては・・・。」、

「夜が明けたばかりだから、昼過ぎになったら声掛けるワ」、

「昼まで起きていられないから、残り酒をくれよ」。

と言う事で一杯やって寝込んでしまった。

 「ねぇ~、お前さん、起きておくれよ」、

「何だ」、

「商いに行っておくれよ」、

「何で?釜の蓋が開かない? 昨日の82両で開けとけよ」、

「82両って何だよ」、

「昨日、拾った革財布に入っていただろう」、

「何処で拾ったの」、

「おい、82両渡しただろう。少しイクのはイイが、82両そっくりイクのはヒドいじゃないか」。

 「悲しいね。お金が欲しくて、そんな夢見たのかい」、

「おい、夢!? 一寸待てよ。こんなハッキリした夢見るか。芝の浜で財布拾って、お前と二人で数えただろう」、

「お前さん、私の格好を見なさいよ。この寒さの中、浴衣二枚重ねて着ているんだよ。まるで乞食だよ。しっかりしておくれよ。お前さんは昨日芝の浜なんかには行ってないんだよ。起こしたら怒鳴られたので、手荒な事をされるとイヤだから放っておいた。昼頃起き出して湯屋に行き、帰り際に友達大勢連れてきて、酒買ってこい、天ぷら誂えろ、と言ったが、顔を潰す訳にも行かないから黙って回りで工面して買ってきた。一人ではしゃいで、さんざん飲んで寝てしまったんじゃないか。芝の浜には行ってないよ」。

 「一寸待て。増上寺の鐘は何処で聞いたんだ」、

「ここでも聞こえるよ。今鳴っているのがそうだろ」、

「・・・夢か、・・・、子供の時からやにハッキリした夢見る事があるんだよ。82両は夢で、友達と飲んだのは本当なのか。やな夢見たな。借金もずいぶん有るだろ。おっかぁ~、死のうか」、

「馬鹿言うんじゃないよ。お前さんが死ぬ気になって商いに行けば何の事もないよ」、

「そうか。分かった、商いに行く。それに酒が悪いんだ。止めた。一ったらしも呑まないよ」。

 これから行って来るよと出かけた。

 人間がガラッと変わってよく働いた。元々腕がイイのでお客も戻ってきた。

 3年経つか経たない内に裏長屋から表通りに店を持つまでになって、小僧も置くようになった。

 丁度3年目の暮れ。

湯屋から戻ってきて、正月の手配を小僧にするが、全部払いは済んでいるから掛け取りは来ないし、その上、もらいに行く所もあるが行かないと言う。

畳も取り替え、サラサラと門松が触れ合う音が聞こえた。

ゆっくりしろと優しいカミさんであった。

 小僧を湯屋に出してカミさんが言うには、

「お前さん、これから話す事、最後まで怒ったり、手荒なまねはしないで聞いて欲しいんだよ。約束してくれるかい。そ~、聞いてくれるかい。では見せたい物が有るんだよ。これなんだけれど見覚えは無いかい」、

「汚い財布だな~。ヘソくりかい。イイんだよ。何処のカミさんだってやるんだ。でも、こんなにやるなんて女は恐いな。で・・・・82両も有るぜ」、

「その革財布と82両に覚えは無いかい」、

「・・・、ある。先年芝の浜で82両入った財布を拾った『夢』を見た事がある」、

「その財布だよ」、

「なにぃ。あの時の金ぇ。お前は夢と言っただろ」。

 「だから怒らないで聞いてくれと約束しただろ。最後に殴ると蹴ると好きにしてイイから。ホントはね、拾ってきたんだよ。悪いことした金かと思ったが、そうでもなさそうだし、お前さんが残り酒を呑んで寝てしまったのを幸いに、大家さんに相談した。その金はお上に届けなければ勝の身体が大変な事になる、勝には夢だ夢だと騙してしまえ。で、夢だと騙したら、酒も断って仕事に精を出し、3年経ったらこの様な店も出来た。ず~っと騙してた私も辛いが勝つぁんには申し訳ないと思っていた。このお金も、と~に下げ渡されていたが、元の勝つぁんに戻られたらと思うと見せられずいたが、今の様子を見ていると大丈夫だと思った。ごめんなさい。女房に騙され悔しかったでしょ、ぶつなり蹴るなりしてください」。

 「手を上げてくれ。お前の言うとおりだ。あの時使っていれば、お仕置きになって、良くて戻ってきてもコモを被って震えていなければならない。お礼は俺の方で言う。ありがとう」、

「なんだね~、女房に頭下げて。許してくれるんだね。今日は機嫌直しにお酒と好きな料理が二三品用意した有るんだよ」、

「ホントだ、好きな物が有るわ。やっぱり女房は古くなくてはいけねぇ~。なんだ、お燗がついてる? どーもさっきからいい匂いがしてると思った。畳の匂いだけではないと思っていたんだ。ホントに呑んで良いのか。俺が言い出したんじゃないよ」。

 女房にお酌をしてもらって、3年ぶりの盃を口元に運んで感激していたが、

「ん。止めておこう。夢になるといけねぇ~」。

 

 

 

 

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