ナポレオン時代の衣装を着、右手を上着の内側に入れ、異様な目つきをした男が
精神科医の診察室にやってきて、心配そうに告げた。
「先生、 今すぐ助けがほしいんです」
「それは分かりますよ」と、医師。
「そこの長椅子に寝て、問題について話してください」
「わたしには何も問題はありません」
男がきつい声で言った。
「実際、フランス皇帝として、ほしいものはなんだってもっているんです。
金、女、権力、何でもです!
しかし、妻のジョゼフィーヌは、どうも精神的な問題を抱えて入るようなのです」
「なるほど」精神科医は、ひどく取り乱している患者に調子を合わせて言った。
「それで、奥さんの問題というのは、どのようなことです?」
不幸な男が答えた。
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「何かしら妙な理由で、あれは、自分がシュワルツという男の妻だと思っているんです」