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六代目三遊亭円生の噺、「 御神酒徳利(おみきどっくり)」

2014年12月31日 | 落語・民話

六代目三遊亭円生の噺、「 御神酒徳利(おみきどっくり)」によると。

 

 主役は日本橋馬喰町の大店・旅籠刈豆屋吉左衛門で働く通い番頭の善六さん。

年に一度の十二月十三日大掃除の時、先祖が徳川様から頂いた銀の葵のご紋の入った一対の家宝の御神酒徳利が台所に転がっているのを見つけた。

しまうところがないので水瓶の中に入れ、そのまま忘れてしまった。

このお神酒徳利で大神宮様にお神酒を上げるのが慣わしになっている。

後で、徳利が無いと大騒ぎ、善六さん家に帰ってから思い出したが、今更自分がしたとは言えない。

すると 、おかみさんは父親が易者だったので、徳利のあるところは判っているからソロバン占いをして、出せばいいと言う。

生涯に三度だけ占う事が出来るという触れ込みで、占う事にした。

無事徳利が見つかったというので、ご主人は大喜び。


 幸か不幸かこの見事な、不思議な占いを宿に泊まっていた鴻池の支配人が知り、実は鴻池の一人娘が難病にかかり、その原因がどうしてもわからない、それを何とか占って欲しいと依頼する。

善六は本当に占いが出来るわけがない。

善六は引き受けたくないが、おかみさんにそそのかされて、こんなチャンスはめったにない上に三十両が貰える、占いは適当にやればいいからと大坂にしぶしぶ行くことにした。

 善六さん、支配人と大坂に向かう道中、神奈川宿で、滝の橋の新羽屋 (にっぱや)源兵衛という鴻池の定宿に泊まろうと立ち寄った 。

店の中が慌ただしい。

女将が言うには、四,五日前に薩摩武士が泊り、金七十五両と幕府への密書が入っている巾着が無くなったので、内部の者に嫌疑がかけられ、主人源兵衛は取調中とのことだった。


 これを聞いた支配人、じゃここにおいでになる占いの善六先生に見てもらったらいい、まだ1回あるからお願いしますという。

もとより占いを知らない善六は 、お供えにハシゴだワラジだ大きなおむすびだと夜逃げの算段。

すると夜中に女中が善六の部屋にやって来て「自分が親の病気を治したいばっかりに盗んだ」と白状した。

隠し場所は嵐で壊れた庭の稲荷の社 (やしろ)の床板に隠したと聞いて女を帰した。

早速宿の女将を呼んで、あたかもソロバン占いに掛が出たと、在りかを当てたので宿中大喜び。

新羽屋から礼にもらった三十両の内女に5両与え、女将には稲荷の社を直すように諭し大坂へ。

 三度目の占いに掛かった時は、苦しい時には神頼みで、水垢離を続けた。

すると満願の日、神奈川宿の稲荷大明神が夢に現れ、稲荷の社の修復と信心が戻った事への感謝をあらわし、「鴻池家の乾(いぬい=北西)の隅の柱の四十二本目の土中に観音像が埋もれているから、これを掘りだして崇めれば娘の病気はたちどころに治る」と教示があった。

掘ってみると夢の通り観音像が出てきた。

鴻池はこれを機に米蔵を開いて大坂三郷の貧民に施しをしたので、慈善の徳で娘の病気は全快した。

 善六は鴻池から金を出してもらって馬喰町に立派な旅籠屋を建て、いままでの貧乏暮らしが一躍大金持ちになった。

もともとソロバン占いで成功したので、生活が桁違いに良くなったのだという。
 

 

 

  


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