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プリン体ゼロ・ビールは無意味? 肝臓障害や免疫力低下など健康被害の危険?

2014年11月02日 | ニュース

プリン体ゼロ・ビールは無意味? 肝臓障害や免疫力低下など健康被害の危険?


2014年11月2日 6時0分


「肥満や糖尿病、痛風が気になる」というビジネスパーソンは、とても多いでしょう。特にビールや発泡酒は、痛風の原因とされるプリン体が含まれているので、それを気にしながら飲んでいる人も少なくないでしょう。そこで、売り出されたのが、「プリン体0・糖質0」をウリにした発泡酒です。サッポロビールが、「極ZERO」を2013年6月に売り出し、発売2カ月で5000万本(350ml換算)に達したといいます。これに刺激を受けた他の大手ビールメーカーも、次々に同様の発泡酒を売り出しました。なお、「極ZERO」は当初は「第三のビール」として売り出されましたが、国税庁から「発泡酒に該当するのではないか」という指摘を受け、急遽「発泡酒」として再発売されたという経緯があります。
 
 では、「プリン体0・糖質0」の発泡酒を飲んでいれば、本当に痛風は防げるのでしょうか?

 プリン体は、プリン骨格という構造を持つ物質の総称です。一般に「ビール=プリン体」というような印象が持たれていますが、それは大きな誤解で、特にビールだけに含まれているものではなく、穀類や野菜、豆類、肉類、魚類など、ほとんどの食品に含まれていると言っても過言ではありません。しかも、ビールに含まれる量は少ないのです。例えば、白米には100g当たり25.9mg、豚ロース肉には同90.0mg、鶏レバーには同312.2mg、カツオには同211.4mgのプリン体が含まれます。これに対して、ビール350mlに含まれるプリン体は、わずか12~25mgにすぎません。

 では、どうしてビールや発泡酒のプリン体がやり玉に挙げられるのでしょうか?

 尿酸は腎臓から尿の中に排泄されますが、尿酸の量が多くなると、排泄能力を超えてしまい、体内に蓄積されて痛風の原因となります。プリン体は体内で尿酸に変化するので、プリン体の多い鶏レバーやカツオなどを毎日食べていると、尿酸値が高くなってしまいます。

 さらに、アルコールの作用が加わることによって、尿酸値が上がりやすくなってしまうことがわかっています。アルコールを毎日飲んでいる人は、痛風になる危険度が確実に上がるといいます。特にビールや発泡酒にはプリン体が含まれるので、アルコールとの相乗作用がクローズアップされて、実際以上に悪者にされてしまったのです。

●危険な合成甘味料を使用

 ところで、「プリン体0・糖質0の発泡酒は、まずい」という声をよく聞きます。それもそのはずで、実はプリン体は、アミノ酸、脂肪と並ぶ三大うま味成分の一つなのです。そのプリン体をゼロにしてしまっているのですから、おいしいはずがありません。各メーカーでは、調味料や酸味料、甘味料などの添加物を加えて、なんとか味を調えようとしていますが、本来の発泡酒の味を出すことは到底無理なのです。

 また、甘味を出すために合成甘味料のアセスルファムK(カリウム)を使っていますが、アセスルファムKは健康に害を与える危険性がかねてから指摘されています。アセスルファムKを0.3%、1%、3%含むえさをイヌに食べさせた実験では、0.3%群でリンパ球が減少し、3%群では肝臓に障害が起こった時に増えるGPTの増加が認められました。つまり、免疫力が低下したり、肝臓がダメージを受けたりする可能性があるのです。

 プリン体は、私たちが普段食べている多くの食品に含まれており、それを摂らないようにすることなどまず不可能です。ですから、いくらプリン体を含まない発泡酒を飲んでも、ほとんど意味はないのです。問題なのは、アルコールを飲みながらプリン体を多く含む食品を食べることなのです。結局、プリン体を多く含む食品を食べ過ぎないようにすれば、通常のビールや発泡酒を飲んでも、痛風になることはないのです。
(文=渡辺雄二/科学ジャーナリスト)


 

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