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三遊亭円遊の噺、「七福神(かつぎや)」

2014年10月21日 | 落語・民話

四代目 三遊亭円遊の噺、「七福神(かつぎや)」によると。
 

 呉服屋のかつぎ屋五兵衛は、たいへんな縁起かつぎ。

正月元旦ともなると、縁起かつぎもすさまじい。
下働きの清蔵を呼ぶと「まずは井戸神様にダイダイを入れて和歌を供えて若水を汲んでおくれ」と言いつけ和歌を教える。

「新玉の 年とちかえる あしたより 若柳水を 汲み初めにけり。これはわざっと お年玉。」

こう教えられた清蔵は、「目の玉の でんぐり返る あしたより 末期の水を 汲み初めにけり。 これは、わざっとお人魂。」とやらかす。

怒った五兵衛は清蔵にクビを言い渡す。

清蔵は「ついでだから後9日置いてれ、丁度35日になるから・・・」。

庭に降りて頭を下げる清蔵に、五兵衛が「お前は何をしてるんだ。」と聞くと、

「草葉の陰から手を合わせている。」

 早桶屋の白兵衛がやってきた。

「正月はそんなにめでたくはないよ、一休さんも『門松は 冥土の旅の一里塚 めでたくもあり めでたくもなし』と言ってる」。

縁起の悪い事をさんざん言って、歌を唄った「五兵衛さんの家の周りを福の神が取り巻いた」。

機嫌を直したが、これには下の句があるという「これじゃぁ~、貧乏神が出られない~」。

 店の者とお雑煮を食べ始めると餅の中から釘が出た。

「旦那、縁起がいいです。餅の中からカネが出たので金持ちになります」。

小遣いを増やしてもらう定どんに清蔵は「身代は持ちかねる」と悪態をついた。

 さて、そうこうするうち、二日の晩、お宝船売りがやってくる。

番頭に声をかけさせ、お宝船売りを呼び込むと、一枚四(し)文、十枚で四十(しじゅう)文というので、縁起でもないといって追い返す。
 次にやってきた宝船売りに番頭が、「うちの旦那は大変な縁起かつぎだから…。」と言って入れ知恵をする。宝船売りは、店に入るやいなや、「お宝の入り船です」と言う。五兵衛は喜んで、全部買うという。「何枚あるんだ」と聞くと、「へい、旦那の年ほどもございます。」「何枚だ。」「千万枚でございます。」

 五兵衛は、縁起がいいと大喜び、しかも酒をを勧めると「亀の子のように・・・」。

酒を注ぐと「黄金色のよう・・・」。

「こんなイイ酒で酔うと宝船に乗っているようだ」。

喜んだ五兵衛さん、いつでも遊びにおいで、で、何処に住んでいますか。

「本郷の蓬莱町にいましたが浅草寿町に、そこから下谷の長者町に移りましたが、それ以上引越させないでください」。

その都度ご祝儀をはずんでもらい、反物までもらった。
 宝船売りは、ご機嫌になり「旦那の姿は大黒様、美しいお嬢様は弁天様。

七福神がお揃いで、おめでとうございます」と帰りかけた。

五兵衛が「それじゃぁ、二福じゃないか。」と言うと、「いいえ、それでよろしいのです。ご商売が、呉服(五福)でございます。」

 

  

 

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