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師匠がロバを餞別にくれた

2014年12月15日 | 面白画像

サマルカンドの若い学生が、自分の運を切り開こうと旅に出ようとした。

すると彼の師匠がロバを餞別にくれたので、一緒に連れて旅に出た。

しかし、旅の途中ロバが死んでしまった。

若い学生はロバの墓を作ってやり嘆き悲しんだ。

それを見た付近の住民が「あれだけ悲しむと言うことは、

さぞ偉い聖者が死んだに違いない。」

とロバの墓の上に立派なモスクを立てた。

若いウラマーは、そのモスクのウラマーとして迎えられた。

「ありがたい聖者のモスク」として評判が評判を呼び、

多くの寄付が集まりモスクはどんどん立派になった。

若い学生は大モスクのウラマーとして、尊敬を集めることとなった…

ある日、一人の旅の老ウラマーが、評判の大モスクを見ようとやってきた。

かつての若い学生だったウラマーが、

モスクから出て旅の老ウラマーを見るとそれは自分にロバを餞別にくれた、

かつての彼の師匠だった。 

師匠が弟子の成功をほめると、学生だったウラマーは、

大モスクが実はロバの墓であることを告白し

「本当のことがいつかばれるのじゃないかと、不安で夜も眠れません!
 もうここを逃げ出そうかと…」

と言った。

師匠の老ウラマーが答えていった。

「おまえもか…。実はお前が学んだわしのモスク、
 あれはわしが若いころ師匠にもらったロバの墓じゃ。
 それで逃げ出してきたのじゃ…」

 

 

 

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