旦那の容態が悪化して義父や旦那の次男夫婦が見舞いに来て帰ったあと
個室の椅子は、倒せば簡易ベットのようになるのでそこで寝ようと思っていたら
看護師さんが毛布や枕を持ってきてくれた。
旦那は、なかなか酸素濃度が上がらず70%を切るところまで下がり
絡んでいる痰を吸引すると少しは、改善されるという看護師さんは旦那に
「ごめんね~痰を少し取ろうね」と言って吸引をする。
呼吸苦と吸引で苦しがる旦那。
鼻から管を入れるので鼻血が出る。
少しは取れたようで一時は、数値も上がるがまだ完全に痰は取りきれていないまま喉はゴロゴロしている。
夜中も酸素濃度が下がると看護師さんが何度も病室に来て様子を見る。
苦しそうに息をしながらも自力で痰を出そうと頑張る旦那。
下がっていく酸素濃度の数値を見てやっぱりもう一回吸引しようかと言う看護師さんに嫌だと首を振る旦那。
「うーん・・吸引嫌だよね・・もう少し様子見ようか」と言い病室を出ていく。
再び、看護師さんが病室に来て「やっぱり上がらないから吸引しましょう」ともう一人看護師さんを連れてきて
私は、ラウンジで待っていて下さいと部屋から出される。
二人がかりで何とか吸引かけて痰を取ったが全部は取り切れない。
が、少し呼吸も楽になったのか酸素濃度は安定し始めた。
旦那も疲れたのか寝ると言うので私も椅子で横になる。
2時間ほど眠ると深夜に交代した看護師さんが心配そうに部屋に来て旦那の様子を見ている。
旦那も苦しそうに手足を動かすのを見て「吸引しますね」と言う。
さすがに息苦しいのか旦那も嫌だと言わず3度目の吸引をする。
血痰なのか鼻血なのかわからない血が管を通る。
そのあとは、しばらく眠ることができたが朝6時頃になって再び酸素濃度が低下し
看護師さんがバタバタと出入りを始める。
「咳をして痰を少し上に出せたら口の中から浅いところだけ吸引かけるから頑張ってみて~」と旦那に声を掛け
旦那は必死に咳払いをして口の中を吸引してもらう。
結局また8時頃には、吸引しないとだめだということになり吸引。
涙目になりながら苦しがる旦那。
息苦しさだけでも辛いところに吸引・・見てられない。
あんまり続けてやると疲れちゃうので少し休みましょうね。と言い4度目の吸引を終える。
朝9時頃になると旦那は息苦しさで声も出せなくなる。
身体を擦っていると両足に紫色の斑点ができている。
おそらくチアノーゼ。
そして5度目の吸引をするが思うように痰は取り切れない。
苦しそうに呼吸する旦那を見かねてナースステーションに行き今日は、祭日で病院休みだからK先生は来ないのかと
昼間担当の看護師さんに尋ねると救急当番になっているからもう少しで来るというので
足に出ているチアノーゼのことを話し、先生に診察してもらって相談としたいと告げる。
友人のFも心配して病院に駆けつけてくれて旦那の様子を見て
「だいぶ苦しそうだね・・先生まだ来ないの?」とFも気をもむ。
11時近くになってK先生が病室にやってきて旦那に声を掛ける。
「息が苦しい?」と聞くと苦しそうに頷く旦那。
「どこか他に痛むところはある?」と聞くと首を横に振る旦那。
旦那の身体をあちこち触りながら足を見て「うーん・・」としばらく考えて
「息苦しいね・・少し眠るお薬使うよ?いいかな?」K先生が聞くと旦那は、頷く。
薬の指示を看護師さんにしてK先生は病室を出て行く。
私は、苦しそうに息をする旦那に話しかける。
これが旦那と話す最後かも知れないと思うと涙が止まらない。
涙声になりながら「眠るお薬使ったらもう苦しくなくなるし、痛い吸引しなくていいね」
旦那は、苦しいながら必死に目を開けて私の顔に手を伸ばす。
が・・伸ばした手を支えていられず、声も出せない。
私は、ずっと旦那の手を握って泣いた。
30分程して看護師さんが点滴台に大きい注射器が横になって付いている装置を着けた。
その注射器から薬(ミダゾラム)を1時間単位で徐々に注入するようになっていた。
意識状態や呼吸苦の状態を見ながら薬を調整していくらしい。
注入が始まって間もなく旦那の呼吸が静かになって目は別のところを見ているようになって閉じた。
先生が来て「私の声聞こえるかい?」と声を掛けるとうっすらと目を開けて小さく一度だけ頷いた。
これで父さんは、もう苦しい思いをしなくて済むんだと思う反面
こんな状態になってまで生きたくないと言っているような
苦しくても感情を伝えられるままで死にたかったと思っているような
そんな気がして心が痛んだ・・
薬を使ったあとの旦那は、2時間ほど静かに眠っていたが
そのうち手を動かして酸素マスクを必死に外そうとしたり、首を振る。
酸素濃度の数値は、90以上になっているのでそれほど息苦しいはずもない・・。
原因を考えてみると酸素を最大まで出しているマスクからはシューシューと音がして強い風が出ている。
口の中も唇も乾燥して酸素マスクをしている周りは、ひんやりしていた。
看護師さんに言うともう安定してきているから酸素送るのも様子見ながら下げていくねと少し下げてくれた。
少し旦那も暴れなくなった。
夕方になって旦那の次男夫婦が来たので薬を使った経緯と状態を説明して
酸素マスクを時々外そうとするので気を付けるように言って
私は親子の時間を持ってもらおうと思い病室を出て夜食べる物などを買いに出かけた。
ちょうど病室を出ようとした時、旦那が動いてマスクを外した。
次男は「とうさん、マスク外れたら苦しくなるからしてないとだめなんだって・・」と言いながら
おそるおそるマスクに手を掛けて旦那の口元に持っていくのが見えた。
思わず微笑んでしまう光景だった。
息子が心配して今日も来てくれて・・父さんよかったね。
心の中でそう呟きながらエレベーターに乗った途端、涙がこぼれた。
個室の椅子は、倒せば簡易ベットのようになるのでそこで寝ようと思っていたら
看護師さんが毛布や枕を持ってきてくれた。
旦那は、なかなか酸素濃度が上がらず70%を切るところまで下がり
絡んでいる痰を吸引すると少しは、改善されるという看護師さんは旦那に
「ごめんね~痰を少し取ろうね」と言って吸引をする。
呼吸苦と吸引で苦しがる旦那。
鼻から管を入れるので鼻血が出る。
少しは取れたようで一時は、数値も上がるがまだ完全に痰は取りきれていないまま喉はゴロゴロしている。
夜中も酸素濃度が下がると看護師さんが何度も病室に来て様子を見る。
苦しそうに息をしながらも自力で痰を出そうと頑張る旦那。
下がっていく酸素濃度の数値を見てやっぱりもう一回吸引しようかと言う看護師さんに嫌だと首を振る旦那。
「うーん・・吸引嫌だよね・・もう少し様子見ようか」と言い病室を出ていく。
再び、看護師さんが病室に来て「やっぱり上がらないから吸引しましょう」ともう一人看護師さんを連れてきて
私は、ラウンジで待っていて下さいと部屋から出される。
二人がかりで何とか吸引かけて痰を取ったが全部は取り切れない。
が、少し呼吸も楽になったのか酸素濃度は安定し始めた。
旦那も疲れたのか寝ると言うので私も椅子で横になる。
2時間ほど眠ると深夜に交代した看護師さんが心配そうに部屋に来て旦那の様子を見ている。
旦那も苦しそうに手足を動かすのを見て「吸引しますね」と言う。
さすがに息苦しいのか旦那も嫌だと言わず3度目の吸引をする。
血痰なのか鼻血なのかわからない血が管を通る。
そのあとは、しばらく眠ることができたが朝6時頃になって再び酸素濃度が低下し
看護師さんがバタバタと出入りを始める。
「咳をして痰を少し上に出せたら口の中から浅いところだけ吸引かけるから頑張ってみて~」と旦那に声を掛け
旦那は必死に咳払いをして口の中を吸引してもらう。
結局また8時頃には、吸引しないとだめだということになり吸引。
涙目になりながら苦しがる旦那。
息苦しさだけでも辛いところに吸引・・見てられない。
あんまり続けてやると疲れちゃうので少し休みましょうね。と言い4度目の吸引を終える。
朝9時頃になると旦那は息苦しさで声も出せなくなる。
身体を擦っていると両足に紫色の斑点ができている。
おそらくチアノーゼ。
そして5度目の吸引をするが思うように痰は取り切れない。
苦しそうに呼吸する旦那を見かねてナースステーションに行き今日は、祭日で病院休みだからK先生は来ないのかと
昼間担当の看護師さんに尋ねると救急当番になっているからもう少しで来るというので
足に出ているチアノーゼのことを話し、先生に診察してもらって相談としたいと告げる。
友人のFも心配して病院に駆けつけてくれて旦那の様子を見て
「だいぶ苦しそうだね・・先生まだ来ないの?」とFも気をもむ。
11時近くになってK先生が病室にやってきて旦那に声を掛ける。
「息が苦しい?」と聞くと苦しそうに頷く旦那。
「どこか他に痛むところはある?」と聞くと首を横に振る旦那。
旦那の身体をあちこち触りながら足を見て「うーん・・」としばらく考えて
「息苦しいね・・少し眠るお薬使うよ?いいかな?」K先生が聞くと旦那は、頷く。
薬の指示を看護師さんにしてK先生は病室を出て行く。
私は、苦しそうに息をする旦那に話しかける。
これが旦那と話す最後かも知れないと思うと涙が止まらない。
涙声になりながら「眠るお薬使ったらもう苦しくなくなるし、痛い吸引しなくていいね」
旦那は、苦しいながら必死に目を開けて私の顔に手を伸ばす。
が・・伸ばした手を支えていられず、声も出せない。
私は、ずっと旦那の手を握って泣いた。
30分程して看護師さんが点滴台に大きい注射器が横になって付いている装置を着けた。
その注射器から薬(ミダゾラム)を1時間単位で徐々に注入するようになっていた。
意識状態や呼吸苦の状態を見ながら薬を調整していくらしい。
注入が始まって間もなく旦那の呼吸が静かになって目は別のところを見ているようになって閉じた。
先生が来て「私の声聞こえるかい?」と声を掛けるとうっすらと目を開けて小さく一度だけ頷いた。
これで父さんは、もう苦しい思いをしなくて済むんだと思う反面
こんな状態になってまで生きたくないと言っているような
苦しくても感情を伝えられるままで死にたかったと思っているような
そんな気がして心が痛んだ・・
薬を使ったあとの旦那は、2時間ほど静かに眠っていたが
そのうち手を動かして酸素マスクを必死に外そうとしたり、首を振る。
酸素濃度の数値は、90以上になっているのでそれほど息苦しいはずもない・・。
原因を考えてみると酸素を最大まで出しているマスクからはシューシューと音がして強い風が出ている。
口の中も唇も乾燥して酸素マスクをしている周りは、ひんやりしていた。
看護師さんに言うともう安定してきているから酸素送るのも様子見ながら下げていくねと少し下げてくれた。
少し旦那も暴れなくなった。
夕方になって旦那の次男夫婦が来たので薬を使った経緯と状態を説明して
酸素マスクを時々外そうとするので気を付けるように言って
私は親子の時間を持ってもらおうと思い病室を出て夜食べる物などを買いに出かけた。
ちょうど病室を出ようとした時、旦那が動いてマスクを外した。
次男は「とうさん、マスク外れたら苦しくなるからしてないとだめなんだって・・」と言いながら
おそるおそるマスクに手を掛けて旦那の口元に持っていくのが見えた。
思わず微笑んでしまう光景だった。
息子が心配して今日も来てくれて・・父さんよかったね。
心の中でそう呟きながらエレベーターに乗った途端、涙がこぼれた。