住職の独り言

~ご縁に触れて~

先哲の言葉

2018年01月07日 | 独り言

刑務所に入っている人は、外の世界を娑婆と言います。

娑婆といわれるこの世は、我われの煩悩によって穢されているので、

穢土(えど)とか、堪え忍ぶ世界として忍土とも言われています。

それに対して清浄なる世界を「浄土」といわれています。

また、この世は煩悩によって自他共に苦悩している、

その最たる境界を極苦処(ごっくしょ=地獄)というのに対して、

極楽浄土といわれています。

浄土についての定義は、宗派によっていろいろありますが、

親鸞聖人は徹底して阿弥陀の本願に報いた世界だということを言われます。

阿弥陀の本願に報いた世界ということは、

人間の願いに応じた世界ではないということです。

人間の願いは、いかに純粋な願いだといいましても、

突き詰めていけば欲望の延長です。

自分にとって都合のよい世界を願っているにすぎない、

と言っても過言ではないと思われます。 

(曽我量深)

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