ダメオタRの徒然雑記

ダメオタRankeが大好きなアニメ・漫画・ゲームの感想を、「“良かった”探し」をモットーにつらつらと書いていきます

感想:SHUFFLE! 第21話 「気持ちの行方」

2005-12-09 17:37:08 | SHUFFLE!(了)
少年は、少女に生きてもらうために。少女は、己を生き返らせてくれた少年に報いるために。それは、決して終わりに近付くことのない足踏み。たとえ辛いと解っていても、踏み出さなければならない一歩。それが新しい自分の始まり──

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 楓を許す、或いは楓に無理矢理にでも前進させるために背中を押す、のどちらかで話に決着を付けるかと思いましたが、見事に両方ともやってのけました。
 稟を害していた事に対する後ろめたさから自分の気持ちを言えない、言う資格が無いと思っていた楓も、プリムラ、亜沙、そして稟に後押しされる形で、自分の素直な気持ち──稟に尽くしたいであるとか、申し訳ないという気持ち抜きに好きである──を稟に言うことが出来た。稟が芙蓉の家を出ていくことで、宙ぶらりんになりかねなかった楓の気持ち、その行方は、ようやく本来の持ち主の元へ還ったということだろう。

◆家族として
 第1話からずっと描かれてきた二人+プリムラの疑似家族生活。それを続けたかったのは、稟と一緒にいたいから──理由はとても単純かつ自分本位だったかも知れないが、そこにあった笑顔は、その楽しさは本物だった。それはきっと幸せだった。
だからこそ稟は、己の中に想い人を見つけてかつ、楓の事を好きであるとはっきり言うことができた。同い年の幼馴染みだからでなく、あの日以来、今までずっと尽くしてもらったからではなく。例え血の繋がりなど無くても、自分にとって一番大切な『家族』なのだから。当人同士以外に自分の本音を伝えられるのは、家族だけだから。恋人でなくても、愛し、愛される事ができる関係──家族。それを伝える事が、稟に出来る、楓への感謝の精一杯だったのだろう。


◆素直な心で
ファンにとっては美談に聞こえる稟と楓の過去の物語だが、やはり人が人として、自分の足で立って自分の人生を生きていくには、誰かに依存したままでは、そして自分という人間が何者なのかをしっかり省みないままでは、いつかきっと何かしらの形で破綻しただろう。楓は、自分の罪滅ぼしの気持ちと、稟の事を愛する気持ちをわざと一緒くたにする事で自分の気持ちを誤魔化し続けた。稟への依存、執着、それを相手に迷惑にならない形で実現させるには、罪滅ぼしとして相手に尽くす事が最適だった。楓が自分で言ったように、それは「ずるい」考え、行為だったかも知れない。でも、それは弱い自分の心が招いた弱い考え。自分のしてきた事を考えると、その弱い考えを選ぶ事しか、楓には残されていなかったのだから。
自分の本当の気持ちを包み隠したまま、己の中で永遠に償われる事のない罪を償い続ける事、それが楓の選んだ道。稟は、その不毛な償いを止めさせたかった。止めさせなければならなかった。だからこそ、家を出ることを決めた。償う相手が居なくなること、それが楓の贖罪の終わり、楓への許しだから。
償う方も、償われる方も、どちらも本音を言えずにいた。それが今回の事態を生んだ。だからこそ、前に進むためにしなければならないことは、自分の気持ちを素直に伝える事。そしてついに、それが出来た二人。
いつかきっとこの時を、悲しい記憶としてでなく、大切な思い出として笑って話せる日が来るだろう、そう思わせてくれるクライマックスだった。






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7 コメント

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なんだか…… (KURE)
2005-12-09 19:24:28
私も今回の話しはまとまってて、良い展開だったと思います。



だけど公式サイトとか、亜沙叩き、稟叩き、スタッフ叩きが始まってるみたいです(苦笑)

別に、亜沙も稟も行動に特におかしいところはないと思ったし、脚本もそう悪くないと思いましたけどね。かえって前2回に比べて無難にまとまってて、もっと波風たってもいいと思ってたくらいだったんですが。

まあ、叩いてる人のほとんどは「亜沙エンドが気に入らない」というだけのことで適当に理由つけてるだけっぽいので、あまり気にしても仕方ないとは思うんですが(苦笑)

あんまりこういう意味も実りもない揉め事は早く終わってほしいなぁと思います。

しかしまぁ、亜沙好きの人が結構落ち着いてる人が多いのが救いでしょうか?(笑)
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公式というものは (Ranke@管理人)
2005-12-09 20:19:03
原作サイトにあるオフィシャル掲示板というものは得てして荒れるものですし、

それを解っている人も大勢いるでしょうから、気にする必要はないでしょう。



それにしても、この3回は本当に色々な意味で凄かったですね。計4話を費やした

プリムラ・リコリス編よりよっぽど強く魅入ってしまいましたよ。開始当初は、

SHUFFLE!世界の設定に強い繋がりのあるネリネ・プリムラ・亜麻・亜沙らが

話を引っ張るものだと思ってましたが、そんな世界の設定よりも、人間同士の

繋がりを重視して、ドラマをほぼ描ききった構成担当の方を素直に尊敬します。

言うなればラノベ的な、世界観・設定を楽しむのが基本のSHUFFLE!で、その

設定をかみ砕いた上で、必要な設定を出しつつ新たな人間関係の構築や人としての

成長を描くというのは、やろうと思ってもそう簡単に出来ることではないと思いますし
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20話はなかったことにして欲しい・・ (ゼク)
2005-12-09 22:18:36
今回のような内容では叩かれても仕方がないでしょう。

楓の立ち直り方に無理があると思います。

あんなに追い詰められていたのにあっさりし過ぎている。

そもそもあそこまでする必要があったのかも疑問です。

亜沙エンドが気に入らないという気持ちもわかります。

ことわっておくと、放映当初は、楓の尽くしっぷりが鼻につき、亜沙エンドを希望していました。

が、20話の稟と亜沙の、楓の異常なまでのスルーっぷりに愕然とし2人に対しかなりの嫌悪感を覚えました。

脚本と演出の連絡不足のように思えてなりません。

亜沙先輩ファンだった者として、このような事になってしまったのは非常に残念です。



19話時点ではDVD買おう!と興奮していましたが(汗)、

もうどうでもよくなってしまいましたよ。
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えーと (Ranke@管理人)
2005-12-09 23:06:20
ゼクさん初めまして……かな?コメントありがとうございます。



一応、この3回に賛否の賛を付けている自分には、否定的コメントにはどうも

反応しづらいものがあるんですが、ゼクさんの気持ちも解らなくはありません、と

書いておきます。

私はアンチ意見に対抗するために感想を書いてる訳じゃありませんので。

自分の中にだって似たようなアンチ意見もあります。その上であえて肯定的な

感想を書いているということをご理解ください。





ですが、前回コメントしてくれた人もそうでしたが、最後の2行だけは余計です。

そういう超個人的な意思表明は、チラシの裏にでも書いておいてください。
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まあ、否定的な意見は…… (KURE)
2005-12-10 01:01:21
反応してても仕方ないですし、水かけ論になるので何も言いません。揉めて管理人のRanke様にご迷惑になってもいけませんので。

ただ、ここは調べてコメントされておいた方がよかったという点がありましたので記述しておきます。

19話と20話の脚本は同一人物が書いています。演出は違いますが、物語の流れ、セリフは脚本に記述されているものですから「連絡不足」という評価は一方的すぎるかもしれません。

あと、別人が書いてて名前だけ貸したとか、そういう真相のわからない反論はしても意味がないので、しないようお願いします。



まあ、確かに20話は描写不足ではあるんですが……かえって、一人で脚本を書いたために、脚本家の頭の中で理由付けがされてしまって、脚本にうまく表現されなかった可能性はあります。
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Unknown (ゼク)
2005-12-10 23:54:31
サイト運営方針をよく読まずに発言をし、

気分を害させてしまい申し訳ありませんでした。



ただ、前話でコメントした人のものを読みましたが、

>最後の2行はチラシの裏にどうぞ

こういう事はわざわざ口に出して言わないで流せばいいのでは。



取り敢えず自分は印刷に失敗したレポートの裏にでも書いとこうと思います。

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Unknown (Ranke@管理人)
2005-12-11 00:21:05
うーん、自分の心の中には、騒いでる人達と一緒に祭りたがってる自分も確かに

いるんですよ。感想とか考察読んで管理人を真面目人間と思う向きもあるかも

しれませんが、実際はアニメオタクですし、2chのアニメ板に出向いては

こっそりスタッフを叩いたりもしてます。だから、ブログのような表ではそういう

面を出さないようにしよう、と思ってこういう文章傾向になってるんです。

不買を宣言するとか、スタッフが糞とか言ったりするのは、表ではやらないでね、

ということであえてチラシの裏という表現にしました。まぁ、今回に限っては

ちょっと書き方がきつくなってしまいましたが。とりあえず、まだまだ自分の

自制の仕方が不十分だったなと気付かせていただいたので良かったです。

コメントありがとうございました。また別の感想にもコメントを頂けると嬉しいです。

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