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臺灣の私休(その2)1913年7月20日

2016年12月10日 | 臺法月報
臺灣の私休 (其二)

姦通せしものに對しては断髪、灌尿、割耳、罰戯等の制裁あるは前號已載の如くなるが、尚ほ珍奇なる實例あるを以て其一を茲に紹介すべし、先年一盲人、肥餘なる上田を所有せしに目明なる人の赤痩殆ど不毛に近き下田と詐り換へられたりとて、之が囘収の訴を臺南法院に提出せり、始め盲人は、詐取せられたる業は己れの祖先より傳來せし如く申立居りしも、審理進むに従つて包むに由なく、遂に實を吐くに至れり、即ち原告たる盲人の未だ盲せざる以前、被告の妻某と密かに通じ居りしが、阿漕が浦に引く網の何とやら、遂に被告に發見せられ、捕らへられ両眼を刳り脱かれたるものなりと云ふ、原告自身は其地古来の私休なるを念ひ且つ己れの惡きを悔ゐ断念して默し居りしに親族故𦾔共餘りに私休の殘酷なるを鳴らしめ初め被告に談判せしに、被告も事の公にならんことを恐れ、自己の所有する上田と原告所有の下田と交換し、且つ檳榔を送り謝罪して事済みたり、然るに被告は原告の盲なるを奇貨として、口頭にて交換し了したる如く言ひなして其實交換の手續をなさざりし爲め此訴訟を提出せしものなること判明せりと云ふ、實に奇珍なる訴訟にて到底内地人の想見し能はざるものと云ふべし又た昔臺南の何某好淫にして常に人の妻と通ず、故に人々蛇蝎の如く嫌厭し爪弾きし居りしに、或時復た他人の妻と通じて其夫に發見せられ捕へられて日中馬背に縛せられ、臺南市中を牽廻はさら赤恥を晒したりと云ふ、斯事餘り信ずべきことならねども且らく所聞を記して参考に供す。
飼牛、飼羊其他鶏鶩等の飼養動物、若し他人の田園に入り作物を踏荒らしたるときは其業主は牛又は羊を捕へて打懲らし、又は自宅に牽き來りて縛し留む、物主之が囘収に來らば、相當の損害賠償を取り謝罪せしむ、又物主曩(さき)に金餞を田主に貸與しありたる場合、卽債権責務の關係ありたる場合は債務者たる田主は此機乗ずべしとなし、損害高及牛羊の代價に見積り、牛主に向つて曩日の債務を棒引きにせんことを強請する等狡猾なる輩ありと云ふ
鶏、鶩、鵞等を搾取したるもの、常業者なれば公けにすること無論なるべけれど、鋤鍬を肩にせる耕転の帰路、塒に迷ひたる鶩一羽、畦(けい)畔(はん)に蹲(うずくま)り居るを見、時は黄昏なり人亦見えず、處は屋裏竹圍の外、不圖不良の心を生じ、私かに捕へて家に歸りし等は、實物若は相當の代金を返戻して謝罪せしむ謝罪は必ず檳榔を其近隣に配るものとす。

臺法月報第七巻第七號  1913年7月20日
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