心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

ヴォーリズ建築を訪ねて

2017-06-16 21:35:10 | ウォーキング

 美術講座で水彩画のお勉強を始めました。小中学校以来、お絵描きの世界とは縁がありませんが、なんでも挑戦してみようと、画材を揃えて授業に臨みました。入門的な講義を聴いたあと、まずは鉛筆で自分の手を描いてみる。次に、持参したモチーフを描いてみる。理屈ではなく、描く対象と真正面に向きあって感じたままを描く.....。なんとなく面白くなってきました(笑)。この秋から、ご指導いただいた先生の水彩画教室に通ってみることにしました。だめですねえ。関心が次から次へと広がってきて(笑)。
 絵を上手に描くことはできなくても、絵を観たり、歴史的な名建築を体感するのが好きな私です。今月の街歩き企画は「ヴォーリズ建築」をテーマに、兵庫県西宮市の関西学院大学と神戸女学院大学におじゃましました。
 まずは関西学院大学の上ヶ原キャンパス。ここには時計台をはじめヴォーリズ設計の建物が16棟もあります。そのコンセプトは「赤い瓦屋根とクリーム色の外壁を特徴とするスパニッシュ・ミッション・スタイル」でした。
 時計台2階の大学博物館におじゃますると、窓の形がいかにもヴォーリズらしく、また、窓ガラス自体にも趣きがあって、古き良き時代を彷彿とさせます。過去何度かおじゃましたことのある大学ですが、いつ来ても素晴らしいキャンパスでした。ちょうどこの日は、ランバス記念礼拝堂で結婚式が行われていました。
 関西学院大学の正門を出てしばらく歩くと、神戸女学院大学が見えてきます。実は7年前、東京出張の折に空き時間を利用して、エッセイストの須賀敦子さんが学んだ聖心女子大学を見学に行きましたが、正門で守衛さんに制止された苦い経験があります(参考:2010年1月31日付記事「有栖川記念公園界隈」)。もちろん今回は事前に見学の申し込みをさせていただきました。
 案内パンフレットによると、神戸女学院は、神戸山本通からこの岡田山キャンパスに移転するにあたり、1929年、新校舎の設計をヴォーリズ建築事務所に委託しています。ヴォーリズの妻である一柳満喜子が神戸女学院ピアノ科の1期生だったこともあり、ヴォーリズは特別な思いを込めてキャンパス全体の設計にあたったのだそうです。
 その設計思想は、「美しい心を育むための品格ある建築」「建物それ自身が生徒の上に積極的影響を及ぼす」ものだったとか。「学舎が教育する」というヴォーリズの思想が、神戸女学院のリベラルアーツ教育の理念と合致すると謳っています。
 図書館、総務館、文学館、理学館に囲まれた内庭、そして礼拝堂、講堂。そして廊下と階段。どれひとつとっても、ヴォーリズらしい心配りが感じられる温かみのあるキャンパスでした。
 12棟の建物が国の重要文化財に指定されています。戦時中には、校舎を徴用されたり、調度品に用いられた鉄類を供出させられたり、焼夷弾の被害を受けたりもしたそうです。近年では阪神大震災でも被災しましたが、その都度改修を重ねてヴォーリズ建築を守り、それを教育の場として今も活用されています。そんな大学の姿勢に好感をもちました。素晴らしい大学でした。
 若い頃、オックスフォード大学、ケンブリッジ大学、バーミンガム大学、ロンドン大学、ローマ大学、ナポリ大学、ジュネーブ大学、ハイデルベルク大学、ゲーテ大学、パリ大学ソルボンヌ校などを、急ぎ足で巡ったことがあります。広大なキャンパスにある大学、街の中に溶け込む大学、様々な大学の在り様を見て回りましたが、どの大学にも確固とした設計思想がありました。ちなみに、今秋計画しているカナダ・アメリカ旅行では、ハーバード大学、マサチューセッツ工科大学にも立ち寄る予定です。 

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