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らー麺の創造 つけ麺岡崎

2005-05-07 11:12:24 | ラーメン店調査 (46~50点)
名店「中本」の味を継承すべく日夜、味の向上に励んでいる「岡崎@大山」が、パブ「音痴貴族」のママとともに「つけ麺専門店」としてプロデュースした新店。店舗そのものはパブ「音痴貴族」をそのまま使用しており、ラーメン屋としてつけ麺を提供するのは平日は昼間のみ。夜間はパブに逆戻りし、つけ麺を食べることができなくなってしまう。ひとつで2つの顔を持つ怪店だ。

よって池袋近隣以外を職場とする勤め人にとって、この店のつけ麺を食することができるチャンスは、終日「つけ麺岡崎」として営業する土日に限られてくるわけである。なかなか厳しいハードルかも知れないが、是非とも困難を乗り越えて食べに行ってほしい。知る人ぞ知る店といった状況である今がチャンスだと思う。とりわけこの店は「塩つけ麺」という、まだまだ醤油味が主体のつけ麺業界にとっては斬新かつ稀有なメニューを提供しており、これは食べる価値がある逸品だ。

メニューは、前述の「白」と呼ばれる「塩つけ麺」、および「黒」と呼ばれる「醤油つけ麺」、そして1日10食の限定メニューである「石焼味噌つけ麺」の3種類。いずれもつけ麺独特の酸味を使わずにつけ麺を表現しようと試みた意欲作であり、そのチャレンジは、私が食した「白」に関して言えば見事に成功していると言っても良いだろう。

「白」「黒」ともに800円で本体である「つけ麺」のほか、小ライス、辛味、甘味の3品のうちいずれか一品を自由にチョイスすることができる。ほんの50円増しで麺の盛りを「中盛」へと変更できる価格設定もお得感が強い。

私は、「白」の中盛を小ライスのトッピングでいただいた。ボタンエビなどの海産物から抽出されたつけダレは、豚の豊潤な旨味成分に後押しされ、それ自身に明確な主張があり力強い輪郭を併せ持っているが、舌触りはほんのりと甘く優しい。つけダレにありがちな押しつけがましい魚介の味は影を潜め、あくまでも塩が主役、その他の具材は脇役、といった具合にそれぞれの持ち場をきっちりと守っており、互いが互いの領分を侵すことはない。この絶妙なバランス感覚にはただただ感心するばかりだ。薬味として付いてくる柚子やゴマや紫蘇を少しずつ投入すれば、つけダレの味は刻々と変化し、わさびを少し入れれば味が引き締まる。

通常のつけ麺においては決して選択されないであろう薬味を自分の好みに応じて使用する「岡崎」ならではの楽しさを満喫してほしい。このようなつけダレに組み合わせられる麺も、流石はつけ麺専門店を名乗るだけのことはあって、タレと最大限に絡み合うよう細心の配慮がなされている。つけ麺一本に絞り、全力投球で勝負しようとするママの意気込みが見えるような名作であり、舌鼓を打つことは必至。

「白」の評価であるが、麺:11点、スープ:17点、具:4点、バランス:8点、将来性:8点の合計48点といったところだろうか。

特に「白」のつけダレはライスとも極めて相性が良く、つけダレを口に含んだままライスを放り込めば、きっとこれまでに体験したことのないような旨味を味わうことができるだろう。池袋における新店の中では極めて有力な店であることに間違いないだろう。強くお勧めしたい。


所在地:池袋
実食日:04年2月

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