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麺屋武蔵武骨

2005-05-07 11:39:38 | ラーメン店調査 (46~50点)
麺屋武蔵(新宿)」の「武蔵青山(青山一丁目)」、「麺屋武蔵二天(池袋)」に続く4店舗目の店。これまでの店は、魚介醤油スープで統一されていたが、今回の「武骨」は豚骨魚介をベースとしたスープに挑戦している。麺屋武蔵の非凡なところは、それぞれの店舗が新宿本店の支店ではなく、あくまでも、独立した個性あるコンセプト・チェンジになっているところ。

「武蔵青山」は、「麺屋武蔵」よりもスープが濃厚でわかりやすい味になっており、「二天」は豚肉と玉子の両者を天ぷらにして供することに独自性がある。そしてここ「麺屋武蔵武骨」はスープを従来の魚介醤油ではなく豚骨魚介にチェンジし、新機軸にチャレンジしている。

メニューは、あっさりした豚骨魚介スープの持ち味をダイレクトに活かした「白」、それに辛味を加えた「赤」、そして、イカ墨の油でコッテリ感を演出した「黒」の3種類。プラス100円で味付玉子がトッピングされるシステムは「麺屋武蔵」譲りであるが、味付玉子が半熟温泉玉子になっている。意外だと思われるかも知れないが、半熟温泉玉子は武蔵系としては初の試み。ちなみに価格はデフォルトの「白」「赤」「黒」でそれぞれ700円であるが、チャーシュー麺になると1,100円にまで跳ね上がる。これは私の個人的な感覚なのかも知れないが、いくらチャーシュー麺とはいえ、1,000円を超えてくる価格設定はいささか高すぎるのではないかと思う。ここのチャーシューは角煮のような、肉厚ではあるが柔らかくとろける煮豚であることがウリであり、それなりの価格をつけなければならないことは理解できるが、それでも1,100円という価格設定には疑問を抱かざるを得ない。

平日金曜日の19時過ぎに現地に到着したが、その時点で行列は30人程度。並んでいる間にも次から次へと人が集まり、行列が後ろへと延びていく。2003年12月にオープンしたばかりの新店であるにもかかわらず、ここまでの行列を作る店は、たとえ旨い店であってもあまりないことである。武蔵ブランドの成せる業なのか、それとも上野御徒町という立地の便がこれ程までの客を呼び寄せるのかは解らないが、いずれにせよ、たかだか1ヶ月前にオープンした店とは思えないほどの盛況ぶりである。40分待ちで店の入口まで到達し、券売機で味玉らー麺を購入する。サイドメニューとして武骨飯(200円)もオーダー。

「武骨」のシステムはいささか変わっており、券売機で購入する食券はあくまでも「味玉らー麺」、「白」や「黒」や「赤」などの属性が付いていない。食券購入後の店員からの「何に致しますか」の呼びかけに応じて希望のメニューを口頭でオーダーすることとなる。客のオーダーは、大きく「白」と「黒」にわかれるが、私としては、まず「武骨」の味の基本となる「白」をお試しすることをお薦めしたい。

他ならぬ私も「白」をオーダー。スープは典型的な白濁した豚骨魚介系であり、新奇性やオリジナリティがあるとはお世辞にも言えないところであるが、動物系の豚骨スープと魚介スープとのバランスがとれていて、旨い。食べ始めは魚介類の香りが鼻を突くが、食べ進めていく間にそれほど気にならなくなってくる。とりわけ豚骨魚介のスープは、豚骨というクセの強い素材と同じくクセの強い素材である魚介類とが互いに喧嘩をして、非常に食べにくいスープになってしまうケースが多いのだが、「武骨」についてはそのような心配はない。

清涼感溢れる青ネギをアクセントにしたことは良い。絶妙な箸休めとなる。コシが強い太麺は、スープの持ち上げも良く、最後まで美味しくいただけるであろう。具のチャーシューは、角煮として考えた場合、さほど旨いとまでは言えない。

麺:11点、スープ:15点、具:3点、バランス:8点、将来性:9点の計46点。

「大喜」を除き、これといった名店が不在であった上野界隈としては、貴重な一店舗になるだろう。上野のフラッグ・シップともなり得る貴重な戦力だ。が、現段階においては未だ「麺屋武蔵」本店と肩を並べるにはやや力量不足といった感が否めない。完成度は高く、評点からもお解りのとおり決して悪くはない店なのであるが、あと一歩突き抜ける要素がほしいところではある。


所在地:上野御徒町
本店:新宿。青山一丁目、池袋にも支店あり
実食日:04年1月

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