LOVE AND GLORY

-サイキックの眼-

虐待と情け

2016-08-28 20:03:04 | サイキックの眼

     

虐待と情け


重いタイトルですが、お話ししたいと思います。

ご相談を伺いますと、物心ついた時からずっと…精神的に身動きがとれない状態の生活があった、という家庭に育った人が多い。
それに気付いていなくても、大人になれないまま…幼少期から時間が止まったままの人生を過ごしており、前に進めず、引きこもり、鬱状態が続いている。
どの人もそうですが、自分の家庭環境しか知らないワケで、ましてや…親の細胞と性格と毎日の生活パターンから育むものなので、その環境に似合った心身に成長をしてゆく。
生活環境プログラミング?と、環境経験値で成長してゆく。
なんか人口知能のロボットの説明みたいだが(笑)、まぁ全く同じです。
ペットだってそうだ、いっしょに居るだけで飼い主に似てくるのだから。

どういった生活があったのか?
何が?あったのか
何が、起こったのか。
どんな出来事があったのか…
何を言われたのか
何を見たのか
誰に何をされたのか
その時、あなたはどうしたのか?

その事例の数たるや、ここでは書ききれそうもありません。
時代の流れからか、何の境遇なのか、なぜ逃げることばかりで、その時々に解決出来なかったのか、してこなかったのか?

問題が山積みなのです
なのに、なにも解決しようとしない
見て見ぬフリ
どうしようもない
まるで、夏休み最後に日に、全く手を付けてない宿題が山積みの状態。

嫌なものはやりたくない
笑!そうでしょう~そうでしょう
嫌なんですよね
それにめんどくさい、見たくもない、大嫌い!
何もかもが嫌々、どうしようもない。
でも生きて行かなければならない。

何が嫌になるんだろう?

そんなの決まっている、『 愛 』 が無いんだよね。
最初っから無いんだよね…
だから、どこまで行っても、多少努力したとしても…無意味に終わる。
ずっと無い
ずっと先祖をさかのぼってみても…無いの。
社会的タテマエが在って、そこに納まっているだけで、生きてはいないのよ。
タテマエに納まって、黙って食っていけたら良いだけ。

だから、諦めるコトを子供に教える。
諦めろ!我慢しろ!言うことを聞け!生意気なコトを言うな!
我々大人だって我慢しているんだ!
そうだ、親も我慢しているんだから、子供はもっと我慢しなきゃ。
ブチッ!怒
いいや…もう我慢の限界だ!子供のクセに生意気な!!
黙って言うコトを聞け!!

誰だって愛されたい、愛したい。
それを感じ合って、仕事をしたいし、
飯も食いたいし、疲れて愚痴も言いあいたい。
誰だって信頼されたいし、信頼したい。
生きて行く為の苦労と社会の怖さを乗り越えていきたい。
その、生きる強さが欲しい、育みたい。

だが、虐待は…その逆の道を行きます。
生きる為の強さを育むのではない…逆の道。
生きる苦しみ、怖さ、辛さを、家庭内でぶちまける。
自分の弱さを、家庭内の弱者に向けるのが虐待。
虐待は、弱さの共有を強いる方法なのだろう。
虐待も体罰も、弱さの恐怖に耐えられず、共有を強いるのだろう。

色んなケースを伺っていると、虐待の背景にあるものは様々です。
無視、無言の虐待だってあるし、
異常なまでのコントロールを強いてくる親もいる、
そして、親自身が自分の身を社会から守る為なら、子供の身などどうなってもいいと言うような事象は…多く見受けられる。
或いは、子供をペットのように餌で餌付けさせて、社会不適応な状態にさせる虐待だってある。

20代、30代、40代、50代、60代~
虐待経験のある人は、どの年齢層にも、いつの時代にもあります。
虐待のある家庭には、生きる為の愛は存在しません。
あるのは…
自己嫌悪、将来不安、対人不安、社会不安です。
生きる弱さ、生きてはいけぬ弱い精神を叩き込まれているのです。

ですが、多くのご相談者の話しを伺っていると、ヒトツの共通点があるのです。
それは、虐待してきた側に 『 情け 』 『 情(じょう) 』 を持っている。
つまり、「 愛情 」
「 愛 」 と 「 情け 」 がバランス良くあるのではなく…
「 愛 」 と呼べるものが見当たらない分、「 情 」だけに偏っている。
つまりは、「 情け 」 情けをかけてやり、情け深いコトが愛情であり親子の絆であり、「 情(じょう) 」 となっているようです。

解りやすい例として…
昭和の演歌の歌の歌詞によく使われている
「愛は実らずとも、情けは深く」 みたいな感じ。

実際に、虐待を受けてきた方は、対人恐怖症であり、相手を愛すると言う感覚は乏しい。
その代り、情を感じやすいのです。
親を許そう、許してやろうと必死になって尽くしている方もいる。
不幸せな親を大事にしてやらなければ…と、情を持とうとする。
情け深くなるのみ。

生きて行く為の強い愛情、信頼関係なんて…どこにも無いのです。
情け…、お情けしか無いのです。

その結果は… 「かわいそうに」と言う結果しか残りません。


虐待に遭われてきた方へのアドバイスは、生きる為の強さをを身につける。
得意分野であるとか、身体全体で成長し直せるモノに取り組めるように勧めています。

それでも…最初は皆さん、決まって、虐待してきた弱い親に寄り添うことから離れないんです。
愛なんて無い分、情に浸るのです。
 
 
サイキックの眼  ヤマモト・コージ