印鑑の楽善堂 四代目店長 平澤 東のブログ

東京 八王子 印鑑文字工房 楽善堂の店長が印鑑や文字の魅力を語る

判読できない印鑑の文字 「印」

2009年06月20日 | 印鑑の文字
印鑑 八王子 楽善堂
──── 八王子で印鑑を作り続けて110年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

前回に続いて「判読できない印鑑の文字」について書いてみます。

接客をしていて、「この字はなんて書いてあるの?」とお客様から聞かれることがあります。その中で頻度の高い文字をシリーズでご紹介したいと思います。篆書(てんしょ)で、楷書からかけ離れていると、判読できない、または判読しにくい字。ということになります。

今回は「印」の字です。篆書だとまるで変わってしまいますね。以前にもご紹介しましたが篆書は同じ文字でも数種あります。今回の「印」の字も「篆刻字林」には多くの文字が出てきます。前回の「之」と同様に会社の角印によく使用されます。
下段に3列ある中で真ん中の行の一番上の「印」と一番下の「印」は、偏(へん)と旁(つくり)で左右に分かれているので、判読し易い字になっています。
ところが、右列の一番上の「印」だと左右に分かれていた部首が、上下の配置になったので「印」とは読めなくなりました。漢字は組み合わせの部首が同じなら、配置位置が変わっても同字という場合がままあります。嶋・嶌・島などです。会社の角印の左下にある文字が読めない場合、たいていは「印」の字です。


▲「篆刻字林」より抜粋

「印」字、会社の角印でなく個人の実印で場合によって使うことがあり、苗字が2文字以上でしかも画数が多い、しかし下の名前は1文字で画数が少ない、こんな場合です。例えば「齋藤 正」さん、「加賀美 一(はじめ)」さん、といった場合です。苗字と名前で右行、左行に分けるので、左行が明らかに過疎状態になります。そのため「印」の字を入れてバランスを取ります。役所に確認したら、印鑑登録の際、姓名以外に入れてもよい文字に「印」「章(印と同じ意味)」があります。

印鑑の文字は「バランス」です。日々、お客様からいただいた仕事の中で、どうすれば格好のよいバランスの良い印になるかをまず考えております。



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