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福島原発 に関する 私的見解

2011年04月14日 | 日記的内容

前提として、結局何が正しいと思うかは自己責任で判断すべきものです。その上で、今のニュースを見ていてあまりにも嘘が多い気がしてならないので素人なりに調べてみました。うちには0歳と2歳の子供がいるので本当に無視できない問題です。緊急時なのでリンクの許可などは取っていません。クレームが付いたら削除します。

私はそもそも警察行政のシステムなどを見ていて、国の発表などには懐疑的な人間ですので、福島の原発からの放射性物質の飛散(現時点では放射性ヨウ素(I-131)と放射性セシウム(Cs-137)くらいしか着目している余裕がありませんが)に関しては、ニュースで「安全安全」を繰り返すのを見る度に、むしろ危険ではないのかと疑って見ていました。

ネットに出回る情報には色々ありますから、一応自分なりに信頼性があると思われるソースまで行き着いたものを信じる事にしました。現時点での私の考えは以下の通りです。

1.飲料水内の放射性ヨウ素の基準を、政府は大人300Bq/L・乳幼児100Bq/Lと言っているが、WHOの平常時基準は10Bq/L、緊急時でも100Bq/Lだ。十分危険ではないのか?

ソースの行き着く先が同じなのは許してもらうとして、ソースの一部が以下の通りです。
「(大嘘)放射性物質の暫定基準値が「国際的に見て厳しい値」、そしてさらに基準緩和する方向で検討:http://www.trend-ai.com/wordpress/?p=1276
「放射能暫定規制値の改悪を許すな!」:http://homepage3.nifty.com/ksueda/youso2.html
「WHO飲料水水質ガイドライン」:http://whqlibdoc.who.int/publications/2004/9241546387_jpn.pdf
(230ページからの表9-3の131Iを参照)

最初のリンクが一番わかりやすく解説してくれていますし、ソースもしっかりと引用していますね。

つまり「原子力安全委員会」が3月17日になって発表した暫定規制値というのは、WHOの平常時基準の30倍、緊急時(原発事故や核戦争、テロなどの非常時)基準の3倍です。これのどこが「安全寄りの基準」なのでしょうか?

ちなみにソースに行き着けない未確認情報としては、飲料水内の放射性ヨウ素の基準は、ドイツでは0.5Bq/L、アメリカでは0.11Bq/Lとされていて、WHOの平常時基準は、発展途上国が放射線管理区域扱いにならないように最初から少し甘めの設定という噂もあります。ソースに行き着いていないので半信半疑ですが、原子力安全委員会の話よりは信用してしまいたくなりますね。

2.野菜の暫定規制値である2000Bq/kgなんて、最初から平常時の基準を大きく緩和しているのに、これ以上緩和してどうする?しかも茨城県のホウレンソウの値は、洗浄後に計測した数値で5万4千ベクレル/kgなんてのが出てしまっているぞ?

これに関しても勝手にリンクを貼らせていただきますが、食物に関しても国際基準ではヨウ素131は100Bq/kgが普通のようです。
http://www.trend-ai.com/wordpress/wp-content/uploads/2011/03/7c490b2bdcd1be3f4d90bc06408b6569.jpg

ヨウ素に限定せず、放射性物質全体の輸入時の許容量は370Bq/kgです。
http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/09/09010407/05.gif

ヨーロッパの基準値が高めなのは、チェルノブイリ事故で飛散した放射性セシウム(半減期30年)などが今も残っているので、基準値を高めにしないと輸入できる物が激減してしまうという事情があるようですね。それでも1000Bq/kgを基準としています。そういう意味では370Bq/kgという日本の基準はタイやカナダに準じて「厳しく安全寄りの数値」だったのでしょう。実際にこれを超えたイタリア産のキノコなどを輸入禁止にした例もあります。

なのに何で国産の野菜が2000Bq/kgまで安全と言い切れるのか?さらにそれを緩和しようとする流れを作ろうとしているのは何故なのか?

で、茨城県産のホウレンソウの値についてなのですが、ソースはこれ
http://mainichi.jp/area/ibaraki/news/20110321ddlk08040036000c.html

ニュースのソースは時間が経つと消える事があるので一部抜粋「県によると、高萩市でハウス栽培されたホウレンソウは1万1000ベクレルと暫定規制値の5・5倍を検出。また、露地栽培のホウレンソウからも日立市で5万4100ベクレル(規制値の約27倍)、常陸大宮市で1万9200ベクレル(同約10倍)が確認された。県西の古河市で4200ベクレル、県南の守谷市で2100ベクレルと規制値を上回る値が観測され、放射性物質が全県的に飛散している状況が明らかになった。」

ニュースでは日々自称専門家が「野菜は洗えば大丈夫」などと言っていますが、このホウレンソウの数値は洗浄後のものでした。厚生労働省はこんな通達を出していますね。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000014tr1-img/2r98520000015is5.pdf

よく洗ってから計測してこの数値なのですから、家でいくら洗っても対して減らないでしょう。既に土壌からの生態濃縮が始まってしまっているとも考えられます。

これは風評被害ではなく、単純に極めてリスキーな値でしょう?

3.レントゲン検査のような「外部被曝」と、水や食料からの「内部被曝」を一緒にしてよいのか?内部被曝では体から排出されるまで被曝を続けるのだぞ?

内部被曝というのは、放射性物質を体内に取り込んでしまって中から被曝することです。放射線の強さは距離の2条に反比例しますから、1mの距離から受ける外部被曝の値を1とすれば、0.1ミリの距離から受ける被曝線量は1億倍ということになりますね。福島の原発から直接出ている放射線などは、東京あたりでは問題にならない低さですが、問題なのは放射線を放出する放射性物質そのものが飛んで来ていたり、食品や水に混入して届いていることです。とりあえず内部被曝に関する割とわかりやすいソースを。
http://smc-japan.sakura.ne.jp/?p=1310

そして、飛散しているヨウ素などの検出自体にも相当量の誤差が認められるようですね。
http://d.hatena.ne.jp/T-norf/20110321/Radiogen2

またまた抜粋「測定データが大気中のどれだけの放射性物質を捕捉できているかという点がある。こちらの高度情報科学技術研究機構の情報によると、メイン核種となっているヨウ素についてはろ紙の素材や、ヨウ素がどのような化合物として存在しているか(化学式)次第で、10%~98%と結構幅があり、今、公表されている情報からだけでは判断がつかない。」

今回は発表されているデータ通りと信じるとしても、内部被曝のリスクも考慮に入れないと知らないうちに結構な被曝をしている可能性も否定出来ない。

ここで「今の状態は安全」と叫ぶ国や専門家でも認めざるを得ないチェルノブイリ事故後の小児甲状腺ガンについてのソースを見てみることにする。
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=09-03-01-12
http://www.cher9.to/jiko.html

「子供は最も傷つきやすい集団と考えられ、子供として被ばくした人々の中に甲状腺ガンのかなりの増加が事故の後、記録されている。1992年~2002年まで、ベラルーシ、ロシア、ウクライナで、事故のとき子供か青年(0-18才)の甲状腺ガンが4000例以上診断され、0-14才が3000例以上ある (表4)。チェルノブイリによる甲状腺ガン発生の増加は、長期のリスクの大きさを定量化するのは困難であるが、長い年月続くであろう。」

やはり子供の方が影響を受けやすいというのは事実のようだ。大人の何倍影響を受けやすいかまではわからないが、少なくとも15歳未満の子供がいる家庭は、水と食物には最大限注意をしてあげるべきだろう。

「しかし、多くの研究は方法論的限界を持ち、統計的力に欠けている。それ故、現在、甲状腺ガンを除く、白血病とガンの発生が、汚染地区の子供、胎児期に被ばくした人々、成人居住者に増加しているという確信できる証拠は無い。しかし、大部分の固形ガンに対しては、潜伏期間が、白血病及び甲状腺ガンより長く-10~15年以上-事故の放射線学的影響を完全に評価するには早すぎる。」

事故から20年以上が経過したチェルノブイリ事故ですら、統計が取りづらいという理由で統計学的な評価を下すには早すぎるとしているのに、TVに出てくる専門家は一体何を根拠に「このくらいの数値なら安全です」と言い切れるのだろう?

また、放射性ヨウ素の乳幼児への影響は大人の10倍程度という説もある。明確なソースがないので確証は得られないとしても、「安全寄り」に考えるならば、内部被曝の影響は発表値の2倍~10倍あるものとして考えるべき。


4.東大病院放射線治療チームが前提としている事は正しいのだろうか?

ここでは敢えて「今のレベルなら安全」と言っている専門家側の意見を載せてみます。
東大病院放射線治療チームの人のブログトップ:http://tnakagawa.exblog.jp/
その人の「福島原発における放射性被ばくの解説」:http://tnakagawa.exblog.jp/15135529/
同「水道水中のヨウ素からの被ばくについて」:http://tnakagawa.exblog.jp/15135758/

東大病院の研究者?の言う事だし、これを読んでると何だか大丈夫そうな気がしてきます。少なくとも東電や保安院の発表よりは具体的ですしね。しかし、私が気になったのはこの文章でした。

「大前提として、人体に影響の出てくると言われている被ばく量100ミリシーベルト(累積)に比べると、今水道水中の放射性ヨウ素からの被ばく量は、【水道水中のヨウ素からの被ばくについて】で示したように、健康に影響を与えるレベルではないことを重ねてご理解頂ければと思います。」

大前提の根拠が「言われている」なんですよ。これでは証拠にならないなと思っていたら、29日の記事で以下の記述が出てきました。

「「確率的影響」=「発がん」が起こる確率は、ごくわずかな量の被ばくであっても上昇し、被ばくした放射線の量に応じて増加すると考えられています。これ以下の線量であれば、大丈夫という“境目”=「しきい値(閾値)」がないのです。しかし、実効線量で100~150mSv(ミリシーベルト)未満の放射線被ばく(蓄積)では、発がんの確率が増すかどうか、はっきりした証拠はありません。」

実効線量100mSv未満の被曝で発ガンの可能性が増す証拠がない=それ以下なら浴びても安全である ですか?前述の通りチェルノブイリ事故ですら統計が取りづらくてまだ結論を出すには早いというのに、データが集まっていないから発ガンのリスクが増すかどうかわからず、わからないから安全だと言うのですか?

被曝の一番恐ろしいのがこの晩発性のガンや白血病です。被曝から10年以上経ってからガンや白血病になったとして、それが被曝によるものなのかどうかは身体を調べてもわかりません。ガンはガンであって原因など示してはくれないからです。原爆や原発事故の時にすぐ近くにいて、かなり大量の被曝(それが100mSv以上なのでしょう)をしたとされる人々のその後のガン発生率と、被曝していないと思われるその他の人々のガン発生率を比較すれば、被曝によるガン発生率がどの程度あるかがわかるのでしょうが、それ未満の低線量被曝(やはり100mSv未満)については、そもそも誰がどの程度被曝したかがよくわからない上に、国も経過観察を最初からしないのですから、ガン発生率にどの程度の差が出るかなんていくら待ってもわかるわけがありません。だって調べていないのですから。

調べていないからデータがない→データがないから証拠がない→証拠がないから安全だ

こんな論理で「ここまでは大丈夫」なんて言われても納得がいきませんよね。

そう思って調べていたら以下の動画にぶつかりました。長いですが心配な人は観るべきです。
東大病院に対抗するわけではありませんが、小出氏は京都大学原子炉実験所の助教です。
小出裕章さん『隠される原子力』:http://www.youtube.com/watch?v=4gFxKiOGSDk&feature=player_embedded#at=4585

この動画の1時間2分頃から「BEIR-Ⅶ報告」というのが出てきます。これを調べてみたらTVの嘘がいよいよ明らかになった気がしました。

このBEIR-Ⅶ報告というのは、米国科学アカデミーBEIR委員会報告書のことで、2005年に出されたものがⅦです。

BEIR-Ⅶ報告の全体の翻訳(リンク先のページの下の方にある):http://www.shiminkagaku.org/radiation.html
一般向けの概要:http://archives.shiminkagaku.org/archives/radi-beir%20public%20new.pdf#search=%27BEIR%E2%85%A6%E5%A0%B1%E5%91%8A%27

この一般向けの概要の11ページあたりは良く読んだ方がいいと思います。

「BEIR Ⅶ生涯リスクモデルでは0.1Svの線量により100人中約1人にがん(固形がんか白血病)が発生すると予想でき、一方、他の原因では100人中約42人に固形がんや白血病が発生すると予想される。線量が低ければそれに比例してリスクは低くなる。例えば、0.01 Svの被曝では1000人に約1人ががんになると予想される。」


考えてみれば当たり前の話ですが、放射線被曝による影響に「しきい値(=境目)」なんかありません。100mSv未満の被曝についてはよく調べていないからわからないだけであって、「リスクは直線的なグラフで表せる」と言っているのがこの報告書の要旨です。

で、この報告書では、0.1Sv(=100mSv)で100人に1人がガン(固形ガンか白血病)0.01Sv(=10mSv)で1000人に1人がガンになると予想されると書いてありますね。一般公衆の線量限度が1mSvと言われていますが、計算上は1万人に1人が被曝を原因としたガンになるということですね。確かにそのくらいなら十分あり得ると思いますね。

5.ここまでのまとめ

ソースを貼り切れない部分もありますが、自分のブレインストーミングのようなものなので中間的にまとめさせていただきます。

・BEIR-Ⅶ報告を信用すると、1mSvの被曝で1万人に1人が将来ガンになると予想される。
・水や食物を摂取する事による内部被曝の影響は外部被曝と合わせて2倍~10倍程度のリスクを考慮しておくべき。
・短期的には放射性ヨウ素(ヨウ素131)、中長期的には放射性セシウム(セシウム137)の数値をチェックしておくべき。


そうは言われても、シーベルトだのグレイだのベクレルだのと、異なる単位が混在していて素人にはよくわからない。そこで便利なのが以下のサイトです。

ブラウザで動く放射線・放射能の単位換算ツールhttp://hp.vector.co.jp/authors/VA047235/radiation.html

これは確かに簡易版なので誤差もあるでしょうが、試しに東京の金町浄水場で計測された放射性ヨウ素が210Bq/L(ツール内ではbq/kgを選びます)という数値を入力してみます。飲料水だけなら668g/日とされていますが、成人が摂取する1日あたりの「水分量」は約2Lと言われていますから、米を炊いたり煮物を煮詰めたりする事も含めて、この水道水2L分を摂取するものとして「別途入力量を毎日摂取」を選択して、量を2000gとして換算してみます。すると出るのが「0.0092mSv/d(ミリ・シーベルト/日)」です。

約0.01mSvの被曝と考えると大した事はないように感じますが、1mSvで1万人に1人がガンになるというBEIR-Ⅶ報告から換算すると、たった1日の摂取で100万人に1人が将来ガンになると考えられます。これは内部被曝による2倍~10倍の影響を考慮「しない条件で」です。

発表が翌日だか2日後だったので私は飲んでしまいました。都民のほとんどもそうでしょう。すると、乳児への摂取制限が発表された23区の人口をざっくり600万人(本当はもっと多いかも)と仮定しても

わずか1日で100万人中6人以上が将来ガンになると予想されます。医療被曝のようにメリットのある被曝とは異なります。原発の安全設計が甘く、国の対応が鈍かったせいで、都内だけでも6人以上が本来なるはずではなかったガンに将来冒されると予想されてしまう事が問題なのです。

放射性ヨウ素の乳幼児への影響が10倍と仮定してしまうと、子供の水分摂取量を大人の半分の1L/日と仮定しても、20万人の乳幼児に1人が将来ガンになる危険性があるわけです。何度も言いますが一体どこが安全なのでしょうか?


もちろん、全身被曝と部分被曝は異なりますが、そもそも放射性ヨウ素というのは甲状腺に溜まって甲状腺のみ集中的に被曝させる(2ミリ程度でα派が止まるらしい)物質です。将来小児甲状腺ガンが数名~数十名出ても、その時の政府はこれを調べないかもしれません。誰かが調べて公表しても、「2011年の原発事故との因果関係は証明されていない」と言うかもしれません。何しろ具体的な被曝量を調べられないのですから、前述の通り、調べていないから証拠がなく、証拠がないから安全という暴論が繰り返されるだけなのかもしれません。0歳と2歳の子供がいる身としては、これを非常に懸念しています。

6.短期的な放射性ヨウ素に対する防御策

私が原発を本気で心配し始めたのは水蒸気爆発以降なのですが、放射性物質の飛散の危険性を子供がいる友人に伝えた時にありがちな反応が、「水は出来るだけペットボトルのものにするけど限界がある。一体どうしろと言うんだ?」というネガティブな反応です。気持ちはよくわかりますし心配しすぎなのかもしれません。私も「一体どうすればいいんだ?」と本気で悩みました。ただ悩んでいても仕方ないので調べてみました。

よくわかる原子力(ヨウ素剤の摂取に関するQ&A参照):http://www.nuketext.org/manual.html#qanda

要するに「汚染されていないヨウ素で甲状腺を満タンにしておけば、放射性ヨウ素を摂取してしまっても吸収されずに排出されるので影響がほとんどない」ということです。私は福島の原発事故は今後も長い期間収まらないと見ていますので、既に子供に被曝させてしまった分は諦めるとして、今後も空気・水道水・食物に混入し続けるであろう放射性ヨウ素による被曝をこれ以上子供にさせたくありません。これに関する私の考えは以下の通り。

3歳未満の子供に一時的に摂取させたいヨウ素量は25mgとされています。一旦満タンにした後は、代謝によって減る分を補えば常に満タンにしておけばよいわけです。甲状腺の治療にあえて放射性ヨウ素が使われる場合には、1週間前からヨウ素の摂取を控えるよう指示が出されるそうですから、甲状腺でヨウ素が消費されるのにかかる時間が1週間程度と考えると、1日あたり3~4mg程度消費されると考えられます。ならば2日目からはこの分だけ補給すれば良さそうですが、今後も呼吸などによってある程度は放射性ヨウ素を摂取してしまうでしょうから、正常なヨウ素の摂取量を若干多めにしておいた方が、比率によって放射性ヨウ素の吸収量を少しは減らせるでしょう。ヨウ素の取り過ぎによる甲状腺障害のリスクを見ても、ガンになるよりはよほどマシだと判断して、5~8mg程度の摂取を続けさせた方が、子供も甲状腺が正常なヨウ素で満たされている状態が維持できてリスク低減になると思います。


とはいえ、日本ではヨウ素剤は簡単には手に入りません。ヨウ素剤以外でヨウ素を摂取するならどう考えても昆布が一番のようです。

ヨウ素の含有量:http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail680.html
昆布によるヨウ素摂取の有用性:http://algainternational.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/post-4a77.html

これに加えて、昆布のヨウ素含有量は通常の公表値よりも多いのではないかという意見も参考にします。子供にむやみやたらに大量のヨウ素を与えたいわけでもありませんので。

昆布のヨウ素含有量について:http://algainternational.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/post-15b6.html

どうせ何を信じるかは自分次第ですので、私はこの意見を信じる事にしました。再びまとめます。

・ワカメなどは水で戻す時点でヨウ素が水に溶け出してしまうので有用性はほとんどない。
・ヨウ素を50mg/日以上摂取すると甲状腺の病気のリスクが高まる。
・子供には初日だけ30mg、2日目からは5~8mgのヨウ素を摂取させたい。
・昆布の種類によってヨウ素含有量は異なるが、低い予想で1グラムあたり1.3mg程度、高い予想で6mg程度なので、中間を取って1グラムあたり3mgちょいと予想。
・昆布は20分水にさらせば90%のヨウ素が流出する。
・では、初日は10gの昆布から取った「だし汁」を子供に取らせ、2日目からは2gの昆布から取った「だし汁」を取らせ続ければ、放射性ヨウ素が甲状腺へ蓄積するのを防ぐ効果が期待でき、ヨウ素の取り過ぎによる甲状腺疾患になるリスクはほとんど増大させないで済むのではないか?


ヨウ素の摂取で防げるのは、放射性ヨウ素からの被曝のみです。半減期が30年もある放射性セシウムに対する中長期的な対策は今から考えなければなりません。

7.放射性セシウム(セシウム137)と生態濃縮に関する考察


前提として、放射性セシウムに関する説明は、Wikipediaのものが優れていると思います。

セシウム137:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%82%B7%E3%82%A6%E3%83%A0137

「生態濃縮」とは「ある種の化学物質が生態系での食物連鎖を経て生物体内に濃縮されてゆく現象(これもWikipediaから)」です。つまり、海水中や土壌中の濃度と、そこから採れる魚介類や野菜・牛乳などの濃度は大きく異なる事が多いわけです。ではどのくらい濃縮されるのでしょうか?

海洋生物のCs137の影響(3ページ参照):http://www.journalarchive.jst.go.jp/jnlpdf.php?cdjournal=radioisotopes1952&cdvol=48&noissue=4&startpage=266⟨=ja&from=jnlabstract

Wiki内に「生物濃縮により魚食性の高い魚種での高い濃縮度を示すデータが得られている」とあったので見てみたら3ページに魚類ごとに詳しく書いてありますね。よくわからない人も「平均濃縮係数」を見て、単純に○○倍になると思えば良いです。

カツオやブリなどの大型魚だと平均122倍に濃縮されるとなっていますね。他にもタラ・ホッケ・スズキなんかも高いです。

ちょうど魚類からの放射性セシウムの影響を試算してくれている方がいますのでそのサイトを見てみましょう。あくまでも試算ですので鵜呑みにはしないようにしましょう。ちなみにこの方は「今の数値ならそれほど心配はない」という立場の方のようです。

影響の試算:http://katukawa.com/?p=4198

で、よくある「健康に影響はない」とするニュースも貼っておきます。

日経の記事(3月30日付)

ヨウ素131やセシウム137に汚染された水は毎日増加傾向にあるようです。連日過去最高値が記録されていますね。で、例によって「専門家」が「ただちに魚介類や海藻に蓄積していくとは考えにくい」と、主観で考えを述べていますね。何だかどこかで見たパターンですね。

では、何度か放射能漏れを起こしているイギリスのセラフィールド再処理工場(日本も再処理してもらっていました)に関する記事を見てみます。

セラフィールド再処理工場による海洋汚染の実態:http://www.jca.apc.org/mihama/News/news65/news65cesium.htm

抜粋「魚介類・海草中のセシウム137濃度が下がらない原因は、堆積物中に蓄積したセシウムの海水への再移行が続いているからである。セラフィールドからの直接の放出ではなく、過去の放出によって堆積物中に蓄積したセシウム137が新たな放出源となり、アイリッシュ海の魚介類を汚染し続けているのである。」

どうもこの記事によるとかなり長期に渡って汚染が続くように思えますね。さらに注目したいのが(3)のあたりにある「日本・環境放射能」です。これはフォールアウト(米ソの大気圏核実験によって降り注いだ死の灰)による環境放射能レベルです。

海水が0.002Bq/kg、タラで0.1Bq/kgくらいが普通だったわけでしょう?それが暫定基準値では500Bq/kg(魚類)までOKって、平時の5000倍まで許容しておいてさも安全そうに言わないで欲しい。六ヶ所村への再処理工場設立の申請書でも、生態濃縮係数を勝手に30程度と低く見積もっているあたりが、原発推進団体は平気で嘘をつくことの証左に思えてなりません。

国の基準の500Bq/kgの魚類を平均値であるとする約83g/日食べ続けると、1年で0.2mSvの被曝をすることになります。前述のBEIR報告に当てはめれば5万人に1人がガンになる予想が立ちます。宝くじよりも随分高い確率ですが、やっぱり「安全寄りの基準」なんかではないですね。


しかもこの試算は内部被曝による影響を加味していません。風評被害だと言われようが何だろうが、少なくとも福島沖の魚介類を食べるのであれば、キチンと調べて平時と同じ0.1Bq/kg程度のセシウム濃度である事がはっきりしてからにしたいものです。とにかく国の基準が甘すぎてお話になりません。汚染の影響が大きいとされるアイリッシュ海の海水のセシウム濃度が0.2Bq/Lなのに、国は海水のセシウム濃度が90Bq/Lを安全基準としているなんて、安全性を全く信用できない基準です。

前述の生態濃縮についてのソース内には、1996年時点での海水のCs137濃度が書かれているのですが、福島が3.0mBq/Lとなっています。つまり0.003mBq/Lです。この数値はすぐ上のリンクの0.002mBq/Lと比較してもかけ離れておらず、事故前はそんなものであったのだと予想されます。で、今の数値なのですが、

少し古い3月24日のデータ:http://katukawa.com/?p=4154

30km離れた地点で低いところでも11Bq/L以上の数値が出ています。これだけでも平常時の3600倍以上の濃度なのですが、基準を上げて少ないように見せたから安全ですか?

原発の放水口付近の濃度なんて、上がり過ぎてしまって常にcm3(立方センチメートル)で表記してますね。1L換算にしたら1000倍しなければなりません。ニュースには多数の罠が隠されていると言えますね。というかもはや国・東電・保安院などの発表は信用できなくなってきました。例えばこのニュースを読んでどう思いますか?

放射性物質、再検査で不検出

全文「厚生労働省は1日、食品衛生法の暫定規制値を超える放射性セシウムが先月31日に検出された福島県天栄村産の牛肉について、同一個体の2検体を再検査をした結果、放射性物質は一切出なかったと発表した。元の検査過程に問題があった可能性が高く、汚染の疑いはないとみられる。
 1日に同一個体のもも肉とサーロインを改めて検査したが、ヨウ素131、セシウムのいずれも検出されなかった。
 31日の検査では、もも肉から規制値を10ベクレル上回る510ベクレルのセシウムが検出され、食肉で初めて規制値を超過した。厚労省は「検査過程を検証中」としている。」

31日の検査で「非常に甘い基準」すら超過してしまい、これでは風評被害(私は風評被害とは思いませんが)で売れなくなってしまって大変だからと、何箇所も微量の検体で再検査して不検出の結果を無理矢理出したのではないでしょうか?セシウムは筋肉に溜まりやすい物質ですから、同じもも肉やサーロインでも脂身を微量検査すれば不検出の部分があってもおかしくはないでしょう?

余計な事を書き過ぎてしまってまたまた眠くなってしまったので、ソースは後から貼りますので現時点で考えているまとめを書いておきます。肝心のキノコについての考察をまだ書いていませんね…

・放射性セシウムが濃縮されやすいのは、キノコ・牛乳・食肉・大型魚など
・特にキノコは平時でも日本人のセシウムによる年間被曝の3割を占めている
・「安全寄り」に考えるならば、上記の食品を購入する際には産地をよく確認し、北関東~東北原産のものは避けておくのが無難
・ハウス栽培のキノコなどならほとんど汚染がない可能性もあり、それまで売れなくなってしまうのは確かに風評被害だが、正確なデータをキチンと公表しない国が悪い。そもそも基準が甘すぎる。
・暫定基準値なんて表現はすぐにやめて、「重大事故時なので今だけはこの基準でやらせて欲しい。国際基準からすれば甘すぎるとの批判もあるだろうが、1年間食べ続けて5万人に1人がガンになる程度の割合(魚の場合)なので勘弁して欲しい」と発表すべき。当然売れなくなるだろうが仕方がない。「1日あたりに直せば1500万分の1以下の確率だから短期間なら危険性は少ない」とでも言えばいいだろう?



8.説得力が感じられるサイト

繰り返しになりますが、何を信じるかは人それぞれですから、福島原発の放射能漏れが政府や東電の発表通り「健康には影響のないレベル」で、空気にも水にも食物にも気にせず生活をしても良いと思われている方は、普段通り生活をすればよいと思います。私は自分なりに調べた結果の結論として、「少なくとも小さな子供に対しては、リスク重視の対応をしてあげるべきだ」と思いました。

主に参考にしているサイトを載せておきます。

海外在住の日本人の方のブログ:http://ex-skf-jp.blogspot.com/

中部大学武田邦彦教授のブログ:http://takedanet.com/

放射能・放射線測定値:http://matome.naver.jp/odai/2130014613548736301


いたずらに不安を煽るものではないというご意見も理解いたしますが、正しい情報を国民に伝えず、明らかに誤りと思われるような発表を繰り返している政府・東電・原子力安全・保安院・原子力安全委員会、及び「安全説」だけを支持する御用学者たち、中立な立場で両論を報道すべきなのに政府側の発表を鵜呑みにする形でしか報道をしない御用マスコミのやり方には問題があると思います。大人はともかくとして、子供には食べるものや住む場所を選ぶ自由はないのですから、低線量であっても不要な被曝は出来るだけ避けるべきだと思いますね。




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6 コメント

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Unknown (no holiday)
2011-04-07 17:11:58
横から失礼します。

放射能は危険との前提で書かれていると思うのですが、実は高濃度で至近距離以外での害というのものはほぼ無いのです。
炎みたいな感じです。


記事も読ませていただいていますが起訴されたら不起訴も起訴猶予も99%ダメならダメと同じで何万人に一人とかの数字は誤差の範囲内なのです。

チェルノブイリもスリーマイルも初期の研究者も若干白血病が増えるのかも知れないね。。
くらいのもので根拠のあるものが無いのです。

わかりやすいのが昔からあるセブンシスターズの構図でアメリカでウラン精製、日本で使用、フランスで処理。
とアメリカ、フランスが儲かる仕組みがあります。

放射能の危険性は確かに上で述べたようにありますが今それを逆手に世界中の投資家が日本から略奪のように金融市場をあさっています。

確かに国は100%信じられませんが参考にされているデータを危険を基にではなく中立でご覧になってください。
三億円宝くじ当選並みの数値であることがわかると思います。

これからもよろしくです。
ちなみに出頭要請?きましたが任意なら勘弁して♪といってことわりました。

メール代わりにつかってすいません。
返信する
Unknown (R)
2011-04-14 00:42:47
>何万人に一人とかの数字は誤差の範囲内
統計学の技術としては,その知見は有意なものであると考えます.
「現実として人間に影響が生じうる若しくは生じた」と言うのであれば,それはもはや統計学の前提不足,ないし濫用と言って差し支えないでしょう.

何のための分析でしょうか?
何のための数字でしょうか?

この定性的前提が不明瞭かつ不適当であれば,統計学による定量分析は,いくらでも誤った知見を提示できてしまいます.
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なるほど。 (rakuchi)
2011-04-14 00:51:51
>>no holidayさん Rさん

お二人とも現在のレベルの低線量被曝ならば有意な影響はないというお立場ですね。

低線量被曝について長期間におけるきちんとした追跡調査が行われた事はないと思います。低線量被曝と過剰ガンについての因果関係が立証されていないのは確かですが、立証されていないから安全というのは暴論だと思うのが私の見解です。

私はBEIR-Ⅶ報告のLNTモデルが真実に近いのではと思い、自分なりに計算してみただけです。誤った知見も含まれているでしょうが、私の知見が誤っていることの立証もまた不可能なのではないでしょうか?

http://takedanet.com/2011/04/post_14f6.html
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Unknown (hide)
2011-04-16 10:04:27
どこまでがリスクなのかは個人の判断なので触れませんが、明らかな間違いがあるので一言。

>採取の6日後の数値で336ベクレルもあるのです

それは違います。「採取時には336ベクレル/リットルだった」と推定しているのです。
核種の半減期に応じて計測時のカウントに係数をかけて試料採取時の放射活性を推定するのです。
だから、核種を間違えて半減期の極端に短いものと間違えると東電の誤発表のように異常に高い値になる訳です。
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ありがとうございます (rakuchi)
2011-04-16 11:55:55
>>hideさん

ご教授ありがとうございます。自分が誤解していた事がわかりましたのでその部分の記事は削除いたしました。
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放射線の健康へ ​の影響 (苦労人)
2011-07-28 23:34:43
専門化による参考人陳述です。
私は理系でそれなりにわかりますが、素人にはかなり難しい専門用語が出ています。ただ、この熱弁からなにが言いたいかわかると思います。もし、興味があったらご覧ください。

取り締まりと関係ないURLで申し訳ありません。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm15140556
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